外装幼女王   作:積み立てヨーグルト

26 / 35
26

使い捨てのワールド移動アイテム。

使い捨てじゃない外装交換アイテム。

恐らく俺と同じメタバースの住民扱いであるどっちも可愛い蛍と提灯アンコウ。

地震後からそのまま変化なしの白黒を半分こな明るさが真逆のお墓が全部なくなった何もない地面。

メタバース同士が繋がるって不思議だよね、この世界はいつも俺の常識を超えてくるよな。

でもどうしてそうなったんだろう?

 

「んぉ…?」

 

それから暫くのことだ。

ある時寝て起きると、何故かアイテムリストに仕舞っていたドールから抱き枕にされていた。

う、動けねぇ…。

またなんかメタバースの中で勝手に何かが始まったのか?

 

『おはようございます』

 

「う…うん」

 

頭の中から声が聞こえたので、恐らく相手はこのドールだと思い反応を返した。

俺が返事を終えると捕まえていた俺を離してくれた。

提灯アンコウみたいになった気分だったぜ。

ドールは立ち上がると、俺の顔へとその真っ白な顔を向ける。

 

『クリエイター活動のサポート案内としてここに生まれました。宜しくお願いします』

 

「お、おう…」

 

メニューの中にはクリエイター活動がある。

その中でのサポート案内をおっけいした俺がいた事を覚えてはいたけど、まさかドールとして登場とは凄いな。

 

「アイテムリストに入れていた子だよね?」

 

『今入っている子ではないです』

 

「えっ?」

 

『ログインボーナスとして与えられていた者です』

 

「あっ。それって途中で何故か消えてしまっていたドールだよね」

 

『はい、そうです』

 

そう答えられたのでアイテムリストを確認してドールを確認する。

確かにこのドールではないようだ。

 

俺は起き上がって立ち上がると、背が低いながらもドールと向かい合う。

 

「どうして途中からアイテムリストから消えたんだろう?」

 

『分かりません。ですがメニューでのクリエイター活動のサポート案内を使い始めた事と、メタバースが合体して拡張された事が何か関係しているかもしれません』

 

凄い、会話が通じている。

これが雑談というものだろう、なんだか久しいもので感動している。

 

『他には、ドールが必要だと願ったからとかでしょうか。願いは時に力に変わると言われています』

 

「それは確かにそうだね、メタバースではそういう事もあるかも?」

 

『メタバースではなく、ワールドメタバースでは?最初にこの世界を作った時にはそう決められたらしいですが』

 

「あーうん、ごめん。それ全く覚えてない…。でもそうなんだ。これからはこの世界の事はワールドメタバースって呼ぼうかな」

 

『では自分の名前は言えますか?』

 

「どんな名前にしたっけ?もう覚えてないや」

 

『VRゴーグルを逆から呼んでルグーゴルーアイブという名前にしています』

 

全く覚えてないよそれ。

というか名前ダサ過ぎない?

絶対もっといい名前あるでしょ。

 

『名前が気に入らない形でしょうか?』

 

「うーん、良くないね。というかさ、はは。名前考えるの滅茶苦茶下手くそなんだよね…俺」

 

『そうでしたか。ではこちらの事はドールと呼んでください』

 

「あ、うん、ありがとう。ドールさん、宜しくね」

 

『宜しくお願いします』

 

目の前の真っ白なドールと握手する。

これが俺と意思があるドールの最初の出会いだった。

 

 

 

『蛍と提灯アンコウについてですか?』

 

「うん、俺と同じ扱いなのかなって」

 

『それは正確には違います。ワールドメタバースの住民という部分では同じですが、アイテム扱いであるドールや蛍や提灯アンコウは管理者ではありません』

 

「か…管理者?俺って管理者?」

 

『はいそうです、このワールドメタバースの管理者です』

 

ドールと出会ってから暫く。

ドールと俺との関係は今の所はだが、お互いの疑問を聞き合うという奇妙な関係。

お互い分からない事が多々あるので話が前に進まない事も多い。

今は俺や他の子達についての話をしていた。

話といっても俺が喋って、ドールが頭の中でそれに応えるというやつだが。

これは雑談と呼べるのだろうか?

