東方理想郷~east of utopia~ 作:ホイル焼き@鮭
あれは嘘だ。
すいません、思いつきませんでした。
side reimu
「ふわぁ~……………眠い」
流石に昨日、本気出しすぎたかしら?
未だ花が咲き続け、異変の様相をしているけれど、これどうしようもないのよねぇ…………。
「仕方ないからほっときましょ。………………ん?」
あれは………凜?私より早く起きてるなんて、珍しいわね………。
「何か用があるのかしら?」
…………………そう言えば、あいつが一人の時って、意外と知らないわね…………。
よくよく考えてみれば、あいつが普段何をしているかなんて、知らないわよね。私が神社に居る時は、大体一緒にいてくれるけれど、あいつ自身のことは余り知らない気がする…………。もしかしたら、あいつが一番の謎じゃない…………?
「………これは…………調査が必要ね」
とりあえず、凜をつけてみる事にした。どうやら、人里に向かっているらしい。うまく気づかれないように追いかけると、人里に着いた。
「~~♪~♪~~~♪」
野菜店に入り、鼻歌交じりで買い物をし始めた。どうやら買い物をしているらしい。
「今日の昼ごはんは野菜中心ね……………ふむふむ………って違うわよ!」
「ねーねー、ママー、あっちで巫女さんがなんか一人ノリツッコミしてるよー?」
「しっ!見ちゃいけません!大阪人になるわよっ!?」
「はーい」
「あ………………う」
は、恥ずかしい…………。つい口が滑って…………。
「き、気を取直して。再度観察を…………っていない!?どこに消えたのっ!?」
さっきまで居た所にいない。辺りを見回して、探してみると。
「あ、ありがとう、凜くん」
「うんにゃ、礼を言われる程の事じゃないさー」
ん?凜?
茶屋の裏の路地から、凜と見たことのない女の人が出てきた。なんであんな所に………。そのままその女の人は友達らしき人達の所に全力で走っていった。
「友達なら歓迎する、だってー!」
「あー、やっぱりかー。あの人、告白は受けないんだよねー」
「でもでもー、話すきっかけが出来るのは良いよねー。私も告ってみようかなー」
「いいじゃん、行ってきなよー」
ん?告白?もしかして、凜…………告白されてたの?
「そ、そんな…………。あの凜に…………。いっつも人をからかいに行ってはニヤニヤと笑って人の精神を逆撫でする、あの凜に、告白………ですって!?」
うん。よく考えてみればアイツ、なかなか最悪ね………。
まぁ、女の子に優しいのも確かだし、実はお節介焼きのお人好しなのも解ってるけど………………。
「うーん……………凜に、告白………………むむ………」
何だろう、なんというか……………。面白くないわ…………。
…………………巫女さん観察中……………………
告白ケース1。気弱そうな女の子。
「好きです!」
「えー?はぁ、そう。生憎だけど俺初めて君知ったし?流石にないかなぁ」
「そ、そうですか………ごめんなさいっ」
「おっと。だからさー、もうちょい、君の事を知らないとね。名前は?」
「………え………?な、奈々村、華乃………です」
「ふーむ、華乃ちゃんねぇ。まぁ、今は無理だけどさ、君が頑張れば、いつか君の事を好きになるかもしれないよ?ま、これで諦めても別に俺としては構わないけどねー」
「…………あ、ありがとう、ございます」
「敬語」
「え?」
「俺、友人になる奴に敬語使われるのは嫌なんだよねぇ。だから、外してくれる?」ニヤッ
「…………あ、ありがとう………!凜くんっ」
「礼を言われることじゃないぜ。またねー、華乃ちゃん?」
