東方理想郷~east of utopia~ 作:ホイル焼き@鮭
前回のあらすじッ!いつもの日常を過ごしていた俺たちにッ!突如、幻想郷を紅い霧が覆う異変、紅霧異変が起こったッ!博麗の巫女として、異変を解決しようとする霊夢について行った俺は、とにかくカレーを布教して行った。さて、俺は、カレーを布教し終わることが出来るのか!残るは、レミリア・スカーレット。パチュリー・ノーレッジ。フランドール・スカーレット。あとついでに小悪魔。
「なんかでかい図書館みたいなのがあるな」
「そうね。ここには誰かいるのかしら」
「あれ~?誰か来ました?」
またも無駄に重い扉を開き、中をキョロキョロと覗いていると、アホっぽい赤髪の人が話しかけてきた。えーっと……なんだっけこの人。確か、それ名前なのって名前だったような………。
あ、そうだ。小悪魔だ。いや、それタダの種族じゃんって思った覚えがある。確か、ファンからの愛称はこぁ……だったはず。よし、勝手にこぁさんと呼ぼう。
さぁ、話しかけられたわけだけど……どうしようか。
「どうする?霊夢。」
「そうね……。相手の出方しだい、かしら」
「なるほど……」
すると、こぁさんはカレーの匂いを感じ取ったのか、目を輝かせて言った。
「うわ~。カレーですかぁ?食べても良いです?」キラキラ
やっぱりアの字の人らしい。だがまぁ、好都合っちゃ好都合か。真に怖いのは、有能な敵じゃなくて、有害な味方と言うし。
「それはもちろん構わないのだが、ここの主を呼んでくれると助かる」
「分かりましたぁ。パチュリー様、呼んできますぅ」
こぁさんがどこかへ行った。ここの主を呼びに行ってくれたんだろう、単純でよろしい。
「ふむ……。カレーの布教も出来て、新しい人も呼べた。よかったな」
「ええ。でも、異変解決の方も忘れちゃダメよ?もちろんカレーの方も大事だけど、ね」
「ああ。分かってるさ」
言われるまでもない。どっちも大事なのだ。
しばらく待っていると、こぁさんが紫のもやしみたいな人を連れてきた。パチュリー・ノーレッジ。動かない大図書館の異名を持つ。それただの図書館じゃねぇ?せめて生きた大図書館にしてあげようぜ。
「連れてきましたよ~。」
「よくやった。カレーを贈呈しよう」
「えへへ~では、いただきます。ŧ‹"ŧ‹"(≧ч≦)ŧ‹"ŧ‹"~~♪美味しい~~♪」
実に単純な………。
まあ、いいや。紫もやし、じゃなかった、ノーレッジの方も布教しなきゃ。
カレー布教カレー布教。
「どうも~。異変解決に来ました~」
「ハァ……やっぱり?まったく、こぁにも困ったものだわ…」
「あは、どんまい。有害な味方を持つと苦労するねぇ?」
「全くね…………はぁ」
さて、今回はどっちが相手するか………。
「霊夢、どっちがやる?」
「順番的に、今回は私じゃないの?めんどくさいけど」
「そうだな。描写も少なくて良いし、任せた」
「任されました」
決定だ。後は霊夢に任せて、俺はぼーっと眺めておくことにしよう。勝てるだろ、うん。
「そこの紅白が相手?あんまり暴れないで欲しいわね」
「いや、それは無理でしょ。少なくとも、数冊はファイアーしちゃうわ」
「ここの本は、あなたの神社の五年分の賽銭の価値があるわ」
「うちの神社は参拝客が来ないから、賽銭なんてないわよ」
「まあ、その程度の価値しかないのよ」
「所で、ここのご主人様、どこにいるのか知ってる?」
「レミィに何か用なの?」
「レミィ……それがご主人様の名前?」
「そうよ。レミリア・スカーレット。ここの主人の吸血鬼」
「なるほど。吸血鬼とはびっくりだぁね」
「恐れをなしたなら、帰ってくれない?私も忙しいのよ」
「私としてはそれでも良いんだけど、役職的にね。あんたにはお嬢様の所まで案内してもらうわ」
「私に勝てたらね。………………所であんた、誰?」
始まったみたいだ。霊夢が札を構え、お払い棒を持つ。ノーレッジの方は、本を持って詠唱している。
「火符「アグニシャイン」」
詠唱が止まると、ノーレッジから赤色の弾幕が、渦巻きを描くような形で霊夢へと向かう。が、霊夢は小さく動いて避ける。ゆらゆらと、実体を掴む事が出来ない霊夢のよけ方だ。ノーレッジは埒があかないと思ったのか、次のスペルの詠唱を始めた。が、スペルを唱え切るまで霊夢が待ってくれるわけもなく、札や封魔針等の退魔武器を投げつける。ノーレッジもよけながら詠唱をしているが、
「はぁ……はぁ……げほっ」
相当気分が悪そうだ。だ、大丈夫か?
