東方理想郷~east of utopia~ 作:ホイル焼き@鮭
やぁ、高橋 凜だ。この話は本編と全く関係がない。時系列……つまりどの展開での俺がこれをやっているかも、何もかもだ。ならなぜやるかって?作者が好きだからさ。さぁ、分かったのなら、無意味な物語を始めよう。
「暇だ……………」
ただひたすらに暇だ。霊夢は居ないし、魔理沙も来ないし、本も読み終わったし、ゲームも完クリしたし。どうしよ……。紅魔館とか、白玉楼とか、永遠亭にでも行くか?でも行きすぎてるもんな………。何度も行くと、若干マンネリ感があるよねぇ………。
「良し、他世界に行こう」
でもどうしよう。俺のいる位置を…………例えば、総武高校前にする…………とか?でもなぁ………行ったとして、何するよ?普通に考えれば、不審者だぜ?記憶でも弄ればいいのか?ま、行ってから考えるか。
「転符「総武高校前」」
位置が移動して、高校の前になった。というか異世界に来ちゃったぜ。どこの問題児ですか?
「とりあえずまぁ、入るか?俺の服装の理想を制服に、っと」
ドロン。これで誰がどう見ても、立派な総武高生である。
「よし、行くか!」
とりあえず職員室行こうぜ、職員室。奉仕部の部室でも教えてもらおう。
……………………………青年歩行中……………………………
よし着いた。
「すいませーん、ひっらっつかせーんせー、いーまっすか!」
「……………平塚は私だが………何か用か?」
ちょっと不思議な生徒を見る目をしている。失礼な。よし、レッツ記憶操作。そうだね………、奉仕部の臨時相談役とかどう?面白おかしく関わってやろうぜ。それ!
「……………ん………おお、来たか高橋!なら、早速行こうか!」
明らかに前後の文と脈絡が無いので、周囲の教師がギョッとしている。面倒ごとにならんうちに行こうか。
「ええ、行きましょう」
平塚先生と職員室を出て、奉仕部へと向かう。
「それで、今日はどのような案件で相談を?」
「それがだな……、次の生徒会長選挙に関する相談が、部内で意見が割れてるのだ。それで、君に相談をだな………」
「あは、仮にも生徒なんですが。貴方が、どうにかするべきなんじゃないんですかぁ?」
「うぐ、それを言われると……少々痛いな………」
「自主性を重んじるべき、と貴方は思ってるんですか?」
「…………まぁ、そうだな。学生同士の事なのだ、あの子達で解決するべきじゃないのか?」
「それは事実です。しかし、あの子達はガキですよ。3年の俺が言うんだから間違いありません。高校生なんてガキです。間違いだらけの奴らです。それを忘れちゃダメです」
「…………君は、なかなかキツイことを言うな」
「逆に考えましょうよ。間違いだらけだからこそ、彼らの今だけの正しさは輝く。大人になれば、その輝きは失われる。だから、今の時代を青春と呼ぶ。大人になれば、嫌な正しい事ばかりになるから」
「……………そうだな、その通りだ。しかし高橋、君だって高校生だ。君にも、そんな輝きが有ったのではないのか?」
「もちろん。当たり前です。ですがそろそろ大人になる時期ですからね、城廻と同じく」
「ふっ、あいつはまだ子供だろう?」
「あは、違いない」
「「あっはっは!」」
「おや、そろそろついたみたいだ。入るぞ、雪ノ下」
平塚先生と一緒に、奉仕部へと入る。
「平塚先生………」
中には、黒髪ロングの美少女と、ピンク髪の美少女と………。
