マンハッタンカフェから色々なことを聞いた。
既に知っている話ではあるが、個人を理解することが大切だとついこの前学んだばかりだ。なら、直接聞くことで気付けることもあるだろう。
例えば『お友だち』についてだとか。
(そういやさっきも姿だけで顔は見えなかったが、いったいなんなんだ?さっきからやけにこっちをうろちょろしてくるし)
気になりはしたが、霊的存在を研究することはあまりに難しい。なにより知覚することが自分とマンハッタンカフェの2人しかいないのだから、考えたところで意味はないだろう。
そう思い、思考を打ち切った。
「ところで、結局俺を追いかけてきた奴の正体は何だったんだ?」
「……彼女たちのほとんどは、イタズラ好きで悪意のないものです。けれど、危険なモノもいます。私があなたを見た頃には、既に消えていたのでなんとも……。」
「イタズラかもしれねぇし、もしかしたらマジでやばかったかもしれねぇってわけか。まあとにかく、助かったぜマンハッタン先生。お前は俺の命の恩人だ」
「……ただ居合わせただけなので……。」
「お前、優しいんだな」
「……?」
「さっき聞いて思ったんだが、お前は人から嘘つき呼ばわりされたり否定されてきたんだろ?なのに、それを誰かのせいにするわけでもなく受け入れる。正直、俺には理解できねぇよ。なんでお前はそんなに優しいんだ?」
(変わり者だとか不気味だとか言われて、周りから遠ざけられて輪のなかに入れない。その苦しみは想像に難くねぇ。環境は人格形成に大きく関わる。そりゃあ他者と距離を取るようにもなるだろうな)
「……他の人達には、見えないから。信じられないのも仕方のないことなんでしょう……。」
(いくら高等部とはいえ未成年のガキが、こんな…)
(こいつを助けてくれるやつが現れるって、自分に言い訳してたんだ。ここがあそことは違うってわかってたくせに、自分には背負いきれないって)
人ってのは中々変わらねぇもんらしい。また失敗しちまった。
「お前が納得してるなら、俺からは特に言うことはねぇ。ただ一つ言わせてほしい。一見無表情に見えるが、この短い時間のなかでお前は俺に色んな顔を見せてくれた。見ず知らずの俺の話を聞いてくれた。お前は間違いなくいい奴だよ」
「………」
「そんなお前を見込んでお願いがあるんだが」
「……なんでしょうか?……。」
「最近、今日みてぇにおかしなことが増えててな。俺もなんだかおかしなものが見えるようになっちまったみたいだし?これからも助けちゃくれねぇか?」
「……でも、私といたらあなたまで……。」
「そんなに俺と居るのが嫌か?まあ確かに会ったばかりだし、無理もねぇか」
「……それは、違います。でも私は、普通じゃないから……。」
「普通なんて重要じゃねぇだろ?俺が助けを求めたこと以外の事実は重要じゃない。普通じゃないお前の助けが俺には必要なんだよ。理由はそれだけで十分だろ?」
「………」
「……そういうことなら、わかりました……。」
「おぉ。やっぱりいい奴だな!」
「……あなたも、普通じゃないんですね……。」
「確かに俺は普通じゃねぇのかもな。だが最も重要なのは俺が俺であることだ。普通なんて枠組みに入れられちゃ最高の俺にはなれねぇしな」
「……屁理屈では……?」
「そうかもしれねぇ。だが屁理屈でも理屈だ。そもそも理屈なんてのは納得するためのものだ。決断をする上での参考材料にすぎない。あくまで背中を押すためのものであってそんなものに振り回されちゃ生きていけねぇのさ」
「……おかしな人……。」
そう言われたとき、なにかから背中を叩かれた感触がした。
感想や評価、お気に入り登録をしてもらえると嬉しいです。
最近中々話を書くのが難しくなってきましたね…
ウマ娘の中で短編を作るとしたら誰がいいですか?セイウンスカイは作るのが決まってるので除外します。その他あれば感想ください。
-
エアシャカール
-
アグネスタキオン
-
マンハッタンカフェ
-
ナカヤマフェスタ
-
シュヴァルグラン
-
キングヘイロー
-
ミスターシービー
-
シンボリルドルフ