「赤泥のジルカに狙われてると思うと、生きた心地がしません」水屋で壺一杯に水を買った帰りにセシリアが、はふぅ、とため息を吐きながら、肩を竦めた。
壺を抱えながらである。(……器用な子)やはり水を買う為、途中まで同行した徒弟トリスだが、正直言えば、今回の一件まで『赤泥《せきでい》のジルカ』の名を耳にしたことが無かった。
取りあえず「うちの親方より頭のいい人間には会ったことがない。私の世間が狭いのを入れてもね」と請け負ってみせる。他人ごとの気楽さが含まれているにしても、満更の気休めでもない。
しかし、気慰みに過ぎないと受け取ったか。
「……親方さん。田舎町の保安官補だけど、仕事はやると言ってましたね」
期待はしてますよ。などとセシリアは力のない微笑みを浮かべた。
ここでうちの親方は、凄腕の賞金稼ぎウロボロスだったんだよ!などと勇気づけるのは簡単だけど、出来るだけ情報は吐かないようトリスだって多少は訓練されている。初耳のジルカに対して、ウロボロスの武勇伝は、素人のトリスでさえ聞き及んでいる。とは言え、地元の凄腕と他所の人物を比べるのは公正ではあるまい。
赤泥のジルカだって、南方ではウロボロス並みの
「うちの親方だってそう捨てたものじゃないですよ。本当に……」などと小声でお茶を濁しつつ、さて、長期戦になるだろうけどと、懐に忍ばせた『赤泥のジルカ』の似顔絵を(……さて、誰に見せるか)と勘案してみる。実のところ、ジルカは正式に手配されている訳ではない。ジルカは仮にも賞金稼ぎとして知られており、亡命ガルダ人一行を狙うという噂の根拠も、今のところはジョージアの証言一つだ。そして自由居留地圏のポレシャ市では、人ひとりを手配するのにも、手続きやら証拠やらと色々と必要とされているのだ。
夏至祭は最終日に入っていた。前二日に比べても祭りは盛況で、街路は買い物客や見物人でごった返している。うめきやざわめきが幾度も聞こえてくる人の輪に何ごとかと寄ってみれば、一輪車に載っている大道芸人の上で小猿が数匹、逆立ちして見せている。
おおぅ、という感嘆のどよめきが見物人の輪から洩れる。薄銀や銅貨。鉄、鉛のビタ銭、低額紙幣が投げられて――いや、銀貨や羊皮紙紙幣まで投げられている。景気のいい観光客もいるものだと思ったら、門前町は店持ち商人の旦那衆だ。浮浪者《ホーボー》のニッキーなど、大笑いしながら銅貨を投げていた。良いのか、お前。それは今日の飯代じゃないのか?
猿がシルクハットを持って回り、雑用の子供も投げ銭を袋に拾っている。
当然だが、見物人には顔見知りも入り混じっている。見れば、浮浪児徒党であるムーア君のところの少年少女も、見物人の輪に混ざっていた。
清潔な服を着込んで、集団行動している。廃市街の住人にしては、懐具合も良さそうで祭りを楽しめるなら良いことだ。
「面白かったぁ」などと言いながら、少年少女が立ち去ろうとしたところ、慌てた小猿が追い付いて、シルクハットを差し出してきた。
顔を引き攣らせてポケットから小銭を出し、渋々と支払う年長の子。その様子に周囲の大人たちから、また漣のような笑い声が発せられる。
輪の外にいたトリスとセシリアは、少し見ただけで料金請求されては溜まらんと、再び、歩き出そうとしたが、その時、見物人の輪からさっと小柄な影が飛び出して、地面に散った銀貨を摘み、其の儘、輪の反対側を抜けて逃げ去っていった。
芸人見習いの子が立ちすくんでいる。犯人を追いかけるべきか、拾い続けるべきか。判断に迷ったのだろう。
