冬の到来とともに、街道筋の流通や連絡は殆んど遮断されていく。夜には氷点下に落ち込む中、街道を長旅することは、殆んどの人々にとっては避けるべき難行、或いは愚行であるけれども、寒さの浅いうちには、近隣への往来を行う者たちであれば、まだそれなりに見かけることもあった。
それでも街道を進みながら、見慣れぬ人影を見かけたときは、そっと物陰に隠れて様子を伺うのは、街道上を屍者の群れやら、人型の変異した化け物が彷徨っているからだ。曠野では早々に見かけないが、茸の生えた人型やら、或いは人型の獣めいた怪物は、或いは人の転化した姿かも知れない。
所々、高所から偵察を行いつつ、慎重に進んでいても、隙間を縫うように突如として見慣れぬ人影が視界に入ってくることは避けられない。けぶる霧の中、ゆっくりと歩いている人々のようにも見えて、しかし、歩調は不自然であり、よく見ると足元がまるで縄で繋がっているようにも見える。マギーは一瞬で足を止め、ハンドサインで停止を合図する。
「マギー、あれヤバい」ニナは掠れた声で警告した。マギーも全く同感で、全身の細胞が警告を発していた。二人は足音もなく、即時に街道から離れた。冷たい風が吹いている。二人は無言のまま、少し離れた岩陰へと身を隠した。マギーは目を凝らし、人影を見つめる。ニナは周囲の気配を探るように耳を澄ませている。
「背筋がゾクゾクすぅ……」ニナが低く言ったその声には、警戒と不安が混ざっている。「……動きが不自然だ。見逃さないように」マギーの声にニナは静かに頷き、短槍を手に取る。
二人は息を殺し、しばらく人影の群れが近づくのをじっと待った。人影が自分たちの進行方向に近づいてくるのを感じ、心拍が速くなる。恐怖が二人の間に広がるが、どちらも顔に出さないように必死に堪えている。マギーは目を細め、何かを探るように人影の姿勢や足取りを観察した。
近くで止まったのを見て、ニナが息を呑んだ。声は出さない。呼吸もわずかに抑える。熱や酸素で感知してくる化け物もいる。人影は街道の途中で突然止まり、前方をじっと見つめている。一見すると単なる旅人の集団に見えて、略奪者や兵士と思しきものも混ざっていた。男もいれば女もいる。老人も、子供も、混ざっている。剣を手にした若い女、銃を手にした偉丈夫。一団と成って纏まっている者たちは、しかし、一様に不気味な無表情に黄色い目をして四方を見ていた。一同の間には綱のようなものが垂れ下がっているが、茸の胞子か、寄生生物の昆虫か分からないが、兎に角、恐ろしい。その間、二人は完全に動かず、息を潜めている。どうするべきか、どんな反応をするべきか—マギーは瞬時に頭の中でシナリオを描きながら、次の行動を決める。
『――忍び足―距離を取る』マギーの手信号に、ニナは黙って頷き、音を立てずにゆっくりと後退を始めた。二人は互いに目配せをしながら、慎重に、しかし、可能な限り迅速に駆け抜けるようにその場を離れると、街道から大分、離れた高台へと回り込んで移動した。
しばらく小走りしてから、マギーが再度そっと頭を出し、街道上の人影を確認する。今、ようやく旅の一団の姿は見えなくなった。どうやら、二人が走っていた短い合間に、何かに気を取られたのか、視界から外れたらしい。
「怖かった」と、ニナが安堵の息を吐くと、マギーはしばらく黙っていたが、少しだけ肩の力を抜いてから肯いた。
今の怪物がどれほど恐ろしい存在かは、二人にも分からない。今の装備でも油をぶっかけて火を付ければ、倒せるかもしれない。或いは小さな居留地くらい全滅させる奴かも知れない。もしかしたら、変なキノコや寄生体の先触れの可能性もある。二人には、しかし、何も分からなかった。
