空気の匂いが確かに変わった。気配と言うべきか。殺気でも、敵意でもいい。冷たい冬の大気の中、獣めいた気配が肌をひり付かせていた。ランツクネヒト達も感じ取ったのだろう。沈黙し、動きを止めて、静かに刃を抜き放っていた。敵が殺到してくる前、なぜか不思議と血の匂いがする。
多分、神秘的な第六感などではなく、戦闘前の緊張で変化した敵の体臭を敏感に嗅覚が嗅ぎ取っているだけかもしれない。もっとも、そうした予兆を感じ取れるような古参兵連中も、狙撃や爆発物で倒されるものだ。とは言え、古参兵は射角や爆発物の範囲を一々、気を配っているので余程の物量の戦場でもなければ中々に死ぬものでもないが。
太陽が山々の稜線へゆっくりと飲み込まれていった。茜色の残照が西の地平を微かに照らしている。赤と黒のコントラストが彼方の大地に、遠くパノラマのように広がっていた。胸を締め付ける程に美しい大自然の下、百人もの人間たちが二束三文のはした金を稼ぐために殺し合っている。
やがて残照が薄れるにつれ、満天の星明りが瞬き始める。火の傍らにいたマギーは、ハッと気づくと、木箱から布切れを取り出した。片目を覆って暗闇に慣らしておく。リジィも意味を察したのか、布を受け取って部下たちへ配った。路地の暗がりから押し寄せてくる連中に火を消された場合、闇夜に適応した視力に不利を強いられるかもしれない。
日没後も息を殺して、五分、十分とただ静かにその瞬間を待ち受ける。
それほど長い時間を待つ必要は無い。静謐な闇の中、味方の息だけが微かに響いていた。やがて闇の彼方から、音もなくヒタヒタと押し寄せてくる気配。
ニナとジーナ・
「この火力は無宿人《ノークォーター》だな」断定したマギーはつまらなそうに囁いた。対面では、リジィが皮肉っぽく笑っていた。一部には強力な火力を好み、敵に回せばやたらと手強く、その癖、味方の時にはすぐに弾切れを起こして息切れし、頼りにならぬ手合いだ。個人個人を見ればそう悪い人間ばかりとも限らない無宿人《ノークォーター》だが、人種としてマギーは軽蔑し、嫌っている。
そもそもが、荒野の食い詰め放浪者がメイスや手斧、サブマシンガンやペッパーボックス銃、或いはガンソードのような癖のある武器を好んで使うべきでもないとマギーは思っている。サブマシンガンやソウドオフ・ショットガンは火力の代わりに、弾薬が貴重で高価。ペッパーボックスやガンソードに至っては、手入れにも難がある代物だ。マギーならもっと単純で潰しの利く武器を選ぶが、しかし、無宿人《ノークォーター》と言う連中は、やたらと奇矯な武装を好む性質を持っている。弾薬は乏しく、手入れも難しい。部品は摩耗して精度も良くない癖、一瞬の火力だけは強いから手に負えない。
メイスは甲冑騎士とも渡り合える打撃力を持つが、巧みな間合い取りや筋力、技量を要求される玄人の武器で、十全に使いこなすにはかなりの訓練が必要とされる。当然、無宿人《ノークォーター》たちには、そこそこは使えても、瞠目すべき使い手は滅多にいない。或いは、真逆の派手なレイピアを使う者もいるが、やはり見た目だけで真の熟練者と遭遇したことはなかった。かと言って、別に武装の選択を間違えている訳でもないのだが。
連中は、兵士でもなければ戦士でもない。時に賞金稼ぎ、時に用心棒、時に家畜泥棒や盗賊団の一員と、その場その場で変化する生き方に求められるのは、長期の戦闘に耐える頑強さや合戦での連携、弾薬の補給し易さではない。命のやり取りでの素早い先制と一瞬の火力、華々しい決闘での勝利。特徴のある武器を使いこなし、ガンマンや酒場の娼婦に賭博師、馬借や牧童、無法者《アウトロー》らと同じ世界で駆け引きし、名前を売り、恐れられ、依頼を得ることこそが名を上げる術であり、裏社会でのし上がる為の道なのだろう。
マギーや今回雇ったランツクネヒト団にとって、武器は道具であり、信頼性と整備性が第一だが、無宿人《ノークォーター》からすると、武器は身を護る道具であると同時に、評判の一端を担う象徴でもあるのだろう。武勇伝は無宿人《ノークォーター》の看板であり、庶民や農民からの畏怖は、連中にとっての信用である。そして磨き抜かれた銃の腕と暴力こそが、富をもたらすのだ。ある種の同族嫌悪なのかも知れないけれど、マギーが好きになれない生き方だ。
