黄昏のガンダルヴァ   作:猫弾正

318 / 320
03_90B 白銀の鐘

 町外れ地区でも大通り沿いに面した廃屋は、殆んどが半壊しているものの、中には人の暮らしている住処もあった。屋根が崩れ、壁に穴が開いた建物であっても無事な部屋に寝起きし、或いは、室内に小さな天幕や泥の小屋を作って暮らしている。

 泥小屋と言っても骨組みは木材で、泥や牛糞のものから、粘土や煉瓦を積んだ多少は上等な代物まで様々にあって、白亜の漆喰に粘土や煉瓦を合わせた半球形の建物が、廃屋の壊れた部分を補った有様など、まるで巨大な白アリの巣が寄生した異星の光景のようにも見えた。

 

 前の住人がいなくなり、歳月の経過に崩れ落ちた住居を再利用しての天幕や泥小屋も少なからず見られた。持ち主の懐具合や伝手に応じて補修材はまちまちで、茶と白の建材が混じり合った泥小屋の幾つかは、独特の奇妙なグラデーションを帯びている。

 広い空き地には、天幕や泥小屋が立ち並んでいて、壁際に段ボールや新聞紙、毛布の小天幕が並んだ小路地も見られる。地下トンネルや地下鉄構内、大型商業施設跡の旧地下駐車場などには奥への通路が土嚢や瓦礫で塞がれて封印された一方、入り口近くの薄暗いながらも陽光差し込む空間には天幕や段ボールの簡易小屋などが点在して、地下居住者たちが細々と生活を営んでいた。

 

 ポレシャの人口は増加傾向にあった。屍者の大発生を警戒し、逃げ場のないシェルターの無秩序な拡大を法で禁じているにも拘らず、無登録の移民たちは市の外縁部や廃墟となった旧市街に流れ込み、気づけば小さな集落や部落を形成し始めていた。灰色の茸を栽培し、鼠肉を貪るような暮らしでも、人々は安全な土地を求めて潜り込んでくる。例えそれが、居留地を脅かすことになろうとも。

 

 ポレシャ市は、その拠って立つ自由主義と民主政治的な土地柄から、強引な排除手段が取りにくい土地であった。むろん、不法移民らが自衛を越えて武装し、自治の範疇を越えて権益を追求し始めれば、強硬手段で対応してくるだろうが、自演工作のようなやり方を好む風土ではない。一部住人にとって、いささか歯がゆい情勢であろうが、しかし、同時にその寛容な気風と民主的な手続きの重さに惹かれたか。腕利きの兵士や行商人、熟練工、技術者や専門職なども、時折はこの街に腰を下ろすのだ。

 

 人が貴重な時代。移民たちが水を自給自足し、労働力として役に立つよう振舞い続けている限り、破滅的な未来を恐れつつも、当局はひとまずも滞在を容認し続けていた。

 

 元からの廃市街や外地区に加え、新たに労働者が寝泊まりするドヤ街(Skid Row)が、郭外地《フォーブール》周辺の小さな廃墟や荒地に出来つつある。単独の風来坊――数人の自由労働者や渡り人(オーキー)の家族連れではない。数家族、時に二、三十人と纏まった大人数でやってきては自治地区や農村に馴染まず、共同体のまま暮らしている。

 

 端緒としては元々、数戸の小部落があったものの、予期せぬ移住者たちが流れ込んであまりにも急速に膨張したため、ポレシャ市は移住者たちの人口や内情すらろくに把握していない。

 ここ3~4年のうちに徐々に住み着いている人数は、近隣一帯を合わせれば百人では効かないだろう。既に追い払って解決できる人数ではなくなっていた。加えて、幸か不幸か、耕地の拡大計画と植林計画。それにやや生活水準が上がった町外れ住人たちが、汚物処理などを嫌がり始めていたために、ポレシャ市は辛うじて、それだけの労働力を吸収できるだけの需要を持ち合わせていた。

 

 

 

 ――――

 

 

 

