黄昏のガンダルヴァ   作:猫弾正

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設定 盗賊と騎士

 国家や王侯、企業、軍閥、遊牧民、都市などの制度そのもの。

 または聖戦や征服、騎馬民族の侵攻、蛮族の大移動といった災厄を除けば、

 旅隊にとって最大の脅威となりうるのは盗賊である。

 

 此処では、主人公の前に立ちはだかる盗賊団と騎士について触れる。

 冒険者や大海賊、領域を支配する軍閥、武装勢力、宗教団体、傭兵団。

 略奪者《レイダー》に馬賊など数百、数千の兵員を擁する組織も存在しているが、

 そうした組織の戦闘や略奪に旅人たちが巻き込まれることはあっても、

 スケール的に敵対したり、狙われることはない。

 

 旅人にとっては一々、おのれに的を懸けてくる強欲な騎士や盗賊団こそが、

 戦乱に負けず劣らず恐ろしいものだ。

 

 

 

 

〇盗賊団

 

  国家や法秩序の弱い世界において、盗賊団は最も恐るべき武装集団の一つです。

  曠野の盗賊団は、武装及び人数が非常に強力で、

  基本的に、普通の隊商や旅隊の対抗できるものではありません。

 

 1:戦闘

 

  盗賊団は、戦うことが本業です。

  農民や商人は、畑を耕し、商売し、荷を運ぶのが本業です。

  一方で、盗賊たちは、戦闘、襲撃、偵察、伏兵を日常としています。

  一部の盗賊団は、武器の扱いによく習熟しており、

  レンジャーや狩人にも匹敵する待ち伏せの専門家です。

 

 

 2:選別と淘汰

 

  弱い盗賊、不用心であったり、愚かな盗賊はすぐいなくなります。

  街道を采配する都市や居留地の保安官や警備隊に無能はいません。

  討伐を避ける為、絶えず移動しながら、

  間断なく警戒を持続できる盗賊団のみが生き残ります。

 

  農村の自警団とて弱くはありませんし、建物に拠って立て籠もれば

  弓矢や槍も脅威になります。

  隊商や旅隊も、自衛できる程度の武装はしています。

 

  つまり生き残っている盗賊は、その時点で抜け目のない腕利きです。

 

 3:優良な装備

 

  盗賊は護衛を付けた隊商や、時に傭兵隊をも襲撃して武装までも奪う。

  銃、鎧、馬、弓、クロスボウなどは、

  入手できる範疇で最良のものを装備している。

  盗賊団によっては、武器商人や奴隷商人との繋がりを保ち、

  マシンガンやショットガンに金属薬莢なども

  定期的に入手できるルートを構築している場合もある。

 

 4:地形

 

  縄張り内の丘陵、くぼ地、廃墟は、盗賊団の庭です。

  とは言え、盗賊である以上、大手を振って歩き回れる訳ではないので、

  農村地帯のレンジャーや野伏せりを相手にする時ほどに

  用心する必要はないでしょう。

  精々、見抜くのが難しい待ち伏せを仕掛けられる程度です。

 

 

 5:国家と法秩序の不在

 

  無主地。或いは、無法の荒野では常備軍、補給、法的拘束力が脆弱。

  もしくは、皆無である。

  盗賊団の協力者、或いは密偵が一帯に潜伏している可能性もある。

  機動力の高い盗賊を補足するのは極めて困難となる。

 

  街道は危険に満ちており、強固な宿駅《ウェイステーション》や旅籠でさえ、

  内部には盗賊の手が伸びているかも知れない。

 

 

 

 

 

 〇Z_276年における主人公マギーの小さな行商衆と盗賊との関係。

 

  マギーの行商団

 

  ・数人の徒弟

  ・マスケット級の武装

  ・元賞金稼ぎと傭兵。

  

  普通の商隊より備えているが、盗賊団とは比較するべくもなく脆弱。

  現状、戦闘は論外。

  ただし、情報と機動で出し抜ける可能性はそれなりにある。

 

