東方理想郷~east of utopia~   作:ホイル焼き@鮭

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咲夜さんって、初期の頃良く二次でぺドとして描かれてましたよね?(意味深)


26話『咲夜さんカワイソス………』

side other

「全く…凜も面倒な事を頼むわねぇ……」

 

そう言った紫の整った顔が、眠気で歪む。

 

「ふぁ~…………眠いわ………。まぁ………さっさと終わらせましょうか」

「藍。居る?」

「ここに」

「あなたには、結界の展開を手伝ってもらうわ。幻想郷中の風の動きを感知する結界をね」

「御意」

「ありがとう、藍」

 

紫は、結界の術式を組み始め、妖力を流し込む。すると術式に光が灯り、結界となる。これだけだと簡単そうな事だが、幻想郷を包めるほど強固な結界を作れるのは、莫大な妖力を持つ結界のスペシャリスト、八雲紫のみである。その意味で、紫に助力を頼んだ凜は正解である。彼は『ゆかりんならどうにかしてくれる』という、絶対的な信頼だけで、紫に頼んだのだが。しばらく結界を広げる作業をしていた紫だが、

 

「ん~………やっぱりだるい、ら~ん~。後は任せたわ~」

「ええ!?」

「あら、二つ返事で返してくれるなんて、さすが私の式ね♪」

「………まぁ、良いですけど………」

「ありがとう、藍♪」

「………ふっ……相変わらずですね、紫様は」

「あら、何か言ったかしら♪」

「いえ、何もございませんよ」フッ

 

そう言うと藍は、紫が作った結界を幻想郷中に広げる為、頭を回転させ、更なる術式を編み上げる。彼女は最強の妖獣、紫ほどの強固な結界を作ることは出来ないが、既に作られたそれを理解し、広げる事など訳もない。

 

「…………よし、これで完成ね……ん?」

 

藍が主の方を見ると、すっかり寝落ちしている主の姿が見えた。

 

「全く………この人の式になって良かったのかなぁ。未だにそう思うんだけど………」

 

そんな事を言う藍だが、内心では自分の判断は間違っていなかったと、そう思っている。

 

「まぁ仕方ないでしょう、後は結界の様子を見るだけ………っと。早速来たわね」

 

結界が観測した座標を見てみる。すると、

 

「……………ここは………。紅魔館。ふぅん、紅魔館か。紫様の話では、風の観測をして欲しいらしいけど。凜はなんで風の観測なんて頼んだのかな。まぁいいか、紫様、1つ借りますよ」

「守護者「高橋 凜」」

 

side 凜

「おろ?」

 

呼び出しのコールがかかる。因みに行くか行かないかを選択できるよう改良してある。着替え中とかに呼ばれたらやばいもんね。

 

「さぁて、行ってくるわ。小鈴ちゃん、念の為この巻物借りてくね」

「あ、はい!すみません、面倒をお掛けして………」

「幻想郷の奴らなら、全て俺の庇護対象だ。おまけに君は女の子、俺が君の力になるのは、必然ってね」ケラケラ

「……………す」

「どうせなら感謝されたいかなぁ、俺は」

「…………うぐ。ありがとう、ございます………」

「まだ解決してないぜ?解決してから言うもんだ、それは」

「~…っ、あなたが言ったのに………」

「あはっ、あははっ!じゃ、行ってくるかな。あ、そだ、帰ってくるまでこれでも食べときな」

 

チョコを能力で量産。

 

「じゃあね、小鈴ちゃん、阿求ちゃん」ヒュン

 

体が浮遊し、周囲の景色が変わる。

 

「お待た、ゆかりん………って、らんちー?ゆかりんは?」

「寝てしまいましたよ」

「……………はぁ。まぁ、こっちが無理言って起こしたんだから仕方ないか。探してはくれたんでしょ?」

 

あいつが約束を破るとは思えない。やることはやる奴だ。

 

「ええ、もちろん。強力な風を感知したのは紅魔館です」

「!紅魔館?わざわざ人里から紅魔館まで行ったのか?なんでだ?」

「?」

「ああ、悪いらんちー、俺は紅魔館に行かせてもらう」

「……はぁ、よく分かりませんが……ご武運を、凜」

「ありがと。転符「紅魔館前」」

 

景色が変わり、紅魔館の前に出る。

 

「さて、紅魔館なら……咲夜!」

「なによ、今忙しいんだけど!?」

「悪い、ここでいきなり旋風が出なかったか?」

「……え、なんで知ってるの?今いきなり旋風が出て来て………」

「咲夜、説明は後でするから、何処で旋風が起きているか教えてくれ!」

「ええ?だ、大図書館だけど……」

「サンキュー、咲夜!転符「大図書館」!」

 

大図書館へと転移!

