宇宙空母戦記   作:luckytown

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空母だって宇宙で活躍できる

そうでしょう?




軽空母「ラングウェイ」2

 

ようこそ人類宇宙艦船アーカイブへ

 

再生途中のドキュメンタリーを再開します。

…………

……

 

「総員戦闘配置!!」

 

サモス艦長ははっきりとそう言い次々指令を飛ばす。

 

「待機中の戦闘機を発進させろ!他の機体も準備ができ次第上げろ!」

「対空戦闘用意!ミサイル迎撃準備だ!」

「観測員、Unknownの詳細は!?距離はどうなってる?」

 

観測員は現時点で分かることをしっかりと艦長に伝える。

 

「Unknownの数は3!大きさはコルベット艦、距離2000kmより急速接近中!」

 

コルベット艦船、国際基準で10〜20mの小型船体の艦船を示す名称だ。小型だが素早い、こいつの厄介なところは碌な戦闘データが無いことだ。コルベット艦の時代はまだ地球上での戦争が主で宇宙空間は条約により平和だった。

 

サモス艦長はその点に非常に警戒したが副長はまた違うことを考えていた。

 

「なんだってこんな事に!宇宙空間でなんの警告も無しに攻撃だと!?……人類史上初の事だ、宇宙の長い平和が仇になった、地球が平和になっても人や国が変わっていないのに私達はそれを忘れてたんだ!」

 

後半の副長の淡々とした語りはサモスもよく分かっていた。クロマッチ危機以降、平和は回復したが、争いは終わらないと思っていたが、世界中の人々はいざ知らず、軍内部もまた平和が続くと信じていた人が多いと感じていたからだ。

 

ただ、目を逸らしていただけだ、傷口が深すぎて直視することが出来なかった。

もうそれも出来ないが…

 

甲板で待機中だった戦闘機はラングウェイから発艦する、低出力で母艦から離れながらUnknownの接近方向に向き加速していく。

 

空いた甲板には新たな戦闘機が現れる、甲板の一部が僅かに沈み込むと180°横に回転し裏に戦闘機を貼っつけながら元の状態に戻る。

そこまま、ロックが外されその場で数m上昇し先ほどと同じようにUnknownに向かって行った。

 

Unknownいやコルベットは増速し接近してくる。距離はもう500kmだった。

 

輸送船団の左側に展開していた2隻のフリゲート艦がミサイルを発射する。1隻4連射、合計8発が先頭のコルベットに向かった。

 

最初に発艦した2機に後続の2機が合流する。クラッカー隊である。

 

「クラッカー1こちらクラッカー3、母艦からの命令だが警告なしで即攻撃だそうだ」

「了解だクラッカー3、詳しい命令も無いまま発艦したから助かったよ」

「ジャミングのせいで母艦との通信が難しいです、我々は何故通信できるのでしょう?」

「お勉強は後だクラッカー4、見えてきたぞ」

 

クラッカー隊の前方には3隻のコルベットが見えていた。

コルベットはクラッカー隊に見向きもぜずに輸送船団へ向かっている。

 

「攻撃!攻撃!FOX2!」

「クラッカー2、FOX2!」

「クラッカー3!FOX2!」

 

発射された3発のミサイルは先頭のコルベットに向かうが搭載されたレーザーにより2発迎撃され1発がコルベット上部に当たった。

 

「クラッカー4、どうした!?」

「すみません、ロックに失敗しました!」

「そうか分かった、焦るんじゃないぞ、次の攻撃をする」

「コルベット上部に迎撃レーザー、イギリスのダンバー級か?」

「まさかイギリスが!?」

「そんなことはないだろう、とにかく攻撃するぞ!」

 

クラッカー隊はコルベットの後方につき攻撃態勢に入る、丁度フリゲート艦から発射されたミサイルが到達するコルベットは密集隊形になりレーザーによる迎撃を行う。

8発のミサイルは4発迎撃され4発が命中した。これは迎撃時間がお互いに接近していたが為に短かった事が影響している。4発とも前方に命中し前部装甲の一部と兵装を破壊したかに見えた。

これはフリゲート艦からの観測であって、クラッカー隊からは見えず分からなかった。

しかし、チャンスである事はよく理解できた。

 

「今だ!FOX2!!」

「クラッカー4!FOX2!!」

 

今度はミスもなく4発のミサイルが先頭コルベットに向けて発射された。コルベット達は前から来るミサイルを迎撃しており、一切の妨害もなくミサイルはコルベット後部に命中した。