「気分悪いなら、さっさと負けてしまったらどう?」
「ぜぇ、ぜえ……それが、そうもいかないのよねっ!」
火符「アグニレイディアンス」
さっきのスペルより量が多く、弾の間隔も短い。実にシンプルだが強力。しかし、シンプルなものだからこそ、強者には弱く、霊夢は前よりは集中してよけているみたいだが、被弾することもなかった。
「はあ、はあ……き、気持ち悪いぃぃ」
相当に顔色が悪く、頬が紅く染まっている。うわうわ、あれはダメだろ…………。あれはもう、病人の様相だ。
「…………ありゃ止めた方が良いな。おーいれーむー」
「何よ」
「明らかに体調悪そうだから、一時中断にしろー!」
「はぁ?あんた、そいつ敵よ?そんな義理ないじゃない」
不審な顔をしつつも、霊夢は針や札を投げる手を止めてくれた。ノーレッジも相当我慢していたのだろうが、紅い顔のままゆらゆら地面に落ちてくる。
「まあまあ。別に良いじゃん。こぁさーん!」
「あれ〜?私名前言いましたっけ?まぁいっか。なんでしょう?」
「調理できるところ、ここにある?」
「んー、こちらにありますけど。何する気ですか?」
そう言ってこぁさんが、奥の方にある扉を指さしてくれる。ふむふむ、なるほどあそこだね。ひとまず、ノーレッジの方を指さしながら疑問に答える。
「お粥か何か適当に作って、この体調不良に食わせようかと」
「え?ぱ、パチュリー様ぁ!?大丈夫ですかぁ!?」
「だ、大丈夫。少し休めば元に戻るわ。だから何もしないでちょうだい」
「あほ。ちゃっちゃと作ってやるから、少し待っとけ」スタスタ
俺は調理場に向かい、炊飯器のご飯に水を加えてふやけさせ、調理場にあった卵とネギを入れ、塩と、少量の醤油を入れて味付けする。味見をしてみると、まあまあ美味しかったので、そのまま一杯分位持っていった。
「ほら。これ食って薬飲んで寝とけ」
「なんで、私にそこまで?あの紅白の言う通り、私は敵よ?」
「なんとなくだ。ほれ、食ってみ」
「じゃあ……いただきます」
幻想郷の人は律儀だねぇ。いちいちいただきます言うとか、小学校かっての。
「美味しい……」
「それなら良かった。じゃ、俺は行くよ。ノーレッジは部屋に行って寝とけ。こぁさん、お粥はまだ調理場にあるから、足りないなら持っていってね」
「分かりましたぁ!パチュリー様ぁ、部屋に行きましょう!」
「分かったわ……いろいろありがとう、また来てくれると嬉しいわ」
微笑しながら、こんなこと言ってきたもんだ。顔が赤くなってもしょうがないよな。
「わはは、せいぜいその時は体調を万全にしておくこったな」
顔を向けずにそう言って、霊夢と一緒に図書館を出た。
「さて、案内人がダウンしたし、代わりの案内人がいるな……ん?霊夢どうした?」
なんか不機嫌そうなので聞いてみた。すると、
「……なんでもないわよ」
「そうか?わはは、何でもいいがな」
「もうちょっと考えてくれてもいいじゃない」ボソッ
「はい?なんて?」
「なんでもないわよっ!」
霊夢が歩き出す。何ぷりぷりしてんのだろう。
「構ってちゃんか?(。-∀-)にや」
「聞こえてるじゃないのっ!」
「わはは、これでもお前よか3歳は上なんだぜ?聞こえてなくても大体わかるさ」
「……子供扱いしないでよ」
「そうは言うけどこの年代くらいで、3歳の差はでかいぜ?」
「いくら十四でも、私は博麗の巫女。子供なんかじゃないわ!」
「はは、じゃあ子供から後輩にランクアップしてやろう。さて、いくぞ、後輩」
「む~~」
「あっはっは。その動作で、後輩から子供へランクダウンか~?」
「~~~~!もう!」
何をそんなに気にしてんだか。実はプライド高いのかぁ?
