私の術式は犯行開示、目標の呪霊や人間が起こした被害、本人の情報をメモ帳に書き込むことで、
それに伴う目標の情報や位置、書き込む内容によっては弱点なども知ることができる。
かっこよく言えば術式の開示殺しなのだけど、戦闘力がないので一人ではなんの意味もない。
それにそこまで知るにはかなりの個人情報を書き込む必要があるんだけど。
指示役から命令を受けた私は現場へ急いだ、私の術式的に現場が片付けられると、書き込む情報がどんどん減ってしまうので、いつものように手の空いている補助監督が帳を開いているとは思うけど、街中ど真ん中なので一般人にはすぐにばれてしまうかもしれない。
途中でタクシーを捕まえ現場へ向かっている間にメモ帳に
既に報告されている情報を書き込んでいく。
これは私の経験上の癖みたいなもので、あるだけの情報を先に書きそれに対してのアンサーが少ない、又はしょうもない情報なほど目標は等級が高い、又は私には困難な相手ということになる。
いつものように整理するついで高いボールペンで書き込んでいく。
するとアンサーが帰ってきた。
〈生まれたばかり〉
〈そこそこ弱い?〉
〈呪霊〉
〈一人殺害〉
「まあこんなものね。」
「どうしましたかお客様?」
「なんでもないわ、独り言よ。」
いつものように有用性のない答えばかりね。
実はこの術式は 【私が苦労する】×【敵の情報の重要度】=アンサー のようになっていて、
聞いただけだとろくな情報がない。
要するに単なる暇つぶしなのだ。
その後、私は現場の被害から目標の正確なサイズや残った黒い呪力の残影、それから殺された呪詛師の死体などからできるだけ情報を集めた。
・場所は○○㎞先
私の術式は法則性があり、距離が離れすぎると、このような距離だけは正確な情報だけを渡してくる。
こうなってしまえば私が目標に近づくしか結果を変えることができない。
この結果に等級はあまりかかわってこないので、自分で確かめに行くしかない。
こうなると危険が増すし、時間がかかるので好ましい結果ではないわ。
ー
かわいいかわいい美少女に姿を変えた俺は、そこから少し離れた場所にある湖に向かっていた。
水面に映る少女はめちゃくちゃ可愛い。
が、明らかに人間ではない。
流石にこれはモン娘というほかないだろう。
だが、この時代はまだ萌えになかなか厳しい時代だった気がする。
よくあるクソデカおめめがはびこっている時代だろう。
どうやら体の色までは変えられないようなので、俺のロールプレイが鍵になってきそうだ。
「おなかすいたな。」
せっかく人の姿になったのだから、ラーメンが食べたいのだが、一般人に俺が見えるのかわからない。
仕方ないので湖に向かって飛び込む、服は着たままだけど体みたいなもんだしいいや。
前世で培った水泳技術で平泳ぎをする。
別にそれ以外できないわけではない、バシャバシャすると魚に逃げられるからあえて平泳ぎをしているんだ、それ以外できないわけではない、断じて。
結局デカ腕を網状にして魚は取った。
俺は呪霊、寄生虫などなんのその!生のままかぶりついていく。
うまい!
呪霊になって初めての食事であり(魂を除いて)めちゃくちゃしみる。
【どうだ、くそうめーだろ。】
俺の中のイマジナリーサ○ジが料理もしていない生魚を差し出してきた。
生魚渡してくるとかエアプ○ンジも体外にしろ。
そうして乱獲した魚をむさぼっていると人間とは比べ物にならない聴覚が、
茂みをかき分ける二足歩行特有の足音を聞き取った。
距離にして20mほどだろうか、口と手は動かし続け耳だけに意識を集中する。
人型の呪霊ならまずかったがどうやら人間のようだ。
真っ直ぐこちらに向かってくる。
十中八九俺を狙っている。
!
