頭文字D Two Openings   作:三坂

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(訂正
北条豪と池田 竜次の会話シーンを北条豪と久保英次に変更しました


第4話 再開(訂正あり)

 

 

翌日

小田原市内

某高校にて

 

 

 キーンコーンカーンコーン

「お疲れー、今日どうするー?」

「そうだねー、今日バイトないからゲーセン行こうよー。どうせ夏休みはいるし!」

「賛成ー」

 

 

 相変わらず眩しい日差しが照る中、終業式を終えて夏休みに入った小田原市内の某高校では、多くの生徒がいつになく賑わいを見せながら、それぞれ帰路についたりアルバイトに向かったり、また遊びに行ったりなど各々に過ごしている。

 もちろんこの高校に通うユキも例外ではなく、友達と何気なく話しながら帰りの支度を済ませていたのだが、一人の少女が彼女へ声をかけてきた。

 

 

「ユキちゃんはどーするのー今日、アレなら一緒にゲーセン行こっ!」

「ごめーん…あいにくアルバイトなんだー、明日なら空いてるんだけど…」

「そっかー…、じゃあ明日遊びに行こっ!」

「ういっすー、お疲れー」

 

 

 後ろ髪が斜めにカットされたショートとミディアムの中間のアシンメトリーな髪型であり、ワンポイントに金色の髪留めている少女の名前は美樹さやか。

 ユキの親友兼クラスメイトで、彼女と似たような明るく活発な性格をした一見すればごく普通の女子高生。

 

 しかし実際はユキと同じような走り屋であり、愛車であるトヨタ MR-Sで長尾峠を拠点として走っているが、ヤビツ峠や七曲りもホームコースとしている。

 

 

 そんなことを話しているうちにもさやかは一緒に帰ろうとユキに告げていき、彼女もうんと答えながら他のクラスメイトにまた明日!と挨拶をしながら帰路へとついていく。

 

 

「あっお疲れさやかちゃんー」

「ユキー、帰るなら一緒に帰ろうぜー」

「あっうん!今行く!んじゃまた明日!帰る時気をつけてねー」

「バイバイー、そっちもねー」

 

 

 その後教室をあとにした2人は他の生徒たちに紛れる形で校舎外に出ていき、校門を通り抜けて帰路についていく。

 道中たわいもない会話を交わしていた2人だったが、ふとさやかが今日いつもより表情がうれしそうだけどどうかしたのかと尋ねる。

 

 

「…でさー、今日の終業式校長先生の話が長過ぎて途中から睡魔が」

「わかるーアタシなんか途中寝落ちしてたもんー。ってかさユキ」

「んー?どうかした?」

「なんか今日いつもより表情がうれしそうだけど…いいことあったの?」

 

 

 表情が明るいのはいつものことではあるのだが、普段から一緒にいるということもあってか、さやかにとってはいつも以上に明るいように見えたらしい。

 バレちゃったか…テヘッとした顔を見せたユキは、実は…と昨日あった出来事をさやかに共有していく。

 

 

「…バレちゃったか♪(テレッ)いつも明るいんだけど…流石に分かるかー」

「そりゃもちろん、伊達に付き合い長いですから」

「だよねー、実は昨日…」

 

 

 その後一通り話を聞いたさやかはなんだか中学時代に転校してきたクールな転校生に性格も態度もすごく似てるかも…と答えながら、ユキは本当どんな相手でも自分のペースに持ち込めるねーとも指摘する。

 

 

「へーなるほど、そんなことが。なんか中学時代に転校してきたクールな転校生に性格も態度もすっごく似てるような気がするよー」

「あー前にさやかが言ってた子?」

「そうそうっ、ってかユキって本当どんな相手でもアタックするわよねー。アタシはそういう子苦手だなー、いい思い出ないし…」

 

 

 とまあそんなことを話しているうちに別れる場所へたどり着いたため、2人はまたねーと挨拶を交わしながらそれぞれの帰路へついていくのであった。

 

 

「っとここでお別れか、じゃあまた」

「うん♪またねー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カスタムツートンカラーのFDとな…」

「ええっ久保さんなら何か知っていると思いまして…」

 

 

 箱根某所にあるフードコートのお店、その店内では豪が交流を持つ参謀的役割を担う久保英次と話し合っていた

 自身のチューニングショップを経営するプロの技術者・データ分析のプロである彼は、雇われ参謀(メカニック)として豪などのアドバイスに徹してる

 

 そんな彼が豪から相談を受けている内容は、もちろん数日前に彼を千切ったカスタムツートンカラーのFD3Sにに関してであり、自分と同じように顔の広い英次に尋ねたといった感じらしい。

 だが返ってきた返答は知らないであり、少なくとも箱根…いや神奈川エリアでカスタムツートンのFDに乗ってる腕の立つ走り屋は見覚えがないとのこと。

 

 

