プリキュアってそういう作品じゃねえから! 作:アルピ交通事務局
「ごめんなさいね……改めて話し合いがしたいのよ」
「別にいいぞ」
かれんに呼び出されたので家にやって来れば、改めて話し合いをしたいと言う。
そりゃそうだろうと思っているとかれんの元に青色の蝶が飛んできていてかれんはそれを薙ぎ払う。
「もう、あの日からずっとこんな調子よ」
「お前がプリキュアの適性があるからだから仕方ねえよ」
「今日、改めて話し合いをしたいのは……プリキュアとして戦うのはともかく、あの子達に力を貸した方がいいんじゃないかって」
良き心を持っているかれんは自分なりに色々と考えた結果、プリキュアとして戦う事はしないが協力した方がいいんじゃないのかと考えた。やっぱりそういう風に答えは行き着く……だからこそ、善性を持っている人間はめんどくせえし厄介だ。
「なんでそう思う?」
「だって、パルミエ王国って国が滅んだからそれを復活させたいってわざわざこの世界にやって来て……助広は戦争をして負けたんだから仕方が無いって言っているけれど、はいそうですかで割り切ることは出来ないわ」
「まぁ、だろうな」
「だろうなって、また他人事みたいに……私個人は力を貸したいと思っているのだけれど、危機的状況に追い詰められて自分が力を持っているからって事で酔いたくないの。助広から見て、どう思う?それと……白紙の原稿団ってなんなの?」
色々と考えたけれども個人的には力を貸してあげたいと、助けてあげたいと思っているが……それを冷静に誰かに見てほしいと考えている。特別な力がある!と分かってしまえば人はそれに無意識に依存してしまう。便利な力だから勝手に使って勝手に自分達が正義の味方だと勘違いしてしまう。
他の人に頼る、オレに一応は相談してみてどういう意見が聞けるのか。
少なくともかれんはオレの人間性を知っている。頭のネジが何本か狂っているオレを知っている、だからこそオレに意見を聞いてそういう風に考えたことは無かったという新しい考えを導く。
「んじゃまぁ、まず白紙の原稿団だが……オカルトに関する部署だと思えばいい」
「オカルト?」
「そう……オカルトって言っても色々とあるから魔法とか異世界とかそういう存在に対して対処する国を守るのと同時に異世界に対して色々と交渉する2つを合わせた感じの組織。一応は政府公認の組織で世間一般で言うところのオカルト関係の事件を主に担当している」
「オカルトなんて非科学的だわ……と言いたいれど、あれだけ見せられたら」
「そこが少し間違った認識をしている」
「どういうこと?」
オカルトに関する部署だと言えば胡散臭いなと感じているかれん。
実際にモノホンの魔法や異形の存在を見たから否定することは出来ないが、そもそもでそこが間違った認識をしている。
「例えば今の俺達の生活を支えているのは電気だ、電気によって様々な現象を起こしている……だが、電気以外のエネルギーを動力源にして様々な現象を起こしたりする既存の科学システムと異なる別枠の新しい学問があると認識している。イメージしづらいなら、同じ人間でも国が違えば意味は同じだけど喋っている言語が異なっている物だと同じ認識でいい」
「成る程、確かにそういう風に考えてみれば非科学的!と認識するんじゃなくて既存の科学とは別枠の方法で……」
「とある世界では科学技術で再現する事が出来る事が魔術、魔術以外で絶対に起こせない現象の事を魔法と言う……まぁ、コレに関しては割とどうでもいいことで、白紙の原稿団は日本に対して勝手に入ってきたりしているオカルト的な存在と戦ったりその手の存在に対してしっかりと外交をする。そんで俺は白紙の原稿団の団長だ」
「え、じゃあ……助広が一番偉いの!?」
「いや、違う……白紙の原稿団って政府の組織だけど取り扱っている事が事だけに表に出せない事も色々とある。特にオレは団長として最前線に立って異世界の住人を殺せと言われている」
