ハリー・ポッターと創られし娘   作:テーラ・クレプスクリー

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賢者の石と緑の目の少女編での、注意事項を
10話の前書きに、のせております。

そちらの注意事項を、よくお読み頂いてから
先へとお進みください。

厳しめ、原作改変、独自設定、独自解釈、独自展開など
多数です。

その為、何でもあり、大丈夫な方のみ
お進みください。

それではどうぞ!




11話 相棒と出発

 

▷視点、リリローゼ

 

(なんてことなの)

 

原作ではグリンゴッツのあとすぐに

『マダム・マルキンの洋装店』に行ってたはず

 

だからわざわざ先に教科書や

授業に使う道具を揃えて、

時間をずらしたつもりだったのに。

 

(やっぱり、時間が分からないのに、

行動したのがダメだったのかな?)

 

そんな風に私が困惑していると

約5年ぶりに会うドラコ・マルフォイと

教授が話しをしている。

 

そんな時、私が教授と会わせたくなかった

原作主人公のハリー・ポッターが

 

「あの僕、外で人を待たせてるので、失礼します」

 

と出て行った。

 

教授とハリーは会っちゃったけど

話してないから大丈夫だよね?。

 

そしてマダム・マルキンが私の対応をしてくれた。

 

まだ近くで教授と話していた

ドラコは私に一瞬皮肉げな笑顔を見せて、

店を出て行った。

 

(……なにあの上品で生意気な笑顔!

お坊ちゃん全開なんだから。

でも、元気そうでよかったわ)

 

5歳の時のぷにぷにだったミニドラコが、

すっかり原作通りの「ツンとした白金髪の美少年」に

成長している姿を見届けて、私はホッと胸をなでおろした。

 

「では、お嬢様。こちらへどうぞ」

 

マダム・マルキンに促され、

私はハリーがさっきまで立っていた踏み台へと上った。

 

黒い生地が私の身体に合わせて魔法でスルスルと裁断され、

ピンで留められていく。

 

その様子を、教授は腕を組んだまま、

大真面目で険しい顔でじっと見つめていた。

 

(教授、ただの採寸だからそんなに睨まないで……。

マダム・マルキンの手が緊張で震えちゃってるから!)

 

心の中でツッコミを入れつつ、

私はマダムの手元に視線を落とした。

ついに手に入るホグワーツの制服。

 

ハリーとは言葉を交わさずに済んだ。

ドラコとも無駄な接触は避けた。

今のところ原作の改変は最小限に抑えられているはず、

 

採寸を終え、教授が金貨(ガリオン)を

支払ってお店を出て

次は1年生に最も重要な杖の選定だ。

 

私は教授と一緒にオリバンダーの店へと向かった。

 

お店の前まで送ってくれた教授は、

杖を決めるのには時間がかかること、

 

そして店内なら一人でも

安全だろうと判断したらしい。

 

一度荷物を置きに、

姿現わしで自宅へ帰っていった。

 

 

(ついに杖か、楽しみ〜)

 

と私が考えながら扉に近づくと

お店の中からパリン、ガタンと音が鳴り

 

まさかと、私がオリバンダーのお店を覗き込むと

そこには先程すれ違いですんだと

安心したはずのハリーがいた。

 

どうやら原作通り杖の選定に苦労しているようだ。

 

でもオリバンダーと思われる老人が別のところから

杖の箱を持ってきて

それをハリーが持つと回りが温かい光に包まれる。

 

(映画で見た通り、キレイ)

 

と思っているとお支払いを終えたハリーと、

私の目があってしまう。

 

ハリーは気まずそうにしながら軽く頭を下げて退店した。

 

それに続こうとしたハグリッドは

私を(正確には教授とそっくりな私の顔をだろう)

見て驚きながらハリーのあとを追って行った。

 

そして私はオリバンダーの店に入り、

オリバンダーに杖腕を聞かれて答え

 

最初に渡された杖も2本目3本目も続けて試した。

 

その時、お店の扉が開き教授が戻ってきた。

 

そしてオリバンダーは教授を見て少し驚くも、

別の杖を見せてくれた。

 

「これはヤナギの木にユニコーンの

たてがみを使用している」

 

そういえば前世で見たファンサイトで

教授の杖の木はヤナギの木だったような

 

教授と一緒だったら嬉しいなと思いながら、

杖を振るとまるでホタルが舞うような光のダンスが起きた。

 

「……あぁ、やはり。おめでとう、お嬢さん。

その杖が君を選んだようだ」

 

オリバンダーが、どこか満足げに、

けれどその不思議な淡い色の目を細めて静かに微笑んだ。

 

手のひらから伝わってくる、

じわりとした心地よい温かさと、

私の魔力に共鳴する感覚。

 

前世で見たファンサイトの知識があっているなら、

教授の杖も、

同じだったはず。

 

(教授と同じ木材……! 偶然かもしれないけれど、

オタクとしてはもう、

 

それだけで気絶しそうなくらい

嬉しい……!)