「あー、仕事しなくちゃ。これ預かっていて」水の壺を置いたトリスは、子供を追いかけて走り出した。「ちょっ……トリスさん?!ちょっと!」背後でセシリアが喚いている。
逃げ続ける犯人は、かなりはしっこい。襤褸着を着た小柄な少年か、少女か。
(……ココがいれば。足速いのに。こんな時に何処に行ったんだ。あいつは)
街路で人に当たらぬよう追い駆けっこを続けるが、犯人は子供特有の恐ろしい俊敏さで、遠慮なく人混みを縫って走り続けている。
人、人、人。夏至祭の見物客で、街路は見渡す限りに一杯な上、旅人や農民、行商人と誰も彼もが荷を背負って武器を携えている。地区住人は三百人から四百人に過ぎないが、行政区画に含まれない近隣地区の住人と一時的な来訪者を含めれば、千人以上もいるかも知れない。数年ぶりの大きな祭りだけに農村地域や小集落に部落、農場や森林地帯からも多くの見物客が訪れて、普段の数倍の人波に溢れていた。そうなると、トリスを知らない奴も幾らでもいる。子供を追いかけるトリスを眺め、ひったくりかな、などと呑気に呟いている旅人や農夫もいた。手助けも期待できそうにない。
盗人小僧は、まったく狐のように素早い。行商人の荷車の上を駆け抜け、詰まれた土嚢を飛び越え、木の柵をよじ登って飛び越え、しかし、それでも地区からは出ないので、トリスも追跡を続ける。町外れ地区と呼ばれつつも、怪物や野生動物は入り込んでいないからだ。
そして屍者や巨大蟻に潜り込まれた際、一気に侵入されるのを食い止めるための防備が彼方《あちら》の路地、此方《こちら》の街路と設けられている。盗人小僧は足は速い、が流石にバテてきたようだ。トリスは日々、三食を食べて走り込みも定期的に行っている。持久力が生き延びる鍵の一つだと親方は常々に言っていた。
「止まりなさい」と、トリスは制止の声を掛ける。走りながら声を出せるだけ距離を詰めている。足がふらついた盗人小僧が壁に手を付くと、振り返った。憎々しげに睨んでくる。
捕まえても、自警団の留置場で半日から二日。反省文を書くだけで釈放されるだろう。犯罪が減るかも分からない。だが、トリスは更生する機会を与えるつもりで追いかけていた。誰もが武装している自力救済の世の中に、小僧の為でもある。
ポレシャの居留地でさえ、盗んだ相手が悪ければあっさりと殺されて終わる。勿論、それは犯罪者から見た地区保安官助手だって同様であるともトリスは忘れてはいない。
目の前、鈍足になった小僧が道を曲がって廃屋の小路へと入り込んだが、歩み寄るトリスを睨みながら、目をチカッと光らせた。追い詰められた人間の狡猾さを甘く視たとも言えるだろうか。「助けて!追われている!」小僧が叫びを発した。
とは言え、トリスも間抜けではない。平穏な生活に少し鈍っていたのは否めないが、廃市街に生まれ育ち、抗争で徒党の待ち伏せなども経験している。
「どうした?」と周囲で人の気配が蠢き、廃屋や瓦礫の影の天幕から、襤褸着を着た荒んだ目つきの大人連中――子供も混じっているが手に手にこん棒や鉄パイプ、鉛管にナイフの重さを測りながら現れた時も、咄嗟に数歩を飛び退いて後退しながら、素早く退路を確保してみせた。
「餓鬼を追いかけてどういうつもりだ。変異者《ミュータント》野郎」
トリスは上着を開いて、銅の保安官補バッジを見せた。
「私は地区保安官補のトリス。その子は窃盗の現行犯です」
「嘘だ!」窃盗小僧が叫んで「ミュータントが保安官!?面白い冗談だぜ。なら、俺は市長様だ」地面に唾を吐き捨てながら、大人がせせら笑った。
最近のトリスは、ゴーグルを付けていない。大きな単眼を隠さなくなっていた。仲間内や近隣での扱いが心地よ過ぎて、差別を避ける為の工夫を怠っていた。