「(うわ、ホントに目が腐ってやがる………。うわぁ………)」
「あ、あの、平塚先生、その人は………?」
「おお、こいつはだな、臨時の相談役の高橋だ。君たちは第三者の意見も取り入れるべきだと思ってね。しかし私の意見で学生たちの問題に干渉するのはいただけない。なのでこいつを、というわけだ」
「どうもー」
「お言葉ですが平塚先生、これは奉仕部内での問題です、部外者を話に入れるのは―――――」
「おっと雪ノ下、私がこいつを連れて来たんだ。拒否権が有ると思うのかね?」
「っ、それは………」
「俺もどうかと思いますね。雪ノ下の言う通り、部外者を入れてみるのはいい案だとは思いませんし、何より知らない人の意見なんて、まず信用できないでしょ」
「………ヒッキー………」
「比企谷くん…………」
おー、なんだか嬉しそうな顔してますねぇ、女子2人………。面白い。
「あは、それはどうかな、2年生諸君」
「…………何か言うことでもあるんすか、高橋先輩」
「比企谷くん………だっけ?まず君達は……………自分達が、圧倒的なまでに、『ガキ』である事を理解した方が良い」ニタァ
少々の霊力を漏らして言う。少し威圧感のある人には見えるだろう。
「…………ガキ…………すか」
「そうだよ比企谷くん、君、青春なんて、間違いって思ってるだろ?くだらなくて、意味のない物だってさ?」
「……………まぁ、そうっすね」
「それは間違いなんだよ」
「…………どこがですか?俺にはそうは思えないですけど」
「まず、青春ってのは本来間違いだらけの君達が、一瞬輝くからこそ。その輝きが目立ち、青春と呼ばれるんだよ。君は大人の正しさを知ってしまってる。だからこそ、常に間違いを見続けて、一瞬の輝きに目を逸らす。だから青春を間違いだと言うのさ」
「…………っ!」
「ねぇ雪ノ下。君も同じクチだろ?青春なんてくだらない。でも、君は真の意味で正しくあろうとしてる。だから青春の輝きを知ってる。比企谷くんと違って、目を逸らしていないから。なのに青春を過ごそうとしないのは…………まぁ、混ざるのが怖いだけ、か」
「……………」
「ちょ、ちょっと先輩!いきなり知ったような口で、二人のことを語らないでっ!」
「由比ヶ浜。君は………。真の意味で、青春の真っ只中だね。その上で、雪ノ下の真の正しさに憧れ、比企谷くんの偽善を嫌がる」
「……………っ!」
「と、まぁ………だいたいそんな感じか。3人とも、心当たりくらいあるだろ?」
「………こ、心当たりなんて………」
「あるよね?」
「……………」
「沈黙は是なり。雄弁な答えをくれてありがとう」ケラケラ
「さーて3人とも…………話を聞かせてもらおうか?」
平塚先生は、「じゃ、後は任せた」と言って部屋を出た。俺の判断に委ねるらしい。なかなか信頼されてるねぇ、相談役って位だから、相当すごいことをした様になってんのかな?
「改めまして、3年の高橋 凜だ。凜と呼びなさい」
「…………宜しくお願いします、高橋先輩」
「よろしくおねがいします………凜先輩」
「よろしくっす」
「あは、ちゃんと呼んでくれるのは由比ヶ浜だけか?比企谷くんに至っては呼びさえしてくんないぜ」
「………それで、肝心の相談の件なのですが」
「大体は理解してる」
小説で読んだからな。ほうっておいても解決はするんだが。
「つまり、こういう事だろ?
