東方理想郷~east of utopia~ 作:ホイル焼き@鮭
「ん?あれは………。プリズムリバー姉妹と咲夜?なんとも珍しい組み合わせだな………」
四人の話し声が聞こえてくる。
「やい!そこのメイド!」
「あら?貴方達はいつぞやの。こんばんわ」
「あっ、こんばんわー」
「こんばんわー」
「こんばんわ………ってちっがーう!違うでしょ二人とも!?」
「あっ、そうだったねー」
「でもぉ、私達正直言って気にしてないし~」
「ええい、可愛い妹をイジメられたのよ!?貴方達が良くても私が良くない!」
そんな声が聞こえた。意味がわからんが。あと、ルナサがいつもより明るいな。酒のせいか?
「なぁ、霊夢………。あいつら何か有ったのか………?」
「あー………、そういやそんな事言ってたわね…………」
霊夢から事情を聞いてみると、どうやら妙な因縁があるらしい。弾幕ごっこでそうなったんなら、ルナサの言い分はどうかと思うのだが。
「そもそも、仕返しをするなら、なぜ最初の宴会の時にしなかったの?」
「うぐっ、それは………」
「忘れてたんだよねー?」
「薄情にもねー。可愛い妹とか言ってるのにね?あははっ」
「う、うっさいわね!とにかく!あの時の借り、返させてもらうわ!」
「仕方ないわね………。早々にご退場願うわ」
二人ともが武器を構える。だから、場所考えてくれよ………。
「はぁ、仕方ない。止めるぞ、霊夢!」
「ええ!神聖なる神社で暴れるなんて、許されないわ!」
二人のもとへ向かう。
「騒符「デタラメ弾き」!」
「メイド秘技「殺人ドール」」
けたたましい音がルナサのヴァイオリンから鳴り響き、咲夜のナイフがいっぱい並ぶ。うるせぇ!
能力を使用して音を最小にする。
そしてルナサのヴァイオリンを没収する。こいつには意味ないんだがな。
そんな事をしているうちに、霊夢が咲夜のナイフを全て打ち落とし、咲夜を拘束していた。流石だな。
「ちょっとー!リン、邪魔しないでよー!」
「うるせぇ。お前な、ここは宴会の席だぞ?楽しく盛り上がる席だ。お前、ゆっくり音楽を楽しんでる時に隣で弾幕ごっこしてたらどう思うよ?」
「うっ、それは………」
「咲夜も。明らかに格下の奴にんな大技やりやがって」
「仕方ないじゃない。そっちからふっかけてきたんだもの。それでどうなっても自己責任、そうじゃなくて?」
「それは事実だが。時に聞くが、俺やゆかりん、ゆゆちゃんが格下相手にボコボコにした事あるか?」
「結構あると思うけど」
「………わりぃ、確かにあったわ」
チルノ一発でぶっ飛ばしたり、咲夜を超速で攻撃して拘束してマスパ撃ったりしてるな、うん……。
「ま、まあ、それはともかく。手加減はしてるんだし………。よーするに、力を持つ者は、その力に責任を持たなければいけない。それが出来ない奴は、きっと、本当の意味で強くはなれない」
「…………」
「よーするに半人前って事だ。それで良いのか、咲夜?」ニヤッ
「……………いいわけないでしょ」
「あはっ。ま、そんな大層な話じゃないけどな。周りがうるさすぎてそーいう話は響かないしな」
「………偉そうにものを言えるのも今の内よ、凜。私は、まだあなたに勝つこと、諦めてないからね」
「ふふん、春雪異変の時『は』負けてやるつもりだったが、そう簡単に負けてやるつもりはないぜ?ま、スペルカード戦だったら、そんなに俺は強くないがな。って、前にも言ったか」
「前にも言ったわ、お嬢様に勝っているのに、その言い分は通らない」
「俺はそんなに大層な奴じゃないが。お前らの目標であれるなら、こんなに嬉しいことはない」
よし、話がまとまったな。
「良しお前ら、喧嘩するなら外でやれ!それが嫌なら喧嘩すんな!以上だ!」
「むう……分かったよ、リン…」
「仕方ないわね」
「うむ!」
いつの間にか俺たちから離れていた霊夢へ話しかける。
「霊夢、サンキューな。止めてくれてさ」
「別に。あんたならあれくらい止められたでしょう?」
「それでも、だ。ありがとう」ポンポン
「…………もう、結局妹扱いじゃない、バカ」
顔が赤い。照れてるな。愛いやつめ。
「あっははー、わりぃわりぃ。どうしてもな。俺にとって女って庇護対象だからさ。つい」
「………見てなさい、あんたの印象変えてやるんだから」
「そりゃいいね。頑張りな、霊夢よ」
さ、次はどうしよ?テキトーに挨拶するだけのつもりだったんだがな、結構長びくな。
話数的にやばいかも……って、いかんいかん、こんなこと考えてたらロリコン道まっしぐらだ。
そんな事を考えていた、その時。
「お兄様ー!」ズドン!!!!