「疑うなら、代表者が自警団事務所に同行してもいい」トリスの言い分に雰囲気は一層、険悪になった。何故だ?ポレシャ市は、特に悪政はしてないと思うのだが。他所で役人に痛めつけられた経験でもあるのかな。
「正確には、地区保安官補。それにポレシャ市では役職の僭称は、かなりの重罪だね」トリスは言いながら、殴られ難い位置に陣取ったが、もしかしてすっかりやる気かも知れない。つい先刻から、切羽詰まった肌がピリピリする感覚を感じていた。此処は本能の方を信じた方が良さそうだ。
一人は火縄銃を取り出してきたが、早々、撃っては来るまいと視線は向けない。まあ、撃たれたら多分、お終いだが、当たるとも限らない。法執行官が銃で撃たれたら問題になるし、銃声は人を呼ぶ。地区内なら、すわ、怪物か、と自警団が駆けつけてくる。それに銃に集中し過ぎて、他の鉄パイプなどから目を逸らすのも危険に過ぎた。撃つなら、きっと後ろにいるクロスボウだろう。
トリスの額に汗が噴き出してきていた。それにしたって、ポレシャでは落ち窪んだ陰惨な目つきの廃墟民でも保安官を囲んだりはしないものだが。
小村落では、夜警がならず者たちに撃たれても、其の儘放置する例もあるとは耳にするが。そういう土地を流れてきた連中なら、ポレシャでも通じると思うかも知れない。それとも単なる粗暴な新参者だろうか?
「この糞ったれが!」いきなり来た。でも、殺し屋集団ではない。叫びながら、殴りかかってきたから。横なぎの鉄パイプの一打。頭を狙っている。殺す気か!と驚愕しつつ、なんとか躱して除けた。袋叩きにするつもりか。押し寄せてくる。なんとか躱す。肩に当たる。防弾防刃のお古の軍用ジャケットだけど、衝撃は全然防げない。普通の服よりいくらかマシな程度に過ぎなかった。それでも鍛えられた筋肉が衝撃を弾き返してくれた。二、三発なら急所に当たらずとも動き続けられる。そして、とにかく動き続ける。足を止めたらお終いだ。
「ふぐぅいいい!」痛い。追い詰められて殴り殺される寸前の小動物みたいな、妙な叫びが声から洩れると、周囲の連中は楽しげに歓声を上げている。糞ったれめ。これは死ぬか。いきなり、死が訪れそうになった。地区で。近所で。こんな風に死ぬのか。
石が飛んできて当たった。やや離れた、囲んでいた男に。額が割れて崩れ落ちる。
他にも幾つか飛んでくる。他の石は、最初のそれほどの威力はない。
「トリス姉!こっちだ!」壁に立っている叫んでいるのは、少年少女。ムーア君のところの子供たち。トリスは走って壁に飛びつき、ムーア団の一人が。いや、三人の少年少女が手を取って引きずりあげた。残りは、追いかけてきた奴らに石を投げる。
「てめえら!クソガキ!どういうつも」言葉が中断された。ムーア団の幾人かは、投石器まで使っている。これで屍者や巨大蟻と戦い、野犬や巨大鼠を追い払うための代物だ。腰に付けた袋には、鉛の円錐弾が入っている。知っている。トリスが仲介して、親方マギーがムーア団に売却した品のひとつだ。流石にこの局面では使ってないが、拳銃並みの威力を発揮することもある。襤褸着たちから火縄銃が発砲された。工作は粗雑だから、アーキバス銃だろうか。ムーア団は遮蔽を用いているが、驚き、のけぞって叫んだ。「撤収‼撤退!大通りまで!」
ムーア団と一緒に逃げ出した。背後を振り返りつつ、ようやくに手近な通りへとなだれ込んだ。追われている様子に、怪物が出たのかと警戒したのだろう。
周囲の旅人や農民が一斉にギョッとしたように後退り、慌てて散っていった。