時には、傍をなにか途轍もなく恐ろしいものが―――少なくとも、今はまだ手に負えない略奪者や盗賊、変異熊なども通り過ぎる事もあったマギーとニナだが、地理に詳しいだけあって、上手く迂回してのけている。用心深く、慎重に街道や抜け道を駆使すれば、盗賊や追い剥ぎにも、怪物や野生動物にも、殆んど見つかることなく、近隣の目的地へと到達するのも難しくはなかった。
ポレシャにほど近い西の丘陵に、小さな廃屋が点在している。屋根も壁も崩れて、一夜を明かすにしても周辺にもっとましな場所があるので、滅多に人も近づかない。 そんな家屋の残骸にこそこそと近づく小さな人影が二つ。耐寒性たっぷりの暖かい服装と靴に身を包み、バットと短槍を携えたマギーとニナは、周囲の様子を伺いつつ、そっと廃屋へと足を踏み入れた。
バスタブに慎重に近づいて、誰も欲しがらないような虫食いだらけの毛布を引っ張ると、そこには幾らかの木板に空き缶に入った釘、木箱の中には布やロープなど幾らかの資材が隠されていた。他にも鉄くずや瓶、空き缶など、あまり高くは売れないだろうガラクタが雑に山積みになってる。どれも嵩張る割にそれほど高く売れる品ではないが、栗鼠のようにため込んだ物資の一部を背嚢へと幾らか詰めると、再び隠して、二人は廃屋を離れていった。
冬期においても、まだ寒さの浅いうちには、大きな居留地での経済活動は続いている。隠し倉庫――――何の変哲もない小さな廃屋から持ち帰った資材を雑貨屋に売り、廃墟の浅瀬の冬季市に顔を出して掘り出し物を漁り、お得意先の市民の家や農場なども訪ねて、仕入れた服を売り捌き、あちらで10、こちらで40。マギーたちは小まめに稼いで、たくましく冬の日々を生き延びていた。
※※※
門前町の防備は厚い。重要な要所には土塁が築かれており、積まれた土嚢が隙間なく建物と建物の隙間を塞いでいる。不要な街路でも、曠野や廃墟の危険な地点へと繋がる場所には丸太の防壁などで塞がれており、近くの建物の屋上には、危険を知らせる鐘と大型のクロスボウも設置されていた。
大通りでもや正規居住者の富裕層が築き上げたレンガ造りの頑丈な建物がちらほらと立っており、崩壊前のコンクリート建築物を修繕したものにも住人が暮らしている。要所に立った二階建て、三階建ての建物はいざという時にシェルターにもなるよう頑丈に作られており、屋上では火縄銃や燧石銃を携えた自警団の見張りが、風と日差し除けを兼ねた天幕の下で常時、見張りを……昼寝している。兎も角も、二、三匹の変異獣やら野犬に狼などが乱入してきても、忽ちにせん滅できるほどには、安全な土地だった。
建物が壊れた際も市民街区に次いで優先的に資材が回されるために、最近、行商人たちが持ち込んでいる物資のうちの幾らかも、かなりが費やされているだろう。
行き交う人々の服装も、市民でもないのに瀟洒だったり、暖かそうな衣服が多かった。むしろ、市民の方が実用的で地味な服装を好む傾向があるかも知れない。税金はやや重いものの、市民や自作農のように民兵への人員や武装の供与義務はなく、市民に迫る富を持った正規居住者たちは、防壁と他の地区に挟まれた小さな楽園で、我が世の春を謳歌しているようにも見えた。
門前町の店舗。特に食料品店など消耗品を主体とした商店の一部店舗は、防壁内にもほとんど見劣りしない品揃えを陳列している。流石に数百クレジットの最高級品などは見当たらないが、品質の良いワインや手頃な価格の地ビール、エールに蒸留酒なども取り揃えて、市民居住区と殆んど変わらない価格で味わうことが出来る一方、中町や町外れで飲まれているようなどぶろくやエールなども注文できるので、幅広い客層が楽しめるのが魅力である。