 

「ああ、もう!なんで止まないのよー!いい加減にしてほしいわ!」

「あ、ああ、本が、本がー!これ片付けるの私なのにぃ!」

 

うわお、カオスカオス。どうにかしなくちゃな!

 

「目には目を、旋風には旋風をだ!大旋風「アイディアル・ウェアウィンド」!」

「っ!?凜っ!?」

「凜さんっ!?」

 

地表付近の大気を暖め、混合層上に対流を発生させる。それを能力で回転させれば!大規模旋風の出来上がりってな!

 

旋風同士がぶつかり合い、しのぎを削る。だが、たかだか一妖怪が起こせる程度の旋風と、自然現象としての旋風だ。俺の旋風が相手の旋風を消し去り、中にいた小動物を吹き飛ばす。

 

「わ、私の図書館がぁ……むきゅー………」

「こ、これ全部私がカタヅケル……あう」

 

あ、やべ、本が凄い吹っ飛んでる。やっちまった。…………まぁいっか。今は鎌鼬さんの所に行こう。

 

「さぁて、もう逃げられませんよーっと」

 

はじき飛ばした小動物を見てみると、既にボロボロのご様子だった。妖怪なのに弱っちいことだ。復活明けだからかな?

 

「よっ、鎌鼬さん。元気かなー?」

「…………………………………この姿を見て、元気だと思うか?」

「うおっ、シャァベッタァァァァァァァ!!!もとい、喋った?へー、知性が有るのか。早速で悪いが、なんで封印されてたのかな?」

「……………わざわざ語ることでもあるまいよ」

「あはっ。君、立場分かってんの?君に拒否権なんかない、さっさと話すんだね」ニコッ

「……………………存在を否定された妖怪が、誰かに見つけてもらいたいが為に自らを封印した。それだけだ」

「まぁ、分かるけど。巻物を解いただけで復活するのはなんでかな?」

 

小鈴ちゃんだってそう言った妖魔本を読んだことはある筈で、例え今の小鈴ちゃんが妖魔本を読めなかったとしても、開くくらいの事はしているだろうし。それで問題になってない以上、妖魔本で妖怪を解放するのには、相応の手順が要ると推測できるのだが。

 

「さぁ。どうなんだろうな」

「おいおい、自分の事だぜ?」

「封印出来るのは自分自身じゃなく、そう言った存在………『概念』だからな。完全に記憶が有るわけではない。自分がどういった存在で、何がしたいかは分かっても、自分に『何があったか』は分からない」

「あっははは、たかだか高校生に、難しい事を説くなよ。理解できるかっつーの。したけど」

「まぁいい。君には二つの選択肢が与えられている。死ぬか、また封印されるか。どっちかを選びなよ」スッ

 

霊力の剣を精製し、鎌鼬に突きつける。

 

「………………っ、そこに、3つ目の選択肢は無いのか……?」

「ないよ。ここのルールに従えない、順応できない妖怪は必要ない。君は巻物に書かれた事をしなくちゃいけない、つまり傷を付けないってことは叶わない。違うかい?」

 

今目の前に居る鼬は、旋風を起こし、周囲の者に傷を付ける妖怪、鎌鼬である。周囲に傷を付けない鎌鼬など『存在出来ない』。なぜなら、概念がそう決められているからだ。それを守らなくなったら、目の前の鼬は消滅する。多分な。

 

「………………違わ、ない…………」

「あは、やっぱりぃ?じゃ、なおさら第三の選択はないね。やっぱり、潔く死ぬか、潔く封印されるかの二択だねぇ」

「………………ぐっ………うぉぉぉぉぉぉっ!」

 

鎌鼬が再度旋風を起こし、こちらに飛び込む。おー、余力を残してたのかぁ。さっきより強いし。火事場の馬鹿力って奴かぁ?

