黄昏のガンダルヴァ   作:猫弾正

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03_90X 羊勘定

 自由都市ズールでの滞在最終日。商売の、或いは街道の状況によっては何日か伸びたりもするが――マギーとジーナ・E(エクルストン)は時間を掛けて壁内の店舗を廻っていた。

 積荷や同行者が揃わない。雲行きが怪しい。変異獣なり、屍者の群れが出た。略奪者《レイダー》の兵団や傭兵団が街道を塞いでいる。盗賊団がワイルド・ハントを行っているようだ。遊牧民が羊の大群を横断させているなどの理由で旅人の都合はあっさりと先延ばしになったり、左右されてしまう。

 マギーだって少し様子を見るつもりが、二、三日は簡単にずれ込んでしまうのは四六時中の出来事で、世の大半の旅人にとっての出発予定日とは、つまり出発できたらいいな、と言う日に過ぎないのだ。

 

 なので、時間はそれほど気にせず、急かさずに得意先や取引先を回っては、即金でやや安めの余りもののガラクタを引き取っている。空き瓶や空き缶、鉄くずや古布だってポレシャ市のような田舎町の庶民にとっては有難い日用品になる。かつては露店や屋台、それに路傍の行商人と取引したものだが、今はそこそこの店持ち商人たちを相手に現金――有難い地元の都市通貨で余った品を買い付けている。

 千人が暮らしている町を中心に、一日、二日離れた村や小型居留地。或いは集落や部落の人々も訪れるならば潜在的な需要は膨大で、一人二人の商人が年に何十回と運び込もうとも値崩れが起きることはない。むしろ消耗に間に合わないかも知れない。

 

 時に廃墟漁り(スカベンジャー)や木こり党、鉱夫団とも取引して、ガラクタの他、それぞれから廃墟域から回収した電子部品に銅線。木こりから板材。鉱夫からくず鉄なども仕入れている。特に後者は貴重品なので、ポレシャ市に持ち帰ると非常に喜ばれる代物だ。銅線は、滅多にないが高く売れるし、くず鉄など鍛冶屋の連中がホクホク顔になるので、定期的にくず鉄を持ち帰るマギーは、上得意として優先的に取引して貰える立場だ。とは言え、くず鉄はルガリエ地区の武器職人たちも欲しがっており、持ち込めば燧石銃を安く仕入れられる。対するポレシャの鍛冶屋たちと言うと、仕入れる品が思いつかない。ルガリエに流して稼ぐか、鍛冶屋たちに流して顔を繋ぐか。悩みどころではある。

 

 

 壁外地区の酒場や、城門の自由市場《フリーマーケット》などで取引していると、時折、猟師や狩人の類も声を掛けてくる。連中は毛皮を提示してくるが、マギーは取引しない。ポレシャ市にもポレシャ圏にも猟師たちはいて、武装している。元から不足気味のガラクタやら幾らあってもいい板材、くず鉄などと違い、毛皮は市場が限られている。狩人連中の縄張りや市場に食い込むのはマギーでも恐かったから、毛皮やその手の戦利品にはあまり手を出さない。森の民や木こり、薬草師から薬草や香草など仕入れるのは量も少なく、不足気味だから転売してもあまり怒らせないと踏んでいるからだ。もっとも、曲者揃いの漂泊民《ジプシー》たちと取引する時は、まがい物を掴まされないように油断は禁物だ。

 

 荷の量は、二人でおおよそ二十キロから三十キロ。多い時は五十キロだが、四十キロを超える時は、各々五キロほどは予備鞄に詰めて、安くて嵩張る品はすぐに捨てられるようにし、休憩を多めに取って運び込むか。或いは、それ以上の重量の際には、丘の寸前まで二度手間で運んで、丘を数度往復して、東側では荷車を借りてポレシャ市まで運び込んでいる。

 

