プリベット通り四番地の玄関前に立っていたのは、灰色のスーツを隙なく着こなした、背の高い女性だった。
黒髪はきっちりとまとめられ、四角い眼鏡の奥にある目は厳格そのもの。
手には革製の鞄。
頭には尖った帽子もなく、肩に梟も乗せていない。
どこからどう見ても、少々気難しそうな学校教師である。
完璧だった。
ハリーが希望した条件を、ほぼすべて満たしている。
少なくとも、扉を吹き飛ばしたり、バーノンの猟銃を捻じ曲げたりするようには見えなかった。
「ホグワーツ魔法魔術学校より参りました。ハリー・ポッターさんへの入学案内です」
扉を開けたバーノンが、女性を睨みつける。
「妙な格好ではないな」
「訪問先に適した服装を選ぶのは、社会人として当然のことです」
「杖は持っているのか?」
「必要な場合に備えて携帯しております」
「この家では出すな」
「正当な理由がない限り、そのつもりはありません」
「人間を動物に変えたりもしないだろうな」
女性の眉が僅かに動いた。
「通常、人間を無断で動物へ変身させることはありません」
通常。
その言葉を聞き、ハリーは笑いそうになるのを堪えた。
マクゴナガルなら、必要があれば本当にやる。
「おはようございます、マクゴナガル先生」
ハリーが廊下から声をかけると、女性の視線がこちらへ向いた。
若い。
当然だが、記憶にある晩年の彼女よりもずっと若い。
厳格な表情も、真っ直ぐ伸びた背筋も変わらない。
最終決戦の後もホグワーツを守り続け、校長として多くの生徒を育てた女性。
ハリーが闇払い局長になった後も、会うたびに姿勢や言葉遣いを注意してきた恩師。
彼女が生きている。
その事実だけで、胸の奥が僅かに熱くなった。
「おはようございます、ポッターさん」
マクゴナガルはハリーを観察した。
「私の名前をご存じなのですね」
「入学許可証に署名がありました」
「きちんと読んだのですね」
「自分の進路に関わる書類ですから」
マクゴナガルの視線が鋭くなる。
十一歳の子供らしい返答ではなかったかもしれない。
「中へ入っても?」
「杖は出すなよ」
バーノンが念を押す。
「承知しました」
マクゴナガルは一歩も譲らず、それでいて礼儀正しく答えた。
応接間での説明は、予想以上に順調に進んだ。
ホグワーツが七年制の寄宿学校であること。
魔法の使用には法律上の制限があること。
学用品は魔法界で購入する必要があること。
ハリーの両親が魔法使いであり、必要な費用を賄える遺産が残されていること。
マクゴナガルが一つずつ説明する。
バーノンは魔法という言葉が出るたびに顔を歪め、ペチュニアは硬い表情で黙り込んだ。
ダドリーだけは、魔法の菓子や箒について聞きたそうにしている。
「つまり」
説明が一段落したところで、バーノンが言った。
「こいつが学校へ行けば、この家で妙なことを起こさなくなるんだな?」
「適切な教育を受ければ、自身の魔力を制御できるようになります」
「なら、さっさと連れていけ」
「入学日は九月一日です」
「今日から預かれんのか?」
「できません」
マクゴナガルが即答した。
ハリーは少しだけ同情した。
さすがのホグワーツも、夏休み中に生徒を押しつけられては困るだろう。
「本日は学用品の購入へご案内します。保護者の方も同行されますか?」
「行かん」
「私も結構よ」
バーノンとペチュニアが続けて断る。
マクゴナガルは責めるようなことは言わなかった。
「では、ポッターさんは私がお預かりします。夕方までにはお送りします」
「変な物を持ち込ませるな」
「学校指定の物品のみです」
「箒は?」
ダドリーが口を挟んだ。
「一年生は個人用箒を持ち込むことを許可されていません」
「なんだ。つまらないな」
「君が乗るわけじゃないだろ」
ハリーが言う。
「乗れたら乗る」
「最初は地面から一メートルくらいにしておいた方がいい」
「どうして?」
「落ちた時に痛いから」
ダドリーが顔をしかめた。
ハリーは立ち上がり、自室から準備していた上着を持ってきた。
「行けます」
「早いですね」
「昨日のうちに用意しました」
「私が来ると確信していたのですか?」
「手紙を送った以上、誰かは来ると思っていました」
「そうですか」
マクゴナガルは納得したようには見えなかった。
家を出て角を曲がるまで、二人は無言だった。
プリベット通りの家々から、近隣住民たちがこちらを窺っている。
ペチュニアが嫌がりそうな光景だ。
「ポッターさん」
人目が少なくなったところで、マクゴナガルが声をかけた。
「はい」