霊夢と一緒に廊下を歩いていると、先ほど見かけた銀髪の後ろ姿が見えた。あれは………十六夜か?ちょうどいい、案内してもらおう。
「おーい、十六夜………あ?」
何かバトってるみたいだ。
流れ弾がこっちにも来てる。ん、見たことのある星弾だけど…………。かわしながら、十六夜に話しかけてみる。
「あら?凜じゃない。さっきぶりね」
「やあ。何だかんだで秘薬使ったんだな」
「おーい……」
「ええ、あの薬凄いわね?みるみるうちに傷がなおったし、何だか気力も充実しているし」
「おーい…!」
「そうだろ?つーか、よく飲んだな?こういうのもなんだが、俺敵だぜ?」
「まあ、そうなんだけど、なんとなく貴方は信用できると思ったのよね」
「そいつは重畳。所で、何してんだ?」
「私を無視するなー!」
十六夜と戦ってたらしい魔理沙が叫ぶ。何だよ……。まぁまずは十六夜に話を聞かなきゃ。レミリア・スカーレットの部屋を教えてもらわなきゃ話が進まないんだから。
「おお、そういや戦ってたんだっけ?邪魔して悪かったな」
「大丈夫よ。今日の私は負ける気がしないの」
「そ?なら、お嬢様の部屋、教えてくんない?」
「教えると思うの?」
「教えないなら、今すぐ魔理沙についてお前を確実に勝てない状況にして吐かせる」
「そう?なら、私はさっさとこの黒白を倒して、急いで貴方達に追いついた方がまだ効果的ね。分かったわ、お嬢様の部屋は……………」
…………………少女説明中…………………
ふむふむ。なるほど、そう行けばいいのね。おっけ、じゃ、行くか。
一応魔理沙に声掛けてからね。
「じゃーな、魔理沙。勝てたら追い付けよ」
「おい、凜!こいつ何かタフなんだけど!つうか、何でお前らが先に戦ってる筈なのに体力こんなあんだよ!?」
「俺が魔理沙の為を思って、体力を全開させておいた。文句あんならさっさと倒しな」
「はぁ!?ちょ、どうゆうことだよー!?」
後ろでぎゃーすか騒ぐ魔理沙を尻目に、レミリア・スカーレットの部屋へと向かう。
まぁ、どうだろうなぁ、魔理沙が勝つか、咲夜が勝つか。マスタースパークも、スターダストレヴァリエも、狭い範囲で効果を発揮する代物だ。魔理沙が勝つかもなぁ………。
さて、と。妙に重苦しい雰囲気を催している扉の前に到着。ここか……。
「霊夢。行くぞ」
「分かったわ」
部屋へと入る。中には誰もいない………。
「あり?誰もいない………いや。いるんだろ?出てこいよ、レミリアとやら!」
「人の名前にとやらをつけないでくれる?」
突如部屋の中の霧が集まり、青髪の、ちびっこい少女が出てきた。
はい?
ロ、ロリだ………。まぁ全員少女なんだけどな、公式では。神主さんはロリコンなんだろう。きっと。
「お前がレミリア、か?」
「ええ、相違ないわ。紅魔館へようこそ」
「霊夢、言ってやれ」
「霧、消して」
「端的だな!」
どうでもいいけど!