目を凝らしながら、こん棒や背後の弓を手に取る男女もいれば、樽や木箱の後ろに陣取る放浪者。店の中に駆け込んで火縄銃に装填し、火を付ける老猟師までいる。
通りにいた自警団員と衛兵が顔を見合わせて、武器を構えながら寄ってきた。
「トリス!どうした!」親方マギーは地区保安官で、徒弟トリスは留守中のその助手で代理。顔見知りの小娘に過ぎないが、一応は同僚扱いされてるようだ。
「窃盗犯を追いかけたら、仲間に襲われたよ」呻いたトリスはため息を漏らして、へたり込んだ。足が。全身が情けなくも震えていた。少し脅えつつ背後を見る。叫び声が聞こえてくるが、追いかけてくる様子は見えない。
「出血してるぞ」「銃声が聞こえたな。恐らくマスケット」言いながら自警団員がハンカチを取り出し、額に当ててくれた。血が滲んでいる。全身を冷や汗が濡らしている。殺されるところだった。知り合いの助けが無かったら。勘が鈍っていた。いや、ポレシャの地区内であんな暴挙に及ぶ連中がいるとは思っていなかった。しかし、これは油断と言えるのか。いや、油断なのだろう。
「……そういうことも起こるのか」呟いた。例外はあるのだ。嫌な現実だ。
怪我人トリスとその他一同のムーア団は、地区の自警団事務所に連れ込まれた。ムーア団の年長者も、幾人か事情を聞かれている。廃市街の浮浪児徒党など、地区の自警団員や衛兵らに余りいい思い出は無いだろうが「まあ、悪いようにはせん」と小さな子らはビスケットなど勧められていた。
浮浪児集団でも、ムーア団は盗みなどせず、ささやかな縄張りでの商売と日雇いの野良仕事などで食っている徒党だ。評判は悪くはない。「マギーから聞いている」と話してる保安官助手の幾人かも顔を出していた。保安官たちは、普段から互いの担当地区での話を通しておくのだ。
取調室で、トリスは事情を淡々と説明した。窃盗犯を追いかけた事。地区内での追跡。囲まれてムーア団に助けられ、そして発砲されたこと。正規の保安官助手が書記代わりに書類を書き、立ち会った証人たちがサインを記す。ムーア団の少年少女は、しかし、労働者登録をしていない。居住許可もなければ、勿論、市民でもない。外地区の名簿に載っているだけだ。少しだけ証言として弱い。相手がそれを法的についてくれば、地区保安官助手のトリスとの言い争いになる。
ポレシャ市は、役人の証言でさえも、必ずしも強いとは限らない。とは言え、相手が手続きを知っていれば、そうやって論争も起こると言うだけだ。
農民衆や木こり団、鉱夫団に職工や商人の組合《ギルド》が、論争だけで済まず、喧嘩沙汰になった時、縁者らが肩入れしないように公正を期す為の仕組みであって、活用できるのは、まともに社会参加している者たちか。さもなくば、もっと狡猾な犯罪者たちだ。地区保安官補を襲うような破落戸どもには、そんな知恵も辛抱もあるまい。
猫耳ココと用心棒リジィがやってきた。それに料理番リリーまで。ニナは留守番だろうか。短剣を腰に吊るし、ココは軍用コートで槍、リジィは胸鎧に小剣と燧石銃まで背負って完全武装しているが、殴りこむ訳でもない。猫耳ココは、牙を剥いてるが、大丈夫、大丈夫とトリスの方が慰めた。消毒液を塗って、ガーゼをテープで固定する。打ち身にはリリーが臭い膏薬を塗った。
「これ魔女の婆さんの?」トリスが尋ねる。自称・魔女の婆さんが市内に何人かいて、それなりに効く薬を売っている。「うちのお手製です。昔、お婆ちゃんに教わりました。よく効くんよ」リリーが言った。大丈夫だろうか。
