俺の個性は種を植え付けます(語弊あり) 作:ザリガニ同担拒否
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「みんなに提案なんだが、今日の戦闘訓練の反省会をしないか!」
戦闘訓練が終わって残りの授業を受けた俺たちが帰りの支度をしていると、飯田が今日の反省会を提案してきた。たしかに、自分は気にしていたが講評で触れられなかった部分はあるだろう、みんなそう考えたのか賛成!と元気よく同意を示している。一部を除いて、だが.......
「俺は先に帰る、反省会はお前らだけでやってくれ」
「えー、帰っちゃうの!?」
「.........」
「爆豪もかよ!?」
クラスのイケメン代表格である轟が無愛想な態度でそう吐き捨て教室を出ていき、それに続くようにばっちゃんも椅子から立ち上がり不機嫌そうに出ていった。あいつ、いつもと違って静かだったな。やっぱ緑谷に負けたのが効いてんのかな......?
「おぉ、緑谷来た!」
「ん、ほんとだ。おかえり〜」
そうこう考えているうちにギプスをつけた緑谷が帰ってきた。みんなやはりばっちゃんとの第一試合が気になるのだろう、お疲れ!と労わりながら緑谷に駆け寄っていた。
「じろーちゃん達は行かなくていいの?」
「う、植木.......あんなに集まってたら、入る隙ないよ」
「.......俺が話しかけるたびに顔真っ赤になってるけどだいじょぶ?熱でも出た?もしそうなら保健室に行ったほうが......」
「うるさい!!あんたのせいでしょーが!!」
訓練が終わってからずっと、じろーちゃんはどこか落ち着かない様子でいる。俺が話しかけるとビクッてしたり顔赤くしたり......まあ可愛いので俺的にはとてもありがたいんですが。
「そういえば、お二人さん!熱烈なハグをかましてましたねぇ.....?」
「うんうん、見てるこっちもドキッて来たよ!!至近距離で植木君の顔面をくらってよく生き抜いたよね耳郎ちゃん!」
俺とじろーちゃんが話しているところを見てハッと思い出したのか、A組の恋愛探偵である芦戸ちゃんと葉隠ちゃんがこちらに駆け寄ってきた。君たちほんとに人の恋愛に興味津々よね、二人が恋愛する時が楽しみだよ俺。
「熱烈なハグて......ただの事故だよ。てか、俺の顔面そんなに酷い?」
「あ、そういや言ってなかったけど翠は自分の魅力自覚してないよ」
「「この顔で!?」」
あ、酷いんじゃなくて良いの方だったんだ。でもそんなに良いかな?よくて中の上くらいじゃない?告白されたことも数回しかないし。
「それは顔が良すぎて釣り合わないと思われて告られなかっただけでは......」
「そもそも告白されたことあるだけすげぇんだよ.......オイラにもこいよ、春!」
「そんなこと言ってると来ねえぞ性欲の権化」
「お前なんか爆豪より酷くないか??」
まずはそのオープンスケベをどうにかした方がいいと思うね。え、それがチャームポイントだって?お前その言葉履き違えてるって絶対......。
「チャームポイントっていうのは、例えばじろーちゃんのこの可愛い三白眼とか、お耳のイヤホンジャックのことを言うんだよ」
「......はぁ!?急にウチに振らないでよ!?」
「ごめんごめん、あまりにも可愛かったからつい、ね?」
俺がそう伝えると、じろーちゃんは顔を真っ赤にして椅子に座ったままうずくまってしまった。なんか小動物みたいで可愛いな、頭を撫で回したくなってくる。触れ合いコーナー設けませんか?あ独占欲出ちゃうからやっぱ作んなくていいです。
「あれ、緑谷は.....?さっきまでいたよな?」
「なんか麗日が爆豪はもう行ったって伝えたら走り去っていったぞ」
飯田が常闇を叱っている間にふと周りを見渡すと、いつの間にか緑谷がいなくなっていた。どうやらばっちゃんの後を追いかけていったらしい。追いかけていった......妙だな。ここからIQ81万の俺が叩き出し答えは,....
「あいつら付き合ってたんだな、帰ってきたら祝福しようぜ!」
「お前はどこをどう見てそう判断したんだ?」
「いい眼科おすすめするよ」
「勝手に薔薇を咲かせてあげるな」
アレェ?思ってた反応が貰えなかったぞ?やめろ電気哀れ目で肩ポンするんじゃない、惨めに見えるだろう。もう惨めだって?はは、それは新手のブラックジョークかな?
