遊☆戯☆王ーデュエルモンスターズー BattleCity   作:NONAME0195

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第3話 世界を知るHERO 後編 リメイク

4ターン目 雄輝 LP8000

 

「俺のターン!ドロー!」

 

さて……どうするか

 

フィールドにはガジェットモンスターが2体

 

まだ切り札は出てきていないが……

 

問題は、あの2枚の伏せカードだ

 

おそらくカウンター罠

 

俺の展開を妨害するカードか

それとも攻撃を妨害するカードか……

 

もしくは、その両方

 

ならば――

 

「手札から《E・HERO エアーマン》を攻撃表示で召喚!!」

 

突風がフィールドを駆け抜ける

 

その風を切り裂きながら、青きHEROが舞い降りた

 

────

 

《E・HERO エアーマン》

 

風属性

レベル4

ATK 1800

DEF 300

戦士族/効果

 

①:このカードが召喚・特殊召喚した時、以下の効果から1つを選択して発動できる

●自分フィールドの他の「HERO」モンスターの数まで、フィールドの魔法・罠カードを破壊する

●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える

 

────

 

「俺はデッキから《E・HERO バーストレディ》を手札に加える!」

 

カードを手札へ加えた俺は

黒機の伏せカードへ視線を向ける

 

「手札から《R-ライト・ジャスティス》発動!」

 

────

 

《R-ライト・ジャスティス》

 

通常魔法

 

①:自分フィールドの「E・HERO」カードの数だけ、フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する

 

────

 

「俺のフィールドには《E・HERO フェザーマン》と《E・HERO エアーマン》がいる!」

 

俺は黒機の伏せカードを指差す

 

「だから――2枚とも破壊する!!」

 

「なっ!?」

 

2枚の伏せカードが光に包まれる

 

次の瞬間――

 

バキィン!!

 

2枚のカードは、次々と砕け散った

 

よし!

 

これで、あとはモンスターだけだ!

 

「バトル!《E・HERO エアーマン》で《イエロー・ガジェット》を攻撃!!」

 

エアーマンが風を纏った拳を振り抜き

その一撃がイエロー・ガジェットを捉える

 

黄色い機械兵は大きく吹き飛び、そのままフィールドから消滅する

 

そして――

 

「ぐぅっ!」

 

衝撃が黒機の身体を襲った

 

黒機 LP8000 → 7400

 

「リバースカードを1枚伏せ、ターンエンド」

 

さて……

 

どう出るかな?

 

◇◇◇

 

5ターン目 黒機 LP7400

 

「俺のターン!ドロー!」

 

E・HEROデッキは

融合によって上級モンスターを特殊召喚するデッキ……

 

だからこそ、俺は

エアーマンの召喚時に《神の警告》を使わず温存した

 

先生が融合召喚を狙ってきた時に

確実に止めるために――

 

そのつもりだった

 

なのに……

 

まさか、そこまで読まれていたなんて

 

《R-ライト・ジャスティス》によって

《神の警告》も《聖なるバリア −ミラーフォース−》も破壊された

 

完全に俺の読みが外れた……

 

だけど――

 

「まだだ……」

 

フィールドには《レッド・ガジェット》が残っている

 

そして、俺の手札には――

 

ここからだ!

 

「手札から!《グリーン・ガジェット》を召喚!」

 

緑の装甲を身にまとった小型の機械兵が

金属音を響かせながらフィールドへ姿を現す

 

────

 

《グリーン・ガジェット》

 

地属性

レベル4

ATK 1400

DEF 600

機械族/効果

 

①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる

デッキから「レッド・ガジェット」1体を手札に加える

 

────

 

「効果により、《レッド・ガジェット》を手札に加える!!」

 

よし!

 

これで準備は整った!!

 

「フィールドの《グリーン・ガジェット》と《レッド・ガジェット》を墓地へ送り!!」

 

2体のガジェットが光の粒子となり

ひとつの巨大な機械のシルエットへと変わっていく

 

「破壊の機械提督よ!