「嫌よ」
「言うと思った」
「分かったなら帰ってくれる?」
「あんたこそ出てってよ」
「ここは、私の城よ?出ていくのはあなただわ」
「この世から出ていって欲しいのよ」
なんか物騒なやり取り。おお、こわいこわい。
「しょうがないわね……いま、お腹いっぱいだけど…」
「護衛にあのメイドを雇ってたんでしょ?そんな、箱入りお嬢様なんて一撃よ!………凜が」
「俺!?」
霊夢はスルーした。何で!?いやまぁ、良いけどさぁ…………。
「咲夜は優秀なメイド。おかげで、首一つ落ちてないわ」
「あんた、強いの?」
「さあね。あんまり外に出して貰えないの」
「私が日光に弱いから」ゴウッ!
レミリアが凄んでいた。魔力っぽい力を垂れ流して、その実力を見せつける。まぁ吸血鬼って時点で分かっていた事だが、並大抵の実力ではない事がわかる。
「………なかなかやるようね」
「ああ」
「そんな事、どうでもいいわよ。さっさと二人でかかってきなさいな」
「舐められてるな」
「ここは、わたし達のコンビネーションを見せるときかしら」
「まあ、何回も戦ったから、お互い分かってるしな、戦い方とか」
仕方ないなぁ、合わせてやるか。て、こんなに偉そうにふんぞり返れるほど、俺は経験を積んでないけど。むしろ霊夢に合わせてもらうべきだろうか。
「こんなに月も紅いから、本気で殺すわよ」
殺す、ねぇ。なんとも直接的で、怖い表現だ。これは遊びだって言うのに。
「「こんなに月も紅いのに」」
「楽しい夜になりそうね」
「永い夜になりそうね」
「スリリングな夜になりそうだな」
みんな、合わない。しゃーないな、むしろ合ったら凄い。
というか、そんなのどうでもいい!
「夢符「封魔陣」!」
霊夢がそう、スペル名を叫ぶと、霊験あらたかな御札が、レミリアの周囲を囲い、線を結び結界を成す。
ただしその強固そうな結界にはただ一つのみ、大きな穴が空いていた。普通に考えてしまえば、ミスにも見られる行動だったが……。なんとなく意図を察したので、俺はその結界の上部へと向かって飛び上がる。
「ふうん」
レミリアが、結界をみて漏らす。かなり強力な結界であることが分かったのだろう。
「あり、そのスペカ、そんな使い方出来たんだ」
「線を結び、結界を成す。成した結界で、悪者を閉じ込めたまへ。常識よ?」
霊夢の結界に空いている穴に向けて、霊力を手のひらに集中させる。魔理沙、借りるぜ?
「理想恋符。「マスタースパーク」!」
霊力を圧縮して放つ霊力光線が、レミリアへと向かっていった。
逃げ場である穴を全て、霊力光線が塞ぎながらレミリアへと向かう。逃げ場はない………!
「……ふん」
レミリアが手に魔力を集中させる。って、嘘だろ?何だあの魔力の強さ………!
――――――――――――神槍「スピア・ザ・グングニル」。
馬鹿みたいな威力の槍の弾幕が、理想マスパを速攻で貫き、俺に向かう。それはまさに、神速と呼ぶべき速度だ。
「凜!」
霊夢が叫ぶ。くっ……。
「スペル中断!化人「速きこと風の如く」」
マスタースパークを中断し、よけるためにスペルカードを使った。ホーミング性もあったみたいだったが、流石に天狗の速度には追いつけないのだろう、窓をぶち破りながら消えてった。こいつ自分ん家破壊してるぞ?
