タツミ「インクルシオォォ!!」
ラバック「タツミ!」
タツミがブドーへと猛進する。
さすがに一人じゃムリだ!
加勢しようとタツミの元へ駆け出した瞬間、目線の先が光り、そこから拳が突き上げられる。
ラバック「ぐっ!」
咄嗟に腕でガードしたがその威力は強烈で、数メートルほど飛ばされた。
シュラ「お前の相手は俺がしてやるよ。」
なんだコイツ…いつの間に!
シュラ「お前らは手ェ出すなよ?俺の獲物だ。」
自身の兵に指示を出すと、こちらをまじまじと観察する。
シュラ「あん?なんだよ、お前もどっかで見た顔だと思ったが…このシュラ様のオモチャで遊ばせてもらったやつじゃねーか。」
やっぱりな…
ラバック「さっきの話からまさかとは思っていたが…あの時の異形な危険種もお前の仕業だな。」
シュラ「けっこうデケェやつ仕向けたつもりだったんだがな。失敗作には変わりねぇってことか。」
ラバック「へっ、それなりに楽しませてもらったよ。」
シュラ「そりゃ良かった。…まぁ立ち話もなんだ、また遊ばせてもらうぜェ!!」
正面から攻撃とは、ナメられたもんだぜ!
投げつけられたナイフを防御し、そのままシュラへと糸を飛ばす。
このまま捉えるッ!
糸が男を囲ったが、一瞬にして目の前から消えた。
ラバック「なにっ!?」
シュラ「どこ見てやがる、ナイトレイド!」
ラバック「くっ…!」
突如背後に現れ、振り向きざまに拳を受けるが、ギリギリでかわし距離をとる。
瞬間移動…、帝具か…?
シュラ「そう不思議そうな顔すんなって。」
俺をあざ笑うかのように自身の能力の種明かしを始める。
シュラ「俺の玩具シャンバラはなァ、自分でも相手でも、予めマーキングした場所に…」
シュラの足元が光り、姿が消える。
シュラ「一瞬で移動させることができる。」
後ろから気配がし、そちらへ身構えると、また光りと共に消える。
空間を操る帝具…!
シュラ「マーキングは宮殿内のあちこちに仕込ませてもらってるぜェ!」
空間移動を使い、宮殿の庭を逃げ回る俺を弄ぶように、じりじりと迫り来る。
アイツ相手に距離をとっても意味がない。どこへ逃げても一瞬で追いかけてくる!
…だけど!!
回廊の屋根へ糸を放ち、俺自身を引き上げて空中へ飛んだ。
ラバック「マーキングをしていない所なら、追っては来れないだろ!」
下から俺を見上げるシュラ。
ヘッ…と不敵な笑みを浮かべると、ヤツの足元が光る。
まさか…ッ
空中待機している俺の横へ光とともに現れると、握りしめた両拳で思い切り地面へ叩きつける。
ラバック「…カハッ!」
空中にもマーキング出来るのかよ…!
糸で防御してるとはいえ、拳の一撃が重い。衝撃をまともに受けた地面はめり込み、大きなヒビが入っていた。
シュラ「逃げ場なんて最初からねェんだよ、どこにもな!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
マイン「こんな複雑な通路、よく作ったわよね。」
レオーネ「帝都の繁栄と共に大きくなったんだろうね、ムダに。」
マインが赤ペンで地図にチェックマークをつける。
あたしとマインは、帝都の地下水道の調査をしている。
管理がずさんで、革命の際の突入にも逃げ道にも利用できる。既に、地図に記されていない通路もいくつか発見した。
全ての通路を確認し地図を作り終えたら、帝都に潜り込んでいる革命軍の密偵に手渡す算段になっている。
マイン「タツミとラバはうまくやってくれてるのかしら。」
レオーネ「大丈夫だろ。特にラバには帰ってきてもらわなきゃ困るしな。」
マイン「…また何か焚きつけたのね。」
お節介ね、と言いたげな顔でチラリと見てくる。
レオーネ「そーんな言い方するなって。それに、あたしは何もしてないさ。あの二人らしく、ゆっくり進んでたってことだよ。」
マイン「ふぅん?」
マインは再び地図に顔を戻し、まだ調査し終わっていないポイントを眺めていた。
マイン「ま、いいわ。この革命を成功させなきゃ、元も子もないものね。だから仕事するわよ!仕事!」
レオーネ「へいへ〜い。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
タツミ「ぐあぁぁぁぁぁぁっ!!」
耳をつんざく程の雷鳴と、タツミの悲痛な叫びが響き渡る。
ラバック「タツミ!」
ガシッ!
タツミに注意を向けた瞬間、後ろからがんじがらめにされ、身動きが取れなくなった。
ラバック「お、おい、アンタ!」
侍女「ごめんなさい!でも、こうしないと幽閉されているお父さんとお母さんが…!」
くそっ…!仕組まれてたってことかよ…!
殺意に満ちた面持ちで、手に刃物を持ったシュラがこちらへと近づいてくる。
万事休すか…!
シュッ…
侍女「…え?」
首から鮮血を撒き散らし、バタリと女が倒れた。
ど、どういうことだ…?
シュラ「手ェ出すなって言っただろ?オモチャが余計なことしやがって。」
ラバック「オモチャ…だって?」
シュラ「そうよ!!この帝都もコイツらも全部俺のオモチャよ!利用するだけ利用して、いずれ大臣の座も俺のものだ!」
プツン…
俺の中で何かがキレた。
シュラ「オイオイどうした、もう降参か?まだゲームは終わってねェぞ?」
ラバック「いや…終わりだよ。アンタの負けだ。」
ヒュッ!
糸を引き、シャンバラを持つシュラの右手を手首から切り落とす。
シュラ「ぐぁっ!」
何が起こったかわからず困惑していたが、自身の周りに張り巡らされた糸に気付いたらしい。
シュラ「…テメェ、逃げながらこれを作ってたってのか!?」
ラバック「界断糸の結界だ。糸は殆ど使い切っちまったが、ギリギリで完成できた。」
落ちた手首を帝具ごと拾い上げる。
ラバック「全員武器を捨てなァ!!」
これで形勢逆転…かな。