農民とも戦士とも異なる生き方を選んだ者たち。命の交差する瞬間に相手を圧倒するための武器を好み、選んでいるならず者の風来坊たち。そしてそれは賞金稼ぎや無法者の仲間としての、一瞬の決闘や襲撃ではきっと合理的なのだ。そして今、長い戦争を生き延びる武器ではなく、一瞬の勝負を決める武器を持って、固く守られた簡易要塞に攻め込んできている。出来れば、味方のマスケットは恐らく背後に控えているだろう放浪騎士ども相手に取っておきたかったが……
闇の中、足音が近づいてきている。まだ撃たない。「足音が軽い」リジィが舌打ちした。「斉射!」喚くと同時にランツクネヒトたちが立ち上がって発砲。土嚢の前まで迫っていた無宿人《ノークォーター》どもや軽装の破落戸どもの姿が一瞬、
ランツクネヒト達は、一山いくらと揶揄されるも決して弱くはない。遮蔽を取り、有利な位置取りを崩さず、胸の分厚い胸甲は、生中な小口径の銃撃を弾いてくる。つまり粘り強く、しぶとい戦いを得意としていた。素早く左右に動きながら、夜の闇に白兵武器を振りかざし、頭や手足には当たりずらい。
マギーは自分を弱いとは思ってないが、放浪騎士を相手にして渡り合おうと思うほど無鉄砲ではなかった。知己のモーデュソン妹は、勿論、普段から大食しながら鍛錬を怠らない女騎士の上澄みであるが、明らかにマギーを膂力で上回っている。あれを平均とは思わないし、放浪騎士は製糖業で潤った都市騎士より遥かに栄養状態が悪いにしても、戦闘経験ではそう引けは取るまい。
だから、マギーちゃん「前衛はランツクネヒトたちに任せるとします」乱戦の渦で死戦を繰り広げている味方を放置し、さっさと敷地の薄暗い奥へと逃げ出した。
敵にも目ざといものはいる。意味ありげな動きに気づかれたか。二人、三人と追ってくる。舌打ちして敷地の外へと出ると振り返った。
「アーシア・オブ・ガルダか?」問いかけを投げかけられたので「わたしが姫に見えますか?世も末だ」思わず鼻で笑ってから「姫さまは、南へ向かわれました。45分前です」中央への道を指差して嘲った瞬間に相手の目が冷え、銃弾を撃ち込まれた。
相手が銃に手を掛けた瞬間、兎も角、マギーは顔を庇いながら飛び退った。胸に衝撃。32口径。弱装弾だが至近。防弾コートは耐え抜いたものの、常人なら骨にひびが入るかも。鍛えぬいた腹筋が軋んだ。悲鳴を上げて物陰へと倒れた。「痛いよぉ!」
かなり離れた距離なのに、普通に当ててきた。夜の15メートルを拳銃で当てないでよ。さて、てっきり、留めを差しに来ると思いきや、何故か、分かれ道で呑気に話し合ってる。なので、マギー。「死んじゃうぅ……出血が止まらないィ」泣き言を洩らしながら、物陰にあらかじめ並べておいたクロスボウとエアライフル、紙薬莢式ライフルに視線をくれる。(さて……どれを使おうかしらん。装弾と威力からクロスボウかな)
至近距離でクロスボウを狙いすまし放った。頭に120
後は、勝手知ったる敷地や近所を駆けまわりながら、離れた物陰から狙い易い場所に出た迂闊な人影をエアライフルで狙い撃った。ベアリング弾は、連射が効くし、それなりの威力を持っている。夜の闇も合わさって素晴らしい威力を発揮するし、敵味方の視認も分かりやすい。ひらひら服に胸鎧と鉄帽子のランツクネヒト以外は、全て敵。ニナとジーナ・
残念ながらエアライフルでは人は簡単には死なないけれど、鉄球が高速でめり込んだ身体の戦闘力は落ちるか、動けなくなる。五発も撃つと威力も随分と落ちてくる。エアポンプ式だもの。仕方ない。エアライフルも投げ捨てる。
後は、紙薬莢式のライフルと弾薬が僅かに七発。ニナたちに多めに弾薬を配布したので仕方ない。それでも軽装の浮浪傭兵などは大分、削った。しかし、闇夜に動き回る標的の頭を狙えるほど、銃の腕に自信はない。加えて、拳銃弾仕様のライフルもどき。普仏戦争時の軍用銃にも劣るような威力で、果たして黒騎士どもの胸鎧と鎖帷子を撃ち抜けるだろうか。いや、まんず、試してみるべきだな。
