DRAGON BALL SISTER OF KAKAROT   作:桂ヒナギク

1 / 1
プロローグ

 惑星ベジータ。

 保育器に、その女の子の赤ちゃんはいた。

 彼女の名はカロッタ。父バーダックと母ギネとの間に産まれた、カカロットの双子の妹である。

 隣の保育器でカカロットが泣いていた。

 さらにその隣で、ブロリーが不服そうに泣いている。

 だがカロッタは気にも留めず静かに眠っていた。

「……………………」

 眠りから目を覚ますカロッタ。

 幼い頃の夢だった。

 カロッタはベッドから降りると、鏡の前に立った。

 端正な顔立ちをした長髪の女性が映っている。

 カロッタは身支度を整えると、仕事へと向かう。

 カロッタはミゲルという名で歌手として活動していた。

 今日も舞台で歌唱を披露する。

 最初にロマンティックをあげるよを歌い、続けてDon't you see。そして、CHA-LA HEAD-CHA-LA、DANDAN心惹かれてくを奏でる。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 リサイタルが終わり、カロッタは楽屋へ移動する。

「あー、喉乾いた」

 カロッタは冷蔵庫からお茶を取り出して一気に飲み干した。

 空のペットボルをゴミ箱へ放り込み、支度をして帰路に就く。

 自宅への道を歩いていると、若い男性がガラの悪い連中に絡まれていた。

「よう、にいちゃん。俺らに金貸してくんねえ?」

「か、金なんて持ってませんよ」

 若い男性は酷く怯えている。

「ちょっとあなたたち!」

 カロッタはガラの悪い連中の背後に立つ。

「なんだあ?」

 振り返る連中。

「お、こいつ歌手のミゲルだぜ」

「ねえちゃんも俺らに金貸してくれよ。歌手なんだからたんまり持ってんだろ?」

 カロッタは困ったような表情で言う。

「お金が欲しければ仕事をすればいいじゃない」

「うるせえ。いいからよこしな」

 連中の一人がカロッタに手を伸ばした。

 カロッタは相手の手首を掴むと、もう片方の手で腹部の裾を掴んで後方へ放り投げた。

「あ、てめえ!」

 もう一人がカロッタの側頭に回し蹴りを叩き込もうとするが、彼女は腕でガードした。

 そしてすかさず足首を片手で掴み放り投げる。

「うげ!」

 連中が落下して一箇所に重なる。

「覚えてやがれ!」

 連中は捨て台詞を残して去っていった。

「お強いんですね。ああ、私はマーク」

「カロ……いえ、ミゲルよ」

「ミゲルさん、私、あなたの大ファンなんですよ!」

 カロッタは歌唱中に見た最前列の観客を思い出す。

「もしかして、最前列にいなかった?」

「はい!」

「あなた、前にも私のリサイタルに来てたわよね?」

「覚えててくれたんですか?」

「熱心に応援してくれるファンがいて嬉しいわ」

「あの、助けてくれたお礼にコーヒーでもいかがでしょうか?」

「そうね。じゃあ、あそこでいいかしら?」

 カロッタは目の前のカフェ店を指差した。

「いいですとも!」

 カロッタはマークと共にカフェ店へと入る。

 二人は席に座って注文をした。

「ミゲルさんは武道もおやりになられてるんですか?」

「うん、まあ」

「そうでしたか」

「あなたはどうなの?」

「私は武闘家を目指してるんです」

「そう。けどその割にはカツアゲにビクビクしてたけど」

「それを言われると痛い」

「マークって言ったかしら」

「はい。なんでしょう?」

「あなた、ご結婚は?」

「え? 独身ですけど、どうしてそんな?」

「あ……いや、その……」

 緊張しながら頬を赤らめるカロッタ。

「わ、私をあなたの妻にしてくれないかしら!?」

「え、ええええ!?」

「私、いつもイベントに来てくれるあなたのこと、好きなの」

「気持ちは嬉しいですけど、心の準備が……」

 カロッタはマークに電話番号を書いたメモを渡す。

「これ、私の。返事、待ってるから」

 カロッタはそう言うと、コーヒーを飲み干して店を出た。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

気高くない女のサイヤ人(作者:イゴマル)(原作:ドラゴンボール)

※タイトル変更しました(9/16)▼一人で賞金稼ぎを続けてきた女のサイヤ人、リューベ。稼業に一息つくべく、長い休暇を過ごす星を求めた彼女だったが、安息の日々を送る星として探し当てた星は数多の危機が襲い来る運命の中にある、長い平穏とは程遠い星であった。▼※文章の書き方について模索中です。習作のようなものとお考えください。▼


総合評価:738/評価:8.1/連載:6話/更新日時:2026年09月26日(土) 17:44 小説情報

ドラゴンクエストⅤ 転生したらパパスだった件。(作者:兎深みどり)(原作:ドラゴンクエストV 天空の花嫁)

駅のホームで子どもを助け、命を落とした現代人の男。▼目覚めた先は、ドラゴンクエストⅤの世界。▼しかも彼は、主人公の父パパスとして転生していた。▼この先に待つ未来を、彼は知っている。▼ゲマ。▼ラインハット。▼奴隷生活。▼サンタローズの崩壊。▼そして、パパスに待ち受ける死の運命。▼一度死んだ身で、パパスとしてもう一度死ぬなど冗談ではない。▼だが、幼い息子と出会っ…


総合評価:1103/評価:7.29/連載:70話/更新日時:2026年09月08日(火) 08:00 小説情報

【完結】黒いガンダムの宇宙世紀(作者:いずりょう)(原作:ガンダム)

U.C.0070、地球。▼三歳のレン・イズミは、前世で三十五年間を生きた記憶を取り戻す。自分が生まれたのは、人類が宇宙へ進出した未来――宇宙世紀。▼そして九年後には、ジオン公国と地球連邦による一年戦争が始まる。▼レンは原作はある程度知っている。▼ジオン軍のモビルスーツ コロニー落とし サイド7への襲撃▼アムロ・レイがガンダムへ乗り、ホワイトベースの戦いが始ま…


総合評価:1596/評価:6.92/完結:103話/更新日時:2026年08月17日(月) 18:00 小説情報

【推しの子】もしも星野アイの隣人が天才外科医だったら〜命を救う、その先へ〜(作者:ペンギンって可愛いですよね)(原作:推しの子)

表紙イラスト↓▼【挿絵表示】▼世界的な名声を得た天才外科医は、数え切れない命を救った末、過労によりその生涯を終えた。▼――しかし、目を覚ますと彼は記憶を持ったまま、日本で赤ん坊として転生していた。▼二度目の人生でも迷うことなく外科医の道を選び、再び天才と呼ばれるまでに成長した彼は、都内の大学病院へ勤務することになる。▼病院の近くへ引っ越し、新たな生活を始めた…


総合評価:5403/評価:5.8/連載:69話/更新日時:2026年10月01日(木) 21:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>