い い こ と 考 え た 。
ー
「まさか一週間も探すのに時間がかかるなんて、生きて帰ったら報酬倍はもらわなきゃ!」
目標を探すため深山は県をまたぎ千葉にまできていた。
しかも山の中獣道まっしぐらなもんだから徒歩以外になく、体中が土や葉に覆われていた。
ぐちぐちと悪態をつきながらも足だけは一行に速度を下げない。
節々に溢れ出る子供らしい性格と相反する行動に彼女の呪術師としての人生が色濃く感じられた。
メモ帳をちらちら更新しながら歩き続けること数時間、深い深い森から転じて晴れ渡る茜色の空とそれを反射し輝く美しい湖が広がっていた。
その美しさに深山は一瞬目を奪われそうになったが、水面の近くに何か黒いものがいる。
瞬間深山は己の愚かさに気づいた、近くに呪霊がいるというのに景色に見とれてしまった。
音を立てず急いで茂みに身を隠す。
どうやらばれてはいないようで、未だ呪霊は泥や枯葉の着いた魚を食べ続けている。
急いでメモ帳に見た目を書き連ねていく。
黒い肌、白い長髪、黒いパーカーと灰色のズボン、顔は湖に向いているのでわからない、
年の功は中学生程の少女に感じられる、情報にあった腕は右腕だけ見当たらない。
〈呪力はあまり感じられない、そこまで等級は高くない?〉
深山は思考を巡らせわかる情報と考察を織り交ぜながら、ひたすら書き続けていく。
この異常な集中力こそが彼女の強みであり同時に弱点でもあった。
メモ帳に視線を送ることなく等間隔に文字を書き続けながら、呪霊に穴が開くほどその動きの徹頭徹尾に視界のリソースを割いていたその時、グルっと首が90度曲がりその満月と目が合った。
鳥肌が立った
辺りが夕焼けから月も逃げ出すような漆黒の夜に包まれた錯覚をした。
思考を無理やり打ち切られ即座に足へ呪力を込めて後ろへ飛び出す。
が、それも無駄だった。
見つからなかった右腕が私を掴む、胴体を掴まれ溢れ出る恐怖を脳の回転に回す。
震える体とは相反して腕は繊細により早く己の恐怖を記録していく。
〈白目が黒い、黒目が黄色い、呪霊が魚を食べていた、なぜ?、食欲?、エネルギー?、
、どんな術式?、少女が本体?〉
深山には溢れ出る恐怖を慣れ親しんだ動きと記録という行為でしか正気を保てずにいた。
黒い少女は口だけほんのり弧を描き、こちらから目を離さずゆっくりと、されど一歩ずつこちらに近づいてくる。
また深山も目を離すことができなかった。
己の意志ではない、恐怖という【呪い】に体が支配されていたのだ。
〈二級?、そんなわけない、一級、いや下手したら特急の可能性も、怖い、どうしてこんな奴に私の術式は情報を渡した?,体が震える、目が離せない、怖い、怖い、有り得ない、こんなこと、間違いなく特急案件、情報が出たときはまだ成長段階だった?、最初のアンサーで生まれたばかりと書いていた、まだまだこいつは成長する?、一週間でここまで?、ほおっておいたら世界の危機?
わからない、メモが見たいアンサーが知りたい、動けない、怖い、怖い、怖い、怖い、なんだこいつは、死ぬ、近づいてくる、時間がない、怖い、怖い、動け、うごけうごけ、うごけ、謝罪する?なにに!命乞いをする?、怖い!、違う!情報を残さなきゃ、いやだ、死にたくない、たすけて、怖い、怖い、怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖、い怖い怖い怖い怖い怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖、い怖い怖い怖い怖いいいいい〉
少女は息がかかるほどに近づくと口を開きギザギザの歯が唇からのぞいた。
「お願いがアンだけどサッ、ラーメン奢ってくんネ?」
「……………………は?」
過去一うまくかけた気がする。
オリ主は普段はメスにしときます。
オリ主:推定二級
以下変化なし
深山:考察通り術式で場所が出た時点ではまだオリ主がそこまで強くなかったので強くなった後も
バグで場所をその後も更新し続けた。