――Side 頼久
高育での長閑な日常が戻ってきて、数日。
「此処の数式は……」「えっと、鉄の分子量が……」「現代文分かんない!」
やはり学生の本分は勉学のため、放課後勉強会(任意参加)が行われていた。
「特に日本語である現代文や古文、昔の中国語である漢文は苦手みたいね」
「ライザは日本語話せるし聞けるけど読めないって、なんか分かるようで分からない……」
「漢文はみーちゃんが教えると息巻いてるから任せるとして……」
完全に教育ママみたいな感じで話を詰めてる鈴音と桔梗、清華にそこはかとなく恐怖を覚えつつ、オレは採点や教師役の補助をしている。
「うーん……数学が伸び悩む……」
「やっぱり公式を暗記してソレを応用するだけだと駄目なのか……?」
「何処か単元が詰まっているとその単元の応用も連鎖することもある。……千手!済まないが少し手伝ってくれ!」
「あらほらさっさー」
須藤が比較的勉学出来る(得意分野は上の下、他は中の中くらい)側になって、池の数学の詰まり方を幸村と分析したりするようになったあたり、かなり成長を感じる。
……池は順列と組み合わせをごっちゃにしてるだけっすねコレ(断定)
「あれ、答えが合わない……」
「まず鉄と酸素の分子量と問題のグラム数からそれぞれ何molあるか計算は……できてるね。ここで酸化鉄(Ⅲ)はFe₂О₃で、酸素がО₂なのが間違えやすいところかな」
「あ、Оの分子を3で計算してた」
「О₃はオゾンだから違うね。まあ酸素原子で構成されてるから仕方ない……のかな?あとは結合前の鉄と酸素の総質量と、結合後の酸化鉄(Ⅲ)及び余った鉄と酸素の総質量が同じかを検算してチェックすれば……はい、正解」
千秋が化学苦手な子に解説している。
「日本史の道具関連の覚え方……このVチューバーの覚え歌とかどうですか? テンポの変調が多くて耳に残りやすいので、後は実際に名称を書いて耳と手で覚えるとわかりやすいかと」
ひよりが意外な方法の覚え方を教えていたりしていた。
まあ、紙の本のほうが好きだが、動画とかのエクササイズとかの視覚的に見たほうが云々言ってたのを聞いたり動画で何かを聞きながら読書してるの見たことあるし、不思議ではないか。
勉強会が終われば、自由な時間。
オレは一旦帰宅して私服に着替えてーのフェナスエリアへ向かう。
「今日は私たちが作りたい」と桔梗たちが言って厨房から追い出されたので一人寂しく徘徊してるだけとも言う。
「あれ、頼久だ」「よお、頼久ァ」「外食しないと聞いたことあるのに、こんな時間にフェナスエリアにいるとは……珍しいな」
「こんばんは」「そちらも外食ですか?」
編入生5人のパーティと遭遇した!
「ちょっとした買い物しにきただけ。そっちは夕食食べに来たのか?」
「半分はそう」「いい店あるかなって」「あと華琳やエドから優待券もらってたんだが、期限が近いから使っておこうと思ってな」
なるほど?
「ならオレからもライザに渡しておくか、使う機会ないし」
「うーん、このブルジョワめ」「催促してないけどもらえるならもらいまーす「無欲の勝利というものでしょうか……」
ニコニコしながら受け取るライザ。
……せっかくだからとランディ、キアラ、景鏡にも渡しておく。
「大盤振る舞いだな?」「有効利用しないと勿体ないですね……!」
「それ千手さんの術中にハマってますよ。殆どが割引券なので、使わなくても割引が無くなるだけで、商品とそれ単体で交換できるわけではい以上、使うことでゲルマニアグループの利益になりますし」
キアラにはバレてるらしい。
まあライザ以外は分かっているようだから問題ないか。
「……なる……ほど?」
宇宙猫になってるし、駄目かもしれない。
「……頼久、なるべくコイツ見ておいたほうがいいだろ。変なのに捕まって良いようにされかねない」
「紋章を与えられてないが総帥が気に入ってる系譜の人間なんだし、実力とかは問題ないはずなんだが……」
そのあと、いい時間だからと別れ、とんぼ返りすると桔梗たちがオムライスを作っていた。
メイド服なのはコンセプトカフェとかその類いのためかな?