「うんっ!ま、またね……っ!?」
最終的に女の子笑顔。爆発しなさい。
告白ケース2。活発そうな女の子。
「…………あ、あのさ、凜………」
「んー?なんか用、姫来ちゃん?」
「…………………あ、あたし………っ!ずっと前から、お前のことが…………!す、す、すすっ………!?」
「好き?」
「………………っ!?な、なんで分かるんだよっ!」
「いやー、だって姫来ちゃん、最近ずっと、お茶請け持ってくるときに盆が揺れてんだもん。というか零すもん。おかげでずっとタダで、最近は家計が潤ってたぜ?」
「そ、そんな……………あたしのカンペキな演技が!?」
「あっは、姫来ちゃんも面白いこと言うなぁ。あれが完璧なら、世の役者は全員スターになっちまうぜ」
「………うぐ……………そ、それで…………返事は…………?」
「生憎だけど、俺には恋人作る気無いからね。今は、だけどさ?」
「……………………そ、そう、か…………。あ、ははっ、結構頑張ってたつもり、だったんだけどなぁ………………悪い、手間取らせて。もう帰って、いいぜ……?」
「え、やだよ。だって今帰ったら姫来ちゃん、絶対俺と会わないようにするでしょ?そんなの御免こうむる」
「……………………え、えと、凜」
「なにさ?」
「あたし……………まだ諦めないで、良いの?」
「それを本人に聞くか?まぁ姫来ちゃんらしいけど。まぁ、良いんじゃない?ほら、少女漫画とかで、フッたあと距離とって、そのキャラ同士の接触がなくなったりするけどさぁ。俺は、フッたあとでも気軽に付き合っていっていいと思うしねー」
「…………あ、相変わらず何言ってるか分かんない奴だな、お前はよぅ……!まぁ、何だ…………これからも、よろしくっ!」クルッ
「あは、もうぶちまけるのはやめて欲しいところだね。一々染み抜きするの、大変なんだぜ?」
「う、うるせー!言われなくても解ってるっつーの!」
捨て台詞を吐きつつも、終始笑顔。爆発すべき。
告白ケース3。妖艶な雰囲気の美女。
「ねぇ、凜くん」
「あっ、玖音のお母さんの玲菜さんじゃないですか。元気にしてましたー?最近、高い茶葉買ったんですよね。今度、そっちにもおすそ分けしますねー?」
「へぇ、そうなの……。そうね、私も欲しいわ………」
「そうですか?じゃ、玖音の家だけ少し多く入れておきますね!」
「ふふ、ありがとう………。でも、私の言いたいことはそうじゃないわ………?」
「へ。なんです?」
「わ、た、し、は、ね………?凜くん。あなたが欲しい、って言ってるの…………」クイッ
「…………あはっ、情熱的ぃ。生憎ながら、俺は誰のモノにもなる気はないんですよねぇ」
「あら、私だってあの人を捨てて、あなたに乗り換える、って訳じゃないのよ?ただ、あの人ずっと相手してくれなくて……… 」
「はぁ、それは大変ですねぇ。倦怠期ですか」
「もう、私……欲求不満で………」
「ふむ、ですが、一夜限りだとしても、体を重ねるのは懇意の女性だけであるべきですので」
「………そうよね………ごめんなさい、凜くん…………変なこと聞いて」
「ですから、今日のところはこれで、如何でしょう?」
「………んむっ………!?」
「ぷはっ。まぁ、今回で熱を取り戻して、旦那さんとよろしくやっといて下さいな。玲菜さんならきっと、のってくれると思いますよ?美人ですからねー。それでは」
「………………………も、もう………年上をからかうなんて……………凜くんったら、仕方ないんだから…………///」
終始照れ顔。灰になりなさい。
告白ケース4。ムキムキの男。え?
