閉廷!!
解散!!
林間合宿と神野区編は展開が展開なだけにイチャイチャ少ししか出来ませんでした
こっからは日常編です
存分にイチャイチャします
セントラル病院にて緊急入院となった白煙くんだったが、驚くべきことに、わずか3日という短期間で無事に退院することができた。
「吉田竜先生、ありがとうございました!!」
その大きな理由の一つは、現在の最新医療の進歩によるものだ。かつては裏社会で恐れられた強力な薬物『トリガー』も、今や最新の医療技術によって迅速かつ的確に無害化・治療することが可能になっていた。最先端医療のセントラル病院の中でも有名なドクター吉田竜のおかげである。
「きみの個性がきみを救った。レスキューヒーローを目指しているきみには言う必要は無いかもしれないが、薬は毎食しっかり飲むように。お大事に」
「はい!!」
そしてもう一つの理由は、他でもない白煙くん自身の『個性』の特性にあった。彼の身体は元々が「煙」そのもの。アジトで透ちゃんに抱きしめられた際に
数日後――とある静かな霊園
抜けるような青空の下、白煙くん、障子くん、透ちゃん、梅雨ちゃんの4人は、恩人たちの眠るお墓の前に立っていた。
プロヒーローやサイドキックの本名は、プライバシー保護の観点から公にはされておらず、墓石にはただ彼らの生きた証が静かに刻まれている。
全員で線香をあげ、深く、深くお墓に手を合わせる。
「……僕は、バックドラフトさんみたいな、誰かを絶望から救い出す最高にかっこいいレスキューヒーローになります。あなたの背中を、ずっと追い続けます」
白煙くんが個性を消した美少年の素顔をさらして、澄んだ金色の瞳で心からの誓いを立てる。
「私は、そんなエンちゃんを一番近くで支える、最高のサイドキックになります。もう二度と、エンちゃんを一人で暗闇に行かせたりしないから」
透ちゃんが、見えない手を白煙くんの手へそっと重ねながら誓った。
「俺は……自分がこれからどんなヒーローになるか、まだ明確には分かりません。しかし、仲間を救うために命を懸けたあなた方のことは、この先何があっても絶対に忘れません」
障子くんが、引き締まった表情で墓石を見つめる。
「私もよ。短い間でしたけれど、たくさんの大切なことを教えていただきました。本当にお世話になりました」
梅雨ちゃんも、深く頭を下げて感謝を伝えた。
「バックドラフトさん、貴方のヒーロー名を一部受け継いでいきます。これからの僕は救煙ヒーロー『スモークドラフト』です」
「エンちゃん……」
風が吹き抜け、白煙くんの頭から立ち上る純白の煙が、まるでバックドラフトたちの魂に届くかのように空へと優しく溶けていく。悲しみが消えることはない。けれど、彼らの胸には前を向くための確かな炎が灯っていた。
お墓参りを終え、霊園の入り口まで戻ってきた一同。
「よし、じゃあここで解散にしようか」
障子くんがみんなを振り返って言うと、美少年の素顔をさらしている白煙くんが少し照れくさそうに頭を掻きながら口を開いた。
「うん。……僕は、透ちゃんを家まで送ってくるね」
「えっ!? 本当に!? やったぁ、エンちゃんとのデートだぁ!!」
透ちゃんが嬉しさのあまりその場でぴょんぴょんと跳ね回り、すかさず白煙くんの腕にぎゅっと抱きつく。白煙くんの顔がまた少し赤くなった。
「ケロ。ごちそうさま。また学校で会おうね、白煙ちゃん、透ちゃん」
梅雨ちゃんが口元を緩めて手を振る。
「ああ、また学校で会おう、白煙。葉隠をしっかり送り届けてくれよ」
障子くんも、少し呆れつつもどこか安心したような表情で二人の背中を見送った。
「うん、またね! 障子くん、梅雨ちゃん!」
それぞれの未来へ向かって、再び歩み始めたチーム放課後。
失ったものはあまりにも大きかったけれど、繋ぎ止めた絆を胸に、彼らは再びヒーローへの道を力強く歩み出す。
「僕は透ちゃんのことが好きです。きみは僕のヒーローだよ」
「エンちゃん!!私も大好き!!私の、私だけのヒーロー!!」
デートの帰り道に美少年の素顔をさらした白煙くんが勇気を出して愛の告白して、美少女の素顔をさらした透ちゃんが大粒の涙をこぼして抱き着いて了承したのは2人だけの秘密。
「――黙祷」
「「「―――――――――――」」」
雄英高校の体育館には、重苦しい沈黙が満ちていた。
神野区の事件を受け、全校生徒と教師陣による、殉職したプロヒーロー・バックドラフトへの黙祷が捧げられた。壇上に並ぶヒーロー教師たちの中でも、特に同じレスキューヒーローとして親交の深かった13号先生は、こらえきれずに大粒の涙を流していた。
「相澤くん。責任はきみだけじゃない。むしろ、これからが本番さ」
「すみません……」
