東方理想郷~east of utopia~ 作:ホイル焼き@鮭
「d(^ω^)ウ-!!d(^ω^)ウ-!!d(^ω^)ウ-!!d(^ω^)ウ-!!d(^ω^)ウ-!!d(^ω^)ウ-!!d(^ω^)ウ-!!d(^ω^)ウ-!!d(^ω^)ウ-!!d
(^ω^)ウ-!!d(^ω^)ウ-!!d(^ω^)ウ-!!d(^ω^)ウ-!!d(^ω
^)ウ-!!d(^ω^)ウ-!!d(^ω^)ウ-!!d(^ω^)ウ-!!d(^ω^)ウ-!!」
「う·る·さーい!!」ムソウフウイン!
「ぶげらっ!?」ドゴォ
あの後、適当に霊夢から色々話を聞いて、そのまま寝た。なんだかんだ言って疲れてたのだ。まぁぐっすり寝て、スッキリした気分で俺が朝からうーうー言ってると、霊夢に吹き飛ばされた。なんかキラキラした虹色のボールで。うー、何でさ……?
「朝からうるさいわよ!私が眠れないでしょ!?」
「あ、ご近所迷惑とかじゃないんですね、わかります」
「意味わからないわ……やっぱりこんな奴、拾うんじゃなかったかな……?」
「金銭問題は永久的に解決できるし、いいじゃん」
この幻想郷は、かなり古いようで、俺の持つ金は使えない(霊夢曰く)。だが、外来人の持つものは珍しいらしく、幻想郷の金銭に変えることが出来るらしい(まぁそれが出来なきゃ拾わないだろう)。そして、博麗神社の経営は火の車。つまり金が無い。それ故、今日は朝から香霖堂という所で換金してもらうらしい。香霖堂ねぇ。確か、書籍の作品にそんな名前のが有ったっけか?
「全く、朝から奇怪な目覚まし聞いちゃって、目が覚めちゃったじゃない」
「d(^ω^)ウ-!!」
「もう一回、くらう?」スペカミセナガラ
霊夢が紙を見せながら脅してくる。結構痛かったから勘弁願いたい。しかし、美少女の脅しってなぁあんまり怖くないなぁ………。可愛さが前面に出てしまうからか。
「あは、遠慮しとくよ。とにかく、目が覚めたなら香霖堂に行こうぜ?」
「そうね。……ひとつ聞くけど、あなた、飛べる?」
「飛行の概念さえ分かれば、いけると思うけど……」
「そうねぇ。霊力を使って、体を上に上げる感じ……かしら?」
「よっ。……むり」
うーん、無理だなぁ。取り敢えず力を使って飛ぼうとしてみたのだが、飛行が何を理想にすればできるかのイメージがわかない。うーん………あ、そうだ、重力なくせばいんじゃね?
「重力の理想を、無重力に……おお、浮いた」
少し気味が悪いけど、浮ける。というか、重力消せるとか、凄いな………相変わらず。
繰り返しになってしまうけれど、基本的に俺の能力に、制限はない。どんなに曖昧な定義でも、俺にとっての理想に引き上げられる。俺の知識量に依存するんだけど。
あくまで、俺の考える理想。俺の知らないことで、俺の理想をこえる事象があっても、俺の理想でしか使用できない。小さい頃から考えてきた、この能力の弱点の一つ。
まぁ色々誤魔化す方法もあったりするが。超万能故、色々誤魔化しがききやすいのだ。
拡大解釈が可能というか、何と言うか。あんまり好きじゃないなぁ………。まぁ、いつか機会があれば言うだろう。
「飛べたなら、さっさと行くわよ」
「おっけー」
霊夢と俺は、香霖堂がある魔法の森へと向かった。陰鬱な雰囲気を醸し出している、いかにも魔の森って感じの所に到着する。
なんかやな空気だなぁ……。
「ここよ。人間には有毒な胞子も飛んでるから、注意しなさい」
「んー」
確かになんとも気分が悪くなってきた。少なくとも、居心地は全く宜しくない。何か吐きそうな気もしたので、吹き飛ばす事にした。
「ふー」
息をはき、その風量を肥大化。まとめて胞子とやらを吹き飛ばす。
その風威はそこそこだろう。大量の木々がざわめいた。( ; ゚д)ザワ(;゚д゚;)ザワ(д゚; )ざわ・・・ざわ・・・
「何でもアリね、その能力……」
霊夢がひくような口調でそう言った。失礼なやっちゃな、全く同感だけど。因みに霊夢には、昨日の段階で能力を教えてある。だから、いちいち驚きはしない。ひきはするけど( ´・ω・` ≡ ´・ω・` )