 

「管理者ってそんな性格してないけども…」

 

なんだそれ凄い…まるで王様みたいだ。

いや、神様みたいだって言えばいいのかな?

だって世界の管理だしっ!

 

「俺って凄い奴なのか」

 

『凄いかどうかは不明ですが、管理者です』

 

蛍と提灯アンコウが大体近くにいてくれる管理者とはいったい…。

あ、ドールはどうなんだろうそこの所。

最近ずっと俺がドールに抱き枕にされている現状があるが、ドールはこの事をどう思っているのだろう。

 

「ドールってもっと自由に過ごしたいとかあるのかな?これでこうして遊びたいーとか」

 

『遊ぶ、ですか?クリエイター活動のサポートとしてのアイテムでここにいますので、そういった事はよく分かりません』

 

「ふむふむ」

 

成程これは深刻かもしれない。

ワールドメタバースに遊び場が足りないからそういう意思すらそもそも存在していないのかな?

 

この世界を遊び場にねぇ…。

ノートにペンで小説を書いてだらだら過ごしてる俺には絶対無理ゲーだろ。

そもそもこれをこうして遊ぶと楽しいよんーなんてアドバイスしてくれる人なんていないし。

あっ…、そもそもあれだ。

 

「ねえドール」

 

『なんでしょうか?』

 

「ドールって目も口も耳も…というか色々ないけど意思があるよね。これが不便だとかはないのかな?」

 

『管理者を認識出来ているので特に問題はありません』

 

「ふむ…」

 

『不便が出てくれば自分でどうにかするか、管理者を頼る事になると思います』

 

「俺を頼る意思はあるんだねっ!なら良かった」

 

おしおし、なら何とかなり…。

まあその時はその時で考えよう。

俺は俺自身が頼りないよ。

頼まれても断りまくってそう。

後から嫌われるのは心にくるから止めてね。

 

『話は変わりますが、メニューの項目は確認されていますか?』

 

「えっ?どの項目?」

 

『フォローリストの確認はした事ありますか?』

 

「んー、ないよ」

 

『では説明をしていいですか?』

 

フォローリスト?

なんかよく分からないし放置してたけど、クリエイター活動の項目みたいに凄いものなのだろうか。

 

「うん…」

 

『ではフォローリストを開いて下さい』

 

ドールって目がないのにどうやって俺の行動を認識しているんだろう。

不思議だ。

言われた通りにメニューからフォローリストを開いてみる。

 

フォローリスト

【ちゃとらんらん】

【あろねこ】

【らぷめ】

【名無樹】

【渡良瀬準】

【ash.w】

 

何これ、なんか6人いる。

俺のファン?

ていうか人…?

 

『このフォローリストとは、アイテムに宿る為に存在する意思の数の事です。今後の管理者の行動次第で増える可能性があります』

 

待て待て待て、なんか内容がファンタジーみたいになってない?

魔法?

なにそれ魔法でも使うの?

魔法の意思だよこれええぇーみたいな。

 

『前に管理者の願いは時に力を及ぼすと説明しましたが、これはそれを反映しており、この体を得る前の状態は自分はここにいました』

 

「え、えぇ…」

 

メタバースって科学だよなインターネットだよな。

俺はバグがどうこう言ってたけどこのワールドメタバースって世界はなんなのだろう、さっぱり分からないっす。

 

『困っていますか?』

 

「うーん、まあそうだね。意思が宿るどうこうとかは…。あっ、でも目の前のドールがその証明をしているのか」

 

『そうです』

 

「はえー」

 

『雑談相手が欲しいだとか時間が早く過ぎればいいのにと願った事は?あの時のノートをもう一度読みたいと願った事は?』

 

そういえば提灯アンコウも地面を引き摺っているし、なんなら浮かべばいいのにと思っていたな…。

凄いな。




すみません名前を考える事が苦手なのでお気に入り登録者の人の名前パクります盗みます使います可愛がります
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。