血のバレンタイン(嘘)から暫くしたある日。
「コチラから出す種目はコレで行こうと思うわ」
朝のホームルームの時間を買い取り、作戦会議。
桔梗と平田がオレの用意した紙を張り出す。
水泳 8人(400m変則メドレーリレー)
弓道 1人
バスケ 5人
サッカー 11人
卓球 2人
サブカルクイズ 3人
タイピング技能 4人 勝ち抜き
女子バレー 9人
ミステリー本クイズ 6人 勝ち抜き
騎馬戦 12人
「殆どスポーツ……」
「相手が勉強強い元AクラスのCだから妥当ではあるんだろうけど……」
「そして本命の5種目について、出場予定者には私と綾川さん含めたグループメッセージを作成するから確認しておいて。公平性の維持のため3、4種目は私たちの側の本命が選ばれるはず。だからその種目について、しっかり準備しておいて頂戴。あと5人以上の種目は紋章持ち3人が必要に応じて交代するかもだけど詳しくはメッセージで通達するから」
ちなみに本命は弓道、バスケ、ミステリー本クイズ、女子バレー、サブカルクイズである。
弓道は弓道部の三宅に内々に打診して、受けると覚悟を持って返事をもらったらしく(鈴音談)確定。
バスケは須藤とオレを主軸に確実に1勝を持っていくための人選。
ミステリー本クイズはひよりと鈴音がほぼ無双するので状況次第でトキが入る予定
女子バレーは恋やウチが手を出した面々主軸の予定。
サブカルクイズは池と外村と山内に任せている。
幸村やあとの面々は……Cクラス側の種目に対抗するために残しているというのが妥当だ。
「残りの面々はCクラス側の種目対策をしてもらったりする予定。恐らく勉強関連になるから、今年の総復習も兼ねて千手君たちの開く勉強会になるべく参加しておいて頂戴」
放課後――メールで一斉通達が来てCクラス側の10種目が開示された。
チェス 1人
フラッシュ暗算 9人
囲碁 3人
現代文テスト 4人
社会テスト 5人
バレーボール 6人
数学テスト 7人
英語テスト 8人
大縄跳び 20人
ドッジボール 18人
……99%チェスが本命の一つとして、他種目とかは……厄介事の予感しかないな。
「テスト系で来るだろコレ」
「いやー、どうだろ。大縄跳びやドッジボールとか来る可能性ない?」
「その線は薄いはずだ。取っておきたい人員を吸われかねない大人数種目を差し込むのはかなりハイリスクだからな」
「その心は?」
「紋章持ち以外全員が出場したら2巡目が可能というルールだから2回目目当てに複数差し込むとしても、選ばれたのが1種目だけでコチラが少人数寄りの種目多ければ、目測が狂ってしまう。コチラに負荷をかけるより厄介なはずだ。ウチは能力尖ってるのが多いから、綾川の采配がうまくハマれば得意分野で活躍しやすくなるだろうし」
「いや、逆にそれ……」
生徒のうち試験にかなり真剣な面々が見解を述べたり意見交換をしている。
「……一先ずメッセージなかった面々は対Cクラス用の種目をある程度絞って対策してもらうわ。大縄跳びやドッジボールは……恐らくつけ焼き刃でもどうにもできないから、前者は出場者の全力で勝てるなら上々、後者は状況次第で紋章持ち3人に入ってもらう方向で」
「采配の方針は当日もそうなるだろうから心構えよろしく。……たぶんテスト系が多いとは……思うけど……」
リーダーと当日の司令塔の意思統一がされてることに安心を見せる面々。
そしてオレは改めて各種目のルールとかも確認していくが……チェスについてだけやたら細かいし、司令塔介入時間がやたら長い。
月城理事長代理のスタンスから考えたら、100%出場者ラジコンによるチェス勝負になるよね……コレ。
コレでブラフならギャグ漫画のすっ転び待ったなしである。
――Side 有栖
「……恐らく向こうはバスケ、ミステリー本、サブカル、女子バレーまでは確定と見て良いでしょうね」
私はとある店を貸し切り、橋本君、鬼頭君、真澄、森下さん、山村さんに紋章持ち3人を招集しました。
クラスメイトで特に忠誠心高かったり、客観視できそうだったり、別視点を持ってそうな面々を集めて思考まとめるためだ。
「サブカルクイズを出すなんて……あり得そうだな。オレたちあんまり触れてないし」
「マニアックなもの出てきたら太刀打ちできないかと……」
橋本君も山村さんの言葉的に、私が世間知らずとかでは無さそうで安心しました。
最悪切り捨てて構わなそうですね。
もしサブカルクイズに対応できる3人居るなら出したいところですが…………
「ん?オレたちはあんまりだな。呪那が徹夜して最近アニメ5倍速とかで複数画面同時視聴してるって話は聞いたことあるが」
エドさんから以外すぎる話が出てきましたね。
「私はアニメあんまり見てないから戦力外でよろしく。フィクションと分かっていても、突っ込みどころに反応して没頭なかなかできないのよ」
「私もエドも概ね同じです」
華琳とイザークからもそう言われたら種目順序の都合以外では出せなくなりますね。
「ミステリー本クイズは図書館の主と上級生からも呼ばれてる椎名が出てくるのは間違いない。ミステリー本好きなのは彼女と面識持ってればだいたい気がつくくらいに初対面でも話題を出すからな」
「あんたからひよりの話題出てくるとか意外ね……」
「鬼頭隼は裁縫関連やファッション系の本借りるために図書館に行くので、自然と遭遇してたのかと」
鬼頭君の言葉に真澄と森下さんが反応しましたね。
……まあ私もミステリー本をちょくちょく読んでほしいと澄んだ目で言われてるので理解してますよ、ええ。
しかし鬼頭君はデザイナー関連を将来の視野に入れてる……と。
役に立つか分かりませんが、覚えておきましょう。
井の頭心さんと交流させれば、彼の将来にいい影響があるかもしれませんし。
「とりあえずバスケはオレかイザーク、女子バレーが来たら華琳が入るまでは既定路線か?」
「ええ。コチラの本命がどの組み合わせで選ばれるか分かりませんが……基本的にその2つを警戒しておきます。そして……状況にもよりますが、序盤に御三方を使い切るかもしれません。制約のデメリットは極力踏みたくないので」
「勝てる勝負に勝って負けそうな種目にオレたちがいなければペナルティは少なくて済むからな」
「司令塔に任せる」
「問題はあと一つがどの種目か……か?」
イザークの言葉に頷く。
「……鬼頭君」「何でしょう」
「弓道の経験は?」「ないですね……」
ダメそうですね……まあ1対1のようなので、紋章持ちの彼らを入れて勝っても-120確定、万一負けたら移動30を含めて180CP喪失するので種目読み間違えしない限り、やりませんが。
「おい姫さん、弓道が向こうの本命5番目って思ってるのか!?」
橋本君が食いついてきた。
「向こうには弓道部の男子がいたはず……あり得る話かと」
山村さんの言葉で険しい顔をしている。
選ばれない可能性はまあ……ありますが、選ばれたのならほぼ負けると思って、他で確実に取りに行かねばなりませんね……。
追加で色々擦り合わせで概ねDクラスの本命を予想はできました。
あとはどう動くか……ですね。