「げはっ!!!!!」ヒューーー!
災害が起こり、俺は吹き飛び、そのまま息絶えた…………。
DEAD END………。
???「この死のフラグを回避する方法は3つじゃ。フランドール・スカーレットとの関係を変更するか、事前に耐久性能をあげておくか、レミリア・スカーレットの好感度をあげておき、フランドール・スカーレットの突撃を止めてもらうかじゃ。もっとも、お主にそんな機会はあたえられんがのぅ。ゲームじゃあるまいし」
じゃあの~。プツッ。
「ギャグ補正なめんなぁぁぁぁ!
おお、ありがたや、ギャグ補正様……一生ついていきます!って、殺す気かぁ!」
フランを睨めつける。今日という今日は許さん、叱りつけてくれる。
「てへ☆」
「ふぅらんちゃ~ん?少しあっちで、O☆HA☆NA☆SHIしようね~?ふへ、ふへへへへ?」
…………………宴会の端で、こんな音が聞こえたそうな。
(≧▽≦)ドガッバキッドゴッバコォヒュン!
( ºωº )ドスッバキッグフッゲハッダニイ!
さらに数分後……………………。
└('ω')┘
( ºωº )チーン…
「おーい、れーむー、O☆HA☆NA☆SHI終わったよー」
「いやいや、血まみれになるお話ってなんなのよ………」
「ん?そりゃあ、お話(物理)だよ。ほら俺、エースオブエースだからさ、主人公だし」
「いやいや、ここの主人公は私よ」
「いや、それはそうだけどよ」
ん?
「その手に持ってるのは何?」
「え?フラン(だったもの)だけど?あ、血まみれは良くないね、綺麗にしようか」
服の状態を新品状態にする。
「いや、フランも綺麗にしなさいよ、後地べたも」
「地べたはともかく、フランを戻しても良いのか?見るも無惨な感じだけど、それでも?」
「……いえ、やっぱりいいわ……」
待つこと数分。
「あ~痛かった。もう、そこまですることもないじゃない、お兄様」
「ほう?人間の俺に超高速で突っ込むことが大したことじゃないとでも?ああ?」
「どうどう、落ち着きなさい、凜」
「レミリアか………。落ち着けるかよ、その気になればとんでもなく強くなれるだけで、人間の俺にこのアホが突撃してよぉ」グルグル
「キャー。あははっ、お兄様、怒らないで~?」
「あ?てめぇ、いくら俺が若干フェミニスト気味だからって、やっていいことと悪いことがあるだろうが」グググ
「痛い痛い!ご、ごめんなさい~!」
「ん?なんか言ったかなぁ、フランドールちゃ~ん?」アイアンクロ-!
「だ、だから、ごめんなさいって言ってるでしょ~!はーなーしーてー!」
「ん?ん?ここか、ここがええのんか?」グリグリ!