「なぁ、凜よぅ…………」
「な、なんでしょう………」
「この筋肉を見てくれ。こいつをどう思う?」ムキッ
「………凄く………大きくて、かたいです…………」
「だろ?で、今夜俺ァ暇なんだが……………………やらないか?」
「ウホッ、いい男!………ついに男にも告白されたか………いやぁ、どこに向かっているのか、我ながら恐ろしい」
「そうか…………嫌だってんだな?そうか…………」
「ふっ、槍田さん………。自分の要求を通してぇっていうなら…………簡単な決着法があるんじゃないですか?」
「…………!へっ、分かってやがるな」
「そう」
「自分の要求を通したいなら」
「「殴り合って決める!」」
「行くぞオラァァァァッ!!」
「掘られてたまるかぁぁぁぁっ!」
……………………漢達殴り愛中……………………
「はぁ、はぁ…………」
「ふぅ…………」
「ははっ………やっぱ手前は強ぇな…………」
「…………ふ、ふふっ、まさか吸血鬼モードで10分も持たされるとは、思いませんでしたよ………」
「いい勝負だった…………」スクッ
「うわっ、立ち上がったし………。ええ、そうですね」
「次は勝つぜ?」
「力も、速さも、まだ俺には先が有ります…………。次も勝ちますよ」
「はっ、ぬかしやがる」
ムキムキの漢は去り、その場をあとにした……………。えーと………なんというか、灰になりそうね、別の意味で。
次々と告白されていく凜。何よアイツ、モテモテじゃない………。
「それにしても…………」
告白の多さにも驚いたが、結果的に振られた相手全員、笑顔になっているのに驚いた。普通振られたりなんてしたら、もっと泣いてたりするものだと思うのだけど……。
「……………アイツだから、か」
凜だから。いくら理由を考えても、それが一番しっくりくる。凜だから、皆笑顔なのだ。
「………………そういえば、あいつ交遊関係も広いのね」
彼が歩いているだけで、色々な人が話しかけいく。老若男女関係なく、だ。ずっと前から居る私でも知らないような人でも、だ。
「凜って……………凄い」
いくらなんでも慕われすぎじゃないかしら。本当に誰とでも話してる……………。
「……………………モヤッ」
なんだかモヤモヤする思考を切り替え、再度凜を見据える。
「あ、こんにちわ、上白沢さん」
「ああ、こんにちわ。高橋、元気にしてたか?」
「ええ、変わりなく。壮健そうで何よりです」
「今日は買い物か?」
「ええ、朝のうちに買っておこうと思いまして。上白沢さんはこれから授業ですか?」
「ああ、そうなんだ。お前も来るか?」
「うーん、幻想郷についての勉強はもう十分だと思いますしねぇ………」
「そうじゃなくて、教える側としてさ。お前なら教える事も出来るだろう?」
「はぁ、そうですねぇ………。別に構わないですが」
「そうか!お前が来てくれれば、子供達もきっと喜ぶよ」
「ならいいんですけどね」
慧音とそんな会話をすると、凜は慧音と一緒に歩き出した。会話の内容を聞くに、寺子屋に向かうのだろう。
「うぅん、流石に寺子屋まではついていけないわね………。仕方ない、待ちましょうか……」
side rin
どうも、高橋凜だ。さて、成り行きで寺子屋に行くことになった訳で。前みたいに弾幕ごっこに発展しなきゃ良いが。チルノの奴め。あそこは意外と魔の巣窟だからなぁ………。
「あー…………。上白沢さん、少しいいですか?」
「なんだ?」
「いえまぁ、久しぶりですから。授業時間を使って、少し遊んでみてもよろしいでしょうか?」
「……………ふむ。よかろう、好きなようにするといい」
「有り難うございます」
寺子屋に着いた。ひとまず寺子屋の皆を呼んで、外に出してみる。
「久しぶりー、凜」
「元気だったー?」
「先生を呼び捨てにするもんじゃないよ」
「じゃあ高橋、私はここで見ているから」
「はい」
上白沢さんが子供達から離れた位置に行く。まぁやばかったら止めに入るんだろうね。
「さて、皆。今日の授業は、俺たちが行う決闘に使われる『弾幕』についての話だ」
「私知ってるよ、だんまくって、キラキラしてて綺麗なんでしょー!?」
「おう、そうだな。弾幕は美しさも持っているものだ。これを使って戦うのが、この幻想郷での決闘。故に、弾幕を使える事は、妖怪の気をそらすことにも繋がる。今日はそれを覚えよう、って授業ね」
「私にもキラキラ、出せるの!?」
「それは特訓しだいだな。まずは見本だ。チルノ、リグル、ルーミア、大ちゃん、ミスティア。出てきな」
「よーやくあたいの出番が来たようね!」
「なんとなく分かってたけどさ」
「おなかすいたのだ………」
「お、お願いします」
「面白いことなら大歓迎!」