黙祷の後、根津校長から「全寮制」への移行が正式に発表された。生徒の安全を第一に考えた雄英の苦渋の決断だった。
その決定に伴い、オールマイトと相澤先生による、各家庭への家庭訪問が開始されることになる。相澤先生は当初、バックドラフトを守れなかった自責の念から担任の辞退を申し出ていたが、根津校長の「ここで身を引けば、かえって内通者にこちらの警戒を察知される」という冷静な判断により、引き続きA組の担任として教鞭を執ることとなった。
「馬鹿息子をよろしくお願いします」
「あんだと、ババァ!!」
こうして、生徒たちの未来をかけた家庭訪問が幕を開けた。
爆豪家への訪問では、勝己くんの母親が「このバカを真剣に見てくれている」と、雄英の姿勢を厳しくも温かく評価し、意外なほどあっさりと入寮を了承した。
「私は認めることが出来ません」
「お母さん……!!」
しかし、緑谷家では激しい葛藤が待っていた。
出久くんの母親の引子さんは、ボロボロになって帰ってきた我が子を前に、涙を流しながら「もう雄英を信用できない」と強く反対した。オールマイトはかつてのNo.1ヒーローとしてのプライドを捨て、床に頭を擦りつけて謝罪した。引子さんの願いはただ一つ、「出久をヒーローにする前に、どうか生きていてほしい」ということだった。出久くん自身の強い決意と、オールマイトの命を懸けた誓いに免じ、引子さんは最後に入寮を認め、出久くんの背中を押した。
「どうぞ相澤先生」
そして、白煙くんの家への訪問。
白煙くんの両親は現在アメリカで働いており、彼は日本で一人暮らしをしていた。そのため、家庭訪問は白煙くん本人と直接向き合う形で行われた。
まだ痛々しい顔の相澤先生は、白煙くんの前で改めて頭を下げて謝罪した。
「すまなかった、白煙。俺の力不足だ」
「先生、顔を上げてください。もう本当に大丈夫ですから。最新医療と僕の個性のおかげで、すっかり元通りです」
白煙くんは頭の白い煙をぽわぽわと揺らしながら、安心させるように笑ってみせた。
「先生、ヒーロー名はケムリンから『スモークドラフト』にしてもいいですか」
「構わない。爆豪もまだ保留中だし好きにしろ」
「ありがとうございます」
ふと相澤先生が部屋を見渡すと、棚の上に一枚の写真が綺麗に額縁に入れて飾られているのが目に入った。それは、まだ事件が起きる前、バックドラフト事務所でバックドラフトさんやサイドキックの先輩たちと、白煙くんが皆で満面の笑みを浮かべて写っている写真だった。
「……良い写真だな」
「はい。僕の宝物です。これ、寮にも持っていきます。みんなが見守ってくれている気がするから」
白煙くんの力強い言葉に、相澤先生は静かに頷いた。
「白煙くん!!」
「良かった!!生きてた!!」
「ただいま、みんな」
「爆豪も!!」
「触んなボケカス共!!」
翌日、雄英高校の敷地内にA組の生徒全員が集結していた。
ヴィランに誘拐された爆豪くんと白煙くん。
神野区の戦いの前に入院していた耳郎さん。
爆豪くんを救出するために独断で動いた緑谷くん、飯田くん、轟くん、切島くん、八百万さん。
そして、白煙くんを救うために地獄へ飛び込んだ透ちゃん、障子くん、梅雨ちゃん。
緑谷くん達が爆豪くんを助けに行ったことを知っていて動けなかった上鳴くん、峰田くん、砂藤くん、口田くん、瀬呂くん、常闇くん、尾白くん、青山くん、麗日さん、芦戸さん。
全員の顔を見回し、相澤先生はいつも以上に鋭い眼光で告げた。
「それぞれ言いたいこと、思うことはあるはずだ。本来なら、ルールを破って独断で動いた者たちには厳重な処罰が下るはずだった。……もし、オールマイトの引退という未曾有の事態が無ければ、俺は責任を取って教師を辞めていただろう」
緊迫した空気が走る。しかし、相澤先生は言葉を続けた。
「だが、お前たちがこうして全員無事でここにいる。まずは今回の事件で殉職されたプロヒーローたちに、改めて黙祷を」
「「「――――――――――」」」
生徒たちは一斉に目を閉じ、深く頭を下げた。白煙くんは胸のポケットに入れたあの写真をそっと手で押さえながら、バックドラフトたちへ祈りを捧げた。
黙祷が終わり、相澤先生が前を向く。
「暗い顔をするのはここまでだ。お前たちの新しい家を紹介する」
相澤先生の指さす先には、真新しい巨大な宿舎がそびえ立っていた。
「――雄英高校宿舎、『ハイツ・アライアンス』だ」
失ったものはあまりにも大きく、背負った傷はまだ癒えない。それでも、21人全員で再びヒーローを目指すための、新しい僕たちの生活がここから始まるのだった。
白煙くんと透ちゃんは恋人同士になりました
そしてヒーロー名はケムリンから『スモークドラフト』になりました
バックドラフトから名前を一部引き継ぎました