フェルズに連れられアーディはダンジョン20階層に来た。
「ここだ」
そう言うフェルズの前には壁しか無く、あるとすれば石英が1つあるだけだった、フェルズはその石英を砕くと壁がガラガラと崩れ落ち隠し通路が現れる。
「未開拓領域、こんな隠し通路があったんだ…………」
「我々にとっては永遠に見つからなければ良いと思っている」『我々とは?』
「行けば分かる」
ケレブリンボールの問にフェルズはそう答え先に進む。暫く進んだ後フェルズは足を止める。
「ここだ」
「ここだって…………何もないし…………」
アーディはそう言い周りを見るがその目が段々と鋭くなっていく。
『見られているな、それも数十、人の気があるがそれ以外の気も混じっている。奇妙な視線だな』
「紹介しよう。我々が抱える最大の秘密にして秘匿戦力、【異端児】達だ」
何時の間にかアーディは複数のモンスターに囲まれていた。
「ゼノス?普通のモンスターと違うの?」
「オレっち達は理知を宿したモンスターだ、宜しくなアーっち、オレっちはリド」
「…………アーディ・ヴァルマ」
アーディは紹介と共に右手を差し出しリドは一瞬その瞳を大きく見開きゆっくりとその手を握った。
「アーっちはオレっち達が怖くないのか?」
「う〜ん、もうそんな感覚麻痺しちゃったかな、私殺されても死なないからさ」
「そうか、ある意味でアーっちも俺達と同じかも知れないな」
『理知を持つモンスターか、世間に知られれば大騒ぎになるな、下手をすれば地上が戦火に包まれるな』
「そうだ、故に我々は秘匿している。彼らの存在は劇物極まりない」
「……………………それで、何で私をここに呼んだの?」
「君の力の下に彼らを解放してほしい」
「私の力?」
『支配の力の事だろう』
「そうだ、君が支配しているモンスターと言う艇で彼らを外に出してやってほしい」
「そんな事急に言われても…………」
『いや、良い案かもしれない』
「ケレブリンボール…………」
『今までは君が【支配】した全てのモンスターに指示を出していた。しかしそこに【隊長】を挟む事で此方の負担を減らす事が出来る。我々にとっても良い提案だ』
「分かった、受け入れるよ、取り敢えず皆には【ガネーシャ・ファミリア】のエンブレムを付けてもらって周知させる為に街を一回りしてもらう事になるけど」
「「「「………………………………」」」」
「あれ?何か問題あった?」
「い、良いや、ただちょっといきなりの事で混乱してる。急に外に出てもいいって言われてもな…………」
「まぁ私としてはどうでも良いけど、外出たいなら何時でも手を貸すよ、その分此方にも手を貸してもらうけど」
「ひとまずいきなり大人数で動くのは目立つ上に他にも問題を抱えている。もう少し待ってほしい」
「………………………………分かったよ」
と、こうしてアーディと異端児達の初対面は終わった。