 

私が愛おしそうにヤナギの杖を見つめていると、

戻ってきたばかりの教授が、

黒いローブの裾を揺らして一歩前に進み出た。

 

教授は、私が振るった杖から溢れたホタルのような

美しい光の残滓と、私の手の中の杖をじっと見つめていた。

 

その底のない黒い目には、驚きと、

そして言葉にできないほどの深い感慨が湛えられている。

 

「……ヤナギに、ユニコーンのたてがみ、」

 

教授が地を這うような美しいバリトンボイスで、呟く。

オリバンダーは、うやうやしく頷き、

箱に杖を収めながら答えた。

 

「左様です、スネイプ教授。

ヤナギの杖は、内に秘めた大きな可能性や、

深い感受性を持つ魔女に相応しい。

 

そして純潔を象徴するユニコーンの芯材は、

持ち主に対する忠誠心が最も強く、

邪悪な魔術に染まりにくい……。

 

実に、素晴らしい組み合わせですな」

 

邪悪に染まりにくい、忠誠心の強い杖。

その言葉を聞いた瞬間、

教授の口元が、ほんの一瞬だけ、優しく和らいだ。

 

教授が私のために、

私のこの杖の特性をとても喜んでくれているのが分かって、

胸がじんわりと温かくなる。

 

教授は無言で金貨(ガリオン)を支払うと、

箱に入った杖を私に手渡し、私の手を握り締めた。

 

「……行くぞ、リリローゼ。

これで、必要なものはすべて揃った」

 

「はい、お父さん!」

 

笑顔でしっかり答え、私は今日手に入れた、

自分だけの杖の入った箱を胸にぎゅっと抱きしめた。

 

マダム・マルキンの店での出来事。

そしてこのオリバンダーの店で、

ハリーと目が合ってしまったこと。

 

ハリーは気まずそうにしながらも軽く頭を下げて

出て行ったし、

 

彼に続こうとした大男のハグリッドは、

私の顔を見てもの凄く驚きながらハリーの後を

追っていったけれど……。

 

(ハリーともハグリッドとも、

大きなトラブルにならずにすれ違いで済んだのは

本当に良かった)

 

今のところ、原作の改変は最小限に抑えられているはずだ。

 

 

泣き崩れる教授の頭を撫でたあの日から、

必死に駆け抜けた7年間。

 

ついに、すべての運命が交錯するホグワーツへと

向かうための、準備が整ったのだ。

 

私は教授の大きくて温かい手を握り返し、

ダイアゴン横丁の青空を見上げながら、

 

これから始まる戦いに向けて

――大好きな教授をあの哀しい死から

絶対に救うという最終目標に向けて、

 

心の中で静かに、

けれど祈るような決意を新たにするのだった。

 

 

9月1日

 

ホグワーツに行く為、

ホグワーツ特急に乗る日がようやくやって来た。

 

7月31日のダイアゴン横丁での買い物の翌日

8月1日は実は私の誕生日だ。

 

毎年教授は誕生日が近づくとプレゼントの希望を

聞いてくるので私は

 

「お父さんがくれるなら何でもいいよ。

でもそれだとお父さんが困っちゃうよね、

ならお花がいいな。」

 

と言って毎年教授からキレイな花束をもらってる。

 

私は教授の誕生日にミリスに教えて

(前世知識である程度料理はできるけど念のため)

もらいながら手作りのお菓子やケーキを

作ってホグワーツにいる教授にフクロウ便で贈っている。

 

「リリローゼ、そろそろ時間だぞ?

支度は出来たか?」

 

「大丈夫!いつでも出られるわ!

あっ、あと前から思ってたんだけど、

 

学校でお父さんって呼んだら、

よくないから、他人の前ではスネイプ教授って呼ぶね?

2人の時は今まで通りお父さんって呼ぶから!」

 

そう言うと教授は少し残念そうにするが

すぐにそれもそうだという顔をして居間へと向かう

 

居間に用意していた荷物を持って、

教授の姿現しでキングス・クロス駅近くの

人気のない場所にでる。

 

さすがに教授は生徒や保護者の前に出るのはなと思い

駅の近くまで送ってもらうことで教授も受け入れてくれた。

 

「……リリローゼ。体調が悪くなったら、

すぐに吾輩のところへ来なさい。

 

それから、グリフィンドールのようなものどもとは、

必要以上に関わるんじゃないぞ。いいな」

 

人気のないロンドンの路地裏で、

教授は私のトランクを魔法で軽く浮かせながら、

 

