【推しの子】もしも星野アイの隣人が天才外科医だったら〜命を救う、その先へ〜   作:ペンギンって可愛いですよね

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第五十七話「育て方を教えて!」

 

その頃――。

 

苺プロダクションの事務所でも、その話題で持ちきりだった。

 

休憩スペースのテレビには、先ほど放送されたばかりの特集が流れている。

 

『全国学力調査で全国一位となった天才双子兄妹』

 

画面にはアクアとルビーの姿。

 

大学の文献を読むアクア。

 

微分方程式で苦戦していると笑うルビー。

 

そのインタビューを見終えた瞬間――

 

「……え?」

 

「えぇぇぇぇぇっ!?」

 

「ちょっと待って!」

 

「何あれ!?」

 

B小町のメンバー全員が一斉に声を上げた。

 

たかみーが目を丸くする。

 

「アイ!」

 

「あの子たち、賢いとは思ってたけど、そんなに頭良かったの!?」

 

めいめいも信じられないという表情で続ける。

 

「大学の文献って何!?」

 

「小学四年生だよね!?」

 

ありぴゃんは頭を抱える。

 

「微分方程式って、高校生でも習わなくない!?」

 

きゅんぱんも苦笑いする。

 

「私、名前しか聞いたことないんだけど……」

 

みーちゃんは呆然とテレビを見つめたまま呟く。

 

「全国一位だけでも十分すごいのに……」

 

「その後のインタビューが全部規格外なんだけど」

 

そして次の瞬間――

 

全員の視線が一斉にアイへ向いた。

 

「アイ!!」

 

「どう育てたらああなるの!!」

 

五人が一斉に詰め寄る。

 

「教えて!」

 

「子育ての秘訣!」

 

「絶対何かやってるでしょ!」

 

「隠さないで!」

 

アイは突然囲まれ、両手をぶんぶん振る。

 

「えぇぇっ!?」

 

「知らない知らない!」

 

「私もびっくりしてるんだから!」

 

「え?」

 

たかみーが首を傾げる。

 

「知らないの?」

 

「うん!」

 

アイは困ったように笑う。

 

「勉強しなさいって言ったことなんてないよ?」

 

「二人とも勝手に本読んで」

 

「勝手に勉強して」

 

「気付いたらああなってたの!」

 

「…………」

 

その場が静まり返る。

 

めいめいが遠い目をした。

 

「一番参考にならないやつだ……」

 

「完全に才能じゃん」

 

ありぴゃんも苦笑する。

 

「『気付いたらこうなってた』って言われても困るよぉ」

 

きゅんぱんも肩をすくめる。

 

「やっぱり天才っているんだねぇ」

 

みーちゃんは感心したように頷く。

 

「しかも兄妹揃ってっていうのがすごいよね」

 

「普通はどっちかだけなのに」

 

アイは照れくさそうに頬をかいた。

 

「でもね、二人とも本当に努力家なんだよ!夜まで勉強してても楽しそうだし…分からないことがあると、自分たちでどんどん調べるし、私は見守ってるくらいしかしてないかな」

 

その言葉にB小町のメンバーは顔を見合わせる。

 

「……やっぱり真似できない」

 

全員が同じ結論に至った。

 

少し離れた場所では、そのやり取りを齋藤壱護社長とミヤコが眺めていた。

 

壱護は腕を組みながら苦笑する。

 

「いやぁ……」

 

「アイも十分すごい親だと思うけどな」

 

ミヤコも笑いながら頷く。

 

「ええ」

 

「でも、あの二人は親だけでは説明できないくらい規格外ですからね」

 

「それにしても」

 

テレビへ視線を向ける。

 

そこには再び「天才双子兄妹」の文字が映し出されていた。

 

「これから、ますます注目されそうですね」

 

壱護は小さくため息をつきながら笑う。

 

「ああ…アイ本人より、子供たちの方が話題になる日も近いかもしれんな」

 

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