「ば、爆豪君とデク君が、つ、つきあ、つつつきききききあああ」
「植木ちゃん、お茶子ちゃん壊れちゃったわ」
「恋の予感が!」
「ビンビンするよ!」
壊れたロボットのようになった麗日ちゃんが恋愛探偵に詰められている。哀れ麗日、君の犠牲は忘れない。明日の昼くらいまでは覚えているだろう。
「てか、お前ら本題忘れてねぇか?反省会やるんじゃねぇの?」
「は!ソウソウ反省会!反省会ヤラナイトイケナイヨネ!」
「そうだな!さっそく始めるとしよう!」
「ちぇ、いいところだったのに〜!」
そんな麗日ちゃんに切島から助け舟が出される、本人全くそんな意図なさそうだけど。それにしてもカタコト、女子に戸惑う緑谷みてぇ。似たもん同士だな。悔しそうにしている芦戸ちゃんと葉隠ちゃんはまあ、なんだ、どんまい?
ちなみに議論は白熱し相澤先生に帰れと叱られるまで続いた。
「オールマイトの授業はどんな感じですか!?」
「あ、すいませんナンパはやめてもらっていいですか?好きな女子いるんで」
「何をどう考えたらこれがナンパに見えるのかなぁ!?」
翌日の朝、学校に入ろうと思ったらマスコミの群れに襲われた、これじゃあじろーちゃんに会えねえだろ。とっとと失せやがれください。
「ねえ、そこのあなた!オールマイトの授業についてなにか一言.....!」
「ちょ、すいません。ウチはやく登校したいんですけど.....」
ちらっと視界に入った少女の姿。本当に一瞬だったが俺の愛に狂いはない、あれはじろーちゃんだ。マスゴミの野郎見境なしに詰めやがって......挙げ句の果てじろーちゃんに手出すとか、流石に許せないんだよね俺。
「ちょっとでいいから......ってさっきの男の子じゃない。今あなたに用は.....」
「登校の邪魔です。どっかいってくださいよむさ苦しい」
「さっきからねぇ......!私たちはこの女の子に用があるのよ、あなたになんの関係があるっていうの!?」
「将来を誓い合った仲です」
「あんた何言っちゃってくれてんの!?」
ごめんねじろーちゃん、今この場を手早く切り抜けるにはこれしかなかったんだ。うん、これしかなかった、いいね?
「今のうちに行こ、じろーちゃん!」
「え、う、うん!」
「ちょっと待ちなさいよ!?あたしだってまだ彼氏できてないのにマセやがってこのぉ!!」
じろーちゃんの手を引いて校門を通り抜けた時に後ろからあの女に野次を飛ばされたが、負け犬の遠吠えにわざわざ耳を傾けるほど俺はお優しくない。ヒーローが誰の言うことでも聞いてくれると思ったら大間違いだ、都合のいい幻想抱いてっと後々足元掬われるぜ?そんな本音を心に押し込んで、俺とじろーちゃんは校舎へとかけていった。
(......じろーちゃんの手柔らかすぎだろまじで!?DTにはあまりにも刺激が強いですわよ!?)
(植木の手ってこんなゴツゴツしてたんだ.......やば、なんかドキドキしてきた)
「すいません、恋の匂いがするので失礼します!」
「恋愛センサーが反応してるので急がねば!!」
「あーもうほんと、ヒーロー科はどいつもこいつもぉ!!」
「今日は君らに学級委員長を決めてもらう」
「「「学校っぽいの来たぁ!」」」
ざわ先が真剣な顔で話し始めるもんだから何かと思ったが、学級委員長の話でしたか、そういや決めてなかったもんね。それにしても、立候補多いなぁ。中学だと俺と電気くらいしか上げてなかったから即決定だったのに......流石ヒーロー科って感じ。
「植木も中学の頃委員長とかやってたのか?」
「うん、やってたよ。いっつも電気と投票で争ってた」
「植木ちゃんが真面目に仕事してるとこ想像できないわね」
「はっきりいくな梅雨ちゃん」
これでも真面目にやってたんだぜあの頃は。恋なんて知らない系男子でも一応友達はいたからね、信頼されてたし。.......今はまぁ変人認定されてるけど。あと決め方は飯田の提案でなんやかんやあって投票になったらしいです。まあ効率重視でいいと思う、梅雨ちゃんのいう通り信頼もクソもないけど。とりあえず俺はーーーー
「僕3票!?」
「......俺に1票?一体誰が......」