  賊の蔓延る街道では、どうやっても危険判定が発生する。

  頭目の判断で徒党の状況は大きく左右される。

 

  遭遇の回避。迂回路。盗賊との交渉。損害の限定。立て直しの上手さなど

  マギーは今のところ、仲間たちから合格点を貰っている。

 

  将来の展望――今はまだ見えない。

  商業+遍歴の武装共同体には、上手くすれば局地的な勢力になれる者もいる。

  時流に乗れば、構造的には、マギーたちにも資格はあるかも知れない。

 

 

 

 ① 追いはぎ

 

  人数 2~6人

 

  農民崩れ、難民、逃亡奴隷。廃墟生活者。

  一部は、小規模略奪者(レイダー)など

 

  士気が低く、逃げ足は速い。

  略奪者(レイダー)は、かなり士気が高い。

  武装は概して粗末。ナイフやこん棒。

  投石器や狩猟用の弓、稀に粗末なクロスボウやパイプクロスボウを所持。

  ただし、略奪者(レイダー)は、バットや肉包丁など殺傷力が高い。

 

  戦力:弱 ただし、旅人や巡礼にとっては脅威。

 

  今の時代は、何処にでも出没する。

  普通の盗賊団よりも、遭遇しやすい。

  マギーとニナが態々、他の旅人と同行する主な理由の一つ。

  人数が互角に近ければ、普通に蹴散らせる。

 

 

 ② 盗賊

 

  人数 4~10人

 

  蛮族の他、困窮した浮浪者《ホーボー》や放浪者。

  近隣の農民たちが孤独な旅人を襲う場合も……

  クロスボウやマスケット銃などを所有。

 

  見張りを置き、待ち伏せを仕掛けてくる。

 

  街道を襲撃し、旅人の荷を奪い、

  時に孤立した農家や農場、小集落などから略奪を行う。

  普通の旅隊には、相当に危険。

 

  ただ、マギーたちも手練の旅人たちと同行していれば、普通に撃退できる。

 

  傭兵に率いられていることもある。

 

 

 ③ 盗賊団 街道の脅威

 

  人数 8~40人

 

  拠点を所有。密偵を抱えている。

  パーカッション式リボルバーから紙薬莢の銃器を所持。

  武器商人や奴隷商人との繋がりを有する場合、

  一部盗賊団は、散弾銃。或いはマグナムやマシンガンで武装している。

 

  収入

  通行税、身代金、人身売買、村規模の略奪など。

 

 

 ④ 盗賊団 街道の支配者

 

  人数 最低30~50

 

  半ば公然と要塞化された拠点。

  旧地下鉄駅やデパート。遺棄された農場、村落、工場など。

  スーパーマーケットや小学校の跡地だと、略奪者《レイダー》が好んで巣食う。

  近隣の旅籠や農村、街道筋に影響力を保有。

  武器商人や奴隷商人との取引を行っている。

 

  戦力は、すでに小規模な軍閥に近く、

  十分な備えをした隊商さえも壊滅しかねない。

  遭遇した場合、大人しく積み荷の1割から1.5割を引き渡すしかないだろう。

 

 

 

 

 

 ☆マギーの立ち位置と計画。

 

  マギーちゃんは野心家である。

  今後五年の間に、徒党を10~12人まで増やす計画を立てている。

 

  隊商が6~8人、留守が4人。

 

 

  もし、想定通りに物事が進んだ場合

 

  追いはぎ、小規模レイダー  問題なし

  盗賊、部族         勝てる

  盗賊:街道の脅威      危険

  盗賊:街道の主       回避

 

  マギーは、現時点でも追いはぎや蛮族。

  それに装備の劣悪な少数の盗賊や略奪者《レイダー》を蹴散らしている。

 

  人数も少なく、訓練も積んでおらず、

  貧弱な武装しか持たない旅人や農民にとっては、

  数人の追いはぎや蛮族でさえも、相当な脅威。

 

 

 

 

 

 〇(精鋭)盗賊団の首魁の人物像

 