「ころっ……うっ」
「リフレッシュするまで待ってやる。時間はまだまだあるんだ」
殺していると言ったらかれんはこの前の出来事を思い出す。
敵をハッキリと殺した事を覚えていてオレは特に表情を変えていないが、かれんにとっては悲惨な思い出であり……ハーブティーを飲んでリフレッシュする。
「ごめんなさい……助広は、そういうのが仕事なのね……」
「そういうのが主な仕事だ……白紙の原稿団は何人かが官僚として所属しているけど、基本的には外部委託。オレみたいに奨励会に行って将棋のプロを目指してる奴とか仙人とかアニオタとか……普段の生活とかがあって、クッソ難易度が高い官僚になる為の国家公務員試験をパスしている」
気持ちを落ち着けたので話を再開する。
白紙の原稿団は何人かが官僚として所属しているが、それ以外は外部委託と言うかプライベートの生活をしている。
「いざという時には緊急招集されるシステムで普段は好きな様に生活しとけって感じだ……何人かは積極的に異世界に対して色々とやってるけど、色々と公に出来ない」
「……なんで?」
「例えば目の前に指名手配犯が居て、そいつを捕まえたら立派な人と褒められる。だけど真夏に真冬でしかしない様な怪しい格好をしている人を見かけたとして、お前はどうする?」
「……怪しいなら調べる」
「はい、アウト!」
「え、なんで!?怪しいなら調べないと!」
もしもの問題を出したが予想通りアウトの答えを出した。
かれんはなにが悪いのかが全くと言って分かっていないのでオレは少しだけ呆れながらもちゃんと説明をする。
「あくまでも怪しいってだけで実際に何かをしたわけじゃない。仮に調べに調べて白だったら……お前がやった事は悪質なストーキングで出るところ出たら負ける」
「でも、怪しいんでしょ!?」
「そう、怪しい……仮にお前が警察官ならば適当にパトカーを近寄らせるだけで抑止力にはなる。でも怪しいからって四六時中見張って付き纏っていればそれはやっていい領分を越えてしまっている。もし仮にそれをやって本当になにもなかった真っ白だった場合はお前はどんな責任を取れる?」
「それは…………」
あくまでも怪しいのであって、黒色ではない。黒かもしれないであって実際は白だったりする。
それを判明させる為に限度が越えた調査をしたと言うのならば正義は終わってる。正義という言葉で振り翳した圧政だ。
「とにかく、事件が発生しなきゃ仕事がねえ……それは良いことと言えば良いことなんだけどな」
「難しいわね……でも、こうして事件は起きているわ。その場合はどうするの?」
「ん〜……まぁ、鎖国だな」
「え?」
「上の偉い人の方針としては初手で色々とやらかしてこっちの世界に色々と伝承とかが残ってる癖に今の今まで一向に外交に来なかった国の奴が勝手に来て中学生ぐらいの色々と敏感な心を持っている子供を色々と勘違いさせやがるんだからお前等とは交渉もなにもしたくねえからとっとと出て行ってくれって……話し合いをしたいならしたいけれども、それは向こう側が話し合いをしませんか?って言い出さない限りは鎖国及び討伐の方針だ」
日本の方針としては鎖国、そして敵対している奴等は討伐だ。
話し合いをするつもりがあるかないかで言えばあるにはあるが……向こう側が話し合いをしよう!と言い出さない限りは絶対に話し合いをしよう!とは言い出さない。
「外交関係に関してはオレはあくまでもそういう話し合いをする人と繋ぐのが仕事だから細かな事は知らんが、少なくとも……今起こっている事件って外患誘致罪ってちゃんとした法律に該当してるし、シンプルに密入国」
「話し合いはしてくれるのよね……だったらパルミエ王国を復活させてその後に」
「……あのよ、それ問題の先送りだぞ?」
「え?」
