外装幼女王   作:積み立てヨーグルト

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キラキラとしたビー玉の形をしたワールド移動アイテムを使ったその直後。

使った瞬間、俺は真っ暗な場所へと来ていた。

どらやら新しいメタバースへの移動自体は無事に済んだようだ。

とはいえここは…うん。

見えないね。

とにかく暗い、すっごく暗い。

 

「とりあえずアイテムリスト見るか…」

 

暗いことよりも先に気になっておく事を確かめる。

ワールド移動なんてログアウト出来ていなかった俺でも大丈夫かは運もあったのかもしれない。

危ない橋を渡って新天地へ、というやつだ。

初移動、こんなんじゃアイテムリストから全部消えててもおかしくないぞこれ。

そう思いつつ直感でメニューを操作して、アイテムリストを確認する。

あっ…。

 

「全部消えてるじゃん…」

 

オウ…。

アイテムリストまっさら、マジで何もない。

いや…よく考えたらメタバースの始まりってこうなのか。

だって最初の時も何もなかったじゃん。

確かそうだったよね?

手鏡とか…あっ、腕時計も消えてる。

後は何を持ってたっけ?

ああそういえばドールをなくしてたから取り戻してたな。

まあ全部消えたけど。

 

「やっぱり世の中そう上手くいかないよね」

 

ワールド移動アイテムの代償というよりかは一からメタバースがまた始まったというものだろう。

世の中というかここメタバースだな。

だよね?

まあいいけど。

ノートは置いてきて良かったと思う。

これで消えてたらめっちゃ悔しがってたと思うよ。

 

「さてと…」

 

今の状況はどうしようかねえ。

取り戻す光がないと何も見えないよね、どうせ真っ暗なだけの何もない世界だろうけど。

新しいメタバースなんだから当然だ。

 

「ふむ、何もない…」

 

何もない、何もない。

そうかそうか。

あの時は最初っからペンとノートを手に入れて小説に張り付いていたが…。

 

「…俺って一応小説を含めたクリエイターだよな」

 

少しは小説以外のクリエイター部分をメニューから色々試して遊んでみるか?

気分転換になるだろうし、何よりこの頭の中に残って置いてきたノートの小説の内容もスッキリさせておきたい。

別に深い意味はないよ、うん。

 

「そういえば新しいノートに小説を書けば2回ガチャとか言ってたな…」

 

どちらも並行してやる事は俺の頭では無理なので、先ずは遊んで気分転換からやってみようかな。

 

メニュー

キーワード検索

クリエイター活動

アイテムリスト

フォローリスト

アプリ開発

ファンボックス

 

メニューを直感で出して半透明の画面を目で見て操作する。

この暗い場所に先ずは明るさ…光を出す事から始めてみよう。

押した事がなかったクリエイター活動のボタンを押してみる。

 

『クリエイター活動へようこそ』

 

「お、おお…」

 

頭の中に機会音声が聞こえてきて思わず感動に近い声を出す。

多分だけど遠い昔に聞いたログインボーナスの時の声に似ている。

そういえば残念ながらこの新しいメタバースでのログインボーナスは無いのか、残念。

 

『サポート案内を開始しますか?』

 

「じゃあお願いします」

 

『受け付けました』

 

やべぇ、俺久し振りになんか人間的なやり取りしてるよ感動した。

独り言だけで過ごしてきたからなんかすっごい感動する。

何だろう、初めて同じ言葉喋れる人と会ったみたいな感じ。

サポート案内をしてくれるだなんて何で親切なんだろう、受けるしかないよね。

だってメタバースの事は殆ど何も知らないんだもの。

小説書ければ何でもいいやって感じで始めただけだし、懐かしいね。

 

『キーワード検索から好みの材料を揃えてアイテムリストに入れて下さい』

 

「へー」

 

キーワード検索から材料を選んでクリエイトか。

何だか凄いことやってる人みたいじゃん。

光を出すってんだからライトで検索かけてみるか。

 

 

 

「沢山有りすぎて選べねぇ…」

 

ライトでキーワード検索をすると膨大な数の3Dライトが見つかった。

姿形は様々なもので、白色から暖色、ブラックライトまである。

メタバースの検索数舐めてたぜ。

 

「そもそもライト自体が材料なんだろうか?」

 

完成されている3Dライト製品が材料?

んな訳ない。

多分キーワード検索の使い方が下手くそなんだ。

なら一旦材料で検索してみるか。

 

「はぁ?多過ぎんだろ…」

 

キーワード検索から材料で探した所、大量の3Dの材料が見つかった。

確かに見つかりはしたのだが…。

 

「ダメだ、さっばり分からん」

 

なんか精密機械を作る人とか大工さんなら分かりそうな3Dの部品が沢山ある。

俺には何が何やらさっぱりである。

これクリエイター活動の説明不十分だろ…。

いや、俺がポンコツクリエイターなだけか…。

 

『自動購入を追加されますか?』

 

いや、自動購入ってなんだよ。

あ、いやまてよ。

クリエイター初心者用のやつとかかな?

とりあえずやってみるか。

 

「お願いします」

 

『自動購入を受け付けました』

 

サポート案内に加えて自動購入まで受け入れて、俺はもう立派な初心者クリエイターじゃないかっ!

これで何かやればいいのか。

じゃあこれで本当に光を出すやつが作れそうかな?

勝手に揃えてくれるってサポート案内が言ってるし。

もういっそのこと太陽でも頼んじまうか。

太陽って作れるのかな?

 

『どれを希望されますか?』

 

「太陽…」

 

『アイテムリストに追加しました。作成時間完了までお待ち下さい』

 

んえぇっ出来るのかっ!?

王様でも出来ねえぞこんな事。

神だよ、神の所業だよこれ。

急いでアイテムリストに移動する。

 

アイテムリスト

【太陽(完了まで46億年)】

 

はあっ?

っておいっ!

よ、よよよ46億年っ!?

アホかーっ!

 

「な、長すぎんだろ…」

 

『追加のクリエイター活動を続けますか?』

 

そう、言われてもね…。

もういっそのこと月も希望してみるか。

なんかこの流れだと出来そうだよね。

 

「お願いします」

 

『どれを希望されますか?』

 

「月…」

 

『アイテムリストに追加しました。作成時間完了までお待ち下さい』

 

凄いな、やっぱり出来た。

いや、メタバースだからこそこんな所業が出来るのか?

メタバースを勝手に心の中で馬鹿にしてたのは謝る必要があるな。

だって過疎って廃れたとかネットで書いてたし…。

アイテムリストをまた見る。

 

アイテムリスト

【太陽(完了まで46億年)】

【月(完了まで46億年)】

 

こんな長い時間小説書き続けてたら絶対発狂する自信あるわ俺。

待ってらんねーよマジで。

うーん、どうすっか…。

 

「よく考えたら別に無機物じゃなくてもいいのか」

 

光を出す生物とかキーワード検索かけたらいそうだよね。

ほら…例えば蛍とかさ。

後はー、光るー、光るー、あっ。

提灯アンコウとかさ。

後はー…。

分からん…、そもそも思い出せないかも。

じゃあちょっとキーワード検索してみるか。

なんか楽しくなってきたな。

何だよ、小説書く以外の事もメタバースなら面白いじゃん。

俺は食わず嫌いしてただけだったのか。

 

新しいノートに小説を書けば2回ガチャだーとかそんなん良い事起きるかも分からんから後回し後回し。

クリエイター活動の初心者ムーブ、今のうちに楽しまないとなっ!

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