「…残念ながらそんなFDは聞いたこともありませんな、箱根はもちろん。神奈川エリアでも」

「やはりですか、…オレでさえない時点で予想はしていましたが…」

 

 

 とはいえ豪クラスの走り屋をいとも簡単にホームコースの箱根で千切る走り屋となれば、興味が湧かない訳がないというもの。

 どのみち調べがいがありそうなドライバーですな…と英次は話していき、豪も頷きながらなんてしても見つけてあのとき千切られたリベンジを果たすと口にしていく。

 

 

「とはいえ面白い走り屋にはかわりありませんな、アンタを箱根で千切るとなればそれ相応の実力。こりゃ調べがいがありそうですわ」

「あぁ、どのみち何としても見つけ出すつもりだ。箱根で千切られたリベンジを果たさなきゃ納得出来ないぜ」

 

 

 だが英次が気になったのは、豪が遭遇した際に感じたアイツと同じぐらいの死にたがりを感じさせる走り方。

 恐らく本当に死にたがり…という訳ではなく、一人で走ることを望んでいるせいでそんなオーラを纏っているようにも感じているらしい。

 

 

「けど気になるのはアンタが感じたアイツと同じぐらいの死にたがりみたいな走りです、恐らくやが本当にそうじゃなくて一人で走ることを望んでいるせいでそうなってるようにも思えるんですわ」

「…一人で…走ることを望んでいる…」

「ええっ、まあ直接走りをみてみないと何とも言えませんが…。話を聞く限り私にはそう思えるんです」

 

 

 確かにそれならあれだけ走り屋としてかなり高等テクニックを持っているのに、一度も噂を耳にしていない状況に説明がつくだろう。

 そうこう話しているうちに英次が、そのカスタムツートンのFDに関して興味が湧いたから少し調べながら、仲間の走り屋にも共有して探して見回すわ…と答えていく。

 

 

「恐らく噂にならへんかったのもそれがあるでしょうな、…まあどのみち興味が湧いてきましたわ。ちょい色々と調べてみましょうか、それと仲間にも共有して探してみます」

 

 

 流石は雇われ参謀(メカニック)だけはあり、豪はよろしくお願いしますと伝えながら自分でもできる限り調べてみると話しながら立ち上がっていき、それじゃ…と伝えるとその場を後にする。

 

 

「よろしくお願いします、オレもちょっと調べてみます。もし何か分かれば連絡をもらえれば」

「ええっ、そらもちろん」

 

 

 その後ファストフード店を後にした豪は愛車のNSXの方に歩み寄りながら、例のカスタムツートンのFDを再び思い起こすと、何が目的かは知らないが絶対にリベンジしてやる…と対抗心を密かに燃やしていくのであった。

 

 

「……」

ーどういった目的かは知らねーが…絶対に見つけ出してリベンジしてやる…待ってろよ…!ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから少し時間が経ち、夕方ぐらいの松田レーシングのフロントでは相変わらずユキと沙耶がそれなりにやってくるお客さんの対応や点検の予約電話などといった対応に追われていた。

 

 

「えーっと今回のオイルとフィルター交換、あとタイヤ交換の金額がですね、えーっと」

「はいもしもし、松田レーシングの松田沙耶と言います。あっいつもお世話になってます、はい。はい、1年点検のご連絡ですね」

 

 

 とはいえずっとそんな感じという訳ではなく、しばらく時間経ち営業時間終了の三十分前になると来店するお客さんの量はまばらになっていき、比較的ゆったりした時間が訪れる。

 今日は忙しかった…事務作業をしながらそんなことを呟くユキに対して、点検予約のスケジュールをパソコンで組んでいる沙耶はお疲れ様と労いの言葉を投げかけていく。

 

 

「はぁぁ…疲れたぁ…、今日はお客さん多かったー…」トントン

「お疲れユキちゃん、でも伊達に三年働いてるから流石に動きに迷いなくなってきたわね♪」カタカタ

「先輩にそういってもらえると嬉しいですー、よーしっもうひと頑張りしないと…!」

 

 

 フロントで2人がそんなやり取りを交わしながら業務をこなしている頃、幹線道路から何処か見覚えのある1台のカスタムツートンのFDが駐車場へと入ってきた。

 当然お店の前にある駐車場に止めようとしていたため、フロントの2人もしっかり見えており沙耶に頼まれたユキが駆け足でお店の外に出てくる。

 

 

ブロロロ

キキッ

「おや、こんな時間にお客さんかな?ユキちゃんちょっとお出迎え頼める?」

「わかりました、ちょっと行ってきますねー」

 

 

 いつも通り車の元に駆け寄りお出迎えしようとしたユキだったが、駐車場に止まったFDに何処か見覚えがあることに気づいたのか思わず首を傾げたものの、すぐに車の主を思い出すと満面の笑みを浮かべた

 

 

