感度3000倍アヘ顔最強忍者の同期(催眠能力持ち) 作:異種姦スキー
東京は随分と変わった。
木々は姿を消し、代わりに高層ビルが立ち上る。
際限なく広がるビル群は留まることを知らない人の欲望のように見えた。
あそこにいるどれだけが真っ当な人間なのだろうか。
『覗いてみるかぁー?』
「嫌だね。人間嫌いが加速する」
『じゃあ前だけ見ることだなー』
こいつ……。
人の気も知らないで呑気なことだ。
人の心とかないのか。ないか、人じゃないし。
しばらく歩いていれば公園に着く。
一面緑が咲くその場所は、灰色が広がる東京とは別世界のように見えた。
「誰かの慈善事業かねぇ」
公園のベンチには老人や会社員が座り、各々自分の時間を楽しんでいる。
皆、あのコンクリートジャングルに疲れてこの場所に来る。
この中で悪事に加担してないと言える人間はどれほどいるのだろう。
『相変わらず人を疑う。通行人まで疑う必要はないだろ』
「そうやって油断していると足元を掬われる。何度も味わったことだろ」
情報提供者が裏切り者なんて対魔忍時代はざらにあった。
酷い時なんて依頼主が裏切っているパターンだってある。
あんなの繰り返されたら精神病んじゃうよ。
公園を抜け目的の場所へ向かう。
変装と幻術で俺だと認識できないようにしているため、もし一般通過対魔忍がいたとしても正体が見破られることは無いだろう。
家の場所は覚えている。
住む場所を変えていなければそこにいるはず。
会えなかったらノマドを引っ掻き回すことに注力する。
『害悪プレイヤー千木良源秀誕生だなッ!』
「人聞き悪いこというなッ!」
☆
『相変わらずしょぼいなココ』
「おい失礼だぞ」
アサギの家はよくある一軒家と呼ぶべきものだった。
学生時代から何も変わらない。そんな家に少しだけ懐かしい記憶が蘇る。
あの時の匂い、表情、笑い声、すべて鮮明に思い出せる。
『沢木君ボコボコにしてその後アサギにボコボコにされてたな』
「嫌な記憶、思い出せるな……」
あの時のアサギは怖かった。
まあルール無用にした俺が悪いんだが。
あんなのに忍法使うなよ。
好きな人の前でいいとこ見せたかったんだろうか。沢木君ドン引きしてたけど。
「あの~どちら様? うちになんか用?」
思い出に耽っていると後方から声を掛けれた。
振り向けばそこにいたのはこれまた懐かしい顔だった。
「……やあ、さくらちゃん」
俺だと分かるように彼女にだけ幻術と変装を解いた。
それがいけなかったのか、さくらは俺を見て目を丸くしそのままフリーズしてしまった。
もしかして失敗しただろうか。もっと派手に登場した方が良かったか。
『死人が目の前に現れたらそんな反応になるだろ』
(あ、確かに)
「千木良さ~ん! 生きてたんだ~!」
「ちょ、声が大きい……!」
沈黙が支配するその場を破ったのはさくら本人であった。そして近所に響き渡る声で生存を喜ばれる。
更には口を塞ごうとした手をかわされ、こちらの体を揺すられる始末。
豊かに実った果実が眼下で揺れ、目線を逸らせず目に毒を与え続けられる。
あ、やべぇ吐きそう。
「その辺にしときなさない」
「あ。お姉ちゃん。おかえりなさい」
「ええ、ただいま。
「すまん……。うぷっ」
アサギの家に案内され、茶をたしなむ。
めちゃくちゃうまい。高い茶葉だ。
さくらちゃんはどこかに出かけて行った。
相変わらず空気を読める子だ。
「にしても驚かないんだな。俺がこうして目の前に現れたって」
「あなたが簡単に死ぬわけないもの。それで、どうして今になって私達の前に姿を現したの?」
アサギと向かい合う。
その表情は対魔忍時代と同じく険しいものだった。
ふうまの反乱の際、俺達は陣営を別れた。そしてその後俺は死を偽装し、対魔忍を抜けた。
つまりあの時から俺達の関係は敵のままというわけだ。
『お前、あの後手紙とか寄越さなかったのか……?』