三つの銃口に破壊の力を宿し、戦場を制圧せよ!

《起動提督デストロイリボルバー》召喚!!」

 

巨大な機械のシルエットが、ゆっくりとその姿を現す

 

────

 

《起動提督デストロイリボルバー》

 

地属性

レベル8

ATK 2500

DEF 2500

機械族/特殊召喚/効果

 

このカードは通常召喚できない

手札及び自分フィールドの表側表示のカードの中から、「ガジェット」モンスターカード2枚を墓地へ送った場合のみ特殊召喚できる

 

①:自分フィールドに「ガジェット」モンスターまたは装備カード扱いの「ガジェット」モンスターが存在する限り、このカードは戦闘・効果では破壊されない

 

②:1ターンに1度、このカード以外のフィールドのカード1枚を対象として発動できる

そのカードを破壊する

 

────

 

三つの巨大な銃口がフィールドへ向けられ

重厚な駆動音が響き渡った

 

「来たか……!」

 

先生は目の前のモンスターを見据える

 

「これが黒機の切り札か」

 

いや!!

 

「まだだ! 先生!!」

 

俺はさらにもう1枚のカードを掲げる

 

「手札の《レッド・ガジェット》と《イエロー・ガジェット》を墓地へ捨て!」

 

俺の手札から2枚のガジェットが墓地へ捨てられる

 

その瞬間――

 

フィールドに、もう一つの巨大なシルエットが浮かび上がっていく

 

「まだ終わりじゃない……!」

 

巨大な影が、ゆっくりとその姿を形作っていく

 

「鉄壁の装甲を誇る鋼鉄の要塞よ!

戦場を蹂躙する巨大なる機械兵よ!

今ここにその姿を現せ!

《マシンナーズ・フォートレス》召喚!!」

 

キャノン砲を背負った巨大な機械兵が

轟音を響かせながら姿を現す

 

────

 

《マシンナーズ・フォートレス》

 

地属性

レベル7

ATK 2500

DEF 1600

機械族/効果

 

①:このカードはレベルの合計が8以上になるように手札の機械族モンスターを捨てて、手札・墓地から特殊召喚できる

(自身を捨てた場合、墓地から特殊召喚する)

 

②:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカードを対象として発動した相手モンスターの効果が適用される際に、相手の手札を確認し、その中からカード1枚を選んで捨てる

 

③:このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた場合、相手フィールドのカード1枚を対象として発動する

その相手のカードを破壊する

 

────

 

「これが……俺の切り札!

そして、最大火力だ!!」

 

黒機はデストロイリボルバーを指差す

 

「《起動提督デストロイリボルバー》の効果発動!!《E・HERO エアーマン》を破壊する!」

 

三つの巨大な銃口が

一斉にエアーマンへ向けられる

 

次の瞬間――

 

ドドドドン!!

 

三つの銃口から弾丸が撃ち出され

エアーマンを撃ち抜いた

 

「よし! これでフェザーマンだけだ!!」

 

残るモンスターは、フェザーマン一体

 

なら、このまま一気に――

 

「バトル!! いけ!

《起動提督デストロイリボルバー》!!

三連装の銃口から破壊の弾丸を放て!

マシンガンズ・バースト!!」

 

三つの銃口が

今度はフェザーマンへと向けられる

 

「よし! これで先生にダメージが……っ」

 

その瞬間――

 

「リバースカードオープン!