近くの瓦礫に身を潜めると、ランツクネヒトとやり合っている黒騎士の背後をじっと狙う。ランツクネヒトが射線から外れた瞬間、発砲し、結果を見届けずに頭を下げて、移動を開始する。今のところ、敵の狙撃兵は運用されてないようだが、狙撃兵を狙う狙撃兵を配置して、牽制してくる戦闘指揮官も多い。
その意味では、熟練の無宿人《ノークォーター》は恐い相手であり、油断するべきではないが。とにかく、今は黒騎士を減らしていこう。マギーは完全に一介の戦士に戻っていた。この時、仲間の心配も、趨勢も完全に脳裏から消え去っていて、おのれが生き残り、敵を殺傷する事しか考えていない。
※※※※
マギーが逃げた。意外には思ったし、驚いたが、ニナは動揺しなかった。
そう言うことも偶にはあるだろう。むしろ、マギーが逃げたのなら、何かしらの理由と合理性があると考えたほうがいい。マギーは、大言壮語する人間ではない。むしろ、戦う前に、何時も退路のことを気にする用意周到な人物だ。
勝率と損得を考え、味方を活かす方が得だと考えているから、一緒に逃げるよう勧めてくる。単に自分ひとり助かる為に背を向ける人間ではないことくらいは、長い付き合いで理解している。
「逃げ道を用意していないマギーの方がおかしい」とニナは呟いた。いざとなれば、敵を家ごと燃やすくらい、やってもおかしくない。味方の逃げやすい、敵が逃げ遅れるタイミングで火を付けて、再建に幾らの時間と金が掛かるかを計算するような女だ。とは言え、単に逃げたとしてもニナは納得しただろう。
マギーを愛してる。ひと昔前なら、もっと執着した。だけど今、この瞬間、ニナは死をそれほど恐れてなかった。女同士だけど互いに愛し合った。気持ちは満ち足りている。勿論、もっと一緒に生きたい。だけど、マギーが切り捨てるのなら、それもいいかな。と思うほど人生に満足もしていた。愚かかもしれない。フィクションによくいる使い捨てにされる盲目的で妄信的な手先みたいな考えだ。
奴隷ではないと思う。委ねる相手を自覚して選び、その責任も自分で受け入れる。マギーはそんなことをしないと、ニナは信じて委ねた。そして、駄目だったら自分の見る目が無かった。マギーが力及ばずに味方が壊滅する結末を迎えても、それを甘んじて受け入れる。それだけだ。
愛を歌うように敵を迎え撃つ。裂帛の気合と共に迫ってくる黒騎士の一閃。ライフルで受けるも、銃身が鈍い音を立てて半ばまで断ち切られた。恐ろしい使い手。ニナはまるで軽業師のように後転し、木箱を踏み台に塀の上に着地して距離を取った。
相手の女騎士が目を丸くしている。フッと挑発するように笑ったニナは身を翻した。
近所の廃屋へと誘い込むと、追ってきた。一対一。腰に付けた二丁のフリントロック短銃を抜き、発砲。鎖帷子に鉄板のブレストプレートを纏いながらも、意外と素早い動きだ。盾を斜めに弾かれた。勿論、幾らかは盾が砕けているが、盾を投げ捨て、迫ってくる黒騎士に向かって、コートを開くと、さらに二丁の短銃を引き抜いて発砲。
「くそッ!金持ち戦術!ムカつく」喚きながらも、左右に素早く動いて躱そうとする女騎士。肩と脇腹に命中し、揺らいだ女騎士から距離を取り、五丁目と六丁目を引き抜いて発砲。太ももと胸に着弾。胸は、鉄板を貫通出来ずに弾かれた。七丁目と八丁目を引き抜き、相手の顔、片方は外しにくい腹部を狙って発砲。転がろうとした女騎士は、しぶとく腕で顔を防いでくる。手甲に鉛玉がめり込んだが、なおも動こうとするも、九丁めと十丁めを向けた。
血を吹いて崩れ落ちた女騎士が、ようやく動かなくなった。多分、死んだと思う。仮に生きていても、今すぐ立ち上がれる状態ではない。見たところ飛び道具は持たず、素早い動きもできそうにない。ニナは恐怖心を押し殺し、ため息を漏らした。
なんともしぶとい相手だった。短銃を全て撃ち尽くしてしまった。フリントロック短銃を拾い上げ、星明りの下、火薬を入れて装弾するも黒騎士は誰をとっても油断できない相手。小石一つに至るまで熟知した地元だからこそ、闇夜のうちに手玉に取れたが、それでも同等の黒騎士を相手取って、次も生き残れるかは分からない。ここは大人しく身を潜めながら、距離を取って経過を窺うとしよう。
※※※※
