戦姫絶唱シンフォギア ~守護の剣は幼馴染を救いたい~ 作:きりやんやん
二課本部。
その一室に、立花響は少し緊張した面持ちで座っていた。
目の前のモニターには、巨大な人型兵装――シンフォギアの概要が映し出されている。
「つまり……私が昨日使った力は、シンフォギアっていうものなんですね」
響の問いに、櫻井了子は頷いた。
「そう。聖遺物と呼ばれる特殊な物質を、歌の力――フォニックゲインによって展開する戦闘装備」
「そして、あなたのガングニールは本来……」
了子は一瞬言葉を止める。
「適合者が存在しないとされていたものだった」
響は自分の胸元を見る。
そこには、二年前に埋め込まれたガングニールの欠片が存在している。
「じゃあ……どうして私が?」
「それを調べる必要がある。」
答えたのは弦十郎だった。
「だから君には、これから二課の協力者として活動してもらうことになる。」
「……はい!」
響は真っ直ぐ頷いた。
その隣では、海斗が静かに話を聞いていた。
「海斗君も、改めて確認しておく。」
弦十郎が視線を向ける。
「君は正式な隊員ではない。」
「分かっています。」
海斗は頷く。
「俺は民間協力者です。」
「必要な時に、できることをする。」
その言葉に、弦十郎は満足そうに笑った。
「それでいい。」
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「ところで……」
了子が海斗へ視線を向ける。
「アロンダイトについても、まだ調査途中なのよね。」
「はい。」
海斗の首元。
そこには小さな盾型の石になったアロンダイトの欠片がペンダントとして下がっている。
「正直に言うと、私でもまだ理解できていない。」
了子は興味深そうに続ける。
「聖遺物反応を示している。でも、構造が違う。」
「まるで……聖遺物を利用して、別の目的のために作られたみたいなのよね。」
海斗は少しだけ目を細める。
「……まだ、俺自身も全部理解できていませんから。」
「焦る必要はないわ。」
了子は笑った。
「ただ、興味深い存在なのは確かね。」
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その時。
部屋の扉が開く。
「お疲れ様。」
車椅子ではなく、自分の足で歩いて入ってきた少女。
天羽奏だった。
ただし、以前のように自由に動けるわけではない。
まだリハビリ途中。
腕や足にはサポーターが巻かれている。
「奏さん!?」
響が驚く。
「大丈夫なんですか?」
「大丈夫、大丈夫。」
奏は笑う。
「まだ自由には動けないけどね。」
「でも、できることはあるから。」
海斗は少し安心した。
原作と違い、奏が生きている事に。
「海斗君も。」
奏が笑顔を向ける。
「無茶しちゃ駄目だよ?」
「……。」
海斗は一瞬言葉に詰まる。
奏を助けた代償。
それを彼女は知らない。
「はい。」
結局、それだけしか言えなかった。
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数日後。
警報が鳴り響く。
《ノイズ反応確認!》
二課本部が一気に慌ただしくなる。
「出動する!」
弦十郎の声。
翼はすでに準備を終えていた。
「海斗君!」
「分かっています!」
海斗はペンダントを握る。
「行くぞ。」
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現場:港湾地区。
そこには複数のノイズが出現していた。
人々が逃げ惑っている。
「翼!」
「任せろ!」
翼は迷いなく前へ出る。
「天羽々斬!」
青い光が広がる。
翼がノイズを切り裂く。
その一方。
海斗は避難経路へ向かった。
「こっちは俺が守る!」
「Vox mea fit scutum, cor meum fit gladius──」
白銀の光が身体を包み込む。
「――Arondight!!」
白銀の装甲が展開する。
左腕には盾。
右手には聖剣。
しかし、海斗は敵へ突撃しない。
逃げ遅れた人々の前に立つ。
ノイズの攻撃を盾で受け止める。
「大丈夫です!俺が防ぎます!」
海斗は小さく笑う。
「それが俺の役目だから。」
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その時。
「きゃあっ!」
子供の叫び声。
一体のノイズが、避難途中の少女へ迫る。
海斗は向かおうとする。
しかし。
別のノイズが立ちはだかる。
「くっ……!」
その瞬間。
響が走り出した。
「待ってて!私が行く!」
海斗が叫ぶ。
「響!」
響は振り返る。
怖い。身体は震えている。
でも。
目の前の命を見捨てることはできなかった。
「私は……!」
「誰かを助けるために、この力をもらったんだから!」
胸の奥から歌が響く。
「――Balwisyall Nescell Gungnir tron」
オレンジ色の光。
白と黒とオレンジの衣服、装甲。
"ガングニール#が響を包む。
拳を握る。
そして。
少女へ迫るノイズを一撃で吹き飛ばした。
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こうして。
守護の剣と、戦う少女。
二人の本当の共闘が始まった。