「ん?何だ、台風か何かかい?幻想郷にも自然災害があるんだね」
そんなことをしていると、香霖堂と書かれている建物から、白髪の男性が出てきた。
森近霖之助だ。
森近霖之助。香霖堂の店主で、博麗霊夢と霧雨魔理沙の幼馴染み。しか覚えてなかったり。しかし親しい仲なのは俺の記憶違いでは無いようで、霊夢が気さくに声を掛ける。
「あ、霖之助さん。今日はこの外来人の貨幣を交換に来たのよ」
「霊夢か。まぁ、何時もみたいにかっぱらって行かないなら歓迎するよ」
霊夢に向けてそう告げると霖之助は、こちらを向いて自己紹介を放った。
「初めまして。この香霖堂の店主の、森近霖之助だ。よろしくお願いするよ」
まぁ、普通の自己紹介だ。もちろん礼儀として、俺も霖之助に向けて自己紹介をする。
「初めまして、高橋 凜です。霊夢から話は聞いています。こちらこそ、よろしくおねがいします」
「なんだ、霊夢の知り合いにしては、礼儀正しいいい子じゃないか」
礼儀正しいいい子、ねぇ。というか霊夢、お前結構雑い扱いなんだな………。霊夢の知り合いにしては、って。どう思われてるんだ、お前は。
「霖之助さん、騙されちゃだめよ。こんなの、ただの外面なんだから……」
あ、何か言ってる。まぁ、外面って言うのは間違いないけど、別に本質からは離れてないんだけどなぁ。全く、俺はこんなににも清く正しい人間だってのに。
「??そうなのかい?」
「僕……霊夢に嫌われているんです。霊夢は、僕のことを、誤解してる、みたいでっ」グスッ
「霊夢……!こんないい子を、虐めちゃダメだよ。どうどう、泣くのはやめにしような」
「はぁ…………」
「分かりました……ありがとう、ございます……」
「霊夢にいじめられたら、いつでも相談に来なさい。あと、敬語もいらないからね」
はい、演技終わり。敬語いらないってのはいい事だ。
「分かった。これからよろしく。霖之助」ケロッ
ケロッとした表情で、霖之助に笑いかける。まぁ流石にあの程度で泣くほど、繊細ではない。しかし、いきなり豹変した俺にびっくりしたらしい霖之助。
「あれ?」
「だから言ったでしょう?あんなの外面だって」
得意面してるなぁ、霊夢。少し驚かせようとしただけなのに。
「ははは。ちょっと熱がこもりすぎたかな?ちょっとしたジョークだから」
「そうだったのか。はは、すっかり騙されちゃったね。改めて、森近霖之助だ。これからよろしく、凜くん」
「ああ、よろしく、霖之助」
香霖堂の中に入り、本題を始めた。夏らしくクーラーでもついてるかと思ったが、そんな事はなかった。うーん、機械的なものは無いんだろうなぁ………。古いってのも考えものだ。電力は有るみたいだけど。
「さて……換金だったね?外の貨幣を、この幻想郷の金銭に替えて欲しいと」
「まず、外の金で百万程度だ。流石にこれ全部は無理だろうから、替えられるだけ替えてくれると助かる」
鞄から財布を取り出し、財布から百万円を引っ張り出す。汗水垂らして稼いだお金ではないので、ちょっと罪悪感みたいなのは有るが………。
「まず、触らせてもらえるかな?」
「なんでだ?」
「僕は、物の用途と名称を知る程度の能力を持っていてね。どの位の価値があるのか、観させて貰いたいんだ」
あー、そういうところだったね、幻想郷(ここ)って………。異能持ちがうじゃうじゃ居るようなところだった。取り敢えず得心いったので、一万円札を渡す事にした。グッバイ諭吉。
「なるほど。なら、万札を渡すよ。これ全部それの集まりだから」
霖之助は、俺が差し出した一万円札に触った。
すると、温厚そうだった面持ちを、驚きの色に変えて言った。
「……!?これは……」
「分かった?」
「外の世界で百万円。これは、この世界で35円程だ」
「さ、さんじゅうごえん!(≧∇≦)bイイ!!!」
霊夢がそんな感じで叫ぶ。なんだこいつ………。そんなにひもじい生活だったのかと思うと、泣きそうになってきた。