《異次元トンネル-ミラーゲート-》!!」

 

「!?」

 

────

 

《異次元トンネル-ミラーゲート-》

 

通常罠

 

自分フィールド上に表側表示で存在する「E・HERO」と名のついたモンスターを攻撃対象にした相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる

相手の攻撃モンスターと攻撃対象となった自分モンスターのコントロールを入れ替えてダメージ計算を行う

このターンのエンドフェイズ時までコントロールを入れ替えたモンスターのコントロールを得る

 

────

 

フェザーマンと《起動提督デストロイリボルバー》の前に

 

巨大な鏡が出現する

 

鏡は眩い光を放ち――

 

「くっ……!」

 

俺は思わず目を閉じる

 

そして、目を開くと――

 

「なっ……!?」

 

目の前には《E・HERO フェザーマン》

 

そして先生のフィールドには――

 

俺の《起動提督デストロイリボルバー》がいた

 

そして――

 

俺の切り札

《起動提督デストロイリボルバー》が

 

俺のフィールドにいる《E・HERO フェザーマン》に攻撃を仕掛ける

 

無数の弾丸がフェザーマンを襲い

その余波が俺の身体をも撃ち抜く

 

「ぐっ!」

 

黒機 LP7400 → 5900

 

「…………」

 

俺はフィールドを見つめる

 

《マシンナーズ・フォートレス》

 

そして――

 

先生のフィールドへ戻っていく

《起動提督デストロイリボルバー》

 

「…………」

 

俺に残された選択肢は、一つしかなかった

 

「……ターンエンド」

 

だが、これでデストロイリボルバーは俺のフィールドへ戻る

 

それに対して先生のフィールドは更地だ

 

まだ俺の方が有利のはずなのに……

 

なんだ、この――

 

全てを見透かされているような感覚は!?

 

◇◇◇

 

周りのクラスメイトたちは

驚きを隠せずにいた

 

それもそうだよね

 

黒機くんは学年でも上位ランカー

 

それなのに――

 

まだ先生のライフを一度も削れていない

 

その一方で

先生は黒機くんの切り札を奪い

逆にダメージまで与えている

 

すると――

 

隣にいた瑠奈が驚いたように口を開いた

 

「先生すごい……

まるで黒機の戦略を全部見透かしてるみたい」

 

そんな瑠奈の言葉に

私は思わず苦い笑いを浮かべる

 

そうなんです

 

お兄ちゃんは昔からそんな感じなんです

 

本人に聞くと……

 

「いやいや、さすがに全部読んでるわけじゃねぇよ?」

 

なんて言ってたけどね

 

「相変わらずだなあ、お兄ちゃんは……」

 

そんな兄を見て、私は思わず口元を緩めていた

 

◇◇◇

 

6ターン目 雄輝 LP8000

 

「俺のターン!ドロー!」

 

黒機のフィールドに視線を移す

 

そこには《起動提督デストロイリボルバー》と《マシンナーズ・フォートレス》

 

2体の大型モンスター

 

だが――

 

このデュエル……ここで決める!

 

「手札から魔法カード!

《戦士の生還》を発動!」

 

────

 

《戦士の生還》

 

通常魔法

 

①:自分の墓地の戦士族モンスター1体を対象として発動できる

その戦士族モンスターを手札に加える

 

────

 

「俺は《E・HERO フェザーマン》を墓地から回収する!」

 

俺のデュエルディスクが淡く光る

 

墓地からフェザーマンのカードが手札へ戻ってきた

 

「いくぜ! 手札から《融合》を発動!!」

 

────

 

《融合》

 

通常魔法

 

①:自分の手札・フィールドのモンスターを融合素材とし

融合モンスター1体を融合召喚する

 

────

 

「手札の《E・HERO バーストレディ》と

《E・HERO フェザーマン》を融合素材とし!!」

 

2枚のカードが俺の手札から飛び出す

 

バーストレディとフェザーマンが

眩い光に包まれていく

 

そして――

 

融合の光が弾け飛ぶ

 

「炎を纏った翼を広げ!