「あなたは、想像していたより落ち着いていますね」
「騒いでも状況は変わりませんから」
「魔法の存在を知らされた十一歳の子供は、通常もっと驚くものです」
「驚いています」
「そうは見えません」
「顔に出にくいんです」
マクゴナガルが眼鏡の奥からハリーを見つめる。
「ご両親について、何か聞いていましたか?」
「ほとんど何も」
「魔法については?」
「奇妙な出来事が何度かあったので、普通ではないとは思っていました」
完全な嘘ではない。
「それだけですか?」
「それだけです」
しばらく見つめられた後、マクゴナガルは歩き出した。
追及はされなかった。
だが、最初の時点ですでに警戒されている。
先が思いやられた。
ダイアゴン横丁への移動には、マグルの列車と地下鉄が使われた。
ハリーにとっては、ありがたい選択だった。
煙突飛行粉を使えば、初めてのふりをするのが難しい。
姿現しは、マクゴナガルに抱えられて行うには少々年齢を重ねすぎている。中身だけだが。
漏れ鍋へ入り、奥の中庭へ進む。
マクゴナガルが煉瓦を杖で叩いた。
壁が左右へ開いていく。
賑やかな通りが姿を現した。
鍋を積んだ店。
梟の鳴き声。
箒を眺める子供たち。
薬草と香辛料の入り混じった匂い。
「ここがダイアゴン横丁です」
マクゴナガルが言う。
ハリーは通りを見渡した。
一度目の人生で初めてここを訪れた時、世界が突然広がったように感じた。
自分だけが異常なのではなかった。
自分と同じように魔法を使う人々がいる。
自分にも居場所がある。
あの時の感動を、ハリーは今も覚えている。
「……すごいですね」
思ったより自然な声が出た。
演技ではなかった。
失われたと思っていた景色を、もう一度見ている。
それだけで十分だった。
最初に向かったのはグリンゴッツだった。
白い建物へ入り、ゴブリンへ鍵を渡す。
小型車両で地下へ降りる間も、ハリーは手すりを握って黙っていた。
「怖くありませんか?」
隣に座るマクゴナガルが尋ねる。
「速い乗り物は嫌いではありません」
一度目は、これに興奮していた。
後年、グリンゴッツへドラゴンで侵入し、ドラゴンで脱出した。
それに比べれば、安全装置のある小型車両は穏やかなものである。
金庫が開く。
金貨と銀貨と銅貨が積まれている。
「これが、ご両親の遺された財産です」
ハリーは必要な金額だけを袋へ入れた。
マクゴナガルが尋ねる。
「それだけでよいのですか?」
「学用品と、学校で必要になる分があれば十分です」
「欲しい物はないのですか?」
「今のところは」
将来的には資金が必要になる。
分霊箱を回収するための移動費。
情報を集めるための報酬。
安全な拠点の確保。
そして、戦争が再び始まる前に準備を整えるための費用。
子供のお小遣いとして使い切るわけにはいかない。
「金貨を見て、もう少し喜ぶかと思いました」
「両親の遺産ですから」
ハリーが答えると、マクゴナガルは何も言わなくなった。
買い物は順調に進んだ。
教科書。
鍋。
薬瓶。
天秤。
羽根ペン。
羊皮紙。
制服。
ハリーは必要な物だけを選び、余計な店へ寄ろうとしなかった。
マクゴナガルが少し呆れたように言う。
「随分と買い物が早いですね」
「一覧がありますから」
「普通の子供なら、箒や悪戯道具に気を取られます」
「箒は持ち込めませんし、悪戯道具は授業に必要ありません」
「まるで保護者のようなことを言いますね」
「叔父たちに言われ続けましたから」
こちらも半分は本当だ。
最後に、オリバンダーの店へ向かった。
店内は狭く、埃っぽい。
天井近くまで、杖の入った箱が積まれている。
「こんにちは」
奥から、白い目をした老人が現れた。
ハリーの額を見た瞬間、その表情が変わる。
「お会いできる日を待っておりました。ハリー・ポッター」
「こんにちは、オリバンダーさん」
「お母様の杖をよく覚えております。柳、二十六センチ余り、よくしなる杖でした。お父様の杖はマホガニー。変身術に向いた、優れた杖でした」
懐かしい説明だった。
採寸が始まり、次々と杖を試す。
一本目。
反応なし。
二本目。
杖先から煙が出る。
三本目。
店の隅にあった箱が落ちた。
以前も、選定には時間がかかった。
しかし今回は、少し事情が違うらしい。
「興味深い」
十本近く試したところで、オリバンダーが呟いた。
「多くの杖が、あなたの魔力へ反応しています」
「相性がよいということでしょうか」
「それだけではありません。杖の扱いに慣れている者の魔力です」
