遊☆戯☆王ーデュエルモンスターズー BattleCity   作:NONAME0195

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第4話「なんで隠してたの!?」

夕焼けが街をオレンジ色に染める。

 

デュエルアカデミアでの初日を終えた雄輝は、静かに玄関の扉を開けた。

 

「ただいま。」

 

その瞬間――

 

「お兄ちゃん!!」

 

ドタドタドタッ!!

 

廊下の奥から、勢いよく小町が飛び出してきた。

 

「た、ただいま?」

 

雄輝が言い終える前に、小町は目の前まで詰め寄る。

 

「ただいまじゃなーーーい!!」

 

ビシィッ!!

 

勢いよく指を突き付けた。

 

「なんで先生になるなんて黙ってたの!?」

 

「いや……。」

 

「いやじゃない!!」

 

小町は両手をぶんぶん振り回す。

 

「しかもさ!!」

 

「先週までアメリカにいたじゃん!!」

 

「帰ってきたばっかりじゃん!!」

 

「なんでいきなりアカデミアの先生やってんのさ!!」

 

「意味分かんないよーーー!!」

 

雄輝は苦笑いを浮かべながらソファへ腰を下ろす。

 

「まあ落ち着け。」

 

「落ち着けないよ!!」

 

「私、今日一日ずっと混乱してたんだから!!」

 

「朝は普通に『いってきます』って言ったよね!?」

 

「なのに学校行ったら教壇にお兄ちゃんが立ってるんだよ!?」

 

「心臓止まるかと思ったんだから!!」

 

雄輝は頭を掻いた。

 

「……悪かった。」

 

「でも。」

 

「言ったら面白くないだろ。」

 

一瞬の静寂。

 

小町はぷるぷる震え始める。

 

「…………。」

 

「その理由で黙ってたの?」

 

「まあ。」

 

「うがーーーーーーー!!!」

 

クッションを抱えてソファを叩く。

 

「サプライズにも限度があるよぉ!!」

 

雄輝は笑いを堪えながら、お茶を一口飲んだ。

 

小町は腕を組み、じーっと睨み続ける。

 

「……いいから説明して。」

 

「なんで先生になったの。」

 

雄輝は観念したように息を吐いた。

 

「……分かった。」

 

「話せば長くなるぞ。」

 

「いい。」

 

「聞く。」

 

雄輝は静かに目を閉じる。

 

「帰国した、その日のことだ。」

 

 

――数日前。

 

アメリカから帰国したばかりの雄輝は、一通の呼び出しを受けていた。

 

向かった先は、海馬コーポレーション本社。

 

街を見下ろす最上階の執務室。

 

大きな窓の前に、一人の男が立っていた。

 

「帰ったか。」

 

その声だけで分かる。

 

海馬瀬人。

 

デュエルシティを統括する海馬コーポレーション社長。

 

雄輝は肩をすくめる。

 

「帰ってきたその日に呼び出しですか。」

 

海馬は振り返ることなく口を開く。

 

「お前ほどのデュエリストを遊ばせておくのは惜しい。」

 

「デュエルアカデミアに席を用意した。」

 

「教師として、生徒を育てろ。」

 

雄輝は固まった。

 

「…………はい?」

 

数秒の沈黙。

 

「いやいやいや!」

 

「この歳で先生ですか!?」

 

「教育免許なんて持ってませんよ!?」

 

海馬は鼻で笑う。

 

「教育免許?」

 

「そんなもの、どうとでもなる。」

 

「それよりも。」

 

ようやく振り返り、雄輝を真っ直ぐ見据えた。

 

「世界で戦い、数々のデュエリストと戦ってきた。」

 

「その経験こそ、生徒たちに必要なものだ。」

 

雄輝は苦笑する。

 

「いやいや……。」

 

「暴論すぎません?」

 

海馬は表情一つ変えない。

 

「そうか。」

 

「なら断ればいい。」

 

「……え?」

 

雄輝が少し安堵した、その時だった。

 

海馬は再び窓の外へ視線を向ける。

 

「もっとも。」

 

「この街の実権を握っているのは、この俺だ。」

 

「その意味くらい、お前なら理解できるだろう。」

 

雄輝は額を押さえた。

 

「それもう脅しじゃねぇかァァァァ!!」

 

海馬はフッと口元だけを緩める。

 

「好きに受け取れ。」

 

「返事は明日までだ。」

 

雄輝は天井を仰ぐ。

 

「拒否権、ないじゃん……。」

 

 

場面は現在へ戻る。

 

小町はぽかんと口を開けていた。

 

「…………。」

 

「海馬社長らしいね。」

 

雄輝は深いため息をつく。

 

「俺もそう思う。」

 

「で、気付いたら教師になってた。」

 

小町はしばらく黙っていたが――

 

突然吹き出した。

 

「ぷっ……。」

 

「ふふっ。」

 

「アハハハハハ!!」

 

「お兄ちゃん、押し負けたんだ!」

 

「笑うな。」

 

「だって!」

 

「世界で戦ってきたデュエリストなのに、海馬社長には勝てなかったんだもん!」

 

雄輝は肩をすくめる。

 

「デュエルならともかく。」

 

「口では勝てん。」

 

兄妹の笑い声が、夕暮れの神崎家に響き渡った

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