TS転生者と初恋拗らせ可変TS娘   作:綺羅星瑠奈

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松戸彩縁の薬で祐希と入れ替わった美夢が、祐希と美夢の仲を改善しようとする話です。
しれっと作中に入れ替わり薬実在するって書いちゃったし、やりたかった!美夢in祐希視点で進むので、祐希in美夢の視点はないです。

ギャグよりの回です。

美夢は柚葉のことを親(・)友(・)と(・)し(・)て(・)大切に思っているし、柚葉も同じ気持ちだと思っています。




EX.3『入れ替わりで関係改善!?(できない)』

 科学実験部部長の松戸君に呼び出された俺と祐希君は、差し出された薬を飲んで……なんと……体が入れ替わっていた*1!

 

「え!目線が高い!おぉ!凄い!」

 

 前世の俺はここまで背が高くなかったからなぁ、凄いねこれ、力も前世の俺より強そう!おお!凄いぞこの体!

 

「え!?僕!?本当に美夢さんと入れ替わってる!?」

「この目線で見る自分って新鮮で楽しいね」

 

 ふむ、せっかく入れ替わったんだ、この機会を有効活用しなければならない。

 俺には最近どうしても気になっていることがある、それは柚葉と祐希君の関係がどうもピリピリしていることだ!

 俺が祐希君の体で、柚葉好みのお出かけをして好感度を稼いであげようじゃないか!

 

「松戸君、このまま外に出ても大丈夫?」

「構わないぞ、薬の効果は1時間程度で解ける、そうすれば距離に関係なく自分の体に戻るはずだ」

「よし!ありがとう!行ってくるね!」

「ちょ、美夢さん!?待って!?」

 

 止められた気がするが無視しよう、限られた時間を有効活用するんだ!

 

 そのまま走って、校門で待つ柚葉の元へ向かった、うわこの体走るの早いね、前世の俺と比べたらどうだろう……覚えてないからわからん、けど今世の俺と比べたら雲泥の差だね。

 

 この視点から見ると柚葉の事を見下ろせる、上から見る柚葉は新鮮で良いね。

 

「やぁ、柚葉、一緒にお茶でもどうかな?」

「は?何言ってるのあんた、頭おかしくなったの?」

 

 おいおい、祐希君に当たり強すぎだろ柚葉……。

 

「俺……違った、僕に不満があるようだからさ?腹を割って話でもしたいなって、どうかな?」

 

 渾身のキメ顔と顎クイ、俺が祐希君にこれをされたら秒で落ちる自信がある。

 ……手を振り払われた。

 

「……どうしたの、今日のあんたいつも以上におかしいよ、気持ち悪い、それにあたしは美夢を待ってるから無理」

 

 今は祐希君の姿とはいえ柚葉に気持ち悪いって言われるのショックなんだが!?

 

「美夢さんにはもう伝えてあるからさ、多分松戸君か結衣ちゃんと一緒に居るんじゃないかな?お願いだから頼むよ!今日だけ!」

 

 美夢は俺だから伝えるも何もないし、俺の体は松戸君か、結衣ちゃんと居るだろうから嘘はついてない。

 

「……はぁ、面倒だけど付き合ってあげる」

 

 

 柚葉を連れて駅近くの猫カフェを訪れる。

 俺には隠せているつもりだろうけど、柚葉は猫が好きだ、猫を見る目はいつも輝いているし、実家で飼っている猫を、兄貴の家に連れて行きたがっていたことも知っている。*2

 

 柚葉からの好感度を上げるならこれ以上の選択肢はないだろう、ついでにこの体なら俺でも猫に触れられる、ちょっと楽しみ。

 

 

「あんたにしては悪くないチョイスだね」

 

 柚葉の視線がさっきから猫に向かっている、猫好きなのバレバレだね、強気なのに猫を見てしまう柚葉も可愛いね。

 

「好きそうだなって思って、せっかくなら楽しい時間にしたいでしょ?」

「そう……」

 

 あ、猫に近づいてもなんともない!恐る恐る触れてみても全く問題ない!おぉ!すごい……!

 猫可愛いねぇ。

 

 猫と戯れていると柚葉に呆れた顔で見られてる……まずい好感度アップ作戦が……!

 

「あんたが来たかっただけなんじゃないの?」

「そんなことないけど……?それになんだかんだ柚葉も楽しんでるでしょ、やっぱり猫が好きなんだね」

「そりゃ……可愛いし、癒されるし……じゃなくてさ!」

 

 柚葉がめっちゃ怒ってる、まずい……!