マクゴナガルの目が細くなる。
「初めて杖へ触れたのですが」
「ええ。そのはずです」
オリバンダーは店の奥へ消えた。
戻ってきた手には、細長い箱がある。
「では、こちらを」
蓋が開かれる。
柊。
二十八センチ。
芯は不死鳥の尾羽根。
かつて生涯を共にした杖。
ハリーはゆっくりと手を伸ばした。
指が柄へ触れる。
温かな感覚が腕を上ってきた。
失われていた身体の一部が、あるべき場所へ戻ってきたようだった。
杖を持ち上げる。
店内に金色の光が広がった。
積もっていた埃が舞い上がり、頭上で渦を巻く。
箱が震え、棚が微かに鳴った。
「なるほど」
オリバンダーが呟く。
「やはり、この杖でしたか」
ハリーは光を収める。
「これにします」
「不思議なことが起こるものです」
オリバンダーはハリーをじっと見た。
「その杖の芯となった尾羽根を提供した不死鳥は、もう一本だけ羽根を与えました」
知っている。
「そのもう一本の杖が、あなたの額に傷をつけたのです」
マクゴナガルの表情が硬くなる。
ハリーは杖を箱へ戻した。
「杖が悪いわけではありません」
「もちろんです。杖は自ら行いを選びません。しかし、杖は選びます。時に、私たちが理解できないほど深い理由によって」
オリバンダーの視線が、ハリーの目を射抜く。
「あなたは大いなることを成すでしょう。恐ろしいことかもしれませんが」
「恐ろしいことには慣れたくありませんね」
「慣れている者の言葉に聞こえました」
ハリーは答えなかった。
店を出た後も、マクゴナガルはしばらく無言だった。
「ポッターさん」
「はい」
「本当に、これまで杖を使ったことはないのですね?」
「ありません」
「オリバンダー氏は、あなたが杖に慣れているようだと言いました」
「杖の方が僕に慣れていたのでは?」
マクゴナガルは足を止めた。
「冗談ですか?」
「少しだけ」
「あなたにも、子供らしい部分があるのですね」
「一応、十一歳ですから」
「それを自分で強調する子供は多くありません」
それ以上は追及されなかった。
入学までの一か月、ハリーは訓練を続けた。
杖を使った基本呪文。
杖なし魔法。
身体づくり。
老いた身体で身につけた動作を、十一歳の腕と足へ合わせて調整する。
呪文の知識はある。
だが、連続して使用すれば腕が重くなり、息が切れた。
魔力の総量も、かつての身体には遠く及ばない。
焦りは禁物だった。
一度に強く流しすぎれば、頭痛が起きる。
毎日少しずつ負荷を増やす。
ダーズリー家の者たちには、学校から渡された練習用の棒を振っていると説明した。
バーノンは怪しんだが、庭で爆発を起こさないなら好きにしろと言った。
九月一日。
キングズ・クロス駅。
ハリーは荷物を下ろした。
バーノンは車から出ず、ペチュニアも窓越しにこちらを見ている。
「九と四分の三番線というのは、本当にあるんだろうな」
バーノンが言った。
「あります」
「駅員に聞いて恥をかくんじゃないぞ」
「聞きません」
「休暇には戻ってくるの?」
ペチュニアが尋ねた。
「その予定です」
彼女の表情からは、安心しているのか嫌がっているのか分からなかった。
「手紙は送るなよ」
「緊急時以外は控えます」
「緊急時にも送るな」
「それは約束できません」
バーノンが何か言い返す前に、ハリーはダドリーを見た。
「算数の続きは休暇に」
「別に待ってない」
「そうか」
「でも、答えは書いてこいよ」
「自分で解け」
車が走り去る。
一度目のように嘲笑されながら置き去りにされたわけではない。
別れの言葉らしきものがあっただけ、十分な進歩だった。
九番線と十番線の間にある障壁を抜ける。
紅色の蒸気機関車が、白い煙を吐いていた。
ホグワーツ特急。
ハリーは立ち止まった。
周囲には、子供を抱きしめる親たちがいる。
兄弟で騒ぐ生徒たちがいる。
梟が鳴き、猫が逃げ回り、駅員が声を張り上げている。
記憶の中にしかなかった光景。
「帰ってきた」
誰にも聞こえない声で呟いた。
空いている個室へ入り、荷物を棚へ上げる。
少し待つと、扉が開いた。
「ここ、空いてる?」
赤毛の少年が顔を覗かせる。
そばかす。
着古した服。
少し不安そうな青い目。
「空いてるよ」
「よかった。他はどこもいっぱいでさ」
少年が重そうなトランクを引きずり込む。
ハリーは立ち上がり、片側を持った。
「ありがとう。僕、ロン。ロン・ウィーズリー」
「ハリー。ハリー・ポッター」
ロンの手が止まる。
「本物?」
「偽物がいるのか?」
「いや、でも……傷は?」
ハリーは前髪を上げた。