・比企谷くん案
一色を応援演説で落とし、選挙を不信任にする。
・雪ノ下・由比ヶ浜案
選挙で自分が勝ち、生徒会長になる。
んで、部内の空気が悪いと。んで、肝心の俺の意見だが」
「どういうものでしょう」
「………………ゴクリ」
「……………………」ジィ-
「まぁ、ひとまずそれは置いといて、それぞれの問題点を表してみようか」
「比企谷くん案。これは最も誰も傷つかない案だ。奉仕部は続き、一色も選挙に落ちることが出来る。ま、実質これをするのがいいだろうね」
「……………まぁ、当然だな」
「………ですが……!………っ、彼一人の意見で、全校生徒が動く確証が有りません。私ならば、一色さんにも絶対に勝てますし、確実性がない比企谷くんの案は不適切です」
「そうだねぇ、事実だけど、君は誤魔化さない方がいいよ。君は比企谷くんが傷ついて欲しくないだけでしょ。由比ヶ浜もそうかな」
「………そ、そんな事は………」
「そうっすよ、そんなわけない」
「比企谷くん、君は嘘に慣れすぎたねぇ。もはや、嘘の方が心地よいとか思ってるんでしょー。本物を確認しても、嘘だと思いたいってね。事実だよ。雪ノ下雪乃は比企谷八幡を嫌ってはいないし、由比ヶ浜結衣もそうだ」
「(ホントになんなんだよ……この先輩は………。雪ノ下も由比ヶ浜も、完全に圧倒されてる……。)」
「ま、話でも戻すか。んで、次に雪ノ下、由比ヶ浜の案だな。両方とも生徒会長になる、っていう案だが。可能性は高いだろうな、両方とも。由比ヶ浜が雪ノ下に負けるかどうかは、分からんし。できる奴は嫌われる、それは雪ノ下、君も知っているだろう?」
「…………まぁ、そうですね」
「ま、この二つには、共通したデメリットがある。これが比企谷くんの懸念している所だろうねぇ」
「…………ヒッキーが……?」
「どういう事でしょうか?」
「……………っ(分かる。この先輩なら本当の事を言い当ててしまうだろう。会ってから、全く経っていないが分かる。この先輩の凄さが………)」
比企谷くんよ、ただの原作知識なんだが。
「それは………2人の内、どっちが当選しても、今の奉仕部がなくなるって事だ」
「…………っ!?どういう事っ、比企谷くん!説明したじゃない、私が生徒会長になっても、奉仕部は続けられるって!」
「………そうだよヒッキー!わ、私なら大丈夫だって言ったじゃん!私なら、別に皆期待しないだろうし、テキトーにやるから大丈夫だって!」
「………あ?お前らならなんだかんだ言って、生徒会長になったらそっちに専念する。そういう奴らだって、知ってるからな…………」
「ヒッキー………」
「比企谷くん………」
「あは。君がそう思うのなら事実なんだろう。だから、自分を傷つけて今の奉仕部を守ろうとする。優しいね、君は」
「そんなんじゃないっすよ。それが一番効率が良かっただけっすから。一色の依頼を叶えるには、一番良い」
「あは、そうだねぇ。んで、君たちの意見は、それぞれにデメリットが有る事が確認できたと思う。それで、ここからが俺の案だ」
「どういう………?」
「比企谷くんなら、この案も思いついたんじゃないかな」
「チェス盤をひっくり返して考えてみようぜ。つまり、一色を負かすんじゃなく………『勝たせる』」
「………………」
「どういう………事でしょう」
「それじゃ、意味がないんじゃ………?」
「言葉が足りなさ過ぎた。つまり、一色に生徒会長をやる気にさせる、ってこった」
「一色さんに………?」
「雪ノ下、意外と頭が回らないなぁ。応援演説で落とすのもダメ、候補者を擁立するのも不可能、お前らが立候補するのもダメ………なんだから、一色が生徒会長になるのは確定事項だ。その上で、依頼を無碍にしない為には。そうするしかない。だろ、比企谷くん?」
「まぁ…………そうっすね……」
「効率が悪いから、除外した。一色はやりたがってないんだから、心を変えることは難しそうだから。だよね、比企谷くん?」
「(どこまで分かるんだよ………。化物か?この先輩………)その通りです」
「まぁ、難しいだろうね。けど………確実に言える事がある」
「確実に………」
「言える………」
「こと?ですか?」
「仲いいなぁ、君たち。そう………この方法なら………皆が幸せになれる」ニヤッ
「「「!」」」
「どうするよ?俺としては依頼を全く無視する、でも構わないと思うが。それじゃ、一色が不幸せだな?」ニヤッ
「「「………………」」」
目を合わせて考え込む3人。しばらく様子を伺ってると、
「……………私は、いいと思う」
「………由比ヶ浜さん………」
「えへへ………私あんまり頭良くないしさ!分からないこととか、沢山有ると思うけど………。皆が幸せってのが………一番いいってことは、その……分かるしさ!だから………私は賛成……かな!」
言い切る由比ヶ浜。かっこいいじゃん?