ルークとワイトの後についてヘイズが小さな酒場に足を踏み入れると、片隅でベレーを被った老人が暖かなワインを啜っていた。
「両替屋だな?」ヘイズが問いかけると、肯いた老人。
「若い人……どこから来なさったね」ヘイズに問いかけてきたので端的に答える。
「バホラさ」とヘイズ。
「バホラ……いい土地だ」懐かしむように呟く爺さんだが、ヘイズは年寄りの感傷などに付き合うつもりはない。
「へっ、どこが」鼻で笑うと、目の前の椅子に座り込み、単刀直入に尋ねる。
「で、両替できるのか」ヘイズは頭陀袋をさかさますると、実家から持ち出した札束を落とした。とは言え、小額紙幣である為、それほどの動揺はもたらされなかった。
「頼むぜ」ヘイズが顎をしゃくるが、老爺は渋い表情を浮かべていた。
「あまり見せびらかすものではない」
言いながら、手を伸ばした。一枚を引き抜いて酒場のランタンに空かして確認する。特産品のガラスの器が意匠化されたバホラの1クレジット紙幣を確かめて頷いた。
「バホラの金なら引き受けよう。しかし、此処では、三割ほどの価値になってしまうが」
「おい、随分と買い叩くじゃねえか?」ヘイズが恫喝するように老爺に凄み、睨みつけるが「些か、遠すぎるのでな」老人は気にした様子もなく穏当に告げた。
「まあ、いいや。そういう訳ならよ」ヘイズはあっさり頷くと「それより飯を食わせてくれ。腹が減っちまった。廃墟の拙い飯じゃ全然足りねえぜ」言い放った。
「バボラの紙幣なら、あっても困るものでもないが……しかし、いいのか。これほどの大金を替えると」老爺が店の二階へ消えた。間借りしているのだろうか?
帰ってくると、小さな手金庫を抱えていた。
「いいから、とっとと替えてくれよ。とっつぁん。俺はポレシャの女を味わいてえのよ」ヘイズは舌なめずりして言った。
「よかろう。どの通貨と替える」老爺の尋ねに「防壁で使えるのはどれだ?」
ヘイズは問い返した。
「ポレシャの正式ポンドじゃが……」と老爺が答えた。
ヘイズは老爺の言葉を受けて、即座に反応した。「じゃあ、そのポレシャ通貨だな。正貨だ。全部変えてくれ」と、一気に言い放つ。
両替屋の老爺は少し戸惑った様子でしばらく黙った後、慎重に言った。「まずは、手持ちの一部だけ変えて、物価などを知るのが……」
老爺の提案に、ヘイズは突然、怒声をあげた。「うるせえ!!」
怒声が酒場に響き渡り、周囲の客たちが一瞬、息を呑んで静まり返る。
老爺は一瞬も動じず、ただじっとヘイズを見つめる。表情には、驚きの色が浮かんでいたが、何も言わずに沈黙を守る。
ヘイズは沈黙を破るように、ニッと笑みを浮かべながら言った。
「わりいな、爺さん。嫌なことが続いてよ」ヘイズの声には、まるで悪びれた響きなどなく、聞くものを不安にさせる奇妙にねっとりした親しさだけが響いていた。
※※※
一般に、冬には日雇い仕事も減少し、また会ったとしても相当にきつい仕事が増えている。酒場の薄暗い隅で、安いレモネードだけを注文し、こそこそと銭勘定を行うマギーとニナは、二週間で四百ほども手持ちが増えていた。勿論、自由都市と往来しての商売に比較すれば、稼ぎも半減しているが、一般に日雇い仕事での賃金が十五から二十五クレジット(※しかも、居留地や下層地区の独自通貨)であり毎日、仕事が得られる訳でもないので、下層地区は愚か、門前や中町などに暮らす定職持ちと比較してさえ、間違いなく稼ぎは上回っていたに違いない。