  1 元軍人・元傭兵

 

   最も典型的な事例のひとつ。

 

   戦術に関する知識を持ち、部隊運用を行える。

   武器の扱いが上手く、無秩序に陥りやすい組織内に規律を作れる。

 

   戦闘、組織、訓練を肌で理解している。

   大抵の盗賊団の首魁はただの暴力団だが、元軍人は部隊を作る。

 

 

  2 元隊商護衛

 

   最も厄介な類型。

 

   地形を覚えており、隊商の補給地なども理解している。

   街道と隊商の動きを熟知している。

   どこで誰を襲えば一番稼げるかを知り抜いている。

 

 

  3 地元騎士・土豪・居留地警備隊担当者など

 

   最も腹立たしい連中。

   史実でも、秩序の崩壊した地ではかなりありがちな傾向。

 

   良質な武装に訓練済みの部下や家臣を有しており、

   公的な旗印を用いて堂々と通行料を要求できる。

 

   盗賊騎士 Robber Knight の類

 

  4 元賞金稼ぎや狩人、或いは堕落したレンジャー

 

    最も危険な人種

 

    追跡の専門家たち。

    地面に残された僅かな痕跡を読み、

    先回りしての待ち伏せを得意とする。

    狩人型の盗賊団であり、

    街道の警備隊や賞金稼ぎの追撃を振り切る能力にもたけている。

 

  5 元商人や密輸業者

 

    最もしぶとい種族。

 

    相場を知っている。武器商人と繋がり、販路を持っている。

    人によっては、盗賊団の経営視点で黒字経営に拘ることがある。

 

 

  〇総括

 

   過去にどのような経歴を持っていようが、

   抜け目なく生き残り続ける盗賊団の首魁と幹部たちとは、

   大抵、戦闘経験や組織運営、街道知識に人脈などに長けている。

 

 

 

 

 

 〇盗賊団の強みと運営

 

  盗賊団《バンディッツ》も当然にピンキリだが、

  武器商人と繋がりを持ち、豊富に弾薬が供給され、強力な火器を所有。

  人身売買に身代金。街道の主のような勢力となり、有力な騎士にも匹敵する。

 

  一部盗賊団は、もはや単なる賊を越えて、

  半ば街道に根を張った武装勢力となる。

  

 

 1:武器商人との関係

 

  これは非常に重要。

  もし盗賊団が銃、弾薬、部品を安定して入手できるなら、戦力は跳ね上がる。

  金払いが良く、定期的に武器を購入し、弾薬消費が多い。

  武器商人にとっても、盗賊団は優良顧客となるだろう。

  この邪悪な結婚の結果、大勢の人が苦しむことになるのは間違いない。

 

 2:収入源が多い

 

   大手盗賊団の収入源となると多岐に渡る。

   略奪、通行税、身代金、人身売買、密輸団との取引。

   勢力が増す程、小領主たちと同じ、下々から吸い上げる構造となっていく。

 

 3:街道支配

 

   最大の権益。

 

   盗賊団に限らず、単独の武装勢力が橋に渡し船、艀などの渡河点。

   或いは峠や関所などの交通上の要衝を抑えると

   一気に勢力を伸長させることがある。

 

   もはや街道を通行する全ての人間が通行料を支払わざるを得ない

   街道の全てを抑えた訳ではないにしろ、街道の主と言う称号も過言ではない。

 

 4:有力騎士にも匹敵

 

  中世においても、強盗騎士、山賊領主、傭兵隊長が似たような存在だった。

  日本でも室町時代の悪党や各地の水軍衆が縄張りで通行料を徴収していた。

  地侍や騎士だけでなく、寺社までも僧兵を抱えて関所を立てていたが、

  欧州も修道院や司教が領地を持ち、私兵を抱えて

  橋税・渡河税・市場税などを徴収していたし、

  またマルタ島騎士団などは、支配海域において巡礼の護衛料を取っていた。

  ただし、公平に言って、マルタ騎士団はキリスト教同胞に対し、

  かなり良心的な集団だったことは筆記しておくべきだろう。

 