五人が出て来る。こいつらは数少ない人間以外のメンツで、弾幕を出せる。見本にはもってこいだ。
「おけ、他の皆は見えるギリギリまで離れてな」
「「「「「はーい」」」」」
皆が離れる。よし。
「さて、まずは基本の弾幕から」
指の先から赤色の炎弾を生み出す。
「とまぁ、こんな感じだ。これに当たったからと言って害はあまりない。弾幕は体を痛めつけるというより、衝撃を与えて吹き飛ばすイメージだ」
いい機会だから言っておくが、弾幕に殺傷能力はない。弾幕にあるのは反発力、つまり押し返す力だ。体に衝撃を与えて吹っ飛ばす、それが弾幕の力だ。尤も、吹き飛ばされた先に物があったら痛いが。結界なんかは動かない為、張ったら弾幕が結界に圧力を止められて爆発するか、結界が押し切られて壊れるか、のいずれかの動きになる。
「五人とも。ひとまず、弾幕を少しだけ出して俺に向けてくれ」
「分かったわ!」
チルノが真っ先に返事をし、他の四人も頷く。そして、少量の弾幕を放つ。針弾、クナイ弾、光弾、楔弾などなど様々。
「と、こんな感じで弾幕をぶっぱなすわけだ。ぶっぱなされた弾には当たれないから、避けるか、打ち消す」
ふむ、一人あたりは少しとはいえ、五人となると弾幕の量も多いな。まぁ、かわせるだろうが……少し危ないかもな。
「兆弾「リフレクター」」
どでかい霊力の鏡を作り出す。って、これじゃ相殺にはならないか。まぁいい。
作り出した霊力の鏡が、大量の弾幕を跳ね返す。
「すっげぇ…………」
「キラキラだぁ………」
子供達から、そんな声が漏れる。ふむ。弾幕ごっこは一応戦いだからな。あんまり憧れられても困るか?まぁ、その辺の対策は後でとるとして。五人は大量の弾幕を、上手いこと小さくよけていた。あらま、中々いいよけっぷりじゃないか。
「excellent(エクセレント)。いいじゃないか。とまぁ、今五人がやったように、よけていく訳だ」
「私にも出来るー!?」
「俺もやってみたい!」
「ふむ。霊力は誰にでもあるからな、それを具現化するくらいなら出来るかもしれない」
「ホントに!?」
一先ず皆で弾幕が出せるか確認してみることに。
「むむむ……………たぁっ!」
「むー、出ない…………」
「こんなの分かんないよー!」
わはは、苦戦してる苦戦してる。仕方ないね、俺みたいに能力でどうこうして覚えるんじゃなく、普通に覚えるのは難しいし。
「あは、皆、ちゅうもーく」
「凜くん、出ないよー!」
「どうすればいいのー」
「目をつぶって見ろ、目」
「…………これでいいー?」
「そうそう。んで、全身を巡っている力をイメージする。自分の力を意識してみるんだ」
「「「「「「「……………………」」」」」」」
「イメージ出来たか?後は、その力を手のひらに集め、外に放出するイメージを浮かべるんだ」
「…………………ん……。やった、出たっ!!」
皆の手のひらから、霊力の塊が浮かんでいる。
「おっけー、順調だ。後はそのイメージを変えるだけで、弾幕の見た目は変えられる」
「…………わー、本当だー!」
「すごーい!」
わーきゃーと叫ぶ子供達。うん、これで大体の弾幕の理解は出来ただろう。
「さてと、こーいった弾幕を使って、弾幕ごっこ、つまりは決闘をする訳だ。見たいかい?」
「みたーい!」
「あは!いいけどね」
「リンが相手なら、あたいの出番ね!」
「まぁまぁ、ここは私の歌でも聴いていくのがいいと思うよ?」
「私だって、あれから少しは強くなったもん!」
「リンの相手なら、私がするー」
「あ、あの………私も………」
弾幕を最も上手く扱えるであろう五人が発言する。しゃらくさいなぁ。
「めんどくさいよ、五人全員、素直にかかってきな!」
またもや皆を離れさせ、五人と俺、そして審判をお願いした上白沢さんだけが庭に残される。
「えー、高橋対チルノ&ミスティア&リグル&ルーミア&大妖精の試合を始める。スペルカードは無制限、どちらかが被弾し切るまで続ける。ただし、同じスペルカードを使う事は禁止する。高橋にはハンデとして、スペルカード以外での能力の使用を禁ずる。まぁ、両者、怪我のないようにな」
「それでは………始め!」
「まずはあたいが正面から攻めるわ!皆はリンを囲って!」
チルノが前に立ち、他の四人が俺を囲う隊列を組む。
「……………へぇ」
チルノは突進してくるかと思っていたが。チームプレイをする意思はあるんだな。
「氷符「フロストコラムス」!」
こちらに針弾が流れ、その軌道上に弾幕が配置され、辺りを浮遊しはじめる。かなり大規模なスペルカードのようだ。
「ふむ。逃げ場はない」
周りの四人が周囲を囲んでいる。逃げようと包囲網に近づいた瞬間に弾幕を撃つ気なのだろう。一緒に弾幕を出してこないのは、リフレクターを警戒しているからか?