一般に冬の間は手持ちが減るばかりであるから、通りすがりの
とは言え、マギーたちも、正規居住者や町外れでも古くからの一家に比較すれば、裕福とは言えなかった。そうした人々は何年も、何世代も稼ぎを蓄えながら、しっかりした家を建てて、寝具や家具だってきちんと揃えているのだ。その日暮らしの
いつかは、立派な壁や屋根のある家に住みたいものよ、と夢見つつ、しかし、立派な家を持てる日など来るのだろうかとも、マギーは首を傾げる。そも家一軒建てるにはどれくらいの資材と工具が必要なのか。マギーにも、ニナにも、見積もる事さえ難しかった。
文明崩壊後《ポストアポカリプス》の世に、人は少なく土地は安いが、雨風を凌げたり、怪物を防げるようなしっかりした家は貴重な代物であり、到底、流れ者には手が届かない。かと言って、一から建てるとなると、これも見当すらつかなかった。小さな家具や壁の補修をするのとは訳が違う。必要とされる技能も資材も膨大で、他人に頼めば、数年を貯めた金も吹っ飛ぶに違いない。
商売とは異なり、現実的なステップがまるで見えてこないのだ。
いきなり立派な家を欲しがる方がおかしいな。マギーはそう結論した。都市生活でお金が余ってるなら、そちらが最適解かも知れないが、物資に乏しい居留地暮らし。
時間と収入に余裕が出来て、物資を得られる伝手もある。ならば、少しずつ家に手を入れていけばいい。身の程を越えて企んでも、ろくなことにならない。
マギーはそんなことを訥々と呟いて、ニナも「うぃ」と賛同してくれた。
大事な結論なのに、すぐに賛同してくれるのは大丈夫なのかな?やや不安げにみるマギーだが「思考過程も理解できるし、よい方針だと思う」とニナは告げた。
「妥当ですよ、妥当。もし、マギーがでかい家を建てるんだ!とか言い出したら、反対したよ」事も無げに言われて、安堵したマギーに「意外とかわいいにゃあ」言いながら、ニナが抱き着いてくる。兎も角、来年は家に手を入れるとそうして決まった。
マギーとニナたちは、廃墟の冬市へと足を踏み入れる。旧デパート跡を利用した大きな市で、マギーたちの冬の稼ぎの一部は冬市での取引に依存している。
廃墟漁りたちの戦利品から、居留地が買い取ってくれそうな品だけを手早く選んで、次々と買い取っていく。値段交渉をしてくる者も少なからずいて、粘られるとマギーとニナはあっさりと引いた。慌てて値引きしてくる相手に「また今度ね」告げて、次の売り手の場所へと向かう。廃墟漁りに限って、ろくに顔も名前も憶えないし、大した世間話もしないのは、冷たいからではなく、次々と入れ替わるからだ。
廃墟漁りは長生きしない。だから、友達にはならない。
腕のいい廃墟漁りも中にはいて、その若い男は時々、銅線などを掘り当ててくる。
或いは廃墟鉱夫かも知れない。装備からして他の廃墟漁りとは一味違った。派手なマシンガンや兵装を纏っている訳でもない。むしろ、登山家のような趣があった。厚手の服装にザック、ロープにフック、ハーケン、腰には小さなトンカチ。武器らしき装備は、消音機付きの拳銃とクロスボウのみで、動き易そうなブーツを履いている。
どう見ても一角の人物で、廃墟漁りなどで命を費やすには勿体ないと感じたが、しかし、マギーたちも他人の人生に踏み込めるほどの関わり合いがある訳でもない。大人しく、持ち込まれた銅線の束に値段を付ける。都市紙幣でも構わないが、相手は居留地通貨、それも、町外れの食糧チケットで多めに欲しがっていた。