 ある意味、当たり前の話だが、マギーと同じ商売を行うものもいれば、後追いの新規参入者も時々は出てくる。自由都市ズールでは、目立たない行商人の一人に過ぎないが、ポレシャ市に戻れば、下層地区では指折りの調達屋である。十年足らずで木材と釘、ブルーシートと帆布を掛け合わせた小屋を作れるほどに稼げる者は、そうはいない。勿論、自由都市なら、マギーより才能を持ち、稼げる若者もいるだろうが。

 

 マギーの重要な才能の一つが多分、上手の存在に圧迫されたり、後追いに追い抜かれるのをあまり気に病まないことだ。多少は気には掛かるが、己のペースを崩すことは滅多にない。また、他者の存在で大きく乱れることのない戦場や分野を好んで選んでいる。市場を荒らさず、猟師などを敵に回さないように立ち振る舞い、為替で暴利は取らず、荷物を増やし過ぎることもない。全てが生き残る為の工夫に結実しており、傭兵時代も、撤退ラインの見極めが早くて上手いと評価されていた。

 

 

 その日の夕方、マギーは馴染の酒場で腕に包帯を巻いていた。郊外のひと気の少ない街路で追いはぎに襲われた。結構、手強い奴で、いきなりライフル弾で狙ってきた。

 殺し屋ではないと判断してるのは、金と荷を要求してきたからだが、偽装かも知れない。兎も角も、撃退した。良い腕をしていたが、使ってきた弾薬が弱装の再生弾。硬さと形状、そして速度だけで抜くタイプの弾薬でそれほどのエネルギーはなかった。マギーの防弾服を抜けず、そして此方の燧石銃《フリントロック》は多分、連中の脇腹か、肩を撃ち抜いた。マスケットの傷の方が厄介だろう。

 食い詰め者同士が弾薬を節約して戦うとなると、銃の性能の差が縮むこともある。縮むだけだ。いざと言う時、連発できる銃の方がやはり地力が全然強い。そこで割に合わないと見て、退いた。互いに。相手も血気が醒めたのだろう。あっさりと気配は消え去っていった。多分、七、八割以上で勝てたが、マギーも深追いは避けた。意味がない闘争だからだ。

 

「なんにするね?」酒場の主マーカス・ダウエルがカウンターの向こう側から聞いてきた。

「わたしはウィスキーで……」ジーナ・E(エクルストン)がちらりと見てきた。

「林檎ジュース」マギーのぶっきらぼうな言に、マーカスは苦笑して肯いた。軽い傷でも、アルコールは避けておいた。

 

「あんた、行商人マギーだね」定席で林檎のジュースを飲んでいたマギーに話しかけてきたのは、上等な衣服を着込んだ若い商人だ。

 断りもなく隣の席に座り込んで、顔を覗き込んでくる。

「おお、思っていたよりも、美人さんだね。俺はソワイエ。あんたにいい話を持ってきたんだ」口火を切った若者の目。夢か、野心か。強い光を宿した目を見て、マギーは、(……わたしにも来るかよ)とため息を漏らした。

「興味はないよ」

「そう言うなって。話だけでも聞いてくれ。此処は奢るよ」

「必要ない。誰とも組む気はない。今のやり方を変えるつもりもない。

 大体、私は、ポレシャ市からの仕事を受けている」

 流石に若者――ソワイエは鼻白んだ様子を見せつつも「いくらで使われているか知らないが、俺の方がいい条件を出せる」ニヤリと笑ってみせたが、マギーは鼻で笑った。視線も向けずに林檎の果汁を喉に流し込む。

 

 蚤の市や自由市場で何度か顔だけは見かけていた若者だ。駆け出しの、そして抜け目ない商人で、それとは別に最近、仲間を集めている若い商人の噂は耳にしていた。マギーとソワイエは、むしろ年齢だけ見れば近い。元手を貯め、商隊を結成して事業に挑むとなれば、やはり二十代半ばが下限となる。だが、マギーを誘うには十年遅かった。