「あはっ、考えるなぁ。でもま、お前らみたいに弾幕の量が少ない奴になら、これかな?」
印を編み、術式を組み上げる。まだ漂っている弾幕がこちらに届いていないため、簡単に組み上げられた。
「理想神霊「夢想封印」!」
10個の強力封印弾が、チルノを狙い始める。正直言って、あいつが無駄に勝負をふっかける分、一番弾幕ごっこに慣れている。あいつさえ潰せれば楽に進められるはず。
「そうはさせないわ!」
チルノがスペルカードを中断し、新しいスペルカードを宣言する。
「凍符「パーフェクトフリーズ」!」
封印弾に強烈な冷気が集められる事で、大気中の水蒸気が凍り、封印弾を凍らせる。しかし、封印弾のエネルギーが膨大であるため、その推進力は衰えてはいるが、そのまま進んでいた。
「へぇ、弾幕を凍らせる、か。面白い着眼点じゃないか」
ただ、そのホーミング性は薄れていないようで、そのままチルノに向かっている。
何かを始めるつもりなのか、チルノの周囲へと他の4人は移動した。
「みんな!後は頼むわ!」
「おっけー」
チルノが凍らせた封印弾に、次々と四人が通常弾幕をぶち込む。勿論そのまま封印弾は、弾幕の衝撃に耐えていたが、次第に氷にひびが入り、中の封印弾ごと壊される。
「なるほど、パーフェクトフリーズで速度を緩くし、その間に四人の物量で封印弾を破壊する、って事か。やるねぇ」
ホントに、妖精や力の弱い妖怪とは思えない連携だ。
「なら、これはどう対処するかな?」
「理想魔砲「ファイナルマスタースパーク」」
霧雨魔理沙の恋符「マスタースパーク」の最終型、魔砲「ファイナルマスタースパーク」。因みに、ファイナルマスタースパークを扱うには彼女独自の魔法式によるミニ八卦炉の運用が必要である為、やり方を解析しても意味不明。だからただただ全力で魔力をぶっぱなすだけになってたりする。であるからして、魔理沙の扱うものより威力が低い。流石にマスタースパークよりは高いと思うが。それを理想符として使っていいかは定かではない。
「さて…………どうする?」
ファイナルマスタースパークは、ただただでかい、速い。見てから効果範囲外に出るのは至難の業だ。
「………………!みんな!よけてー!」
「言われなくてもよけるのだー」
「同意!」
「おっけー!」
「うん!」
チルノは俺のマスタースパークを放つ時の予備動作を知っている為、その行動は迅速だ。周りに支持を飛ばし、対応させた。上にはミスティア、左にはチルノ、リグル、右には大ちゃん、ルーミアが逃げる。五人ともファイナルマスタースパークに少し掠りはしたものの、直撃はしていない。
「よし………っ!かわせたっ!」
「はは………、予想通りの行動をありがとう」
「理想恋心「ダブルスパーク」」
ファイナルマスタースパークを出していないほうの手で、もう一発、マスタースパークを放つ。魔理沙のマスタースパークの物量発展型、恋心「ダブルスパーク」。魔理沙のスペルは、使い勝手のいい物が多い。故に、俺もよく使ってしまう。パクリ技ばっかり使うのは良くないとは思うんだが。
「「………………え?」」
チルノとリグルにマスタースパークが直撃する。当たることは確実だと思ったので、威力は低め。吹き飛ぶまではいかない。だが、被弾したのは事実。
「チルノ、リグル、失格だ」
と、上白沢さんが言う。やったぜ。
「わはは、ホントに、気を抜くやつが多いねぇ。最後の最後まで、油断は禁物だぜー?」
「うー、さいきょーのあたいが敗れるなんて………。みんな、負けたら許さないからねー!」
「うぅ、やっぱりあの人強いよ………。みんなー、がんばれー!」
失格した二人の声援がかかる。3人はこくりと頷く。
「さて………。リーダー格のチルノが居なくなった今、誰が指揮をとるのかねぇ?」
まぁ、妖怪としての力が強い、ミスティア辺りが指揮を執るのかな?
