それぞれに心境の変化をもたらしたジャンボリーシップは、ついに終わった。

みんな、よくやるもんだよ。

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10感を読んだら書きたくなってきました!!!
ま、ジャンボリーシップの後日談みたいな感じですわ
なんというか、マシーン・ヘッドの幽鬼と毒茸さん以外にも焦点を当てた感じの内容となっております

どうか、あなたの時間を少しだけ頂けると幸いです。
ぜひ、お楽しみください。


エブリシング・チェインジング

誰しもが、99を目前にして、変化していっている

なんとも皮肉なことだろう

 

(0/8)

 

幽鬼、藍里は共に真熊に乱射されたため、普通の人間なら間違いなく〈この人間は死んでいる〉と判断するほど、多数の銃創を作って。

 

真熊は、味方を殺害し、ゲームをただ終了させるために戦った時に負った傷……

脚をアーミーナイフで斬られ、ギリギリ致命傷にならないところを弾丸で撃ち抜かれて。

 

尸狼は……生きていた。

自身でもよくわかっていなかったそうな。

不発弾である。

抱き抱えた手榴弾は、爆発することなく。しかし、その後に入って来た娘達から攻撃を受けて。

 

鷹三は、必死になった。

避けきれず、スパナを顔面にモロに食らった。

正直、〈殺されるんだなぁ〉とは思ったが、自分でも有り得ないくらいの怒りで、周囲を鏖殺して。

 

毒茸は……無論、生きている。

なぜなら彼女は……

〈機械〉なのだから。

 

そうして……様々な〈変化〉を、プレイヤーに与えて、ジャンボリーシップの緞帳は、閉じるのであった。

 

(1/8)

 

ジャンボリーシップが与えたもの。

 

幽鬼には、〈完全なるプレイヤー〉としての心を。

藍里には、諦めることを。

真熊には、自分の無いものを手に入れて、人間として生きていこうとする精神を。

尸狼には、圧倒的な屈辱を。

鷹三には、自分の心の内を。

 

唯一、毒茸だけだろうか。

特に、変化がなかったのは。

 

(2/8)

 

幽鬼は、〈プレイヤー〉になった。

誰もが到達できないであろう、真の〈プレイヤー〉に。

 

如何なる状況でも、酷く冷え切り、冷静に、且つ冷徹に判断できる思考を。

身体の方は……

かの〈ファントムシーフ〉で、物部にぐちゃぐちゃに、そして機械にしてから、馴染む……という言い方は少し違うな…

 

扱い方を慣れてきていた。

 

今のところ、ほぼ支障なく動かせるわけだし、真熊に負わされた銃創の箇所も義体にしないといけないそうだが、今の私には正直関係なかった。

 

しかし、リハビリは必要になるだろう。

つまり、ブランクができる。

あんまり、ブランクは取りたくないんだけどなぁ…

 

この〈イイ〉感覚のまま、99へと到達したい。

 

しかしながら、幽鬼は祈ることしか出来なかった。

無事、早めにリハビリが終わりますように。

そして。

殺人鬼と出会いませんように。

 

ま、そうなったとて……

 

ボコすだけだがね。

 

(3/8)

 

藍里は、プレイヤーをやめた。

 

正直、まだやれるんじゃないかとは思った。

しかし、もうこの気持ちを変えてはならないとも思った。

 

次もし、幽鬼を戦うことがあるならば……

間違いなく負ける。

 

これに限っては回数の話ではない。

実力の差が激しすぎるのだ。

 

ジャンボリーシップにて、幽鬼は数百対一で勝ってのけた。

 

とる戦法が違う、考え方が違う。

あの時の幽鬼は、狂って見えた。

 

遺体の首を切断後、その首でもう1人を撲殺。

摩耶の服を剥ぎ、〈massacre〉と文字を書く。

 

普段の幽鬼……

藍里の知っている限りの幽鬼は、そのような事はしない。

あれは単に狂っていたのか、それともこちらの戦意を削ぐために行ったものなのか。

 

それすら、藍里には判別がつかない。

 

狂っていた。

と、私は幽鬼に対して言うが、しかしながら。

 

私はあの時の幽鬼が、輝いて見えた。

あの人だけ別次元にいるような、神がかって見えた。

 

別に、あの人みたいになりたいわけではない。

 

だから。

勇気ある決断をしよう。

 

1回のゲームでだいたい300万。

95回だと、2億8500万。

 

十分だ。悔いは無い。

 

(4/8)

 

私は、いい。

真熊は、もうゲームの事など考えていなかった。

〈協調性を、周りと共に生きる力が欲しい。〉

それは、〈レッドベア〉の総長をやめたとき既に、諦めていたことだった。

 

ゲームでも単独行動派であったので、ゲームの経験が協調性をつけることに繋がるとは思っていなかった。

実際、その通りである。

 

なるわけが無いのだ。

特に努力はしていないのだから。

 

すぐすぐには出来ないだろう。

就職しても、クビから転職を何度か繰り返すかもしれない。

 

なんなら、ゲームクリアの賞金で働かずに生きていくことだってできる。

 

でも、私は自分に無いものを手に入れる。

 

自分でも意外なことだったが、その方が性に合うのだろう。

そんな感覚がしていた。

 

ダメだったら、ただの勘違いだったら、ゲームの賞金で暮らせばいい。

 

もう、ゲームは、私の人生に既に必要のないものだ。

 

特に、惜しさも心残りもなかった。

強いて言うならば、

 