 

「あんたは、オーの弟子だろ。ミーシャに聞いたことが……」酷い末路を迎えた――否、哀れな末路を迎える事すら出来なかった仲間の名を聞いて「失せろ、と言った」マギーの響きが剣呑さを帯びると、隣席のジーナ・E(エクルストン)が立ち上がった。

 慌てて距離を取ったソワイエが、ため息交じりに「条件だけでも聞いたら、気が変わるかも知れないぜ」

「わたしはわたしの物語の主人公なのさ。誰かの添え物じゃない。もう、他人の船には乗らない。お前は、お前で、他にお似合いの仲間を探せ」好悪はなく、マギーは淡々と告げて、話を打ち切った。肩を竦めて立ち去っていくソワイエの背後を一瞥もせず、マギーは小さな地図を取り出した。傍らのジーナ・E(エクルストン)と明日の帰路を確認し始めると、それ以上、来訪者について興味を示すこともない。

 

 ソワイエが成功の階段を昇ってくるか、踏み外すかは誰にも分からない。もしかしたら、マギーなんて抜きさって昇りつめていくかもしれないし、泡のように消える未来もあり得る。或いは、さほどうだつが上がらず、けれど強かに歳月を生き抜き、馴染の顔の同業者に落ち着くだろうか。兎も角も、マギーは、まず金を貯めて自宅に手を入れ、もう少し商いを大きくしなければならない。抱え込んでいるものが沢山ある。身内もいれば敵もいて、生活もある。共同体にも頼られている。働いて、金を稼いで、生活が少し良くなっていくのは楽しい。自由に冒険し、戦い、生きた時間は通り過ぎていた。

 

 何時の世も、野心を胸に一旗揚げようとする若者が絶えることはない。明日を夢を見るのは、若者たちの特権であり、既に戦いを終えたものは、懐かしさと共に過去を夢見るからだ。

 

 

 

 ※※※※

 

 

 

 ポレシャ市の見張り塔(ウォッチタワー)が見えてきた。七月初めの平野に黄金の麦畑が風にうねっている。冬小麦の畑に大鎌を携えた人影が動き回っていた。乾燥用の納屋に麦束を担いだ人が忙しなく出入りしては、飼葉を山積みした荷車が行き交っていた。道端に青々と生い茂って靡いている草地を見つけるや、不味い飼葉しか食わせてない子羊たちが甲高く鳴きながら、駆けだしそうになるのを二人で必死に抑える。と通りがかった農民たちが声を立てて笑った。連れ歩くだけなのに、二匹と三匹でも随分と違うようだ。

 

 収穫後の畑を牛がゆっくりと歩いている。漉き込む時期でもない筈だが。鋤を引いている様子もない。落穂拾いか、野菜の切り株でも食べさせているようだ。

 風車が回っている。ポレシャ近郊で少し小高い丘は、風のいい場所は大体、粉ひきに使われている。製材所を建てられそうな場所が少ない。ポレシャ市で板材が高めな理由の一つだ。とは言え、製材所を建てて引き合うかは微妙なところだ。木こりたちの穴を掘って縦挽きした木材が、それなりの量と値段で入ってきている。木こり連中、仕事を維持する為に、製材の手間賃だけはやや抑えめに卸してきているので、運搬費や切り出しの人件費が同じ他所の木材に、製材所で加工してペイするとも限らない。

 

 野原を歩き続けると、小さな草地に天幕の集まりが見えてきた。牧者たちの移動式住居だ。牧者衆は、ポレシャ市内にも住居兼の拠点を持っているが、牧草地への遠征を除いても今の時期――特に春から夏に掛けては、牧者衆の働ける男女は好んで野外で過ごすことが多いように思える。農村や防壁、囲いに警備隊の巡回路なんかに守られた町の近く。無防備に見える天幕の家だが、良く計算された場所だ。熊や狼、屍者や変異獣が入り込んだり、襲われる事も滅多に起きない。

