メモであり追記をノートに書く。
日付はどんどん変わるがノートに向き合うペンと俺の気持ちは変わらない。
また寝て起きたりを繰り返しながら小説の完成までの準備を進めていた。
こういうコツコツとした努力がいつか身を結ぶ事を俺は信じている。
いつもならもうとっくに低評価をくらってアカウントを爆散させている頃かもしれない。
でも、ここには俺の下手くそな小説に対して低評価を押してくるやつはいない。
つまりモチベーションを下げてくる奴はいないのだ。
やっぱり俺はメタバースで小説を書く事が似合っているのかもな。
その小説が死ぬ程下手くそだけどという一点は置いておいて。
「軽くだがこんなもんか…」
この世の何処かにある転生って箇所は、異世界の人達に愛されたいと思うほどその願望が叶うものという解釈?
このまま何となく過ごしていいのか?後悔している事はないのか?などの箇所は、葛藤をしつつ思い出から強い部分を引っ張ろうとしているから、主人公の過去を入れ込める。
イチャイチャという箇所は、田舎に住む俺にも漸く順番というTSの話に繋がっているから、これが主人公の趣味もしくは願望に使える。
今ここに住んでいる人の多くが転生していない可能性という箇所は、こことは飛行機内部の話だろう。
住んでいるというのは飛行機内に住んで生活しているこの人達の事をちゃんと知っている立場であろうから、主人公の立ち位置はどうなっているかという点。
何らかの理由で家ではなく飛行機に住んでいるのだから、必ず何処かでそれを掘り下げる。
世界で一番幸せ者という箇所は、5秒くらいで飛行機と衝突するという所と繋がる。
死ぬ瞬間が迫っているからこそ、こういう気持ちが前に出るのは…まあ、変な性格してる奴かもしれないな。
主人公には無痛の力なんてないだろうし痛いだろうに。
性格、性格ねえ…どうしたもんか。
こういう願望としての器に意志がある…つまり別個体として新しい自我を持たせるのはどうだ?
それならこっちで肉体が死んでも全く別枠の精神がTSした世界で過ごしてくれるぞ。
ちょっと待て、これいいかもしれない。
後で主人公の精神でも登場させちまうか。
いや、それはちょっと俺には難しいか…?
何となく過ごすのかという箇所は、飛行機内部の状況だよな。
飛行機内部に住んでいたというならこの余裕は頷ける…のか?
いやこいつ死ぬと思うんだが。
なんだこの主人公。
田舎に住んでいたからこその順番という箇所は住んでいた飛行機の内部で田舎っぽさを感じていたという訳か。
牧歌的な暮らしとか閉鎖的なもんだったのかな?
田舎にマイナスイメージを持って暮らしていたとしたら、5秒くらいで飛行機と衝突という所で幸せを感じていたのは、環境に満足していたのか?
死ぬ事を幸せだと思うのは何故かというのは、TSする事が決まっているからだろうか。
どこでそういう風になったんだろう。
飛行機の中で暮らしていたんだよな。
そもそもそういう状況になった過去に答えがあるのか?
なら、過去を掘り下げる必要が何処かであるのか。
メモだ。
追記だ。
コツコツと、コツコツとだ。
一区切りついたと言っても、完成までは全て未完成の小説のままだ。
完成されていない小説、それを見るのは俺にはありふれた光景だ。
だからこうしてそこら中にメモや追記をしていって形を整える為の準備をする、その為の準備の欠片。
目を走らせながら両膝をついて両手を本の上に置く。
姿勢なんて何でもいい、寝っ転がって書いてもいい、眠気ありきで書いてもいい。
興味と好奇心という心臓が音を立てている。
ノートとペンがあれば大丈夫だ。
「メタバースかあ…」
最初は軽く知識を入れた程度でも何これと思ったもんだ。
新しいメタバースを見つけたら参加して毎日ログイン、だとか。
誰でも入る事が出来る設定にしておこうね、だとか。
そもそも参加制限が設定であるのかと、とか。
まあ、少しは調べたよ?
個人個人でひっそりと遊んでいただけの小さなメタバースという遊び場。
そこに知名度や新規の営業利益を欲しがる営利企業が続々と参入し宣伝活動。
営利が無い場所に営利が起きた。
まあ、辛い人は逃げるよね。
遊ぶのにお金が必要な様を見せられる気持ちはどういうもんだったんだろう。
そんなの最初から必要なかったじゃん、っていう感じだったのかな。
お金が欲しいだけ…、結局会社ってそうだよね。
そうして荒らすだけ荒らして得より損が大きくなるとイナゴ諸共企業はメタバースから消え去った。
そうしてメタバースは大きく廃れて終わりを迎えたらしい。
ひっそりと昔の楽しかった記憶だけを引き摺ったまま、未練がましく一部の人達がログインしているだけ…という現状はあったようだ。
そんなメタバース、白い地面しかない最初より虚しいかもな。
腕時計を見て、白い地面を見る。
置かれたままの手鏡やノート、ペン。
そして何故か飛行機。
飛行機は多分、俺のせいだろう。
ノートを見る。
走り書きの男らしい文字で、荒さばかりのそれが視界を覆った。
所々読むのが難しい字がある。
感情のままに書いてるからこうなる。
そういえば腕時計をつけてるのに、もう時間の感覚がなくなってきた。
そう思ったので、メニューから検索した入手ボタンしかないカレンダーを押して所持アイテムの中にカレンダーを入れた。
そうして取り出してみる。
「うーん…」