 ポレシャ市の北端。木柵や木壁、土嚢に守られた北出入口の近くの空き地で二人組の浮浪者《ホーボー》が焚火でマシュマロを焼いていた。

 彼らの目の前で、放浪の数家族が通り過ぎて行った。厚手服は旅塵に塗れており、手には郊外の農家で働いたのだろう。僅かばかりのかぶらや人参などを抱えている。渋い表情で眺める自警団の視線を逃れるように、路傍から物陰の狭い路地へと入り込んでいった。自警団は地区の渡り人(オーキー)や自由労働者から選出される。それは当然に、限られた仕事を新参者たちと奪い合う立場だ。

 

「……急に人が増えたな」しみじみと呟いたのは、顎に十字傷の男であった。パイプにパイプ草を詰めながら、人の往来を観察している。

「去年、一昨年の寒波だよ。あれで食えなくなった他所の居留地の連中や農民がここらに流れ込んできた」眼帯の相棒が陰気に呟いている。

 

 医療品も不足しがちな辺土の地には、不具者の姿は決して珍しくない。変異獣を筆頭に野犬やコヨーテ、巨大蟻に巨大鼠と凶暴な生き物たちが廃墟と言わず、地下道と言わず、そこら中に蔓延っている。高価な義手や高性能の義眼も高度工業地域には見られるらしいが、流通が寸断された大地のさらに辺土では、裕福な者であっても入手も維持も極めて困難であった。

 

「連中、戻らないものかね。今年は、気候もいいだろうに」と眼帯の浮浪者《ホーボー》が咳き込みながら言った。

「畑ってのは毎年、耕さなきゃへそを曲げるもんだ。潰れた町に戻っても、誰もおるまいよ。変異獣や巨大蟻の巣窟さ。さもなきゃ、もう別の誰かが家に住み着いていて、戻ったところで殺されてしまいだ」こちらは顎傷の浮浪者《ホーボー》。

 痩せた浮浪者《ホーボー》が訝しげな目を新参の放浪者たちへと向けた。

「パールバックの大地を読んだことあるか?

 飢饉で離れた故郷に戻った農民は、空いてた畑を買って大金持ちになってたぜ」

「19世紀のチャイナよりも治安が悪いぜ。

 誰もいない役所に記録だけ残っていても、誰が取引を尊重してくれる?」顎傷の相棒の台詞に、「そういうもんかね」と痩せた眼帯が肩を竦めた。

「そういうもんさ」と言葉が返される。

 

「しかし、どっかには無人の村なり、居留地があるんだな」痩せた眼帯が顎を撫でながらいった。

「おい、なに考えてるんだ?碌な考えじゃないぜ。残った住人いたら殺し合いだぞ」顎傷の男が窘めるが、眼帯は考え深そうに、新参の見慣れぬ者らが時折、往来する大路をじっと観察していた。

「でかい惣村なり、居留地は持ちこたえてるにしてもだ。

 小さな村落なり、部落なり、暮らしていた数家族が……」眼帯の言葉に、顎傷は首を振った。

「住人が全員いなくなった土地があるとして、どうやって探す?

 地図もないぜ。噂を当てにするか?

 ポレシャは安全だし、食っていける。兎も角も」否定されて腹を立てたのか、一理あると思ったか、あるいはその両方かも知れない。痩せた眼帯の浮浪者は低く唸り声を漏らしてから、ため息を漏らした。

 

 

 

 ※※※※

 

 

 

 ポレシャ市の保安官助手にして行商人のマギーちゃんは、市内に複数の情報源と市に潜む密偵たちを抱えている。

 裕福な市民や農場主たちの自慢話も案外、役に立つし、放浪の巡礼や浮浪傭兵、廃墟漁り(スカベンジャー)からは外部の町や軍隊、徒党の動向を仕入れられる。

 市内の職人や牧者と市内の情勢を交換することもあれば、廃市街や裏通りを縄張りとする乞食や浮浪者から噂の買い取りもする。

 