「あっぶねー。いきなりスペカ2枚使うとか」
「あなた、ホントに人間?」
「人間だぜ?」
「そもそも、あれほどの威力の光線撃ってるのに、何でよけられるのよ」
「人間は奥深いんだぜ」
「一括りにしないでよ」
しかし…………なめてたつもりじゃなかったんだが……………。
「ここまでとはな。なめられてると思ったら、こっちがなめてたってか?」
「凜、取り敢えず無闇にスペルカードを使わないで、あいつの隙を突くのよ」
「んー、一回試しても良いか?」
「何を?」
大量のスペルカードを取り出して言う。
「スペカ連発」
「…………あなた、話、聞いてた?」
「聞いてたよ。だからこそ、試してみないと」
「はあ、好きにしなさい」
「OK」
「おしゃべりは終わったかしら?」
「ああ。ではでは、スペルカードを連発しようと思います」
「出来る物なら、ね」
レミリアがスペルカードを使う。
神術「吸血鬼幻想」
大きい弾がこちらに飛び、その軌道上に小さい弾幕が現れ、思い思いに拡散する。どうやらレミリアの好きに動かすことが出来るらしい。
「重力「アイディアル・グラヴィティ」」
向かってくる弾を全て落とし、消す。レミリアにも負荷がかかったみたいで、少し動揺していた。霊夢にも同じ超重力が掛かってるだろうが、関係ない。あいつは、重力なんてもんには縛られないから、な。
「………これは……」
「もう一枚、化人「速きこと風の如く」」
天狗のスピードが出せる羽が現れる。
「出力全開!」
超高速でレミリアへと向かう。レミリアも逃げようとするが、重力の影響下にあるレミリアと、影響下にない俺。すぐに追いつくことが出来た。そのままのスピードで、
「もう一枚、化人「侵略すること火の如く」」
二枚目の特性会得カード。腕力を向上させる。その力は通常の鬼をも凌げるほど。そのまま全力の拳を、レミリアの体に向けて振るう。
「はあっ!」
「ごふっ!」
流石に吸血鬼と言えど、天狗並みのスピードで鬼の力を受けたのだ。流石に…………………………。
「げふ………っ、ぺっ!」
レミリアが血を盛大に吐く。やはり、相当にダメージがあるようだ。呼吸器系を潰せていれば嬉しいが。
「やるわね……ちょっと回復に手間取りそうだわ」
「それは良いことを聞いた。霊夢!」
グラヴィティを解き、霊夢を呼ぶ。
「分かってるわ!」
そう言うと霊夢は、空中で陣を描き、印を結ぶ。
「夢想封印!」
封印の霊力が込められた虹色の弾が、レミリアへと向かう。その量は少ないが、一つ一つに相当な威力が込められている。
「厄介ね」
完全ホーミング式で、余程の弾幕でもない限り消すことは難しい。流石に今のレミリアにはこれを打ち消すことは不可能の筈だ。
「……うっ………はぁ!」
霊力弾をよけることに全力を注いでレミリアが動く。
「(速い……流石は吸血鬼。天狗に匹敵する速さ、鬼にも迫るパワー。本当にぶっ飛んでる)」
流石に追いつけないのか、霊力弾が引き離される。
「ちっ。流石は吸血鬼って所かしら」
「奇遇だな、全く同じ事を考えてたぜ」
「ふん、あんなの見たら誰でもそう思うわよ」
「わはは、それもそうだな」
さて、どうするか……。
「はあっ!」ブンブンブン!
レミリアが大量の弾幕で夢想封印を打ち消した。既にその体は血に塗れておらず、顔色も元に戻っていた。
「あっちゃー。全快しちゃった」
だが、まあ分かってたことだ。
「面白い人間も居たものね?たった2人でこの私を追い詰めるなんて、ね」
「そりゃ良かったわね」
「ええ、その力を……もっと見せてちょうだい!」
「紅色の幻想郷」
でかい弾が向かってきて、その軌道上に弾幕が作られて、不規則に動く。それをよけている最中にも追加される、物量押しスペル。
「物量押しかよ!」
「妖怪らしいと思うけど。さあ、どう出るの?」
どうにか隙間を掻い潜ってよける。このままじゃ当たる………!
「霊夢!結界を……」
「そんなの組んでる余裕ないわよー!」
「くっそ……なら!」
弾幕をよけながらスペルカードを使用。
空弾「アイディアル・エアガン」
周りの空気を霊力で圧し、威力を持った弾幕を作成。それをレミリアの弾幕にぶつけて消し、安全地帯を作る。
「霊夢!もう一回あいつに結界を張ってくれ!」
「また壊されちゃうわよ!?」
「いいから!」
「………信じていいのね?」
「もちろんだ」
「……分かったわ。夢符「封魔陣」!」
結界がレミリアを覆う。再び、少しの穴を開けて。先程はそこにマスタースパークを撃ち込んだのだが……。
「同じ手が通じると思うの!?」
レミリアがもう一度、神槍「スピア・ザ・グングニル」を使用しようした。
「さっきと同じ!」マスパ
「神槍「スピア・ザ・グングニル」!」
さっきと同じように、マスタースパークをスピア・ザ・グングニルが貫く。
「相手の力が強いなら、それを利用する!」
――――――――――――兆弾「リフレクター」。
霊力の鏡が、スピア・ザ・グングニルをレミリアへと反射させる。
「くっ!?」
流石に予想外だったようで、レミリアがスピア・ザ・グングニルに当たる。かなりのダメージがあるみたいだ。それを知れたなら……!