これでもかというほど過保護な注意事項を

美しいバリトンボイスで並べ立てていた。

 

教授はグリフィンドールがよほど嫌いなんだなと、

原作の偏見全開のスネイプ先生らしくてちょっと面白い。

 

「ふふ、分かってるわ、お父さん、

体調が悪くなったら、

 

すぐに医療室のマダム・ポンフリー先生か

お父さんのところへ行くね」

 

私が満面の笑顔で答えると、

 

教授は憮然とした表情のままだったけれど、

その底のない黒い瞳の奥に、

狂おしいほどの愛おしさと寂しさを滲ませた。

 

そして、私の黒髪を大きな手で名残惜しそうに優しく撫でる。

 

「……ホグワーツの大広間で待っている。

道中、気をつけて行きなさい」

 

「はーい! お父さんもホグワーツでの準備、頑張ってね」

 

私が手を振ると、教授は黒いローブを蝙蝠の羽のように

なびかせ、音もなく姿現わしで家へと戻った。

 

そこから、

煙突飛行ネットワークでホグワーツへと向かうのだろう。

 

さあ、ここからは私の単独ミッションだ。

 

私はトランク

(教授が軽量化の呪文をかけておいてくれたので、

子供の身体でも軽々持てる。本当に助かる)

を引きずりながら、

賑やかなキングズ・クロス駅の構内へと歩みを進めた。

 

荷物をカートに積み直し

目指すは、9番線と10番線の間にある、あの魔法の柱。

 

レンガ通りの柱の前に立つと、

『ハリー・ポッター』ファンとしてのオタク心が、

ドクドクともの凄い速さで鐘を鳴らし始めた。

 

日刊予言者新聞やダイアゴン横丁も凄かったけれど、

これから本物の【9と4分の3番線】へ行くのだ。

 

高揚感で頭がホワイトアウトしそうになる。

 

(大丈夫、しっかりしなくちゃ。

カートを引いて、

あそこへ自然に通り抜けるだけ……!)

 

周りのマグルの目を盗み、

私は覚悟を決めてレンガの柱へと

真っ直ぐに歩き出し

だんだんと小走りになって行く。

 

次の瞬間――。

 

――パッと視界が開ける。

 

視界を埋め尽くしたのは、もうもうと白い蒸気を上げる、

あの鮮やかな真紅のボディーの【ホグワーツ特急】だった。

 

「うわあ……っ!!」

 

駅のプラットホームは、

トランクを抱えた生徒たちや、

 

見送りに来た魔女や魔法使いの

保護者たちのざわめきで溢れかえっている。

 

飛び交うフクロウの鳴き声。カートの軋む音。

本物の、原作第1巻のあの始まりの光景が、

1ミリの狂いもなく目の前に存在していた。

 

ファンとしての感情が爆発して泣きそうになったけれど、

 

私はすぐにハリポタファンとしての、

警戒レーダーをマックスに切り替えた。

 

人混みを鋭い目で盗み見る。

 

(ハリー……ハリーとウィーズリー一家はどこ!?)

 

探しては見たもののあの目立つ赤毛の一家は見えない

 

(もしかして、もっとずっとあとに来るのかな?)

 

さすがにこの世界で目覚めて7年も立つと、

原作知識も細かいことはだいぶ薄れてしまった。

 

原作知識を道標にするためには

なるべく原作改変は抑える必要がある。

 

できればハリーたち原作のメインキャラに関わるのは

避けなくては

 

原作のことを日記帳に書いた時、

どこまで詳細を書けばいいかとか、

 

ファンとはいえ原作の隅々まで覚えてた訳じゃないので

細かいことは抜けている。

 

そんなことを考えながら

人の少なそうな後方へと向かった。

 

空いているらしいところを見つけて、

コンパートメントに入り

 

座席に深く腰掛け、

一息ついてこれからを考える。

 

原作改変は最小限に。

 

私の最終目標は、あくまで今世の私の大切な父親である

セブルス・スネイプを、

あの孤独で悲しい死という救済から救うことだ。

 

そのためには、ハリーたち黄金の三人組とは、

極力関わらない静かなポジションを

キープしなければならない。

 

私は列車の後方車両だ、

ここまでわざわざ来ることはないだろう。

 

だから大丈夫だろう。

 

その考えがフラグになるなど考えもせず、

私はホグワーツ特急の発車の時を待った。

 

 





あからさまな、ひきですが
笑ってもらえたら嬉しいです。

前書きの注意事項は、
少なくとも賢者の石と緑の目の少女編が
終わるまでは、変えません。

お目通しをお願いします。

また別シリーズには、
それに合わせて前書きを変更すると思います。
よろしくお願いします。

それでは、次回をお待ち頂けますと嬉しいです。
失礼します。

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