「凜、そろそろやめてちょうだい、そのままじゃフランの頭がザクロになっちゃうわ」
「…………ふう、金輪際、こんなことすんなよ?あとレミリア、今度からはもうちょっと気をつけてくれるか………?ギャグ補正様がいるとはいえ、激痛が走るんだ」
「善処するわ」
「それ、会社での「前向きに検討します」とか「機会がありましたら」並の確率で成立しないからな………」
「………う、うう、お兄様のばかーーー!」ダッシュ!
「え、フラン!?」
「「あーあ、なーかしたなーかしたー、せーんせーに言ってやろー」」
「くうっ!教えた事をそのまま吸収しやがって!というか俺が悪いのか!?」
「凜、迎えに行ってあげたら?」
「ええ………。やっぱり俺が悪いのか………?しゃーなしだなー」
……………………………青年少女探し中…………………………
Furandle side
「迷っちゃった………。ここ、どこだろう………?」
無我夢中で走ってしまったからね………。一人になるとあの頃を想い出す。暗いあの部屋で一人だった頃を。だからだろうか?こんなことを考えてしまうのは。
「ふんだ、お兄様のバカ………」
私はこんなにお兄様が好きなのに。お兄様は、私の事、好きじゃないのかな………。
「ううん、そんな筈ないよね……?だって」
だって……………。
「………迎えに来て、くれるかな」
数分待ってみる。
「………来ない」
私なんて、どうでもいいのかな………。
「ぐすっ………。ひぐっ、うう…………恐い、恐いよぅ……!」
お兄様が私から離れてしまう事が。お姉さま達が、私の元をさってしまう事が、たまらなく、恐い。
その時。
「あ、いたいた。やー探したぜ。さ、みんなの所へ帰るぞ」
「おにい……さま……。お兄様っ!」
気がついたら、お兄様の元へ走っていた。
「げはっ!だからフラン、抱きつくならもっと考慮してだな……!」
「恐いの……!」
「あ?恐い?野犬でも居たのか?それくらい対処できるだろ?」
「違う………!恐い、恐いよ、私を嫌わないで、一緒にいてよ……!なんでもするからぁ!」
抑えられない。気づけば私は、自分の中の感情を吐露していた。
お兄様は、全て理解したみたいな顔をして、
「………そうか、恐いか……。それは大変だな。なら、お前に1つ、言っておこうか」
「………ビクッ」
答えを聞くのも恐い……!
「お前は………」
「………………ゴクッ」バクンバクン
ひと呼吸おいて、
「考え過ぎだぁぁぁ!!!」デコピン
「…………え?きゃっ!」
額がヒリヒリする。デコピンされた?
「はぁ…………。なんか大層なこと悩んでんのかと思えば。そんなつまらんこととは」
「………私、これでも真剣に悩んでるんだけど………」
「はぁ…………。コミュニケーション道、落第だな。なら、ここで復習しようか?去年の夏、思い出してみろ」
去年の夏?去年の夏といえば、私がお兄様に助けてもらった頃だ。その後は、確かプールで遊んで………。
――――――――大丈夫、今日が楽しかったなら、明日だって楽しい。それは当たり前だ。
「……あ………!」
「ふん、思い出したか?」
「フラン。今日が楽しかったなら、明日だって楽しい。そう俺は言った。一人でいた頃の方が楽しかったか?そんなわけないだろう。なら、答えはひとつだ」
「…………うん………!そう、だったね……!あはは、すっかり忘れちゃってたよ……」
今日が楽しかったから、明日もきっと楽しい。私には、難しい事は分からないけど。これだけは、絶対に正しい。そう思った。
「あはっ、このアホめ。分かったなら帰るぞ、こんなとこに居ても楽しくないだろ?」
「うんっ!」
そうして、少女と青年は歩き出す。
「お兄様っ!」
「ん?なんだ?」
少女は、青年に飛びつき、
「大好きだよっ!」チュッ
と、微笑んだのだった。
「(キスは何度もしたけど、キスされたの、初めてかも………///)」
難攻不落の青年を、密かに照れさせながら。
To be continued………。
フランちゃんの「大好きだよっ」の意味。それを本人が理解するのは、まだ先の話。