「かっこいいねぇ、由比ヶ浜」
「え、えへへ………って!女の子に対する褒め言葉じゃなくない!?」
「あはは、じゃあ可愛いか?可愛いぜ、由比ヶ浜」
「い、言い直すの遅いし!」ポッ
「あはっ、そうだね。んで?二人はどうすんのさ?やらないなら、由比ヶ浜だけで頑張ることになるけど?」
「手伝ってくれないの!?」
「お前、俺ただの相談役だぜ?実行したら実行役になるだろうが?あと敬語使えよ、アイアンクローするよ?」グググ
「い、痛い痛い痛い!もうやってるじゃないですかぁ~~!!」
「……………やります」
「お、雪ノ下もか。志願理由はなんだね?」
「……………由比ヶ浜さんだけじゃ、絶対にポカします。それなら手助けするのが………友達、ですから」
「……~!ゆきのーん!大好き~!」ギュッ
「ちょっと由比ヶ浜さん………暑苦しいんだけど」
「酷くない!?」ギュッ
「それでも離れないのね……もう、仕方ないわね………」
「甘いねぇ、雪ノ下。マックスコーヒーに角砂糖60個ぶち込んで、練乳を牛さん一頭まるまる入れた物より甘いよ」
「それほぼコーヒーじゃないと思いますけど…………」
「あはっ、飲んでみるかい?」
「そんなに角砂糖なんてないですよ…………」
「って事は、練乳とマックスコーヒーは有るんだろう?」
「まぁ………ありますけど」
「じゃ、やってみようか」
角砂糖位能力で増やせるでしょ。
マックスコーヒーを手に入れに奉仕部を出た。
「ちょ…………ホントに行っちゃった………」
「………なんなのかしら?あの先輩」
「さぁ…………でも………いろいろなんか言われちゃったけど……憎めないね、なんか」
「そうね………なんだかね」
「たっだいまー!」
「買ってきたぜ、マックスコーヒー4つ!」
「あれ……角砂糖は買ってないんですか?」
「一個ちょうだい」
「は、はぁ…………どうぞ」
雪ノ下から一個角砂糖をもらう。
「さて、イリュージョンの時間だよ?この角砂糖に、ハンカチを被せますと………?」
「ハンカチのふくらみが、一気に大きく………ですって!?」
「正真正銘、タネも仕掛けもございません」
事実である。強いて言えばタネは俺の能力である。
「で、でも、角砂糖60個だなんて………!溶けるはずが………」
「有るんだなぁ、これが………」
能力でマックスコーヒーの温度を300度にし、角砂糖を60個ぶち込む。その後能力で温度を90度へ。1度溶けたものは、温度が下がっても戻ることはあまりない。
というか、砂糖の溶解度は非常に高いから、普通のコーヒーの温度でも溶けるんだけだが。雪ノ下、君くらい頭良ければ知ってるだろうに。意外と君は脇役が似合う奴だな…………。
「ば、バカな………」
「ま、練乳はそんなに入れなくても良いか。さて、飲んでみなよ」
雪ノ下と由比ヶ浜にコーヒーを渡す。
「………………」
「な、何か怖い………」
「ググッと行きなよ、ググッと」
「…………分かりました、いただきます…………ズズッ………~!?口の中で暴れる……、圧倒的な甘味、甘味、甘味、またさらに甘味………っ!うあ………!ここまで絶望的な物を飲んだのは………!生まれて初めて……っ!」
「ゆ、ゆきのん!大丈夫!?」
「大丈夫な訳………ないでしょう……!?」
「えー、そんなに?なら……よっと」グッグッグッ
「そ、そんなに一気に飲んだら………!」
「……………うん、甘いな」