「まさか私の槍を跳ね返すなんて……やっぱりあなた、人間じゃないでしょ」
「さっきも言ったように、人間は奥深いんだぜ?」
俺は勝利を確信したように、満足気な表情を浮かべる。
もちろんスピア・ザ・グングニルを喰らったとはいえ、レミリアにはまだまだ余力はある。
しかし―――――この勝負。俺と霊夢の―――――――勝利だ。
そろそろ、かな?
「霊夢?準備は終わったか?」
「わざわざ聞かないでよ」
「っっ!?なんだと!?」
霊夢が突然後ろから現れ、レミリアを結界で拘束する。
「神技―――――――「八方鬼縛陣」!」
そう、俺は囮。本命は霊夢による結界での拘束。そして…………。
「これで……終わりだぁっっ!」
「理想神槍「スピア・ザ・グングニル」っっ!」
囮はただの囮ではなく、レミリアの高威力スペルカードを解析し、レミリアにもダメージが通るかのテストの意味合いも持つ。
「動けない……だが紅白、このままではお前も無事ではいられないだろう?」
「余計なお世話ね。私には抜け道があるのよ」
強大な霊力の塊が、レミリアへと直撃。流石に吸血鬼と言えど……………………。
「私が、負けるなんてね…」
か、勝ったっっっ!
「つ、疲れたぁ……」
「完っ全に同意ね………」
「こんなに身の危険を感じる遊びは初めてだぜ………」
「ホントよね……さあ、勝ったんだから霧を止めてくれる?」
「わかったわかった。やるよ」
すっかり復活したレミリアがそう言う。勝ったのに敵の方が無事ってこれ如何に?
「終わった終わった。さて、帰るか」
「待ちなさい」
「何だよ霊夢……まだなんかあんのか?」
「カレーよ」
「……あ」
忘れてた。こんなに大事なことを忘れるとは、不覚。俺もまだまだという事か。
「レミリア」
「何よ」
「お裾分けだ。カレー」
もう2はい分くらいしかない。随分食ったな………。
「なに?これ。」
「え、カレー知らないの?」
「ずっと血を混ぜた洋食だったもの。美味しいの?」
「まあ、美味いな」
なにせカレーだし。みんな大好きだ。
「ふうん?じゃあ、頂くわ」
そう言ってレミリアは、俺の差し出したカレー皿を受け取り、優雅な所作でカレーを食べ始めた。
ひと口含んだあとに目を見開くと、そのままガツガツとカレーをかきこみ始めた。あ、気に入ってくれたっぽい。
「( ′~‵)ŧ‹”ŧ‹”ŧ‹”ŧ‹”……美味しいわね……あなた、紅魔館に就職しない?」
「気が向いたらな」
「あ、妹にもやっといてくれよ」
「………!?なぜその事を知っている!?」
「それは、神のみぞ知る所って奴かな?とにかく、渡しといてくれ。さー霊夢、今度こそ……」
「待てこら!」
突然魔理沙が飛んできて、暴言を吐いてきた。
「……………。よし、帰るか!」
「スルーすんな!」
「なんか用かよ、魔理沙」
「もしかして、もう終わったのか?」
「まあな」
「………もう、どうでもいいや」
「(・ω・ノノ"ドンマイ☆(・ω・ノノ"チャチャチャ☆(`・ω・ノノ"ウーロン茶☆さて、じゃあ魔理沙、帰ろうぜ」
「分かったよ………はあ、何か疲れただけな気がしてきた……」
こうして紅霧異変は終わった。まあ、完全には終わっていないが、それはまた次回、ということで。