普通船の後ろにはスクリューやエンジンがあるように、コルベットもまたスラスターと機関区が後部に位置していた。

命中したミサイルはスラスターや機関区に損傷を与えたかに見え、先頭のコルベットは脱落しかかっていた。

 

「よし!このまま再度攻撃を」

 

その瞬間、脱落しそうなコルベットは速度を落とし、その結果クラッカー隊との距離がどんどん短くなった。

コルベットが何を狙っているか理解したクラッカー1は直ぐに叫ぶ。

 

「回避!回避!レーザーだ!」

 

叫びながら一番早くかつ少し狙われやすく隙のある動き方をする。迎撃レーザーがミサイルを迎撃していた距離と同じくらいまで戦闘機に近付いたコルベットは上部の2基のレーザーをクラッカー1に当てた。

 

ピーゥ!ピーゥ!ピーゥ!

レーザー警報が機体から発せられる、どうやら自分を狙ってくれたらしいとクラッカー1は安堵した。そして直ぐに本気の回避を始める。

 

「クラッカー1!レーザーが当たってる!当たり続けるな!!」

「言われなくてもぉぉ!!!ふぐぉぉおお!」

 

機体を捻りにねじりかなりのGをかける蛇行を行い、レーザーに当たり続けないようにする。それが幸いして、機体に焼かれた線は出来たが、致命的な損傷は無かった。

 

しかし、この回避により後方にクラッカー隊は下がらざる負えず、残りの2隻に追いつくのは困難になった。

反撃を試みたコルベットは再び増速し戻ろうとするが、先ほどのミサイルが効いたのか、スラスターに損傷が見え機動力が低下していた。

 

「ダメージチェックは?」

「特に問題は無い、ただミサイルが焼かれて1発壊れた、危険だからパージする」

「はは!爆発しなくて良かったな!」

「やめろフラグになる!」

「コルベットがもう輸送船団に!」

 

脱落したコルベットを除いて2隻は輸送船団に接近し下部から何かを展開した。

フリゲート艦は砲撃を開始する、次の瞬間コルベットは下部から何かを投下し上昇しだした。それにより砲撃は当たらなかった。

投下されたものはそのまま慣性に従いこちらに向かってくる。

フリゲート艦「ユアユール」の光学センサーはそれをよく捉えていた、人類の歴史によく馴染みのあるその物体は海で見る時とはまた違って見える、それはまさしく機雷だった。

ユアユールは搭載されているチェーンガンで迎撃するが、驚くことに機雷は真っ直ぐではなく僅かに機動を変えながら向かってくる。

22世紀の機雷はオタマジャクシのように動き回るようだ。

 

そして機雷が輸送船団に接近すると同時に、上昇していたコルベットが上方よりユアユールに攻撃を浴びせた。

20mm機関砲4基の連射が2隻分振り注ぐ、不幸なことにユアユールは前部主砲や上部チェーンガンそしてブリッジに被弾し各所で誘爆が発生し大破した。

ユアユールの後方にいるフリゲート艦「マリッジフラワー」からはブリッジから吸い出される人の姿が観測出来た。

マリッジフラワーの艦長はブリッジの防壁を展開していないことに気付き、同じ轍を踏まないように各艦にも伝達した。

 

そんな事をしている間に機雷は到達し、輸送船団に触雷する。凄まじい爆発と共に、爆発用には考えられていない輸送船の装甲を意図も容易く破壊し、衝撃は船体を大きく吹き飛ばした。

この光景はほぼ同時に4つ起こった。3つは輸送船、1つはユアユールだった。フリゲート艦とて機雷に勝てる見込みはなく、しかも誘爆して破損していた上部左舷側に触雷、前部船体を真っ二つにしユアユールは轟沈した。

撃沈された3隻の輸送船の後方にいた4隻の輸送船は減速しつつ前方の障害物を避けた。

そこに遅れてきたコルベットが機雷を投下、減速した2隻に向かう、このまま更に撃沈されると思われた。

 

「クソったれ機雷が!爆ぜろ!」

「FOX2!」

 

新たにラングウェイより発艦した戦闘機により、その未来は防がれた。機関砲で1発、ミサイルで1発が虚空で爆発し消え去る。

 

「クッキー1、2よくやった!4、3と合流して損傷したコルベットを狙え」

 

サモス艦長は一息つきながらこれからの動きを考えるのだった。

 

……

………再生を中断します。




私は戦艦も空母もどっちも好きだよ

二股とか言わないでね
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