 

「だけど………」

 

能力で風を弱め、中に飛び込み蹴りを入れる。

 

「ぐがっ!!?」

「そんなんで幻想郷の守護者に勝てるかっつーと話は別、かな?」

「………·………っ、ああ、私ではお前には敵わないだろうな……」

「まあね」

「だから………だからこそ、私にはこれしか出来ることがないようだ」スッ

「?なんの、つもりかな……?」

 

鼬が人型になった。人化する程度には妖力があったようだ。だが、その事は今重要ではない。問題はショタっ子が俺の目の前でジャパニーズドゲザァを披露していることだ。

 

「恥をしのんで頼む。見逃してはくれないだろうか」

「…………あ?なぁに言ってんだか。君は外では生きられない、ここのルールにも従えない。君が生きられる環境なんてないってことくらい、分かってるでしょ?君にトゥルーエンドは存在しないんだってば」

「ああ、分かってる。どうしようもない事も分かってる」

「あは、そいつは重畳。なら、さっさと終わらせて――――」

「だが!」スタッ

「?」

「それでも……!それでも私は……!生きたいのだ………!」

「………………」

 

目の前の男の目からは、命乞いをする者特有の『有りもしない希望にすがる意思』を読み取れなかった。やってる事は只の命乞いのはずなのに……。

 

「もっと色んな風景を見たい。もっと色んな人々に会いたい。もっと色んな事をしたい。だから―――――」

「私はまだ終わらない」ゴウッ

 

風を巻き上げ、こちらを睨む鎌鼬。

 

「お前には勝てないだろうが。私は負けない。負けられない。悪いが、全力で抵抗させてもらう……!」

 

「……………………………あはっ」

 

「あっははははははは!止めろよ、ショタい見た目で週刊少年ジャンプの主人公みたいなセリフ吐くなって!リアルでそんな熱いセリフ吐くの、シューゾーだけで十分だって!あははははは!」

 

暫し笑い転げる。目の前のショタっ子は困惑しているようだ。

 

「っはー、笑った笑った。うん、久々に気分がいいぜ」

「いいよ。人型なら俺が手加減すると思ってたのなら大間違いだったけど。君の目を見たらその程度の思いじゃなかったみたいだしねぇ」

「………どういう、意味だ……?」

「今から君に二つの贈り物をしよう。ここで生きるにあたって、間違いなく役に立つとびきりの恩恵(ギフト)だ」

「君に『旋風を起こさない程度の能力』と『傷つけない程度の能力』をプレゼントしようじゃないか」

「旋風を起こさない程度の能力と……傷つけない程度の能力…だと…?」

「そ。君は巻物に書かれた事を裏切ることは出来ない。それを裏切っちゃぁ、概念が存在することを許さないからね。だけど、俺が能力でそれを『封じ込める』分には、問題ないのさ。君は傷を付けようとしているのに、極悪非道な守護者さん、高橋 凜くんに封じられているから出来ません!それじゃあ仕方ない、許してやろう!ってなるでしょ?」

「……………………な、なるほど」

「あっは。理解したようで何より。幻想郷へようこそ!ここは全てを受け入れるよ。それはとても残酷なことだけれどね」

「………………ふぅ。最初受け入れられて無かった気もするが?」 「えー、だってさ、君が愚鈍な愚図だったら、幻想郷にはいんないかなー、って思ったんだもん。幻想郷は全てを受け入れる。でも、幻想郷の住民が全てを受け入れるわけじゃないからね」

「………………………ふん」

「というかさー、ショタっ子の癖に傲慢だぞー?偉そうなショタとか需要ないって」

「話の内容は分からないが、凄くムカつく事は分かるぞ………」

「あは♪さぁて、予想外の展開だぞ、これは………」

 

封印するつもりだったのにね。

 

「でも、君の面倒とかどうしようか…………」

「そう言う事なら、私が預かってもいいわ」

「!?咲夜?なんだ、いつから聞いてたんだ?」

「あなたがそこの鼬と喋り出した頃からよ」

「ほぼ全部じゃねぇか」

「知性があるんでしょう?その子。しかも妖怪だから、力もある。そうじゃない?」

「まー、多分」

「紅魔館では仕事が沢山あるわ。だから、人出も欲しいところだし。だからその子、預かってもいいわよ?」

「………そう?じゃ、宜しく…………さっきゅん」

「ええ。……………さっきゅんって何!?」

「君が了承したんだろ?今年の春にさ?」ケラケラ

「……………はっ!?あれの事!?」

「あはっ。さっきゅん、さっきゅん、さっきゅん、さっきゅん、さっきゅん!」

「そんな名前で連呼しないでよ!?」

「あっは、ま、考えとくよ。それじゃ、俺小鈴ちゃんの所に報告に行かなきゃだし、これで帰るよ」

「ああ。…………ありがとう、タカハシ リン」

「あはっ。フルネームで呼び捨てにすんじゃねぇよ、恥ずいだろ?」ケラケラ&クルッ

 