いや普通に迷惑だろ。
彼女はもう一般人だ。だから対魔忍時代の関わりは少ない方が良い。
俺なんてなおさらだ。
『お前……。……はぁ~お前、マジか……』
「ちょっと!? 聞いてる?」
「ああごめんごめん。……単刀直入に言う。朧がお前を狙っているかもしれない」
「なっ……!」
信じられないと言わんばかりに目を丸くし、驚愕の表情を浮かべるアサギ。
「昨日、ふうまの連中に襲われてな」
「どういうことよ。なんでふうまが……?」
「そりゃ裏切ったからな」
「嘘……っ! あなただったのねッ!あの時の幻術はッ!」
「ふうまの反乱の時か? なら俺だな」
アサギの信じられないものを見るような目が突き刺さる。
それ相応のことしてるから仕方ないが、いざやられると結構傷つく。
「何考えてるの!? 敵味方関係なく、幻術をかけて回って……ッ!」
「あの時から俺の味方は俺だけだ」
「どうしてそこまで……」
「理想と現実に折れたんだよ。よくあることだろ」
自分に対魔忍の適性があると知った時、心が躍った。
その時はヒーローにあこがれてたから。俺も同じヒーローになれると思っていた。
だが最初に与えられた任務はある人間の殺害。
魔族と繋がっている人間と教えられたが、調べてみれば権力者の息子が強姦した娘の父親だった。
俺は尻拭いに使われたのだ。そうとは知らずに俺は奴を殺害した。
ある親子の未来を俺が奪ったのだ。これからヒーローになるのだと浮かれていた俺を殴りたい。
もう俺の手は血で染まり、元の道に戻ることはできない。
それでもふうま弾正の思い描く未来に従えば、後に続く者はきっと大丈夫だと。
だが結局奴も奴の家も同じだった。己の利益の為に子供を利用し、非道なことを強要する。
だから結局、どこにも正義は無かった。いや誰かに正義を委ねようとしたからいけないのだ。
自分の正義を守るためには自分がその意志を貫かなければならない。
「私に言えばよかったじゃない! どうして……」
「お前は引退目前。いくら相棒と言ったってそこまで苦労はかけられないよ。さて、本題に戻るぞ」
「……」
俺がこれ以上喋る気が無いと察したアサギは諦めて姿勢を正した。
「捕まえたふうまの連中の話じゃな、お前の居場所を探れと対魔忍を殺せと二つの指令が朧から出ているらしい」
「それは……本当なの?」
「目を使って聞いたから間違いないと思う。刻まれた記憶はどんな幻術も隠せないからな」
「そう……」
今のアサギの心は、朧が復活したのなら自分が責任を取るべきだとそう考えているのだろう。
そうならないため今回話に来たのだ。
「アサギ、お前が責任を感じる必要はない……と言っても気にするだろうな」
「……」
「今回の件で俺はノマドに借りが出来た。だからこの件、俺が預かる」
これはもうアサギが背負うべき問題じゃない。
沢木君と幸せに暮らすだけでいい。
「そんな無茶よ!」
「朧を殺すことは難しいだろうな。だがあいつの手を煩わせることはできる」
「どうしてそこまで……」
「知り合いがやられた。それだけで十分だろ。……とにかく朧には気をつけろ。後、お前に近づいてくる対魔忍関係者にも」
この事件を口実に近づてくる奴なんて十中八九クロだろ。
これを理由にいくらでもアサギに近づけるからな。力を求める者にとっては絶好の機会だ。
「あ、あと沢木君にはこれを渡しておいてくれ」
アサギの前に置いたのは一枚の札。
市松模様が描かれたハンカチのようなものだ。
「んじゃ、久しぶりに会えて楽しかったぜー」
そうして俺はアサギの家を出て行く。
帰り際、お隣の道場へ足を運び。人の形をした紙を目立たない所に貼り付けた。
『これで仕込みは上々だな』
「ああ、後はうまく作動してくれるといいんだが……」
『ま、なるようになるだろ』
「適当だなー。……さて、俺も情報を集めに行くとしよう」
ノマドの情報を集めるには……ヨミハラとかか?