「よぉ。待ったか?」
「待ったか?じゃねェだろなんでこいつがここにいる?」
「酷い言い草じゃないか。私も彼に呼ばれて来た身なんだがねぇ」
「その通り。お前とアグネスタキオンは同じ理由で呼んだ。つってもまだ細けぇことは説明してなかったよな。てことで今説明する」
「単刀直入に言えば、お前たちには俺の研究を手伝って欲しいんだよ」
「冗談じゃねェ、なんでオレがお前の研究なんかを手伝ってやらないといけねェんだ」
「同感だ。他人を手伝っているような暇はないのだが」
「まぁ待て。別にお前らに利がないわけでもねぇ。エアシャカール。計算ではお前は日本ダービーで7cm差で負けるんだろ?」
「…だったらなんだ?」
「俺の理論が実現できればそれまでとは比べ物にならないほどトレーニング効率が上がる」
「なンでそんなことが言える?」
「それを証明するんだよ。どうせ覆らないんだったら最後の賭けに出ようぜ」
「シャカール君が協力する理由はあっても、私が協力するメリットはないように思えるのだがね?」
「アグネスタキオン。お前はウマ娘の限界、可能性を解き明かすために研究してる。だが実際はそれだけじゃない」
「お前、100%の力で走れないんだろ?そのガラスの脚じゃ本気を出してしまえば脚が壊れてしまう。故に壊れない方法を探してるわけだ」
「君がなぜそれを知っているのか、ぜひお聞きしたいのだが」
「見たら分かる」
「今はそういう事にしておこうか。だが、そうだったとして何の関係があるのかな?」
「俺だけが協力してもらおうなんてそんな都合のいいことは言わねぇ。お前のモルモットにでもなんでもなってやるよ。それに、この研究が成功すればより強く、効率的な練習ができる」
「何を根拠にンなことを」
「俺が3年間集め続けたデータだ。一人で行うときよりも複数人でトレーニングを行ったときのほうがトレーニングの効果が上昇している。それも、ジュニア期と比べてシニア期の方が圧倒的に上昇量が多い。しかもそれはいつでもそうというわけじゃなく複数人でかつ関係値が深いほどに効果が上がっているわけだ」
「確かにそうかも知れない。しかし、もしそうでなければ私たちは貴重な時間をドブに捨てるわけだ」
(まだ信頼がなけりゃ信用もされてねぇ。だから、今は他人に補ってもらう)
「入ってきてくれ」
「?いったいなにを…」
「失礼するよ」
「おや?会長がなぜここに…君が呼んだのかな?」
「その通り。彼の実力は私が保証しよう」
「会長がそういうならひとまずは信用しよう」
(まぁアグネスタキオンはそうだろうな。温情をかけられてる立場でもあるし、そういう意味でもシンボリルドルフは最強の特攻カードだ。問題はエアシャカールの方だが…)
「確かにそいつにはトレーナーとしての実力があるのかもしれねェ。だがそれはトレーナーとしてだ。研究者としてじゃねェ。この研究が成功する保証も何もねェのにどうやって信じろってんだ?」
(俺がこれ以上示せる信頼に値するような根拠は何一つない)
「俺はこの研究にトレーナー人生の進退を賭ける」
「…正気かい?」
「簡単に進退を賭けるなどと言うのはやめておいたほうがいい。君にはまだ未来があるだろう」
「どれだけ輝かしい未来が待っていようが俺が生きてるのは今だ。今でなきゃ意味がねぇ。今だから全てを賭けられる」
「さあ、聞こうか。乗るか、乗らないのか」
「ロジカルじゃねェ。だがそれ以外に方法もねェ。チッ癪だがお前に乗せられてやる」
「決まりだな」
「トレーナーさん、これ私いる意味あったんですか?」
「そりゃそうだろ。お前にも協力してもらうんだから」
「えぇ?私研究なんて手伝えませんよ」
「んなこたねぇだろ。実験台になるんだよお前は」
「モルモット扱いですか…」
「俺だけがモルモットになるなんて不公平だろ?俺は対等を意識してんだよ」
「そんなことにまで適用されるんですか?それ…」
「これでようやく研究ができるな。シンボリルドルフ、付き合わせて悪かったな」
「構わないよ。元々君を手伝う約束だ」
「これで貸し借りはなしってわけだ」
「もし必要であればいつでも言ってくれて構わないよ。なるべく手を貸そう」
「そりゃありがたいが、シンボリルドルフの手を煩わせるようなことはそう起こらねぇさ」
「では私はこれで失礼するよ」
「オールインの結果は俺の勝ちだな。久々にひりつく勝負だったぜ」
「これを賭け事として捉えてるのだいぶおかしいでしょ…」
「オールインってのは間違いだったな。まだ出してないチップがあった」
「他人をチップとして捉えるのやめてくださいよ。私は賭け事とは無縁なんですから…」
レース描写はあったほうがいいですか??
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あったほうがいい
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ないほうがいい