話し合いがしっかりと通じるが自分達からしっかりと話し合いをしたいと言い出さないといけない。
それが分かったのならば、かれんはこの前の4人+αと改めて色々と話し合いをして力を貸そう!となるが、結局の所はそれは問題の先送りであって根本的な解決でもなんでもない。
「あのよくわからん生物を集めたとして、パルミエ王国が復活する……けど、それだけだ。国の土地や国の人間が生き返るだけであって、襲ってこようとしていたナイトメアとか言う奴等が死ぬわけじゃない」
「!!」
「ナイトメアは1回、パルミエ王国を破壊したのならば願いを叶えてもまた襲撃をしてくる。そうなった場合は結局のところは殺すしかない」
「話し合いを、ナイトメアの人とも話し合いをしたいって言えば」
「……お前、残りの人生を全てパルミエ王国に捧げれるか?」
「……どういう、意味……」
まだまだ現実が見えていないところがあるから言っておかなきゃならねえなと残りの人生をパルミエ王国に捧げれるかと聞いた。
意味が全くと言って分かってない……どんだけ脳内がお花畑なんだよと呆れながらもしっかりと説明をする。
「ナイトメアとは和解は難しいし、停戦協定を結ぶ為にそれをするだけの抑止力が必要になる……ナイトメアを倒すことが出来る力を持っているのはプリキュアで、かれんはそのプリキュアになれる……今後の人生を復活したパルミエ王国が襲撃されない為にプリキュアと言う兵器になって抑止力にならなきゃいけねえ。何時ナイトメアが停戦協定を破るか分からねえから、お前はプリキュアって兵器になって戦い続ける人生になる。お前の人生をパルミエ王国防衛に捧げなきゃいけない」
「……そんな……」
「正義を貫くってのは、誰かを犠牲にすることでも悪い奴を倒すことでもなくて己自身の身を削って人助けをするって事だ。アンパンマンが教えてくれただろ?」
プリキュアになってパルミエ王国を!なんて考えているけれども、そんな上手い話は早々に無い。
やろうとしていることはいいことだけれども、いいことをしようとすると様々な試練が立ち向かってくる。そのせいで大抵の奴等はいい心を失ってしまう。
「敵のボスと分かり合う事が出来たとして、既に事件は起きている……誰がこの事件のケジメをつける?誰がこの事件の責任を取る?少なくともお前をプリキュアに誘った奴等はそっち系に関しては全くと言って考えてないだろう。自分達が自主的にしている事だからで誤魔化して揉み消そうとしているけど、現在異世界Aと異世界Bの戦争の戦場になってっから……タチ悪い事に物質的被害が全くと言って起こってないから……そのせいで感覚麻痺してるからな」
「……そう考えれば恐ろしいわね……私が抑止力……」
自分がプリキュアになるという事はパルミエ王国の兵器となり、ナイトメアの様な存在に対して襲われない為の抑止力になること。
プリキュアになるという事はそういう意味合いを込めていて……かれんの手が震えている。
「怖いか?」
「……ええ……助広は怖くないの?」
「怖いってよりは、めんどくせえ」
改めて異世界と戦争をしているんだなと認識をすれば怯えるかれん。
恐怖を抱いているかと聞けば素直に認めてオレが怖くはないのかと聞いてくるのでめんどくせえと答えた。その答えを聞いてかれんは驚いている。
「めんどくさいって、貴方」
「オレは戦う事に関してはそれなりに自信があるし、それを理由に白紙の原稿団団長に任命された。パルミエ王国の奴もナイトメアの奴も両方とも最初からそんな奴は居ませんでしたと言う状況にしたらスゲえ楽だ。でも、向こうにだって基本的人権はある。暴力で物事を解決しようとするんじゃなくて話し合いを用いて交渉してくるならそこはオレの領分じゃねえ……最初から全員を血祭りに上げていいならそっちの方を選ぶけど、色々と手順を踏まなきゃ出来ねえのよ」
「……助広」
「なんだ?」
「……イカれているわ」