「いらっしゃいませー…ってあれ?…このFD……、あっ!」ぱっ

 

 

 すると彼女の予想通り運転席ドアが開くと共に中から千景が姿を現したため、ユキは嬉しそうな表情を浮かべながらいらっしゃい!と出迎えていく。

 相変わらずのアタックに流されそうになったものの、この前修理してもらった際のお金を持ってきた旨を伝える。

 

 

「よっと…って…やっぱアンタか…」

「いらっしゃいー千景さーん、今日はどんなご用で!?ってかまた来てくれて嬉しいよー」

「…別にアンタに会いたくてきた訳じゃないわよ…、この前の修理でかかった支払いのお金を持ってきたの」

 

 

 千景からそう話を聞かされたユキは、なら立ち話も何だから続きはお店で話そうと告げながら、手を引くとそのまま引っ張っていく。

 ペースに飲まれないようにしようとしていたもののやっぱり飲み込まれる定めに、千景はため息を零しながらも引っ張られる形で店内へと入ることに。

 

 

「あっ昨日の…!なら立ち話も何だしほら店内に…!!飲み物も用意するから!!」

「あっちょ…流石にそれはいいわよ…お金払ったらすぐに帰…ちょ!?」

「ほーらいくよ!沙耶先輩もいるから!」

「はぁ…」

ー駄目だ…またペースに飲まれた…、はぁ…こんな性格じゃないんだけどなぁ…ー

 

 

 店内に入ったユキはフロントで作業をしていた沙耶に対して千景がこの前の修理代金を支払いにきた旨を伝えると、沙耶が自分が対応するから飲み物の準備してきてと伝えながらバトンタッチる形で出迎えた。

 

 

「沙耶先輩ー、千景さんが昨日の修理代金の支払いに来たよー」

「あっいらっしゃいー千景さん、ユキちゃん飲み物の準備お願い。接客はこっちでやっとくからー」

「はーい、それじゃお願いしますー」

 

 

 その後千景をテーブル席に誘導すると、向かい合うかたちで沙耶は腰掛けながら昨日修理した際の費用を払いにきたことで間違いないことを確認していき、千景は請求書とお金を手渡していく。

 

 

「んじゃ千景さん、ここに。改めて確認するけど、今日の修理代金の支払いで問題ないかしら」

「ええっ…、それで問題ないです。あっこれお金と請求書です」

「ありがとう、確かに受け取ったわ」

 

 

 千景から手渡されたお金と請求書を持って、一旦フロントに戻った沙耶と入れ違う形でユキが飲み物を持ってきて、彼女の目の前に置きながらふと思い出したように今夜空いているかと尋ねてきた。

 いきなり何なのよ…と呆れながらも特に予定がないことを伝えると、ユキは一緒に峠に行かないかとお誘いの言葉を投げかける。

 

 

「ちょっと待っててね、領収書とお釣り持ってくるから」

「あっはい…わかりました…」

「はい、飲み物どうぞ。あっそういえば千景さん、今夜って空いてる?」

「…いきなり何なのよ…、まあ別に特に予定はないけど…」

「ならさ、今夜一緒に走りに行かない?」

 

 

 あまりにも急な展開に思わずはぁ…?と言いかけた千景だったが、ユキがぜひ一緒に!とガンガン詰め寄るお陰でまたしても断ることが出来ず、最終的に乗せていってくれるなら…ということで了承することに。

 それを聞いたユキはやった!と嬉しそうな表情を浮かべながら、何処で拾ってあげようかなどを聞いていき、千景はダルそうにしながらも行く場所によると答えていく。

 

 

「はぁ?いくらなんでもいきなりすぎ…」

「ねぇどうなの!?行く!?行っちゃう!?」

「ゔ………分かったわよ、拾ってくれるなら…但しFDは持っていかないからね」

「やったー♪ありがとう群ちゃん!んじゃ何処で拾おっか?」

「ぶっ…!?ボロでたわね…、…行く峠の場所によるわよ…」

 

 

 その後色々と話しているうちに沙耶がレシートとお釣りを持ってきたため、8時に〇〇のコンビニ前に集合で…!!ということを約束しながら、千景はそそくさと松田レーシングを後にする形で帰路につく。

 …ほぼ流れで決まってしまった約束、しかし千景は相変わらず断れない自分にこんなんじゃないはずなのに…とぼやきながら、ユキを見るたびによぎる親友の表情を思い出していくのであった。

 

 

「んじゃ夜8時に〇〇のコンビニ前に集合で!沙耶先輩も誘っていくからー」

「……」

ブロロロ

ーはぁ…なんで断れないのかしら…、普段はこんなはずじゃないのに…ー

『群ちゃんー、一緒にモータースポーツの観戦いこ!絶対楽しいから!』

「…やっぱ、あの娘に似てるから…なのかしら…ね…」

 

 

 

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