現れろ!!《E・HERO フレイム・ウィングマン》!!」

 

光の中から一人の英雄が姿を現す

 

────

 

《E・HERO フレイム・ウィングマン》

 

風属性

レベル6

ATK 2100

DEF 1200

戦士族/融合/効果

 

「E・HERO フェザーマン」+「E・HERO バーストレディ」

 

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない

 

①:このカードが戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する

そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える

 

────

 

黒機は俺の《E・HERO フレイム・ウィングマン》を見て

声を上げる

 

「フレイム・ウィングマン!?

その攻撃力では俺のモンスターを倒せませんよ!?」

 

そう

 

《E・HERO フレイム・ウィングマン》の攻撃力は2100

 

それに対して

黒機のモンスターはどちらも2500

 

攻撃力では――

明らかに黒機が上

 

だが――

 

「教えてやるぜ」

 

俺はフレイム・ウィングマンを指差す

 

「HEROにはHEROに相応しい戦う舞台があるんだ!!」

 

俺は1枚のフィールド魔法を掲げる

 

「フィールド魔法!

《摩天楼-スカイスクレイパー-》を発動!!」

 

────

 

《摩天楼-スカイスクレイパー-》

 

フィールド魔法

 

①:「E・HERO」モンスターの攻撃力は

 

自身の攻撃力より高い攻撃力を持つモンスターに攻撃するダメージ計算時のみ1000アップする

 

────

 

その瞬間――

 

フィールドが一変する

 

無数の高層ビルが立ち並び

夜の摩天楼が俺たちの戦場を包み込んだ

 

そして――

 

フレイム・ウィングマンがその空を舞う

 

黒機の表情が変わった

 

「……攻撃力が、1000アップ……!?」

 

その声には

明らかな動揺が混じっていた

 

だがーー

 

「……いや」

 

小さく呟く

 

「落ち着け……」

 

一度、深く息を吐く

 

そして黒機は

《起動提督デストロイリボルバー》と

《マシンナーズ・フォートレス》へ視線を移した

 

……気づいたか

 

《摩天楼-スカイスクレイパー-》の効果が適用されるのは

E・HEROが攻撃するダメージ計算時

 

つまり――

 

黒機のターンになれば

フレイム・ウィングマンは2100に戻る

 

なら……

 

次の自分のターンで

フレイム・ウィングマンを破壊できる

 

……そう考えたんだろう

 

だけど――

 

「残念だったな、黒機」

 

俺は手札から

もう一枚のカードを取り出す

 

「手札から魔法カード!

《スカイスクレイパー・シュート》発動!!」

 

────

 

《スカイスクレイパー・シュート》

 

通常魔法

 

①:自分フィールドの「E・HERO」融合モンスター1体を対象として発動できる

そのモンスターより攻撃力が高い相手フィールドの表側表示モンスターを全て破壊する

その後、この効果で破壊され墓地へ送られたモンスターの内、元々の攻撃力が一番高いモンスターのその数値分のダメージを相手に与える

自分のフィールドゾーンに「摩天楼」フィールド魔法カードが存在する場合、相手に与えるダメージは、この効果で破壊され墓地へ送られたモンスター全ての元々の攻撃力の合計分となる

 

────

 

「俺は《E・HERO フレイム・ウィングマン》を対象にする!」

 

その瞬間――

 

黒機の目が大きく見開かれた

 

「……なっ!?」

 

俺はフレイム・ウィングマンへ視線を向ける

 

《摩天楼-スカイスクレイパー-》の効果が適用されるのは

E・HEROが攻撃するダメージ計算時

 

この効果の発動時には

フレイム・ウィングマンの攻撃力は2100のままだ

 

そして――

 

黒機のフィールドにいる

《起動提督デストロイリボルバー》と

《マシンナーズ・フォートレス》

 

その攻撃力は

どちらも2500

 

つまり――

 

「お前のフィールドにいるモンスターは

フレイム・ウィングマンより攻撃力が高い!」

 

俺は黒機のフィールドを指差す

 

「だから――」

 

一瞬の静寂

 

「2体とも破壊する!!」

 

その瞬間――

 

フレイム・ウィングマンが

夜空へと舞い上がった

 

月を背負い

その翼を大きく広げる

 

次の瞬間――

 

フレイム・ウィングマンが

一直線に急降下する

 

その右脚に

凄まじい力が集約されていく

 

「スカイスクレイパー・シュート!!」

 

ドゴォォォォン!!