ロンが目を見開く。
懐かしい。
何十年ぶりに見る、幼い親友の顔だった。
「すごいな」
「僕としては、あまり面白い物じゃないけどね」
列車が動き出す。
ロンは家族について話した。
ビル。
チャーリー。
パーシー。
フレッド。
ジョージ。
ジニー。
全員が生きている。
フレッドも笑っている。
ジニーはまだ日記を知らない。
ハリーは一人ずつ、名前を心へ刻んだ。
今度は失わない。
昼頃、茶色い髪の少女が個室へ入ってきた。
「ネビルという子が蛙をなくしたの。見なかった?」
「まだ見てない」
ハリーが答える。
ハーマイオニー・グレンジャー。
まだ、自分が正しいと証明することに必死だった頃の彼女。
「あなたたち、魔法は試した?」
ロンが怪しげな呪文を披露し、当然のように失敗する。
ハーマイオニーは得意げに、自分はいくつか成功させたと話した。
「それはすごいな」
ハリーが言うと、彼女は少し驚いた。
「あなたはハリー・ポッターでしょう? 本で読んだわ」
「僕は読んでない」
「自分のことなのに?」
「他人が書いた自分の話は、あまり信用しないことにしてる」
ハーマイオニーが首を傾げる。
「変な人ね」
「よく言われる」
彼女が去った後、ロンが顔をしかめた。
「なんか偉そうだな」
「少しね」
「嫌な奴だと思わない?」
「人間は変わるよ」
「十一歳なのに、年寄りみたいなこと言うな」
「気をつける」
ホグワーツへ到着すると、ハグリッドが一年生を集めていた。
巨体。
髭。
大きなランタン。
ハリーを魔法界へ連れ出してくれた恩人。
駆け寄りたい気持ちを抑え、他の生徒と同じように小舟へ乗る。
湖の向こうに、巨大な城が姿を現した。
無数の窓に明かりが灯っている。
「すげえ」
ロンが息を呑む。
「ああ」
ハリーも城を見上げる。
「本当に、すごいな」
大広間へ入った瞬間、ハリーは教職員席を確認した。
ダンブルドア。
マクゴナガル。
スネイプ。
そして、紫色のターバンを巻いたクィレル。
あの後頭部に、ヴォルデモートがいる。
まだ弱い。
自力で肉体を維持することすらできない。
だが油断はしない。
弱った毒蛇も、人を殺すには十分である。
スネイプと目が合った。
彼の顔が凍る。
ジェームズに似た顔。
リリーの目。
かつてと同じ反応。
ハリーは静かに視線を返した。
憎しみはなかった。
最後まで戦い続け、誰にも理解されないまま死んだ男。
今度は生かす。
できれば、もう少し人当たりも改善してもらいたい。
難しいだろうが。
組分けが始まった。
ハーマイオニーはグリフィンドール。
ドラコ・マルフォイはスリザリン。
ロンもグリフィンドール。
そして。
「ハリー・ポッター!」
大広間がざわめく。
ハリーは椅子へ座り、組分け帽子を被った。
視界が暗くなる。
『ほう』
頭の中に声が響いた。
『これは珍しい』
ハリーは黙って待つ。
『十一歳の少年の頭ではないな。知識だけではない。経験、責任、喪失、そして長い年月。君は一度、人生を終えている』
隠せるとは思っていなかった。
『二度目の組分けというわけか。以前はグリフィンドールだったようだね』
今回も同じで頼む。
『今の君ならば、どの寮にも向いている。目的へ向かう執念はスリザリン。蓄積された知識はレイブンクロー。救おうとする意志はハッフルパフ』
前世の流れを変えすぎたくない。
クィレルとヴォルデモートの行動を把握するためにも、以前と同じ立場にいた方がいい。
『合理性でグリフィンドールを選ぶのかね?』
悪いか?
『いいや。かつての君は、勇気とは恐れずに進むことだと思っていた。今は、恐怖も代償も知った上で進もうとしている。それもまた勇気だ』
秘密は守ってくれるか?
『帽子が生徒の頭で見たものを、教師へ言いふらすことはない』
助かる。
『ただし忠告しておこう。未来を知ることと、未来を支配できることは違う』
分かっている。
『本当にそうかな?』
答える前に、帽子が叫んだ。
「グリフィンドール!」
拍手が大広間に響いた。
ハリーは帽子を外す。
教職員席を見る。
ダンブルドアと目が合った。
半月形の眼鏡の奥にある青い目が、興味深そうに輝いている。
優れた魔法使い。
善良な人物。
そして、若者を試練へ送り込み、成長を期待する英雄癖の持ち主。
いずれ話す必要はある。
しかし、今ではない。
十分な力を得るまで。
自分一人でも計画を遂行できるようになるまで。
ハリーは笑顔を浮かべ、グリフィンドールの長机へ向かった。
二度目のホグワーツ生活が、始まった。