うんうん、これでみんなハッピーエンド。誰も嫌な思いをしない、いい落としどころだったね。あはっ、実にいい気分だな――――――。

 

ガシッ

「え?」

 

肩を掴まれた。後ろを振り返ると、そこには。

 

「ねぇ、凜………………」

「……………何、かな……?」ゾクッ

 

レイプ目をしたパチュリーが。

 

「カエレルトオモッテルノ……?」

「…………oh(´・ω・`)…」

「い・ま・す・ぐ・直せーーーーーーー!!!!!!」

「はいっ、Σd(゚∀゚d)わかりますたーーーーーーー!!!!!!」

 

し、締まらねぇなぁ……………。

 

………………………問題児達御片付中………………………

 

幸い本の落下は一部の本棚だけだったので、二時間もすれば元に戻った。こぁさんやさっきゅん(継続中)、タチ(鎌鼬の名前。鎌鼬って種族名だし、何か付けた方がいいと思った。因みに『太刀』から来てる)も手伝ったので、割とすぐに終わることが出来たと思う。これでも。

 

「全く………人の図書館で好き勝手暴れて!」

「それはタチが大図書館で風を起こしたからだ。俺に非はない」

「仕方ないだろう?吸血鬼に敵う訳はないし、だから咲夜とパチュリー、小悪魔がいたここでやるのは当然だろう?そもそもここまでの被害になったのは、リンがあんな大きな旋風を起こしたからだ」

「ああ、もう!責任を押し付け合うな!」

「「…………悪い(すまん)」」

「全く………。まぁいいわ。こうして元に戻った訳だし………。そういえば凜、なんで能力で戻さなかったのかしら?」

「んー……………いやまぁ……何と言うかね…………」

「何よ、はっきりしないわね……」

「アレだ、ふと思ったことなんだけど………最近能力に依存してる気がしてさ」

「依存って…………」

「知っての通り、俺の力は利便性がすこぶる高い。出来る事より出来ない事の方が少ない。いくらでも応用がきくし、何でもできる。だからかな、最近何をするにも能力の存在が浮かぶんだ。能力でやっちまえー、ってな。薬物依存ならぬ、能力依存。移動したいならワープを使うし、物を増やしたいのなら能力で増やす」

「それは…………いけないの?八雲紫だって………そんな感じじゃない」

「まぁ、そうだけど。俺とあいつには、ある一つの違いがある」

「違い?」

「『俺が人間である事』だ」

「…………!」

「人間はもっと、貧弱で矮小で、愚かな存在であるべきなんだ。小さな存在だからこそ大規模な集団を築ける。集団である事は力だ。その力が妖怪を生む、神の力を強める。今や神は人間の力が無ければ生きられないほどに弱くなってる。だから幻想郷が有るんだが――――っと、話が逸れた。要は人間は弱くあるべきって事だ」

「…………でも……。人間にだって強い奴はいるじゃない。霊夢とか、魔理沙とか、咲夜とか」

「…………違う話になるが。さっきの3人を例にとってみると、この三人にはある共通点がある」

「共通点………?」

「人間であることだ」

「……………」ポカッ

「あいてっ」

「ふざけないでよ、結構面白いんだから」

「俺の幻想郷観が面白いなんて、相当な好き者だなぁ。まぁ、ふざけないで言うと――――――」

「幻想郷での人間のグループは人里だ。それはいいな?」

「ええ」

「それを踏まえて三人の共通点を探ってみればいい。ここまで言えば分かるよね?パチュリーくん」

「その話し方には強烈な既知感を覚えるわね…………」

 

考え込むパチュリー。

 

「………………………!なるほど」

「あは、分かった?」

「ええ、この三人の共通点は『集団に属していない事』でしょう?」

「正解。言っちゃ悪いが、この三人はつまはじき者だ。霊夢は博麗神社にいるし、魔理沙は魔法の森にいるし、咲夜は紅魔館にいる。なんでかわかるよね?」

「強いものは、弱い人間とは相容れないからでしょう?」

「そうそう。もちろん三人とも人里に行く事もあるし、完全に関わっていない訳じゃない。けど、弱い人間と強い人間は、本質で相容れない。だから彼女達は強くあれる。弱い人間に交じると、強くても弱くなる。平和ボケしちゃうのさ」