 

フレイム・ウィングマンの蹴りが

《起動提督デストロイリボルバー》を真正面から捉える

 

ズガァァァン!!

 

その巨体を貫き――

 

勢いを止めることなく

 

その後ろにいた

《マシンナーズ・フォートレス》へと突き抜ける!!

 

ドガァァァァン!!

 

二体の大型モンスターが

一瞬にして吹き飛ばされ、衝撃が黒機のライフを襲う

 

「ぐおおおおおっ!!」

 

黒機LP5900→900

 

そして――

 

フレイム・ウィングマンは

そのまま空中で反転し

 

ゆっくりと地上へ降り立った

 

「…………」

 

静まり返るフィールド

 

そこには――

 

もう、黒機のモンスターは一体も残っていなかった

 

「……バトルフェイズだ」

 

俺は静かに黒機を見据える

 

そして――

 

「《E・HERO フレイム・ウィングマン》でダイレクトアタック!!」

 

フレイムウイングマンが僅かに残った

黒機のライフを削り切る

 

「ぐぅっ!」

 

黒機 LP 900→0

 

「……」

 

デュエルフィールドに

一瞬の静寂が訪れる

 

そして――

 

「うおおおおおおおおっ!!」

 

「先生すげぇ!!」

 

「黒機を倒したぞ!!」

 

「フレイム・ウィングマン、カッケェ!!」

 

周囲から一斉に歓声が上がる

 

俺はその歓声を聞きながら

ゆっくりと息を吐いた

 

……ふぅ

 

とりあえず勝てたな……

 

いや、実は負けたらどうしようとか思ってんだよな

 

初日に負けたら、威厳クソもねぇ

 

俺がそんなことを考えていると――

 

「先生」

 

黒機が声をかけてきた

 

俺が振り向くと

黒機はまっすぐ俺を見つめていた

 

「完敗です、先生……」

 

その表情には悔しさが滲んでいた

 

だが――

 

その目は、まっすぐ俺を見ている

 

「俺はもっと強くなります」

 

その言葉に、俺は小さく笑う

 

「また挑戦してもいいですか?」

 

俺は頷いた

 

「ああ、楽しみにしてる」

 

そして黒機を見据え――

 

「……次も負けないけどな!」

 

「……!」

 

黒機の表情が変わる

 

そして――

 

「望むところです!」

 

力強く頷いた

 

◇◇◇

 

九条 凛は静かに踵を返した

 

上位ランカーである黒機くんを相手に――

 

ライフを一度も削られることなく

無傷で勝利

 

その上……

 

まるで黒機くんの戦略を

全て見通していたかのような読み

 

……いや

 

先ほどのデュエルを思い返す

 

おそらく、全てを読んでいたわけではない

 

黒機くんが何をしてくるのかを

完璧に予測していたわけでもない

 

それでも――

 

常に最悪の展開を想定し

その中で最もリスクの少ない選択をしていた

 

読みというより……

 

「……リスク管理が、恐ろしく上手いですね」

 

そう考えると

先ほどのデュエルにも納得がいく

 

予想が外れても

致命傷にはならない

 

だからこそ

 

結果的に、全てを見通しているように見える

 

そして――

 

私はふと足を止めた

 

……それだけではない

 

神崎先生は今回のデュエルで

まだ本当の実力を出し切っていない

 

黒機くんのライフを一度も削らず

無傷で勝利した

 

それでも――

 

「……まだ、底が見えませんね」

 

私は小さく息を吐く

 

「……面白いですね」

 

そう呟いて

私はその場を後にした

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