「ルーミアちゃん!」
大ちゃんが叫ぶ。お?大ちゃんが指揮を執るか。意外だな?言っちゃなんだが、あの子が一番力が弱いと思ってたんだが。
「凜さんの周りを出来るだけ広く、闇で覆って!」
「分かったー」
俺の視界が、闇で覆われる。とは言っても、やはり昼に使っても効力が薄いのか、うっすらと透けて見える。せいぜい、夜になったくらいの暗さだろうか。
「さてさて………何をするのかな」ニヤァ
妨害する事も出来るだろうが、そこはそこそこの強者として、正面から攻略する。小細工、大いに結構。それを思い切り叩いてこそ、やりがいがあるというものだ。
「ミスティアちゃん、凜さんを―――――」
「言われなくても分かってるって~。鳥目になぁれ~♪」
視界の翳りが酷くなり、ほぼほぼ視界がなくなった。へぇ?
「ルーミアで暗がりを作り、それをミスティアで補強したのか。なるほどなるほど、両者の能力の欠点を補った、いい連携だ」
ルーミアでは完全な暗闇は生み出せないし、ミスティアはまず暗がりがなければ意味はない。そして、攻撃は大ちゃんがする、って事かな?
「風弾「スプリングウィンド」!」
大量の全方位弾幕が放出される気配と、3つほどか、竜巻の様な物が動く気配を感じる。えぇと………視界がないから分からないが、おそらく竜巻に弾幕が触れることで、軌道をランダムに変えられているのだろうか?ランダムにこちらに弾が来たり、規則的に来たりしている。
「ちっ…………うわっと!?」
はっきり言おう。無茶苦茶難しい。
いや、視界のある状態であれば、どうにかできなくもない弾幕だとは思う。正直、妖精の弾幕とは思えないほどの難しさではあるが、無理じゃあ無いだろう。しかし、全く視界のない今で対応できる弾幕じゃない。
「ちっ……!化人「動かざること山の如く」!」
思考速度をブーストして、対応する。感じ取って行動する速度が上がり、大分かわせるようになってきた。よし、これで………!
「意外と粘るねぇ、凜さん。なら、これならどうかしら?闇のなかぁ、弾のなかぁ♪狂って踊る、おっとこひっとり~♪」
ミスティアが、軽快なポップスで歌い出す。う、なんだ………?その歌を聞いていると、弾幕を感じる力がどんどんと失われていくのを感じた。
「そうか、ミスティアのもう一つの能力………わわっ!?」
歌で人を狂わす程度の能力で、判断能力を鈍くされている事に気づいた。やばい、正直、ここまで悪条件が重なると対応できない!