 

 天幕村に近づくと「いいライフルだよね、それ」切り株に座り込んで、煙草を吸っていた若い男が話しかけてきた。

「あんたを知ってるよ。町外れの保安官助手だよね」そう言う牧者の男もライフルを背負っていた。

 マギーは肩を竦めた。「これは燧石銃《フリントロック》だ。十六世紀か、それくらいの発明品。そっちの後装式ライフルの方が全然、進んでいる」マギーの言に対して、煙草を手に持ったまま、男は苦笑を浮かべた。マギーのフリントロックを眺めつつ「そう、進んでいるよ。でも、余り、いい銃じゃない。そいつはルガリエ製だろ。見ただけで分かる。丁寧な作りだ。機構が時計みたいに組み込まれてて滑らかに動くだろ」優しい目でマギーの持つフリントロックを眺めている。

 

「そんなフリントロックを町や村で十人も銃眼から狙っていたらさ。もう盗賊団だって手出しできないよな。町の人や農民が買うなら、最高だよ」何も持たない手だけでライフルで狙う動きを形作ってみせた。

「こいつは、駄目だ。くたびれちまってさ。年季が入って、しかも、針型撃針(ファイアリングピン)に紙薬莢弾でね。どうしたって撃針《ファイアリングピン》がよれちまって。不発も増えてきてる。本来、定期的にとっかえなきゃいかんのだけどね。ポレシャの鍛冶は、どうにも余り腕が良くなくてね」己の横に立てかけたライフルを丁寧に撫でながら、若い男は顔を上げた。

 

「普仏戦争の頃のドライゼ銃が似たような弱点を抱えていたらしいね。針型撃針で数百発から千発も撃つと熱で変形したり、と」言いながらマギーは右手で顎を撫でた。

「古い撃針を貰えたら、ルガリエで仕入れてきてもいい。手間賃なしでね」マギーが提案した。銃に熱の有る眼差しを注ぐこの若い男を、少し気に入ったかもしれない。

「本当か?いや、ルガリエは高いだろう」と若い牧者が仰天して言った。

「多分ね。値段を聞いて、また戻ってきてもいい。

 それとも、丘を通り抜ける道を同行するか?」マギーの言葉に、ジーナ・E(エクルストン)が「(抜け道)(旅)に同行させるつもりで?」びっくりして尋ねてきたが「丘を抜けて(遠回りの方だよ)(片道二日)くらい掛かるけどね」牧者への説明の態を装いつつ、ジーナ・E(エクルストン)にも説明すると、納得したように口を閉じた。

 

「ライフルを預かって、メンテを頼んできてもいい。どれでも、どうしたって金も時間も掛かるけど」マギーが前髪をかき上げつつ、尋ねると若い男は数瞬を考えこんで「ライフルを預けたとして……どれほど時間が掛かるかな」と尋ねてくる。

「往復で、一週間ほどかな?もしかしたらその間、預けっぱなしになるので」とマギーが言うと「大丈夫、整備に出したと説明して、牧場や仲間の手伝いをして過ごすさ」肯いた若い男が立ち上がって、「JJだ。頼むよ。マギー」握手を求めてきた。

「よろしくJJ」マギーが肯いた。

「最初は予備の撃針を預ける形でいいかな。今、使ってる奴より大分、くたびれてる奴だが」JJの言。

「古い奴でいい。後で私の家に撃針を持ってきてくれ」肯いたマギーは「それと、ジーナ・C(クレイ)はいるかな」と最後にそう尋ねると、JJは天幕村の一画を指差した。牧者娘のジーナ・C(クレイ)は、マギーの部下と同名だが、よくある名前なので仕方ない。

 

 