  リエージュ司教領やミュンスター司教領は独立国家のごとき様相で、

  ライン河の群小の関税領主のうちの司教や修道院長なども私兵を抱え、

  通行料を取っていた。

 

  洋の東西を問わず、勝ち続けた賊の末裔こそが貴族と呼ばれている由縁である。

 

 

 5:組織としての完成度

 

  黄昏の世に、危険な街道で生き残り続けられる組織は、最初はそうでなくとも、

  やがて役割がより効率的に分化される。

  団長、副官、斥候、狙撃手、突撃兵、奴隷管理、交渉役など。

  つまり半軍隊化する。

 

 

  〇マギーちゃん〇〇ルート

 

   おや?ここに元賞金稼ぎ、

   かつ、有能な傭兵隊長で隊商員だった娘さんがいますね?

   一流の盗賊になれる経歴と技能ですよ、これは。

 

   盗賊の考え方がかなり読める理由です。

   なにかが一歩間違えていたら全然、違う未来を歩んでいたかも知れません。

 

   古来より言うように、交易と海賊、そして海軍は三位一体です。

 

   さて、マギーちゃんと同様、

   優れた賞金稼ぎや傭兵だったスネイクバイトたちは、

   今どこで何をしているでしょうか?

 

   そしてマギーちゃんの徒党が、武装を整え、ある一定の人数を越えた時、

   危険な存在に見られ始める可能性もあります。

 

   マギーに限らず、歴史上、何度も起きてきた現象です。

 

 

 

  〇野心家の盗賊たち

 

   荒廃した世界において、野心家で切れ者の盗賊たち

   ――盗賊に限った訳でもありませんが、

   単に生き残り続けるだけでなく、それ以上を望むものもいるでしょう。

   そうした者たちは大抵、なにかしらの構想を有しています。

 

  〇秩序を作る

 

   単に強いだけでは、生き残りには十分でも、それ以上には足りません。

   賢い頭目は、略奪頼りだけでは徒党が長続きしないと悟っています。

   続いても、精神的に荒廃するでしょう。

 

   物質的に満たされ、いまや兵団を率いる野心家たちは、

   次に何を望むでしょうか?

 

   十数年、数十年と長く存続し続ける盗賊団は多くはありません。

   一定以上に拡大できる盗賊団は、さらに稀でしょう。

   生き残るだけでなく、勢力と権益を増し、組織を拡大させた盗賊団は、

   ただの盗賊団が良くやるような、

   略奪後の分配と馬鹿騒ぎだけではもはや満足しません。

   時間と共に組織の枠組みと掟、制度を整えます。

 

   安定してきた縄張り内の通行税を定め、支払えば襲わない。

   盗賊団員たちに無闇な略奪や殺人、暴行や放火を禁じる

   市場を許可する

   奴隷や捕虜の取引を管理する

   部下に公正な取り分を与える。

 

  〇支配と統治

 

   彼ら、彼女らは、もはや一介の無法者ではありません。

   いまや、村持ちの騎士や土豪、荘園領主などと同じ視界を見ています。

 

   統率力の高い団長は、分配にルールを定め、戦利品の比率や捕虜の扱い、

   裏切りへの罰を定め、部下に文句を言わせません。

 

   掟でしょうか?それとも法の第一歩か。

   小さな共同体の長として、暴力を制御し始めます。

 

   盗賊団は、いまや勝手に襲うのを禁止され、

   よく計画された襲撃だけを許可され、無闇な殺害は罰されます。

   統率の取れた兵団へと変わりつつあります。

 

   街道沿いの農村や小さな居留地は、渋々とでも、盗賊団への貢納を了解し、

   共存の道を選ぶでしょうか?