 略奪者《レイダー》や傭兵団の動向に関しては、時に注意が必要だ。情報を探る相手を嵌める為、敢えて偽情報を流したり、陽動の動きを見せることもある。これは老獪な鉱夫団や牧者衆、商会などでも同様で、競争相手を引っ掛ける為、偽情報による欺瞞は当たり前に行われている。賢明な人物など、普段はあまり欺瞞を用いずに、肝心な局面でこそ流してくる。とはいえ、普段から欺瞞を弄する人物にも、愚か者はいないのだが。

 

 愚者は愚者なりに、利け者は利け者なりに利用価値がある――――と言えば、語弊がありそうだが、マギーは人を使い捨てにはしない。利け者とは、金銭や情報の交換で取引し、害のない人物や大袈裟に語る人物の話などは、割引いて受け取っている。目端の利く浮浪者《ホーボー》などには普段から飯を奢ったり、小遣いをやって、比較的に安全な市内での尾行や監視などの仕事に使う時もあった。

 

 

「景気はどうですか?」カウボーイハットに銀バッジを付けた保安官助手マギーちゃんは、警邏の途中で地区北口でパイプを吸ってる知己の浮浪者二人組に声を掛けた。

 勿論、此処に来るまでの間に、近所の住人や市場の露天商、顔見知りの廃墟漁りや知り合いの牧者たちとも世間話を交わしている。

 

 とくに暇を持て余してる訳でもなければ、まったくの無駄話も少なくないが、誰の噂や情報が、何時どのような形で仕事や儲け話につながるかなど誰にも分からないので、世間話には一定の時間を割いている。勝負どころではない日常の延長。だけど、だからこそ考えて行動しないといけない。普段の蓄積が、いざと言う時に利いてくる。

 

「あんま良くはねえですよ。人手が随分と集まっちまったんで仕事の取り合いです」

「工事がもうちょっと増えるといいんだけど」口々に言う浮浪者《ホーボー》たち。 

 いや、廃屋やらを転々と寝泊まりしてるとはいえ、働いているなら、自由労働者かな、とも思うけど、身なりに構わない饐えた匂いや襤褸服。ゴミ漁りや物乞いに手を出し、篤志家《とくしか》――優しさは安くないが、珍しくもない――や寺院、教会の救貧に臆面もなく常連の顔を連ねるのは、やはり浮浪者《ホーボー》の部類だろう。

 

「資材が足りないですねぇ」言ったマギーの因果を、理解するだけの頭を連中は持っている。少なくとも、知性でそう劣っている訳ではなかった。だらしない性根か、生まれついての環境。或いは降りかかった不幸――多少の運が境遇を大きく左右する。受け流しつつ、当てが外れたマギーは、内心で舌打ちしていた。

 

 

 見慣れぬ余所者に関して尋ねようと考えていたが、新参の移住者たちと見分けが付きそうにない。もう半年も経てば、新参者たちのおおよその顔ぶれも見えてこよう。

 されど、今は流入期。昨年、一昨年の大寒波に食い詰めた人々が雪解けの春から初夏に掛けて郊外に住み着いたばかりで、いかにも時期が良くなかった。

 数多の渡り人(オーキー)や自由労働者、放浪の浮浪者《ホーボー》に混じってる刺客の一団、或いは盗賊の類でもなんでも見分けるのは無理だ。と見切ったマギーは、それでも念の為「気になる余所者でも見なかったか」と尋ねてみる。

「祭りですからねぇ」と浮浪者《ホーボー》たちの呑気な一言で切って返された。

 

 

 

「怪しいと言えば、来たばかりのよそ者は誰も彼も怪しいし」

 痩せた眼帯の言い分に、「ですね」とマギーちゃんも肩を竦める。

 と、その時、通りの向こうで鐘の音が鳴り響いた。ついで、歓声が上がる。

 曲がり角に近い空き地で火に当たっていたので、見えにくい。壁からひょいとのぞき込んでみれば、町外れ地区の北出入口に人だかりが集まり始めていた。

 浮浪者《ホーボー》たちもついてくる。

「……あれは?」マギーちゃんの視線の先、見慣れぬ幌馬車隊が検問となっている門扉外に停泊していた。

 