「あ……セシリア迎えにいかんと」とトリスは気づいた。壺二つは持ち歩けないから、トリスの壺は置きっぱなしかも知れない。水は盗まれてもいいが、壺は少し高くつくので、回収したいものだ。まあ、駄目なら駄目でもそれほどに困る訳でもない。素焼きの壺など、農村や小さな町でも売っているのだ。
一応の質疑応答は終わった。特に入念に聞かれたのは相手方の人数。包囲したのは十人強。殴り掛かってきたのは六人ほど。これは、ムーア団の面々にも幾度も、それぞれが個別の部屋で尋ねられた。
「もう行っていいですかね?」トリスが尋ねると、多分、将来の副保安官と見做されているキャメロン保安官補が「しばらくは身の回りに気を付けて」肯いてから「捕まえたら、どの程度の量刑を望むかね?」尋ねてきた。
「最悪は追放刑でしょうか?」とトリスが尋ねると、キャメロン保安官補は「妥当なところだと思うがね」
所払いは、ポレシャ近郊一帯からの追放刑である。手配書が回されて主要四地区と外地区に近隣農村への立ち入りを拒否される。
もっとも古代や中世の追放刑と違い、買い物は行えるし、知己が援助しても良い。大手を振って出入りできないだけで、密かに街に舞い戻って働いても、廃墟に潜んでも、余程でなければ捕まることもない。公民権の停止と言うよりも、一部の共同体からの拒絶と取引の停止と言うべきだろう。
「十年から十五年、と言ったところかな」キャメロン保安官補の言葉に「そんなところですね」トリスも頷いた。別に死ぬ訳でもなく、厳罰や不幸を望んでる訳でもない。他所に行って普通に暮らしてくれるなら、それでもいいのだ。
※※※※
夕刻までには保安官補と自警団員たち、それに衛兵らと数人の重装傭兵らが数台の馬車に土嚢を積んで、件の通りへと向かった。機械式のメガホンを持って、まずは説得を試みると、大人しく全員が出てきて所払いに応じた。
素直に投降したので、入れ墨も焼き印も使われなかった。身長や体重。特徴を描いた似顔絵に出身地などを聞き取り、荷物を持って翌日、早朝での退去を認めた。勿論、民兵たちは油断せずに一晩を見張り続けることになったが、兎も角も、揉め事もなく、彼らは出ていくこととなった。
「わしらのうちの……制裁にも介入しないのだね?」長らしい男性の物言いには、少し不吉な予感を覚えたものの民兵たちは頷いて、幾らかの食料と水も手渡され、そうして何処からか流れ着いた名もなき者たちは、再び、いずこかへと去っていった。
小僧はどうなるんだろうか?揉めた切っ掛けとは言え、大人たちの態度も良くなかったのに、全て押し付けられるんだろうか。しかし、それはその時、伝え聞いただけのトリスにも分かりようも無かった。
「……畜生め。気になる」机に座ったキャメロン保安官補などは罵りつつ、そう頭を掻いたが、自警団員や衛兵、傭兵たちも幾らかは同意しつつも、肩を竦めたり、首を振るうのみだった。小僧は、制裁されて街道沿いで吊るされてるかも知れないし、或いは、其の儘、ろくでなしの放浪者に成長するかも知れない。
兎も角、連中は揉めずに出て行ってくれた。そして数日は警戒して、なにも無ければ徐々に警戒を弱める。報復があるかも知れない。普通に暮らす人間の立場は、弱い。悪漢は何時でも、町を襲える。そして市民よりも曠野に近い場所に暮らしている傭兵や自警団員らは、自業自得の流れ者の小僧よりも、己の住む地区の方を心配していた。だから、空気を読んだのだろう。キャメロン保安官補も「分かってる。分かってますよ」と手を振って疑問を封印し、二度とは口にしなかった。
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