 天幕村の隅の方に建てられた一際、小さな灰布の天幕へと向かった。天幕から少し離れた場所。地面に毛布を敷いた牧者の少女キャロが、古い後装式ライフルを傍に転がして草地に寝転んでいた。ジーナ・C(クレイ)の助手でもある。羊たちの姿は見えないが、近づく子羊たちの鳴き声を聞きつけると、身を起こしてマギーたちに視線を送ってくる。

 

「……あ、保安官補」と軽い会釈をしてきてから子羊たちに視線を移し「……三匹……元気な子ですね」とぼそぼそと牧者のキャロは呟いた。内気で引っ込み思案な気質だが、初対面の時から比べると、まだ喋るようになった。「……触っていいですか?」と聞いて来るので「預けるよ」と子羊たちを渡す。

 

「……群れは?」尋ねると、「リックやエジプシャンたちに預けて、牧草地に遠征を……栄養を蓄えないと」キャロはぼそぼそと言った。

 風が強く、少しだけ聞こえにくいが、仲間たちに預けたと言ってるのだろう。

「何処に?グレイリングではないよね?」マギーが尋ねると、「あそこは今、使えないから……取られっぱなしは癪だけど」

 どうにも境界争いで押されているようだ。大丈夫かな、とマギーがジーナ・E(エクルストン)と顔を見合わせると慌てて「け、警備隊の人らが一緒に行った時は、使えるし」と言ってきたので「今は、一番いい季節だ」とマギーも頷いた。

 

「ジーナ・C(クレイ)はいる?」とマギーが尋ねると声を聞きつけたか、小さな天幕が開いた。

「保安官補?!」恥ずかしげもなく裸体を晒しながらも、子羊たちを見て「わぁ」と目を輝かせている。奥にはやはり裸の少年がいて、やや慌ててズボンを履いていた。

「一か月から二か月。10キロは無い」説明してるマギーに対して、羊たちに視線は釘付けでありながら「預けて貰える?」ジーナ・C(クレイ)はいきなり切り込んでくる。

 肯いたマギーが、子羊三匹を引き渡した。

「よし、うちの子だぞ!」上着とズボンだけ着込んだジーナ・C(クレイ)が駆け寄ってくるとはしゃいで子羊たちを抱きしめながら、尻尾に触って、尻の穴も見て触れた。

「尻尾はまだ切ってないね。ウンチよく出てるかな?」子羊たちに話しかけている。

 

「これで12匹」血統記録を書いたメモを手渡しながらマギーが言うと「ありがとうございます」とジーナ・C(クレイ)が礼を述べた。

「契約だからね。忘れないでね」マギーが釘を刺すと「20匹までは、引き受けられます。お願いします」とジーナ・C(クレイ)が肯いた。

 マギーが持ち込んだ羊の分だけ、ジーナ・C(クレイ)も乳や羊毛。数年後には、肉や毛皮をマギーの住処に届け続ける契約だ。

 一般的な契約内容であるが、ポレシャ市の契約牧者は食料も薪や寝床と言った生活費も、かなり補助が出てる。来年まで待てば、己で増やしたり、もっと安く農家から買えるだろう。ゆっくりと増やしていける。

 なのに、ジーナ・C(クレイ)も、他の牧者衆も急いでいた。

 出来るだけ早く羊たちを増やして、現金収入を増やしたい。

 チーズや羊毛を売って現金を得、武装したり、傭兵雇って、牧草地を抑えたいと考えているのだ。牧者衆は弾薬を欲しがってるが、流石にマギーも後装式ライフルの紙薬莢は調達できない。今は、まだ。ルガリエの職人たちとの付き合いの深さも、貸し借りも足らない。もっと危険な連中との伝手は、使う気になれない。

 できれば、弾薬を手当てしてやりたいと思いつつも、マギーでさえも武器商人たちとの取引に慎重だ。職人たちなんか大人しいほうだ。借りが増えすぎたり、回数を重ね続ければ、深みに嵌まって引き返せなくなる。それが恐い。振れずに引き返すか、どこまでも深い所に踏み込むか、どちらかだ。

 

 

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