 

   街道の脅威から、街道の支配者へと至る道は容易なものではありません。

   山賊領主や強盗騎士、傭兵団長、海賊王らは、

   暴力と秩序で地域を支配できるでしょうか

 

 

  〇マギーとの対比

 

   盗賊団は拠点を構え、素直に数と火力を増やしています。

   国造りの野心家にとって野望の第一歩かもしれません。

 

   比較すると、現在のところ、マギーちゃんは仲間の人数を絞り、

   機動力と情報、洞察力で細々と生き延びている零細商人に過ぎません。

 

   マギーちゃんは、成り上がりたいのか。

   それとも生き残るために必死なだけか。

 

   王侯や貴族を目指すのか。

   土地を持たない、見えない経済の繋がりこそを力と見ているのか。

 

   単なる小利口な娘さんと言う可能性が今のところ、

   一番ありふれた結末だろうか?

 

 

 

 

〇旗騎士 バナレット

 

 わいがゼルドナー・シルトと同じくらい好きなゲームに

 Mount&bladeシリーズがあるんですが、

 Mount&blade II Bannerlord (バナーロード)のバナーとは、

 この旗なんですね。

 せっかく買ったのに古いWarbandばかりやってます。

 イソラ公女(^ω^)ペロペロ

 

 旗騎士《バナレット》とは、中世後期イングランドにおいて、

 おのれの旗の下に、兵を集めて戦うことを許された上位騎士である。

 

 旗騎士《バナレット》は、小規模な部隊を率いる指揮官の資格を有しており、

 掲げる四角旗《バナー》の紋章は、戦場における権威と指揮権を表している。

 四角と言っても、五角形や長方形の変形も多い。

 ちなみに普通の騎士は三角旗《ペナント》なのかな?

 

 戦場において一定の兵団を指揮したり、複数の騎士を率いることも多い

 十三世紀から十五世紀。特に百年戦争で多く活躍している。

 

 

 バナーとペナントにも違いはあるのだろうが、ここら辺、よく分からない。

 古い用語にありがちで、例によって時代・地域・文脈でかなり用途が変わる。

 あちらの中世クラスタでも意見が割れてるようだが、

 一般的には、四角旗《バナー》を掲げるのは旗騎士以上の貴族や部隊長のみ。

 普通の騎士は、手勢を持っていても、個人的な三角旗《ペナント》なり、

 盾や上着《サーコート》に紋章を描いていることが多いようだ。

 

 

 

 

〇平騎士 バチュラー Knight Bachelor

 

 わあい、中世イングランド。あたい、中世イングランド大好きぃ

 (その割には薄い知識しか持ってない)

 

 

 騎士階級の基本構造(中世イングランド)

 

 男爵などの貴族

 ↕

 旗騎士(ナイト・バナレット)

 ↕

 平騎士(ナイト・バチェラー)

 ↕

 従騎士(スクワイア)

 

 正式な騎士。

 ただし、自分の旗《バナー》を持たず、小さな家臣団しかいない。

 戦場では個人戦闘や小部隊での従属的役割が中心で、

 独自の指揮権はほとんどの場合、持たない。

 

 

〇家士騎士 ハウスホールド・ナイト Household Knight

 

 上位貴族や旗騎士の城・館に間借りして、家臣として仕える騎士たち。

 単なる従騎士よりは身分が高く、城や館の防衛、領主の随伴、

 戦場での補助的役割を担う。

 

 軍事的には旗騎士や領主直属の戦力の一部として動くことが多かった。

 

 

〇従騎士 スクワイア Squire

 

 従騎士(スクワイア)などと訳される事が多い階級。

 従者のうちでも特にこの身分には、自前の戦馬や鎧を揃えて、

 槍や剣を見事に扱い、武勇は騎士に劣らない人物が数多くいて、

 小姓《Page》とは明確に異なっている。

 

 中世において(――黄昏の世においても)

 従騎士(スクワイア)の身分のまま一生を終えるのは珍しくない。

 騎士叙任には叙任そのものに加えて、

 贈答、宴会、装備維持費や従者の費用など、とかく金が掛かる。

 武勇があっても金や土地がないので叙任を受けられず、

 従騎士(スクワイア)止まりの人も多かった。

 