「しかし、残念ながら全額は換金できそうにないね」
「どれくらいまで換金できる?」
「13円位までなら、換金可能かな」
「じゃーそれでいいよ」
えと、100万円で35円。つまり、一円ごとの比率は三万円程度、か。明治位かな?あんまり細かくお金については知らないから、どれくらいなのか分からないけど。大分前の貨幣ではあるだろう。まぁどうでもいいけれど。
「それでいいなら用意するよ。霊夢もいいかい?」
「じゅうさんえん……それだけあれば、もっと贅沢に………
ふふ、ふふふふふふ」
「壊れてるね。それ程までに貧しかったのかな」
涙を誘うな……(゜-Å)ホロリ。お金って怖いね、やっぱり。麻薬みたいな怖さが有るよ。
「これで13円だ。確認してくれ」
「あー、全部霖之助にあげるよ、百万」
俺が気軽にそう言うと、ふわふわと幸せそうだった霊夢が、般若も真っ青な顔で怒鳴り始めた。
「はぁ!?何考えてんのよ!?」
やべぇ、めがっさ怖ぇ……。取り敢えず、霊夢が落ち着けるよう説明をすることにする。
「あー、これが幻想郷での貨幣なんだろ?それさえ知れれば、俺にできないことはない」
「つまり、どういうことだい?」
「こういうこと」
財布の中身を見せながら、能力を発動。この幻想郷にいる間の、理想的なお財布の中身にする。財布の中身に、35円ほど出てきた。
the、タネなしマジック。タネも仕掛けもございません。まぁあるけどね。
「はあ!?」
「これは……」
「だからあげるよ。百万」
「これは、君の能力なのかな?」
「そうだね。理想を現実に。財布の中身を、理想的な財布の中身に。変えただけだよ」
そもそも、わざわざこんな所まで来なくても良かったのである。霊夢がお金でも見せてくれれば、それを再現出来たのに。知らなかったら出来ないって言うのにさー。
「規格外な能力だ。何でわざわざ僕の所に来たんだい?」
おっと、それはもう地の文で説明したんだよね。
「もう地の文で説明したから、省いてね」
「分かったよ、つまり、この世界の金銭を知らなかったから、僕の所に来たと」
「あ、そうだ。聞きたいことがあるんだが、吸血鬼異変って起こったか?」
今更ながら、時系列を確認することにした。
夏なら、東方紅魔郷の異変がもっとも印象深い。その前に起こった異変である吸血鬼異変が起こっていれば、確率は高いはずだ。
「起こったね。つい最近に。しかし、何で外来人の君が、そのことを知っているんだい?」
「色々あるのさ、色々とな」
「まぁいいよ。他には聞きたいことはあるかい?」
「それ以降異変は起こったか?」
「今の所は……」
「なるほど、それさえ聞ければ十分だ」
つまり、紅露異変の前。東方紅魔郷の前か。
ならやっぱり、ちょうど原作の直前かな?
悪くない、ちょっと面白おかしく、関わって行ってみようじゃないか。少しは楽しみも出来た所で、霊夢に声を掛けて帰ろう。
「よし、帰るよ。霊夢ーいくぞー、ん?」
霊夢が( ・д・ ポカーン…としてる。どうしたんだ?
何か有ったのか?
「凜がいれば……生活に困らない………?」
「まぁそうだけど、それが?」
「イヤッッホォォォオオォオウ!!(ノ°∀°)ノ」
(;´'-'`)ウワァ………。
「霖之助、霊夢が更に壊れた、修理してくれ」
「うちでは霊夢の修理はやってないよ、他所へいってくれ」
「……………(´Д`)ハァ…」
先、帰ろっか。
「おーい、俺もう帰るぞー」
「ふへ、ふへへへへぇ♪」
「聞いてねぇ………ま、いっか」
俺は香霖堂を出て、一足先に博麗神社に帰ることにした。
あの様子じゃ、暫くはトリップしたままだろうし。霖之助には悪いが、置いといて貰おう。なぁに、結構可愛いから大丈夫だ。
「金銭も問題なさそうだし、どうしようかな」
原作に関わるのは良いとして、いつまでそれを続けるか…………。
「まあ、なるようになるか」
とりあえず気にしない方向で行くことにしよう。