 

「腹を割って話したいとか言ってたのに猫に夢中じゃん、何しに来たの?」

「猫に触れられた事が嬉しくて……ごめんね?それで本題なんだけどさ、柚葉……さんはなんで祐……俺のことを敵視してるんだ?心当たりがなくてさ」

 

「それは、あんたが女の子のフリをして美夢を騙してたから……」

「それだけじゃないよね?結衣ちゃんとは仲直りできてるのに、祐……俺に対する態度は悪くなるばかりだし」

「……今日のあんたどうしたの?こんなに積極的じゃなかったでしょ、雰囲気も全然違うし」

「柚葉が何に怒っているのかを知りたい、理解したいって理由じゃダメかな……?」

 

 柚葉が何で祐希君に対してここまで怒っているのかを知りたいのは事実だ、ずっと気になってはいるけれど祐希君側は女の子のフリをしている以外心当たりがなさそうだし、結衣ちゃんには言葉を濁されるし……俺が直接聞いても話してくれないなら今聞くしかないだろう。

 そして内容次第ではそのまま関係改善ができればベスト……!

 

 

「……はぁ、わかった言うよ、あんたが美夢と仲良くしてるのがムカつくから、あたしとの時間を取られてる気がするから、だからあんたが気に食わないそれだけ」

「……嫉妬?」

「は?あんたはデリカシーがないの?」

「いや、つい……ごめん」

 

 色々とミスって好感度を下げてしまった気がするが、柚葉の気持ちは完璧に理解した、柚葉は俺の親友としてのポジションを祐希君に取られないか心配なんだろう。

 ならこの関係を改善するのは簡単だ、祐希君は柚葉の居場所を取る存在ではないと安心させてあげれば良い。

 

「柚葉ほど美夢さんのことを理解できている人間はいない、俺がいくら美夢さんと一緒に居ても柚葉の立場が脅かされることはない」

 

「それは……そうかもしれないけど……それだけじゃなくて……」

 

「それに、柚葉と俺が美夢さんに向ける感情は違うから取り合うことはないだろ?俺は美夢さんを異性として好きだし、柚葉は美夢さんのことが親友として好き、何も問題は……」

 

 あれ?なんか柚葉の顔がめっちゃ怖い、今までで見たことがないレベルで怒ってない?なんかまずいこと言ったかな……?

 

 あ、視界がぼやけて意識が薄れてく……もしかしてもう1時間経ったのか……?

 祐希君……あとは任せた……。

 

 

 

 

 意識が戻ると学校の中に居て、近くには結衣ちゃんと松戸君が居た。

 体もいつも通り、俺の体だ。

 

「戻ってきた……?」

「ふむ、意識を失ってから目覚めるまで5秒ほどのタイムラグがあったな」

「美夢さんどこに行ってたんですか!?」

「駅前の猫カフェに、俺は猫アレルギーで猫が近くにいるとダメだからさ、新鮮な経験ができて楽しかったよ」

「ふむ、俺の薬は有効活用できたようだ、本来の体ではできない体験ができる素晴らしい薬だろう」

「お兄ちゃんの体で一人で猫カフェかぁ、似合わなそうですね」

「あ、一人じゃないよ、柚葉と一緒に行ったんだ」

「え!?柚葉ちゃんと!?何で!?」

 

 その後、俺が入れ替わってる間にやったことを話したら、何故か結衣ちゃんが頭を抱え始めた。

 

「かなり効果的な行動だったと思うんだけど……」

「そ……そうですね……?美夢さんって実はバカ?それともクソボケなだけ?」

「バカとかクソボケとか失礼じゃない?俺、何か悪いことしたかな?」

「……良いんです、美夢さんは何も悪くないです」

 

 これ絶対何かやっちゃった奴じゃないですか、地雷でも踏んだのかな……。

 

 

 学校に戻ってきた祐希君の頬は赤く腫れていたし、後日祐希君と柚葉の様子を見てみたけど、良くなるどころか悪化していた……どうしてこうなったんだ。

 

*1:
事前に説明はされている

*2:
美夢が猫アレルギーだから渋々我慢した




美夢は柚葉と親友として関わっている時間が長すぎて、恋愛対象として好かれているとは全く思っていません、IF√みたいに直球で伝えないと気付いてくれないぞ!
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