【完結】きみと居た時間   作:えいぷりる

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慟哭3

タツミ「インクルシオォォ!!」

ラバック「タツミ!」

 

タツミがブドーへと猛進する。

さすがに一人じゃムリだ!

加勢しようとタツミの元へ駆け出した瞬間、目線の先が光り、そこから拳が突き上げられる。

 

ラバック「ぐっ!」

 

咄嗟に腕でガードしたがその威力は強烈で、数メートルほど飛ばされた。

 

シュラ「お前の相手は俺がしてやるよ。」

 

なんだコイツ…いつの間に!

 

シュラ「お前らは手ェ出すなよ?俺の獲物だ。」

 

自身の兵に指示を出すと、こちらをまじまじと観察する。

 

シュラ「あん?なんだよ、お前もどっかで見た顔だと思ったが…このシュラ様のオモチャで遊ばせてもらったやつじゃねーか。」

 

やっぱりな…

 

ラバック「さっきの話からまさかとは思っていたが…あの時の異形な危険種もお前の仕業だな。」

シュラ「けっこうデケェやつ仕向けたつもりだったんだがな。失敗作には変わりねぇってことか。」

ラバック「へっ、それなりに楽しませてもらったよ。」

シュラ「そりゃ良かった。…まぁ立ち話もなんだ、また遊ばせてもらうぜェ!!」

 

正面から攻撃とは、ナメられたもんだぜ!

投げつけられたナイフを防御し、そのままシュラへと糸を飛ばす。

このまま捉えるッ!

糸が男を囲ったが、一瞬にして目の前から消えた。

 

ラバック「なにっ!?」

シュラ「どこ見てやがる、ナイトレイド!」

ラバック「くっ…!」

 

突如背後に現れ、振り向きざまに拳を受けるが、ギリギリでかわし距離をとる。

瞬間移動…、帝具か…?

 

シュラ「そう不思議そうな顔すんなって。」

 

俺をあざ笑うかのように自身の能力の種明かしを始める。

 

シュラ「俺の玩具シャンバラはなァ、自分でも相手でも、予めマーキングした場所に…」

 

シュラの足元が光り、姿が消える。

 

シュラ「一瞬で移動させることができる。」

 

後ろから気配がし、そちらへ身構えると、また光りと共に消える。

空間を操る帝具…!

 

シュラ「マーキングは宮殿内のあちこちに仕込ませてもらってるぜェ!」

 

空間移動を使い、宮殿の庭を逃げ回る俺を弄ぶように、じりじりと迫り来る。

アイツ相手に距離をとっても意味がない。どこへ逃げても一瞬で追いかけてくる!

…だけど!!

 

回廊の屋根へ糸を放ち、俺自身を引き上げて空中へ飛んだ。

 

ラバック「マーキングをしていない所なら、追っては来れないだろ!」

 

下から俺を見上げるシュラ。

ヘッ…と不敵な笑みを浮かべると、ヤツの足元が光る。

 

まさか…ッ

 

空中待機している俺の横へ光とともに現れると、握りしめた両拳で思い切り地面へ叩きつける。

 

ラバック「…カハッ!」

 

空中にもマーキング出来るのかよ…!

糸で防御してるとはいえ、拳の一撃が重い。衝撃をまともに受けた地面はめり込み、大きなヒビが入っていた。

 

シュラ「逃げ場なんて最初からねェんだよ、どこにもな!」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

マイン「こんな複雑な通路、よく作ったわよね。」

レオーネ「帝都の繁栄と共に大きくなったんだろうね、ムダに。」

 

マインが赤ペンで地図にチェックマークをつける。

あたしとマインは、帝都の地下水道の調査をしている。

管理がずさんで、革命の際の突入にも逃げ道にも利用できる。既に、地図に記されていない通路もいくつか発見した。

全ての通路を確認し地図を作り終えたら、帝都に潜り込んでいる革命軍の密偵に手渡す算段になっている。

 

マイン「タツミとラバはうまくやってくれてるのかしら。」

レオーネ「大丈夫だろ。特にラバには帰ってきてもらわなきゃ困るしな。」

マイン「…また何か焚きつけたのね。」

 

お節介ね、と言いたげな顔でチラリと見てくる。

 

レオーネ「そーんな言い方するなって。それに、あたしは何もしてないさ。あの二人らしく、ゆっくり進んでたってことだよ。」

マイン「ふぅん?」

 

マインは再び地図に顔を戻し、まだ調査し終わっていないポイントを眺めていた。

 

マイン「ま、いいわ。この革命を成功させなきゃ、元も子もないものね。だから仕事するわよ!仕事!」

レオーネ「へいへ〜い。」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

タツミ「ぐあぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

耳をつんざく程の雷鳴と、タツミの悲痛な叫びが響き渡る。

 

ラバック「タツミ!」

 

ガシッ!

タツミに注意を向けた瞬間、後ろからがんじがらめにされ、身動きが取れなくなった。

 

ラバック「お、おい、アンタ!」

侍女「ごめんなさい!でも、こうしないと幽閉されているお父さんとお母さんが…!」

 

くそっ…!仕組まれてたってことかよ…!

殺意に満ちた面持ちで、手に刃物を持ったシュラがこちらへと近づいてくる。

万事休すか…!

 

シュッ…

 

侍女「…え?」

 

首から鮮血を撒き散らし、バタリと女が倒れた。

ど、どういうことだ…?

 

シュラ「手ェ出すなって言っただろ?オモチャが余計なことしやがって。」

ラバック「オモチャ…だって?」

シュラ「そうよ!!この帝都もコイツらも全部俺のオモチャよ!利用するだけ利用して、いずれ大臣の座も俺のものだ!」

 

プツン…

俺の中で何かがキレた。

 

シュラ「オイオイどうした、もう降参か?まだゲームは終わってねェぞ?」

ラバック「いや…終わりだよ。アンタの負けだ。」

 

ヒュッ!

糸を引き、シャンバラを持つシュラの右手を手首から切り落とす。

 

シュラ「ぐぁっ!」

 

何が起こったかわからず困惑していたが、自身の周りに張り巡らされた糸に気付いたらしい。

 

シュラ「…テメェ、逃げながらこれを作ってたってのか!?」

ラバック「界断糸の結界だ。糸は殆ど使い切っちまったが、ギリギリで完成できた。」

 

落ちた手首を帝具ごと拾い上げる。

 

ラバック「全員武器を捨てなァ!!」

 

これで形勢逆転…かな。

 

 

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