――Side 頼久
意図的に南雲生徒会長を避けて朝比奈さんとも接触(notセクハラ)。
結果シャルロットの思惑通り動いて試験日もほぼ全員同じ感覚で迎えての夜である。
生徒全員が体育館のような場所に集められた。
「では、本試験の結果を発表する」
数弾高いところから拡声器持った真嶋先生が発表するらしい。
そういえばオレの居る大グループは女子グループCだ。
試験のタイミングで割り振られたが、正直遅いとツッコミたかったのは此処だけの話。
「女子1位はCグループ。2位は――」
1位の言葉に3年生女子たちは目を丸くする。
たしかCDクラスで構成された出来損ないと揶揄されてるグループだからだ。
まあ、1年2年が成績高かったし、3年生も彼女たちなりに頑張っていたようだから、順当だったかもしれない。
「続いて――」
男子の発表の間に女子の3年生……ウチのグループの女子が何人か泣き出している。
恐らく……ずっと1位とかを取ったことがなかった……とかだろうか。
そしてグループはホリーの大グループが1位……まあ残当か。
ここまではいい。
問題は……
「――橘茜さんのせいなので、道連れに彼女を指名します」
……やはりきたか。
6位の女子大グループは、大幅に低い結果を叩き出し、3年のCクラスの責任者が橘茜を指名した。
……ん?
原作だと責任者もBクラスがやらなかったか?
「!?」
ホリーが目を見開いているな。
「そ、そんな……私は……!」
「私たち足並み揃えようとしてたのに乱されました」
「おかげで当日調子狂わされて……」
女子たちがそう責め立てる。
「ほう、それは本当か?」
甘粕理事が舞台袖から姿を現す。
「私そんなことしてないです!皆が全然まじめにやらないから……!」
「理事は私たち13人とこの1人、どっちを信じるんですか?」
「まさかAクラスだからと彼女の言葉を信じたりしませんよね?」
女子たちは強気だ。
何しろ合宿開始時に端末の類を没収している。
証拠能力は普通ならない。
何なら監視カメラもないのだ。
意見が食い違う以上、あとは証言者の言葉しかない。
……もっとも、普通なら……であるが。
「そうかそうか。では該当の大グループ所属している3年小グループの生徒は前に来なさい。今から緊急で裁判する。……男子大グループ6位はペナルティはないのだろう?真嶋先生」
「え、ええ」
「ならば時間はある。ゆえにはっきりさせようか」
「り、理事代理!彼女がそんなこと「黙り給え前生徒会長。たとえ君たちが恋仲であろうとなかろうと、話ははっきりさせねばならない」……!」
オレはすかさず気配遮断からのホリーの横に瞬間移動。
肩をたたき、ホリーに気が付かせた。
「ホリー、落ち着け。最後までちゃんと見ておけ」
「だが……!」
オレは肩を持つ手に力を入れる。
「……! わかった。そう、する」
オレは直ぐに瞬間移動で元の位置に戻る。
「……双方の言い分は分かった。では――飛鳥馬トキ、世話役の君の証言を聞こうか」
その言葉に舞台袖から姿を見せるトキ。
「はい。結論から言えば、橘茜様の証言が正しいとハッキリお答えできます」
「なっ!? 証拠もないのに――『うるせえな、お前なんかの言う事聞けるかよ! お前は6位で道連れになるんだからせいぜい楽しんでおけばいい』――なっ!?」
オレたちは端末没収されてないし、なんならトキは隠密能力はオレより上だからな。
そして出るわ出るわの女子13人の悪行の数々。
「……ふむ、コレは悪質だな。責任者は救済措置なしの退学及び500CPのペナルティ、加担していたBクラス女子12名には1人あたり50CPのペナルティ及び該当者は3月まで謹慎を言い渡そう」
「なっ!?」「そんな!?」
喚く女子生徒たち。
しかしソレをガン無視で何処かに通話をする甘粕理事代理。
少ししたら端末から耳を離す。
「女性教員は退学者と謹慎予定のものの荷物をまとめる手伝いをしてやりたまえ。先に高育へ送り返す。木林先生、マイクロバスと運転手の手配はしておいた。フリーの教員で女性で暴動鎮圧も可能な君に彼女たちの同行を頼みたい」
「……」
「もちろん仕事の分報酬は用意してあるし足りないなら私のポケットマネーでなんとかしよう。バケツプリンだろうとプリン風呂だろうとな」
「ほらお前たちさっさと支度せんか!」
甘粕理事代理の一言で豹変したおかっぱ頭の先生のことばに龍園ですらドン引きである。
「……アレがウチの身内と言いたくない不具合」
呪那がぼやいている。
総帥の系譜という意味だと紋章持ち全員被弾するやつだったりするのは此処だけの話だ。
「……さて、生徒の集団暴行及び暴言等の裏がとれ、組織だった攻撃による意図的犯行と断じたため、少し強引に裁定を変更させてもらう」
甘粕理事代理の言葉に全員がざわめく。
「――道連れ退学の対象から除外。CPとPPの負担は本来支払うものの半分とする。……ゼロにしない理由は早期に世話役の飛鳥馬や教員に相談がなかったことから来ている。相談があればこちらも目を光らせることができていただろう。以上だ」
そう言って去っていく甘粕。
「……ではここに残る全生徒へ通達。明日に帰宅するので、夕食と入浴を済ませたら消灯時間までに就寝し、翌日6時に起床するように」
……ん? シャルロットのアイコンタクト。
『動くのは帰ってから。ノータッチでよろしく』
……いや、オレ何もするつもりないんだけどな……。
とりあえず流れ解散になったので、オレも退散することにした。