「当たり前だ。オレは秩序を持った悪人だぞ?頭のネジが何本か抜けててイカれている」
オレの事をイカれている人間だとハッキリと言っているが、オレがイカれている人間なぐらいは自覚はある。
秩序を持った悪人で、頭のネジがイカれている……
「オレの事を嫌いになったのなればなればいい。白紙の原稿団の仕事は日本が平穏である為に異世界の住人や一部の人間は犠牲になってくれって考えだ……もっといい方法がある!って考えを持っているのならば逆に教えてほしい。オレも人間の醜い悪意をたっぷりと教えれるからよ」
「っ……」
ニヤリと笑みを浮かべると禍々しい闇がオレから発せられる。
感情と一緒に力が出てしまうからまだまだ未熟だなと思いつつも紅茶を啜り改めて聞く。
「どうすんの?」
「……分からない、わ……パルミエ王国を助けたいって思いは本物だけど、プリキュアと言う兵器になって抑止力にはなりたいとは思っていない。異世界との戦争をしたいわけじゃないけれど、あの時の様子から見て向こうは話し合いを応じるつもりは無いし……私だけでどうにかする事が出来る事件じゃないわ……パルミエ王国を助けると決めて、プリキュアにならないなんて都合のいい時だけ顔を変えるなんて真似は出来ないし……」
最初はプリキュアになろうとか色々と考えていたけれども改めて色々と言われた事でかれんに迷いが生じている。
迷いがある奴は弱い……今の内に強い心を宿しておかなきゃ、後で痛い目に遭うだろう。
「……一度、その蝶に触れてみれば?」
本当は助けたいと思っているけれども、様々な理由で邪魔になっている。
自分の本心を知りたいのであればやることは1つ、さっきから何度も何度もかれんに干渉しようとしている青色の蝶。かれんにプリキュアになってほしいと思っており……かれんはゴクリと息を飲み込んだ。
「助けたいと思っているわ……自分がやらなきゃダメって思っているんじゃなくて純粋な思いで……でも、やり方は1つだけじゃないはずよ!」
かれんはそういうと青色の蝶に触れた。すると青色の蝶はブレスレットに変身した……
「プリキュアメタモルフォーゼ……青き知性の泉!キュアアクア!」
別名、キュアババア。
かれんはプリキュアに変身する事が出来た……自分でもこんな事が出来たのだと驚いているが直ぐに受け入れて変身を解除する。
「……力は手に入れた。けど、どうする?」
「……私は白紙の原稿団に付くわ。こまち達は倒すってやり方をしていたり、さっきの私みたいに色々と考えていない。4人のリーダーになってって思ったけれど、きっとそれだとこまち達と意見が食い違って何処かで対立するわ……それに」
「それに?」
「助広を放置していたらなにをしだすのかが全くと言ってわからないわ」
「……オレは問題児じゃねえ!」
「いいえ、問題児よ!私が側に居ないと絶対になにかやらかすわ!助広は私が居ないとダメなんだから!」
──────────────────────────────────────
「ふむ、やはりそうですか」
「なにがだ?」
ナイトメアの本拠地的なところで地獄の傀儡師がプリキュアが戦っている映像を見て頷いていた。
既に確信していることではあったが、こうして映像として見ることで周りにも分かりやすい様に理解がされる。
「プリキュア及びドリームコレットについてです……どうやらプリキュアに変身する事が出来ている彼女達が人間的な意味合いで成長する事でピンキーが呼応する形でやって来る様です」
「そんな事は分かっている。成果が全くと言って上がっていない……どうするつもりだ?」
「ええ、彼女達は正義の味方な様ですので……正義の味方らしく、己の身を削って貰おうと思いましてね……」
白紙の原稿団の1人、地獄の傀儡師は良からぬ事を企んでいた。
取り敢えず言おう、プリキュアってそういう作品じゃねえからな!と