 

 驢馬や牛に曳かれた大小の幌馬車が四、五台も連なっている。先頭を進んでいるのは、巨大な白い毛蜘蛛。つぶらな黒い瞳が周囲を見回している。

 それにしても目を疑うような光景だが、巨大蜘蛛の背に跨った、派手な化粧の人物が銀色の鐘を笑顔で鳴らしている。その背後では旅芸人の一座が、楽士は笛を鳴らし、道化師が色とりどりのボールをジャグリングし、太った男の口から火が噴き出ていた。派手なパフォーマンスに早速、気づいた地区の子供たちがぎゃあぎゃあと興奮の叫びを上げながら、大通りに出てきては北口の木柵に取り付いたり、壁の上の建物によじ登って幌馬車隊を見物している。

 

 検問の屋根天幕の下、一行の代表が大型の冊子型旅券を鞄から取り出した。どこかしらに本貫地を登録した芸人一座のようだ。検問詰めの保安官助手と自警団員たちが台帳を取り出し、旅券を改め始める。一座の旅券が今まで旅してきた土地の印章と照合することで、本物の芸人一座かを確認している。

 

 検問に置かれた台帳には、他所の居留地や主だった都市国家で用いられる旅券印章の見本が記載されていた。芸人のみならず、隊商や傭兵団、牧者衆、鉱夫団など職能ごとに押される印章は異なっている。さらに台帳が盗まれた時の為、町外れ地区の台帳には、印章の輪郭しか記されていないが、真偽確認はできるようになっていた。半導体も精密機械も乏しい辺土にそれでも文明地の住人たちは、手持ちの札と知恵の限りで案外、上手く制度を回しているものだ。

 

 台帳と旅券を見比べていた保安官助手と自警団員が、顔を見合わせて頷いた。外部地区の通過許可の印章を取り出した。が、マギーが手を振りながら歩いてくるのに気づくと、保安官助手は息を呑んで手を止めた。遊牧民戦争の折、戦闘薬を用いたとはいえ、族長ルキウスとの一騎打ちに互いに拳銃弾を躱しながら、数十合をマギーは切り結んだ。以来、目撃した戦友のうちにはよそよそしく、或いはあからさまに恐怖を示す者も極僅かとはいえ混じっていた。

 

 ……超人の類では。と囁く声も一部あったが、マギーは苦々しさと共に否定する。

 超人はこんな程度ではないと、実体験で――それも背筋を凍らせるのではなく、肝が潰れるような、骨を焼くような恐怖と共にマギーは記憶していた。そして曠野では、敵対勢力のうちに超人の類が潜んではいないかと言う疑念と恐怖が常に砂粒のように入り混じって付き纏うのだ。だが、超人は滅多にいない。強化人間でさえも。

 

「……マギー」名を呼んだ保安官助手が喘ぎながら襟元を指で開くと、嫌な沈黙が急速に広がった。味方からの恐怖の視線には、奇妙な快感となんとも言えない苦味が入り混じっていた。おのれの足音が奇妙に大きくマギーの耳に響いた。

 馬車を一瞥する。若い娘も乗っていた。お腹はふっくらと膨らんでいる。服装と雰囲気が少し異なっているのは、仲間というよりは同乗した旅人だろうか。瞳には、不安と喜び、そして希望が宿っていたが、庇うように年上の女が抱き寄せた。

 奇妙な話だが、感情は時に伝染する。幌馬車の一団にマギーが視線を走らせると、保安官助手の強い恐怖が奇妙にも空気感染したか。屈強の御者までが青ざめて目を伏せる。まだ幼さの残る少年少女たちがチラシを配っていた。だが、マギーの銀バッジを見ると、怯えたように視線を逸らし、俯く者もいた。

 