よい道具を揃えるには、都市通貨なり、最低でも居留地通貨が必要だが、普段の生活費であれば、町外れで十分だろう。食事も、寝床もそれなりの質を確保できて、質の割には対価も抑えられている。食料チケットであれば、マギーたちの手元にもかなりの量があった。少し高めに支払うと、マギーは引き換えに銅線の束を手に入れた。
居留地の雑貨屋へと転売するだけで、マギーたちはかなりの利潤をあげられるが、他人に対しては気にならぬのに、この男が危険を冒して手に入れた品を右から左へと流すだけで相当の金を得ることに奇妙にも後ろめたさを覚えるのは、不思議なことでもあった。兎も角、銅線は需要があり、特に安価で手に入るものは、居留地内の雑貨屋や修理屋、造幣局でも重宝される。マギーたちにとっては、効率的でリスクの少ない商売だった。
十一月に入り、寒さが厳しくなると体調を崩しやすくなる。時刻は昼を少し過ぎて、ニナとマギーは小休止に入った。冬市の隅の方で幾ばくかお金を払って、焚火の炎の近くに陣取ると、蜂蜜に付けたレモンを取り出してポットにお湯を沸かし、カップに入れて少しずつ飲みながら、のんびりと時間を過ごす。
火の傍には、雑多な人間が出入りしていて、居留地の市民や正規居住者、
今もみすぼらしい浮浪者《ホーボー》が、裕福そうな隊商主に金を強請っていた。
「旦那ぁ、恵んでくれよぅ。もう二日も何ンも喰ってなないんだよぅ」
「ええい、寄るな。怠け者が移る」隊商主が腕を振るって怒鳴りつける。
「違う。見てくれよ。ひでぇんだ。強盗に毛布を奪われちまった。おまけに商売道具の鼠取りの罠まで壊されちまったんだ」浮浪者が隊商の商人に額の傷跡を見せた。
うお、と声を上げる隊商主。
「そりゃあ、気の毒にな」
「騙されるな、騙されるな。偽の傷跡だ。そういう芸なんだよ」隣にいた商人が笑って口を挟むが、浮浪者は引き下がらない。
「確かめてみてくれよ」
「ほら、拭いてみせろ」商人がアルコールを付けた布を渡すが、浮浪者が額を拭いても、血の痕から膿が出ている。
「こりゃ、本物の傷だ。ひどいな」
「哀れな男に恵んでくれよ。きっと天国に行けるよ」浮浪者の言に商人たちが顔を見合わせた。
「仕方ない」商人たちが用心深そうに財布を取り出し、紙幣を数枚手渡してやると「ありがてぇ、ありがてぇ。これで冬を越えられる」浮浪者が礼を言った。
寒さが強まり、火の傍にやってくる人々も忙しく入れ替わっていた。商売をしている者もいれば、温かい食事を求めて集まってきた者たちもいる。比較的にゆとりのある者たちは、物資を買い込んだり、取引を済ませた後に、マギーたちと同じように昼の時間をゆったりと過ごし、そうでない者たちは、少しでも稼ごうと再び、それぞれの場所へと散っていった。
マギーは針と糸を取り出すと、傷んだ服を繕い始めている。図体に似合わず、細かい針仕事が好きで、買いこんだ古着を修繕して売るのにも役立っている。今日は十二分に稼げたので、夕方までのんびりしてから、居留地へ向かう人込みに交じって帰還し、簡易宿泊所に戻ろうと目算を立てている。宿に戻ったら火の傍でまた食事をして、同じベッドにニナが潜り込んでくるので、イチャイチャしながら、翌日の昼まで過ごすのだ。
余裕のある人間にとっては、冬ごもりはちょっとした楽しみに近いのだと最近のマギーは発見しつつあった。そのうちトリスやリリー、後はジーナも、冬に脅えない暮らしをさせてやろうと心の中で考えながら、マギーは繕い物を続け、ニナはその膝でのんびりと読書を楽しんでいた。
11月上旬
5781クレジット