いや、なんでもない。

 

(5/8)

 

尸狼は、死んだ。

 

無論、体は生きている。

しかし、もう生きていたくない。

 

生きていても、私は何にもならない。

 

不発弾。

ただ1つ残っていた手榴弾は、〈デッキ1〉を幽鬼に浸水させられた時か、中の爆薬が湿っていたのだろう。

 

爆発しなかった。

 

尸狼はプライドが高い。自分でも理解している。

 

だから、〈殺される〉くらいなら、自分から〈死んでやる〉というように、自分で自分を無理やり納得させて、死のうとした。

 

しかし、運がいいのか悪いのか。

よりにもよって不発弾。

 

そして、私を追いかけていた2人組。

 

無論、部屋の中に入ってきた。

 

銃撃を浴びせられた。

腕は銃撃で千切れ、脚も撃たれ行動不能。

痛みは特になく。

 

あとどのくらい続くのだろう。

と、その時。

 

銃撃が止んだ。

なぜ?

 

そう、思った。

理解するのに時間がかかった。

 

目の前の娘たちの、引き金をカチャカチャする行為から、弾切れだと分かった。

 

不発弾に、弾切れ。

 

間違いなく私は悪運の持ち主だ。

神は私を死なせてはくれないらしい。

 

「さっさと殺せよ」と、神に、目の前の2人組に、言ってやりたかったのだが、声がでない。

 

足音がした。

扉の方を見ると。

 

松竹梅の松のやつ…

そう、玄松だったか。

 

後ろから敵2人の頭を撃ち抜く。

なんて、なんて悪運。

 

意識を失い、病院。

 

腕がない。ついでに、脚もなかった。

エージェントから聞かされた。

 

ちぎれた左腕は、細胞ごと焼けていて修復不可。

右脚、左膝下共に壊死。

 

腕と脚が、今の尸狼にはない。

 

それが、尸狼にとってどんなに辱めであったことか。

 

尸狼の心にはドロっと濁ったものすら残らず。

死にゆくのみだった。

 

(6/8)

 

鷹三は、五体満足であった。

スパナが飛んできた。

目の前にあった。

 

無論、顔面に衝突した。

鈍い痛み。

音が骨に響いてなんとも言えない不快感を覚える。

 

ま、顔面で良かった。後頭部なら危なかった。

 

正直、その時の鷹三に意識らしい意識は無い。

記憶がないからだ。

 

人類誰でもそうなのだろうが、私は痛みが嫌いだ。

それと。

 

鷹三の母親は、陰謀論などを信じるたちだった。

 

しばしば、地震は全部人工地震

だとか、

神様がどうのこうのとか。

 

鷹三はそれを見て育ってきた。

だからこそ、神とかが嫌いなわけだ。

だのに。

 

意識がフラついた瞬間、「どうか神様」と、思ってしまった。

痛みに対する不快感と、それとは比にならないくらいの、自分に対する不快感。

 

苛々を込めて、我を忘れて、アサルトライフルをぶっぱなしていた。

多分。

 

まあ、ほぼ確実だろう。

気づいた時─────────‪───────────

 

私に、鈍い痛みの不快感が無くなった、我に帰った時。

周りにいたはずの娘達が、弾痕を複数身体に作って、ぶっ倒れていたからだ。

 

しかしながら、鷹三の方も無傷ではなく。

焼けるような鋭い痛みが走った。

 

しかも、複数箇所から。

 

ああ、次はトブな、と思いながら。

鷹三は意識を失った。

 

最後に聞こえたのは、この船のものとは違う、運営のものとみられる……

船のエンジン音であった。

 

(7/8)

 

生きてるなぁ、それが毒茸の感想だった。

これまでのゲームでは、正直私を脅かすようなプレイヤーはいなかったので、実際に試すのは今回が初めてであった。

 

頭を撃ち抜かれても生きている。

通常、ありえないことであった。

 

どれだけ防腐処理が有能だろうと、ヘッドショットによる死亡はさすがに避けられない。

 

たしかに、すぐに幽鬼を追いかけてしまうというヘマはした訳だが、試せたので良し、というところだった。

 

チームからしたら大分迷惑という所もある程度は理解している。

 

ある程度はね。

 

毒茸は正直な陽気な方である。

他人に対してではない。

自分に対して。

 

ま、独り言が激しいような感じのやつだと思ってくれればいい。

 

生身の身体が気色悪い。

私は、ジャンボリーシップ開始時にそういった。

 

気色悪いのだ。

何故か、何時からかは全くわからない。

正直、身体が重くなって不便だなぁ、と感じることも多々ある。

 

しかし、生身だった頃の不快感に比べれば大したものでもない。

 

ゲーム終了後、私は運営の息がかかった、例の病院へ向かった。

数人の殺し屋を連れて。

 

殺し屋の方に関しては、淡姫さん殺害時に少し面識があったので、頼みやすかった。

 

皆がいる中で、ターゲットに殴りかかる、という作戦を伝えた時は無論抗議されたが、ゲームの息がかかってる病院だからと説明すると、何とか許してもらった。

 

病院にて。

 

「や。お父さん」

 

病院に向かった理由。それは─────────‪────────。

 

「ただ命をつなげればいいわけじゃない、プレイヤーとして戦えるようにならないといけないんだから。」

「そのためには、私の刹那的な力が必要だ。」

 

 

「“私が引き取るよ。彼女のことは。“」

 

 

私は手を上げて、軽く振り下ろした。

 

(8/8)


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