「くっそ、兆弾「リフレクター」……!」
とにかくどでかく引き伸ばした霊力の鏡を作り、弾幕を跳ね返す。ただ、所詮は一時しのぎ。再度、大量の弾幕が襲いかかって来る。
「おおおおおおっ!?無理無理無理無理無理っ!こんなものかわせるかぁぁぁぁっ!」
しばらく必死でよけてみたものの、あえなく撃沈。弾幕が体にぶちあたり、吹っ飛ぶ。
「高橋、失格だな。ということで、この勝負、チルノ達の勝ちだ」
「おぉぉぉぉーっ!?」
静かに観戦していた子供達から、歓声の声が上がる。
「や、やった………。凜さんに、勝った………!」
「ふふん、流石さいきょーのあたいの友達ね!」
「やったねー」
「ぶい、なのだー」
「みんな、凄いなぁー」
五人が勝利を喜び、分かち合う。
「ちぇー、負けちまったかぁ。しばらく負けてなかったんだがなぁ」
しかも、それをなしたのは、圧倒的に力の小さい者達。まさか負けちゃうとはなぁ。
「あは、これだから、ここは面白い」
一先ず、五人に声を掛ける。
「お見事。今回の勝負、君達の勝ちだ」
「あ、ありがとうございます」
「大ちゃん、君のスペルカード凄かったぜ?正直、スペルカード無しじゃ、対応できないかもしれない位だ」
「そ、そう、ですか?みんなが使ってるのを見て、私も作りたいな、って思ったんです」
「へえ、そうだったのか。頑張ったなー、大ちゃん。よしよし」ナデナデ
「…………~♪えへへ」
照れくさそうにはにかむ大ちゃん。うん、もうロリコンでも良いです。可愛い幼女が好きで何が悪い!
「ま、その他も、頑張ったなー。正直、負けるとは思わなかったぜ」
「とーぜんね!」
「凜さんもまだまだ、って事だねー」
「私はほとんど何もしてないけどね………」
「当然の結果なのだー」
「あはっ、調子にのっちゃめっ、だぜー?ま、弾幕についての授業はここまでにしようか」
「あ、そうだ、みんな、今日教えた弾幕だけれど。変な事に使うんじゃないよ?さっきも言ったけど、弾幕は戦いに使うものだからね?もし使ったら…………はぁっ!」
その辺に有った空き缶を手に取り、鬼の力でぶん投げる。空き缶は雲を突き抜け、そのまま戻ってこない。
「こんなふうに、お空の彼方へ消えちゃうからね?」ニタァ
「「「「「「「ゾクゥッ!!」」」」」」」
絶対に、変な事に使うのはやめよう………!そう思った子供達だった。
「あは。おっけーおっけー。じゃ、みんな、座学に戻りなー。上白沢さん、後はお願いします」
「………ん、あぁ。任せてくれ」
「正直、こんなんでいいのかと思うんですが………」
「うん?いや、良かったんじゃないか?子供達も楽しそうだったしな」
「はぁ、ならいいんですが。っと、朝ごはん作らないと。上白沢さん、ではこれで。みんなも、またね」
「ああ、またな」
「「「「「「「またねー!」」」」」」」
寺子屋の私有地を出て、人里に戻る。っと、遅れちゃったなぁ。ん、あれ、霊夢じゃないか。なんで人里に来てるんだ?俺が遅いからかな?
「おっす、霊夢。こんなとこで何やってんの?」
「凜!?い、いや、遅かったから、様子を見に来ただけよ?」
「そう?良く俺が人里に来たってわかったね?」
俺は結構どこにでも行くやつだからな。
「あなたの良く行く所って言ったら、ここでしょ?買い物にでも来たのかなって、そう思ったのよ(き、気づいてない……わよね?)」
「ふぅん?そう。なら帰ろうか。迎えに来てくれてありがとね」
「ええ。今日の朝ごはんは何かしら?」
「そうだねぇ、純和食にしようか。ご飯に焼き海苔、生卵、漬物、焼き鮭、お味噌汁」
「想像するだけで美味しそうなラインナップねぇ。早く帰りましょう」
「おけおけ。昼も買ってきたからね、そっちも楽しみしときなよ?」
「否が応でも、期待しちゃうわよ」
「あは、そいつは重畳。作る側としては、美味しく頂いて欲しいからねー」
自分のために作る料理って虚しいのとおんなじで、やっぱり美味しく食べてくれないと悲しいしね。
迎えに来てくれていた霊夢と、他愛のない話をしながら、博麗神社へと戻った。