どうやら最も票を獲得したのが緑谷、次点が八百万だったようだ。あと飯田、お前に投票したのは俺だ。反省会でのリーダーシップに惹かれて投票したんだけど......お前別のとこ投票したのね。普段の様子見るに緑谷かな?3票の内訳は緑谷自身、麗日、飯田と予想する。別に意味はないけど。
「ま、まじでか.....!」
「うーん、悔しい......」
ま、何はともあれ二人は委員長、副委員長になったわけだ。個性豊かなこの1年A組をまとめ上げ、引っ張ってもらいたいものである。
「ね、植木って0票だったでしょ、誰に入れたの?」
「お、俺は飯田にイレタヨ」
「なんでそんな緊張してるわけ?」
「誘われるなんて思ってなかったからっ!!」
午前の授業を終え、いつも通り昼食をとりに大食堂まで向かおうとすると、なんとじろーちゃんが一緒に食べないかと誘ってくれたのである。電気や切島、瀬呂などのいつものメンバーが生温かい目で見守っていたことにとても苛立ちを覚えたが、今はこの幸福に身を委ねることにした。理性があってよかった。
「じろーちゃんはなんで俺のこと誘ってくれたの?」
「あー.......それは、えっとーーーー」
じろーちゃんが言い終わる前に、突如食堂内に非常ベルの音が鳴り響いた。どうやら、セキュリティ3?とやらが突破されたらしい。流れから推測するに、おそらく雄英内に誰かが侵入してきたということか?
「と、とりあえず逃げた方がよくない?敵かも知れないんでしょ?」
「いや、今は生徒全員パニックになってる!無闇に動かないほうが......」
「わっ!?」
「じろーちゃん!!こっち!!」
そうじろーちゃんに声をかけるも、生徒たちの波がこちらまで押し寄せてくる。避けることは不可能と考えた俺はいち早くじろーちゃんを抱き寄せ、全身で横からの圧力を受け止める方針に移行した。ア待って柔らかいものが当たってる!!不可抗力だけど申し訳ない!!
「う、えきだいじょぶ!?ごめ、ウチ守ってもらってばっかりで......!」
「だ、いじょーぶだよじろーちゃん。こんくらい耐えれなきゃ、やっていけないからね......!」
全負担を俺が担っていることに気づいたじろーちゃんが泣きそうな目でこちらを不安げに見つめてくる。でも、俺たちはヒーロー科だ。こんなトラブルこれから何度も立ち会ってくることになるだろう。そう考えたら、今躓いている暇はない。不安を感じさせないようできる限り笑顔で、じろーちゃんの目を見つめ返しながらそう伝えてすぐ、どこからかはわからないが「ダイジョーブ!!」と聞き慣れた声がすることに気づいた。
「......上か!」
「へ......ほんとだ!あれ飯田じゃない!?」
上を見上げると、どうやったのか非常口の上に立ち震えた足でポーズをとる飯田を発見した。あそこまで移動できたのは.......麗日の個性のおかげか!
「ただのマスコミです!何もパニックになることはありません!大丈夫、ここは雄英!最高峰の人間に相応しい行動を取りましょう!」
「ま、マスコミ.....?」
「朝のあいつらか.....クソ野郎共がっ!!」
どうやらこのパニックは不法侵入したマスゴミによって起こされたものだったらしい。そんなんほぼ敵だろ、これで怪我人が出たらどうするつもりだったんだよ。自分のことしか考えられない愚図が......!
「ヴィ、敵じゃなくてよかったぁ......ありがとね、植木。守ってくれて」
「感謝されるほどのこと別にしてないよ。ヒーローならどうするかなって考えたら自ずとこうなっただけ」
「ほんっと素直じゃないなぁ、素直に受け取ったとけばいいのに。ま、そんなこともあんたらしいか。........あ、そういえばさっきの続きなんだけど」
「続き......ああ、なんで俺を誘ったのか?」
「ん、ちょっと確かめたいことがあったから。でも、やっぱり正しかったみたい、ウチの考え」
「......?考えって一体ーーー」
「ウチ、あんたのこと好きだ!」
「......はぁ!?」
少年、植木翠が蒔いた種が一体どんな花を咲かせるのか......二人の恋は、まだ始まったばかりである。
植木翠
え?え......え?
耳郎響香
一回しか言わないからね
なんか作者自身もじれったくなってきてこうしました。一方的な→キープは書くの難しすぎた......。その分イチャイチャも増やしていくのでどうかお許しを......!