「そ、そんなバカな………。これ程までの絶望を、その身に受けたのに、何故平気でいられるんですか!」
「君、意外と厨二くさいなぁ……。なに、俺は既にこの身にこれ以上の咎を受けている。今更この程度の咎、受けられぬ訳はないだろう?」
「ま、まさか貴方は………既に適合していた、と言うの……!?」
「貴様は適合できぬ只の一般人。所詮『適合者』であるオレには適わんというわけだ………!」
「くっ………この私が………!?」
「な、なんだか理解できない世界を繰り広げてる!?」
ま、文の物体Xを食べたから、一つの味が強いだけではどうにもなんないだけなんだがな。
「ほら、由比ヶ浜も飲めよ。一人だけ飲まないってのはずるいぜ?」
「うぐっ………さっきのあんな反応を見たら……!どうしても恐怖が………。そうだ!ヒッキーだって飲んでないじゃん!」
「おっと、言い返されたぜ。比企谷くん、飲んでくれ!君の力が必要だ!」
「…………なんすかそのノリ。訳わかんねぇ………。まぁ、飲みますけど。…………ずずっ………!グビッグビッグビッ………ぷはー!何だこれ、超美味いじゃん、何?どんなビックリな魔法使ったの?」
「お?やるじゃないか、比企谷くん。この甘味の化物を、いとも簡単に飲み干すとはな?」
「まぁ、甘党っすから」
「あっはっは!甘党で済む話じゃねえよ?ほら、どうだ由比ヶ浜、比企谷くんは飲んだぞ?後は君だけだ」
「ひっ…………ゆ、ゆきのーん、ヒッキー………」
由比ヶ浜が助けを求める。
「まさか、一人だけ助かろうなんて思ってないでしょうね……?」
「そうだぞ由比ヶ浜、これを飲まないなんて勿体無い。ぜひ飲んでみるべきだ」
だが、頼れる奉仕部の部員は、無情にも手助けを拒んだ。
「そ、そんなぁ………!」
「さぁさぁさぁ!」
「「「飲むんだ(飲みなさい)由比ヶ浜(由比ヶ浜さん)………!」
「う、ヾ(>y<;)ノうわぁぁ!」
「う、うう………まだ口が甘いよぉ………」シクシク
「良かったな、由比ヶ浜。美味いものを飲めて」
「全然美味しくないよぉ~~!」
「いやお前何言ってんの?超美味かったじゃねぇか。なに?頭おかしくなったの?」
「おかしいのはヒッキーの味覚だぁ~!」
「ばっかお前、俺の味覚なめんなよ?食っただけでその料理のレシピが分かるという、なんとも専業主夫向きの味覚だぞ?やっぱり俺の将来は専業主夫だな、うん」
「またおかしな事を言って……やっぱり、目だけじゃなくて頭も腐ってるんじゃなくて?」
ワイワイと盛り上がる奉仕部員。いい雰囲気じゃないか。これは守りたいだろうねぇ……。
守る、か………。俺も守りたい物がある。俺はこの能力で。彼らは悩み、考えた結論で。守りたいものを守るんだろう。それは失敗するかもしれないけど。最終的にはとても得難いそれを守ってみせるだろう。帳尻あわせ、って奴だ。
「盛り上がってる所悪いが、奉仕部諸君」
「盛り上がってなど居ません」
「そうっすよ先輩、俺がただ罵倒されてただけじゃないですか、目ェ腐ってるんじゃないですか?」
「比企谷くん、貴方がそれを言えた義理ではないでしょう」
「あー、戻すな戻すな。なに、すぐ済む。比企谷くん」
「なんすか?」
「君の結論を聞こうじゃないか。やるのか、やらないのか」
「……………っ!ヒッキー………」
「……………………」