 税負担が少なく、兵役義務が軽い為、

 或いは、高い実力を持ちながら、敢えて騎士にならない人もいたかも知れない。

 

 騎士の従者、騎士見習い、貴族の子弟などが従騎士(スクワイア)身分を形成している。

 語源はフランス語 escuier ラテン語 scutarius(盾持ち)と言われている。

 フランスで形成され、イングランドにもほぼ同じ身分が存在した。

 

 騎士の装備の手入れ係と弟子を兼ねた従騎士(スクワイア)だが、

 単なる見習いとは限らない。

 

 百年戦争――アジャンクールの戦いなどでは、

 従騎士(スクワイア)たちが騎兵として戦場に投入されている。

 装備こそ騎士には劣るが、軽騎兵を上回る武勇と武装の持ち主として、

 従騎士(スクワイア)たちは中世の合戦で度々、活躍している。

 

 戦場に出る騎士の多くは、25歳から40歳。

 従騎士(スクワイア)は18歳から25歳の層も多い。

 年齢的に体力の絶頂期を迎えた従騎士(スクワイア)たちは、

 戦闘力において騎士たちを上回るのも珍しくなかった。

 

 若き従騎士(スクワイア)たちは、

 しばしば敵の騎士たちを捕虜にして身代金を稼ぐこともあり、

 そして味方の騎士を助ける為に真っ先に死んでいった。

 

 

 

 

〇騎士放浪者 エラント・ナイト Errant Knight

 

 主君を持たず、冒険や名声を求めて放浪する騎士。

 中世に流行した騎士譚での呼び方。

 一言で言えば、ラ・マンチャの男。

 

 城や土地を持たず、野宿する貧しい放浪騎士たちに対しては、

 ヘッジ・ナイト――生垣――つまり、露天の騎士と言う呼び方も、

 最近は流行っている。

 

 やめて、私戦(フェーデ)(Feud)を起こさないで。

 

 

 

 

 外から来る巨大な力――概念のみ

 

〇コンドッティエーレ 冒険騎士 或いは、傭兵騎士 

 

 元は、イタリアや神聖ローマ帝国圏で、

 十三世紀から十四世紀に掛けて多く活躍した騎士階級の傭兵隊長を言う。

 

 世界で最も危険な人種である冒険者のうちでも、高名な傭兵隊長。

 或いは傭兵騎士の類がこう呼ばれる。

 

 彼ら、彼女らは、人望のある有能な指揮官であり、

 都市や国と契約することもあれば、数十人から数百人。

 特に名声のあるものなら数千の大軍を率いて新天地を目指すこともある。

 征服先の住人からみれば――つまりは、侵略者だ。

 

〇大征服 コンクエスト

 

 古はアレキサンダー大王から、ノルマン・コンクエスト。ティムールなど。

 

 例えば、東方の王朝など巨大文明圏で内乱が勃発し、敗れた側。

 或いは争いを望まなかった側が、新天地を目指して移動してくることもある。

 

 王族本人の直衛軍、或いは、旧王朝の残党。

 離反した地方軍、傭兵、流民、新天地を求める移民などが合流した場合――

 最悪、数十万からの大集団が押し寄せてくることもある。

 

 彼らは文明国家の反乱軍であり、生き残りがかかっている

 目的地には、外敵しかおらず、指揮系統は統一されている。

 恐ろしく手強いかも知れない。

 

 

〇民族大移動――Migration Period

 

 ゲルマン民族の移動のように、王が率いる数十万単位の大集団が

 数百年単位で断続的に繰り返し、新天地へと押し寄せてくる。

 一度撃退しても安心してはならない。彼らは幾度もやってくるだろう。

 

〇遊牧国家の内乱――或いは騎馬民族の大移動

 

 部族、或いは民族が―軍と家族、天幕、家畜を引き連れて移動してくる。

 数十万から、最悪、百万とも言われる騎馬の大集団が

 波濤となって既知世界を吞み込むだろう。

 ナポレオンの大陸軍のような強力な軍隊がなければ、対抗するのさえ難しい。

 

 

 

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