メンタル充電中、メンタル充電中。
やる気スイッチ紛失中。
「だあああー」
小説を書く事をサボると気持ちが良い。
寝て起きてを繰り返す毎日も同じく気持ちが良い。
一人暮らしなのに家賃とか水道光熱費などを払わなくていい生活、こういうのを贅沢者って言うんだろうね。
カレンダーはもう面倒臭くなって気にしていない。
1ヶ月とか別にいいからさっさと経ってもいいよって感じ。
「俺、気がついたらテロリストのハイジャック小説書いてるかもしれない…」
この小説の飛行機2機に乗っていない方の人々。
真水の海が広がる男性と女性が少なく、恐らくその分だけTS高圧的幼女が沢山いる社会。
分断が生まれていると信じたくはない、高圧というだけで悪い事を想像したくもない。
別に飛行機2機を勝手に自分達の都合で壊すなよという思いもない。
「器量がね…足りねえんだよ…」
もう話の序盤から分かる、きっと結末は幸せだという想像。
本当はまだまだもっと掘り下げないといけない。
人という生き物の人生の経験はその全てが図みたいに一致していない。
偶々日本に生まれて、偶々お金持ちの家に生まれていなくて、偶々頭が悪くて勉強についていけなくて、偶々枠があったからそこで働いているだけ。
偶々は自分の意思で進み、偶然は何かに与えられたもの。
偶然ばかり手に入れた奴とは、数に差が出来れば偶々ばかりの人生の奴は追いつけやしない。
追いつけ追い越せの人生が疲れるから世の中の殆どの人はそういう事に対して興味もなく過ごしているんだろう。
いや、偶然も偶々も結局どっちも一緒なのかもな。
どっちも自分の人生の一部になるもんな。
「勝手に小説を書く器量とか上がらねえかな…」
器量の作り方ならインターネットに沢山転がってますよ、AIに相談してもいいですよだなんて事じゃない。
自分だ。
自分だけで自分だけの器量を育てたい。
イラストも描けないし漫画も描けない、一人が好きだし競争心も無い、ただの本に文字が書けてヤッターじゃない。
小説だ、俺は小説なんだよ。
これしか人生殆ど占めてない。
「小説アカウント50個くらいあったけど、全部消さないのが正解だったのかな…」
寝っ転がりながら小さな手でノートを触る。
自分の意思で自分の書いた小説を消す作業、それを少なくとも50回。
結局全部それは内部や外部からのメンタル攻撃に弱い俺のせいでもある。
自分で自分の事を虐める時もあるんだ、でもそれが俺の普通なんだよ、普通の事は変えられないんだ。
「頼りたくなかったな…」
現実には人がいた。
自分以外全員他人。
血が繋がっていようがいまいが結局全部自分以外他人。
俺の書いた小説に他人の意思を混ぜたくない、そういう奴だった。
だが今はどうだ、このメタバース世界でずっと本当に一人だ。
嫌がる必要は完全になくなっているし、そもそも周りに他人自体がいない。
腕時計を見る。
夕方だ。
手鏡1つ。
腕時計1つ。
カレンダー1つ。
ノート1冊。
ペン1つ。
飛行機2機。
真水。
すだち。
メニューから所持アイテムを眺める。
この状態から何かを増やす必要を感じない。
メニューから検索をかければ沢山所持アイテム自体は増やせる。
でも違うんだよ、物欲の方向が違う。
「気分の落ち込みは、寝るか書くか…」
手鏡を出して黒目黒髪幼女な自分を見つめる。
メンタルがゆらゆらと揺れている、そんな顔だ。
「お前は何がしたいんだ?」
鏡の自分は答えない。
だから自分で答えるしかない。
「自分以外の他人に頼りたくない」
メタバースに勝手に逃げてきた癖に何言ってんだこいつ。
小説書きたいのもただの建前か?
「お前がしたい事は?」
したい事は夢を追う事。
その夢は自分で書いた小説を1つでいいから完成させる事。
「小説を完成させたい…」
手鏡から目を逸らしてしまった自分がいた。
結局お前の意思ってその程度なの?
再び手鏡の自分に対して目を合わせた。
「メタバースから出られてないけどどう思う?」
それは別にどうでもいい。
小説が書ける環境なら不満はない。
毎日メニューにログアウトがないかなとチェックするのにも飽きたしな。
「お前はずっとこのまま一人だぞ」
だから何?
いらないんだよ、自分以外の他人なんて。
好きでもないし嫌いでもない、深く興味もない。
「お前は狂ってる」
そんな筈はない。
小説を自由に書きたい事の何が悪い?
言ってみろよ。
「今日のお前は何をする?」
寝る。
後は小説書く。
別に強制されてないけどね、好きだから書くんだよ。
手鏡を所持アイテムの方へと仕舞い込んだ。
俺はハッピーエンドが好きだ、幸せな結末が好きだ。
きっとでは済ませられないそういう崩れ落ちる最後が好きだ。
この世には小説を書けない人が沢山いる。
この世には頭が悪い人が沢山いる。
この世には諦めきれないものが1つはある。
容姿、学歴、職歴、貯金、健康。
全てが優れていても、俺はそれを欲しがらない。
頼むよ、1つでいい。
1つでいいから小説を1つ完成させてくれ。
自分の味方は自分なんだぞ、何をやってんだお前は。
「小説を読むだけで満足してればよかったのに…」
自分のせいなんだよな。
読む側だけでよかったじゃん、何勝手に一人で書く側始めてんの?
小説を読むだけなら苦しまなくていいですよ。
辛くなくていいですよ、誰にでも優しいですよ。
正直言って俺は小説書くの下手くそだから、向いてないのはあると思う。
「そういえば、読むことから逃げて書く側になったんだったけ…」
俺は頭が悪い。
小説の内容が難しくなってくると頭が追いつかなくて、小説を読めなくなる。
分かりやすい漫画とアニメだけ追ってて、小説を読む事からは逃げた。
だって難しいからだ、話が文字を通して頭の中に入ってこない。
小説を読める人は賢い人だ、俺には無理だ。
出来ない事からは逃げたい、今だってずっとそうしている。
自分で自分を慰めるのは普通。
普通の事なら普通に出来る、ある程度はね。
「中々メンタル回復しねえなあ…」
他の人ってどうやって自分を励ましてるんだろう。
他人に興味ないからそういう知識は仕入れていない。
小説の事なら思いついたら書けるけども。
「んー…」
後もうちょいのんびりしたら、何か書いてみようかねえ。
別に小説を読む事も書く事も悪くない、ここは自由だ。
ずっと自分で書いた小説を読み返している時もあるし、それが偶に新しい発見があったりしてそういう事が興味深くもあり面白くもあったりする。