 有力者が法執行官を私兵同然に使い、流れ者へ威圧的に振舞う土地は少なくない。 

 もっとも、それが必ずしも悪辣さだけから来るとは限らず、住人を守る為の場合もある。しかし、風来坊が嫌な思いをさせられる土地には、マギーにも覚えがあった。なんとも言えない気分になって、軽く首を傾げながら旅券に視線をくれる。

「芸人一座?見ない顔だ」穏やかに話しかけると、保安官助手が口籠りつつ「南から来た連中だ」

「南、か。地図は見た?」と尋ねてみる。

「……地図?」保安官助手は、怪訝そうな顔をしている。まだ新人だから仕方ない。

 机上に地図を広げて、旅券上の通過した土地情報と地図を読み比べる。

 軽く見たところ、旅した土地の順序や期間に、さほど不自然さは見当たらなかった。

「スクース市を二日で通過した理由は?」座長に尋ねると、「市の執政官殿が亡くなられたばかりで。喪に服していたんで」緊張した様子で説明してきた。

 マギーは己のメモ帳を見てから頷いた。執政官の亡くなった日時と時間的距離。確かにつじつまも情報も一致している。

 

 マギーは肩をすくめた。胡散臭いと言えば胡散臭い連中だが、むしろ、あからさまに過ぎた。旅から旅の芸人一座を隠れ蓑に、小規模な密輸や故買商、窃盗などを行う者たちも珍しくない――と言うよりは、そちらが本業の窃盗団が芸人一座を装っている場合さえある。法執行官らには、真っ先に目を付ける手合いでもあった。

 勿論、露骨な悪事には手を染めぬ者たちもいるが、それでも売春で稼いだり、自然薬品の売買や無免許の医療、或いは占いなど怪しげな稼業で口を糊する輩もまた多い。だから、逆に、赤泥のジルカの別動隊や仲間、と言う事はないだろう。いや、可能性は低いだろう。尋常の旅芸人への警戒で問題ないはずだ。

 

 

「旅芸人……まあ、珍しくもないか」マギーはつぶやいた。

 ポレシャ市は、外来者の多い曠野の南玄関口だ。

 祭りの時期に自由労働者や渡り人(オーキー)たちの移住が重なれば、どうしたって誰が誰だかを見分けられるものではない。

 落胆はしなかった。逆に言えば、赤泥のジルカもまた、元の住人に加えて数百人の来訪者のうちから、ガルダ人の一行を探さなければならない。

 それは藁の山から一本の針を探すのに似て、一筋縄ではいかない筈だ。

 「通していいと思いますよ」マギーが告げると、保安官助手がおずおずと肯いた。旅券に外部地区の通過許可の印章が旅券に押され、返却された。

「さあ、みんな! 稼ぎ時だよ!皆さんを楽しませて、ささやかな代金を貰うんだ!」座長が背後を振り返りつつ、一座へ檄を飛ばしている。

 

 

 行商人のマギーにとっては、ある意味で商売敵でもあるし、道々の仲間でもあり、しかし、法執行官としては、警戒すべき相手と言う、なんともやり難い立場の者たちであった。加えて言えば胸中、奥底の部分で、マギーは法執行官の職をかりそめの身分としか見ていなかった。と、そこまで考えて、何かが頭の片隅に引っ掛かり、マギーは沈思黙考し始めた。

 漂泊民《ジプシー》。勿論、旧世紀に欧州を彷徨ったジプシーとは系譜の異なる者たちだが、黄昏の世(トワイライトエイジ)にも同じように独自のネットワークを擁している。ジルカが如何な手管を使うにせよ、最終的局面では暴力を用いるに違いあるまいが、そこに至るまでの過程で、いかにして標的の情報を突き止め、拠点や護衛の配置や数、スケジュールなどを確定していたのか。

 そう、旅芸人の一座は、通り一遍の警戒はされるものの、何処にでも招かれる。例えば、警戒している有力者の気晴らしに招かれたりするだろうか?

 或いは、使用人が口を滑らせるかも知れない。

「そう、旅芸人は、珍しくもない、か」マギーはもう一度、低く口の中で繰り返した。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。