オールマイトが引退した。
騒動が終結し、オール・フォー・ワンが護送の為に作られた
記者会見にて、オールマイトは引退を表明した。その時に闘ったのは自分の弟子達で、後継者だとはっきり宣言してくれた。
それは免許もなく大暴れした僕とかっちゃんを護る為でもあったんだ。
その宣言がなかったら、僕もかっちゃんも雄英高校を退学どころか逮捕されていたんじゃないかな。
オール・フォー・ワンが捕まったとはいえ、主犯格の死柄木と数人の
病院で入院検査をしていた次の日、オールマイトの引退会見を見た後に警察から、厳重注意を受けて退院させられた。面構署長、いつもご迷惑をおかけします。
お母さんやかっちゃんのご両親と病院から出ると、師匠達や星の保育園の先生達が待っていた。心配するお母さんに、師匠達が退院祝いをするからと言って別れて、半ば無理矢理にかっちゃんも引き連れて保育園の園庭まで引っ張られて来た。
「おい!離せ!何で俺まで…」
「うるせぇな、このタコが!」
「うむ、独力で此処までの武術を身に付けた努力と才能は認めるがのう。これ以上は師父の元で正しく学んだ方が良い」
ゼッカ師匠とタラバ師匠に引き摺られて反発するかっちゃんだけど、その後カエルラ理事長に簡単に封じられて何も言えなくなった。
理事長、拳法の達人だけど見た目は凄い美人だしね。その美人に手玉に取られて、ショックを受けたみたい。そしてその場で弟子入りを誓わされていた…。
ああ、これでかっちゃんのパワーアップが確定か…。ワン・フォー・オールの歴代の個性を使える様になったのに、あっという間に追い付かれるかな…。
仕方ないかと諦めていたら、出久にもプレゼントだっていつもの重りを装着させられて…重っ!?何これ!?
「あ〜、そりゃ、カッチン鋼とかいう特別な金属で作った、特製の拘束具だ。重さは小型化したのにも関わらず100kgある」
ちょっ!合計500kgじゃないですか!?それに拘束具って…!
「ガハハハ!修行中はお互いが電磁石になってくっつく仕様だからな、組み手の一撃一撃が文字通りガチガチに響くぜ!一応、死合いには勝ったからな。特別に大負けに負けて、明日からの修行量は2倍にしといてやる!」
地獄の蓋が、開いた幻想が見えた。
ちなみに、退院祝いは園庭でBBQをしてくれたよ。カッチン鋼の重りで自由にならない僕の為に、エーリカちゃんと陽子ちゃんが僕を挟んで、介護の様にお肉を食べさせてくれた。余りの優しさに涙が出そうです。
あれ?何でサヤさんは笑顔のまま、ギリギリと歯ぎしりさせながら僕を見てるんですかね?何か怒らせました!?
※サヤさんはプッシーキャッツと同年代とする
その後、オールマイトに呼び出された。
呼ばれた場所は、オールマイトと修行した海岸線だ。昔のゴミの山が嘘みたいに、綺麗な砂浜を維持していた。
「お!やっと来た!」
「オールマイト…!!」
「遅いよもー!!テキサス…SMASH!」
オールマイトに殴られた。余りに不意だったので、全く受け身すら取れなかった。
「君ってやつは本当に言われた事守らない!」
僕はオールマイトに説教をされ、そして彼がほとんど戦えない体になった事を聞いた。
「ワン・フォー・オールの残り火は極わずか…。もはやマッスルフォームもろくに維持できない」
だからこそ今回の戦いで、様々な問題があったとしても、僕がオールマイトの後継者として、オール・フォー・ワンに勝ったのは意味があったのだと言う。
「これから私は君の育成に専念していく。この調子で…頑張ろうな」
「…はい、オールマイト」
そうだ、僕ほもっと頑張らなければならないんだ…。身体に500kgの重りを付けて…!
…………頑張れるかな…?
そして、雄英高校からの家庭訪問が始まった。
それは、生徒を危険に曝した学校からの謝罪であり、生徒を護る為の全寮制導入のお知らせでもあった。
僕の家には、オールマイトがやって来た。
お母さんはオールマイトが家に来たと、ギクシャクしていて、僕もドキドキが止まらなかった。
テーブルに座って貰い、オールマイト先生から話が始まる。
「えー事前にお話行ってるとは思いますが、雄英の全寮制について…」
お母さんは僕を見て、それからオールマイトを真っ直ぐ見て言った。
「出久が無個性だと分かって、凄く落ち込んで…。それから間もなく、空手道場に通いました。でも、毎日ズタボロになって帰って来て、心配になって道場を見に行ったんです。そこでは…想像を絶する訓練が行われていました」
お母さん…道場に来てたんだ。全然、知らなかったよ…。
「私は余りに酷い訓練に、もう止めてくれと道場にいたお坊様に訴えたんです。私の訴えを全て聞いてから、そのお坊様は言いました」
『確かに修行は厳しい、過酷なもんだ。だがなぁ、出久の目を見てみな。死んだ目に見えるかい?あいつは、こんなにボロボロになっても、全く諦めちゃいねえぜ?』
「確かに…出久は倒れ込んでも、目は、目だけはギラギラと輝いていました…」
『出久が諦めてないのに、親のあんたが先に諦めてどうするってんだ?出久はまだ幼く小せえが、夢に向って一歩を踏み出しているぜ?…もし、あいつが死んだ目になったら、またここに来な。それまでは、しっかり支えてやんなよ』
「出久はもう、自分で自分の道を選び、突き進んでいます。どんなにズタボロになっても、憧れのあなたに追い付ける様に」
お母さんは深々と頭を下げた。
「どうか、よろしくお願いします」
「お母さん…」
そしてオールマイトも、膝をついて床に頭を着けた。
「私は出久少年が私の後継にふさわしいと思っております。出久少年に私の全てを注ぎ、この命に代えても守り育てます」
お母さんはその場にへたり込んで、それは嫌だと答えた。
「命に代えないで、ちゃんと生きて守り育てて下さい」
「…出久少年…。君と初めて会った時、私に宣言したね…。無個性でも必ずや生き残り、戦い続けるヒーローになると…」
オールマイトは再度、頭を下げた。
「私も必ずや生きて、最後まで見届けます。約束します」
そして始まる。雄英での新生活が!
これにて最終回とさせて頂きます。ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
少しでもヒロアカの素晴らしさと、超電磁空手の良さが伝わればと思います。
凡そ、書きたい事は書きました…。
書きすぎて、最後の決戦がグダグダになった気もしますが。
本当はノヴァ教授、強化合宿の前のデパートで出演予定だったのですが、爆発させて逃げるプロットにしていたら熊本での震災を受けて、不謹慎過ぎると判断しカット。
結局、出す場面が無くなりセリフのみの出演となりました。そこだけが書き足りない所ですかね…。
また、違う話が思い付きましたら投稿しますので、その時にお会いしましょう。