「……………はぁ、やるしかないんでしょ、やるしか。俺の人生そんなことばっかりですからね、今更やりたくない事を嫌がる事は無いっすよ………」
「……………゚ .(・∀・)゚ .゚パァァァ!ヒッキー!」ガバッ
「ばっ!お前何やってんの!?」
「…………はっ!しまった!嬉しくてつい!」
「ったく………。いきなり抱きつくんじゃねぇよ、無駄にドキドキしちまうじゃねぇか」
「………あっはっは………。いやー、ごめんごめん///」
うん。上手いこと行ったな。これにて一件落着、と。
「よし。纏まったか。じゃ、今日の相談はこれまで!もう日が暮れるよ、奉仕部の鍵は直しといてあげるから、3人で帰りな」
「分かりました」
3人が帰り支度を始める。うん、これで大分と暇つぶしは出来たな。
「あの、凜先輩」
「?なに、由比ヶ浜」
「その…………ありがとうございました!」
他の二人を見てみると、二人も由比ヶ浜と同じ目をしていた。
「………………………あはっ♪」
「どういたしまして、雪乃ちゃん、結衣ちゃん、八幡くん」
side other
凜は奉仕部の鍵を閉め、職員室に返す。
「失礼しまーす」
「お、高橋。どうなったんだ?」
「平塚先生の依頼は完遂しました、と言えるでしょうね」クスクス
「……………そうか。済まないな面倒を掛けて」
「いえ別に構いませんよ」
「そうか。私もそろそろ上がるんだが………ラーメンでも奢ってやるから、一緒に帰らないか?」
「あは。そいつは光栄ですが、遠慮しておきます。門限が厳しいんですよ、うちの神社は」
「そうか?なら良いが………」
「それでは………良い人生を」
凜の姿が忽然と消える。
「……………?あれ?私、今誰と話して………。そうだ、あいつらの件………どうにかしなくては………あれ?確か、それはもう解決したんだよな?それは、どうやってだ?確か、誰かに相談して………誰にだ?」
平塚は、凜に関する記憶を失っていた。彼は能力で、自分に関する記憶を消したのだ。もちろん、雪乃達も………。
それから数日が経ち、いろいろ策を弄した結果、一色いろはは見事やる気になり、生徒会長をやる事になった。
「…………そういえばさ、ヒッキー」
「あ?なんだ?」
「私達さ………途中までめっちゃ空気悪かったよね?」
「ああ、そうだな」
「なんで協力していろはちゃんを焚きつけよう!ってなったんだっけ?」
「そりゃあお前、アレだよ………。誰かが言ったからだろ?」
「その誰かって………だれ?」
「お前、そんなのも忘れたの?やっぱ記憶力悪いのな」
「うるさいなぁ!さっさと教えてよ!」
「ほら、あの人だよ、あの人…………あ?誰だっけ?」
「あー!ヒッキー、人を馬鹿にしといて、自分も覚えてないんじゃん!」
「そんなバカな。この俺が……由比ヶ浜と同レベル…だと…?」
「酷いっ!」
この通り、二人と、ここには居ないが雪乃は、見事に記憶を失っていた。だが、3人はこの時、同じ気持ちを抱いていたのだ。
「「「(ありがとうございました、先輩!)」」」
という、感謝の気持ちを。
その感謝を理解したのかしていないのか、幻想郷で凜は、ニヤリと笑って、
「どういたしまして」
と、返事を返す。
俺ガイルの二期を見て、ついカッとなってやった、今は反省している。少しでも奉仕部らしさを表せられたのなら幸いです。東方なら二次創作だからで済みますが、ちょっと俺ガイルだと誤魔化せないですからね(^ω^;)