「……………なるほど」

「話が完ッッッ壁に逸れたけども。俺は平和ボケする事を選んだのさ。外の世界でだけど。それはとても幸せな事だ。特別なんて…………なるもんじゃないから」ズキッ

「………………………外で一体、何が…………」

「………っ、まー、色々有ったよ」

「(答えたくない、か………。それなら私も探らない。貴方の嫌がる事はしたくない。私はこれでも……貴方に感謝してるんだから………)」

 

これ以上聞かれる前に、さっさと話をまとめてしまおう。外での事を振り返ったっていい事はない。捨てた世界の事だ、俺にはもう関係ない。そうだろう、高橋 凜………?

 

「俺は人間なんだから、能力に依存しすぎるのは良くないだろう?さっきも言った通り、人間は弱くあるべきだからだ」

「あはっ、ようやく話が戻ったな。だから出来ることは能力でやらず、自分でやろうと思ってね。とはいってもそこは人間、ついつい使っちゃう、なーんてこともあるかもしれないけどさ。それも人間故の弱さだしね」

「……………ふぅん?そう」

「あっは、反応薄いなぁ。君のために長々と語ったのにさー」

 

でも、ありがたい。

 

「ふふっ、そうね。随分と長い話だったわ。咲夜、紅茶のおかわりを――――って、あれ……?咲夜?」

「さっきゅんがいない…だと…?って、居るじゃん」

「え、どこ?」

「ほら、あそこの本棚の裏に」

 

大分離れた本棚を指さす。

 

「あれ、ホントだ。なんであんな所にいるのかしら」

「タチもいるな」

「呼んだのに来ないなんて、従者失格ね。これはキツく言っておかなきゃ」

 

パチュリーが立ち上がり、咲夜の下へ向かう。俺もそれに付いていく。

咲夜達が居る本棚に近づいていくと、話し声が聞こえてきた。

 

「…………なんだ?いきなり呼び出して」

「えっと………その………少しお願いがあって」

「お願い?なんのだ?今日からお世話になるのだし、出来ることならやるぞ?」ニカッ

 

パチュリーが咲夜達に声をかけようとする。

 

「おーい、咲夜――――むきゅっ!?」

「ちょいと黙っててくれ、パチュリー。面白いものが見れる気がする………!」

「むきゅっ?むきゅきゅっ、むきゅむきゅ?(意訳:面白いもの?何よそれ?)」

 

パチュリーのむきゅ声は無視し、咲夜達の声に耳を傾ける。

 

「……………っ!そうね、じゃあ、お言葉に甘えて…………」

「おー、何でも聞いてやるぞ?」

「そ、その………」

 

そして咲夜は、超巨大な爆弾を投下した。

 

「お………お姉ちゃんって、呼んでくれないかしら?」

「…………………………」イソイソ&ガチャガチャ

「むきゅっ!?(意訳:はあっ!?)」

「?そんなので良いのか?じゃあ、お姉ちゃん」ニカッ

「っ!!も、もう一回……」

「?お姉ちゃん」

「も、もう、一回………!」

「お姉ちゃん」

「………は、はふぅ………。か、可愛いぃ……」ウットリ

「こんなので良いなら、ずっとそう呼んでもいいが?」

「そ、そうね………それじゃあ、今みたいに二人の時なら………………!?」

「………………ニヤニヤ」←Equip:携帯電話のカメラ

「…あ、ああ、ああ…………。み、見てた、の………?」

 

「さっきゅん……………お前ぺドだったんだな!だからレミリアの従者やってるんだな!」グッ

 

「い、い、いやぁぁぁぁぁ!!!」

 

咲夜の絶叫が、大図書館中に響きわたった。その轟は同じく紅魔館にいた、レミリアにまで届いたとか、届いていないとか。そしてその様子はバッチリとカメラに収められ、凜の脅迫材料になるのだった………。哀れ、咲夜。

 




うまく懐かしのネタと、原作の調和が取れてると思います。初期の頃はキャラ崩壊が激しくて、咲夜というキャラがおかしくなってる場合が多かったですが、うまく咲夜の裏面として描けたんじゃないかな、って思います。ええ、自画自賛です。それが何か?(開き直り)
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