乱戦の中、暗がりの市街の一角で、断末魔の絶叫が迸っていた。賞金稼ぎが慎重に様子を伺いながら、足を踏み入れると、その路地の正面には木箱に寄り掛かるようにして人が死んでいた。顔に見覚えがあった。仲間だ。はらわたが切り裂かれている。
「これをやったのは、とんだサイコ野郎だな」ゾッとしない表情で歩み寄り、近づくと、死体が動いた。臓物から銃口が飛び出して、茫然としてる賞金稼ぎを撃ち抜いた。
「……誰がサイコですか」木箱の後ろから姿を見せたジーナ・
絶叫する彼に止めを刺すと、その体を軽々と持ち上げて瓦礫の後ろに投げ捨て、銃を奪い取って「でも、いいもの持ってますね。許してあげます」言いながら再び木箱の後ろへと身を潜めようとして、首を傾げる。
「……おや、敵が随分と減ってきているかな」周辺の市街に散っての白兵戦や銃撃戦だが、気配が随分と薄くなってきていた。
遮蔽や、或いは銃弾を防げずとも隠れられる木箱などを利用し、マギーの家へと近寄ると敵兵は数えるほどになっていた。マギーがランツクネヒトと二対一、三対一で黒騎士を追い詰めては叩きのめして、数的有利を広げている。
当たり前だが、敗走したり、それも出来ない程に追い詰められたら、降参する敵もいるが、武装解除と見張りは面倒な仕事だ。それでも、死に物狂いで最後まで抵抗されるよりマシではあるからか。マギーは降伏を受け入れて、後ろ手に縛らせて、見張らせていた。呻いて転がっている敵もいるが、抵抗していない。どうやら戦闘は終わりを告げつつあるようだ。
指揮官リジィは、全くの無傷。小柄な身体できびきびと歩き回りながら、号令を下している。捕虜を一カ所に纏めながら、ランツクネヒトの手当てをし始めていたが、敵を一カ所にまとめるのは危うい気もする。一人がナイフを隠し持っていたら、拘束を解いてしまうかも知れない。ジーナ・
「面倒を掛けさせるなよ!お前らの負けだけど、死んだわけじゃないんだ!暫く留置場なり、労働刑かも知れんけど、此処で暴れたら殺すからな!半年か、一年くらいの懲役は受け入れろよ!」何度も言って聞かせながら「捕虜どもは三人ずつ。もうちょっと距離取って、見張れ」と喚いている。
と、大通り方面の路地から松明の炎が複数、接近してくる。
「新手か?」ランツクネヒト達が警戒するも「おおい!おおい!味方だよ!」と呼び掛けてくるのは、黒地に黄金麦穂のポレシャの旗と、自警団の面々たち。
どうやら、一連の戦闘が集結したと見て、ようやく介入する気になったらしい。
「おお、勝ったかな。無事でなにより」とジークが穏やかに声を掛けてくるので、マギーはようやくにため息を洩らしながら、「……一応は」頷きかけた。
地べたに転がる無宿人《ノークォーター》が「たすけてぅれぇ」と濁った声を上げていた。「詰め所で傷の手当てしてやるが、暴れるんじゃないぞ」自警団員たちが警告しながら、荷車に捕虜の重傷者が乗せる。まったく哀れな有様であったが、これで勝っていたら賞金稼ぎ共。勝利の凱歌を上げつつ、おとがめ無しで引き上げていたに違いないのだ。
敷地内に僅かに残った雪が血に赤く染まっている。血生臭さはしばらく取れないに違いない。近隣の廃屋や街路をカンテラ片手に歩き回っては、自警団員たちが呼び掛けている。負傷者や捕虜は、敵味方関係なく慎重に収容して、驢馬の引く荷車で運び出されていった。生き残った賞金稼ぎ共にしても負傷し、武装を損ない、惨憺たる有様であったが、放浪の黒騎士たちも、無宿人《ノークォーター》どもも、暴力を売り物にして生きてきたならず者だ。強い奴が取り分を総取りし、一瞬の暴力で状況を都合よく塗り替える生き方をしてきた連中が、賭けをして今回は負けた。自業自得だろう。
地区での戦闘も、ほぼ終息に向かっているようだが、果たして味方がどの程度、生き残っているだろうか。相手も無法者《アウトロー》や盗賊団ではなく、遠来の地の公的な依頼を受けた賞金稼ぎとその手勢。賞金稼ぎの私闘は、兎角、事後の法的手続きこそが色々と面倒になりなりがちなのだ。
マギーは、狙撃され難い土嚢の奥に寄り掛かって、戻ってきたニナとなにやら話し込んでいた。爆発物を投げ込まれると致命的な位置だが、今さらはあるまい。
「赤泥のジルカらしき奴はいませんね。若干が逃げたにしろ、想定より少し敵の数が少ない」マギーが首をかしげてる。
「今さっき、降参した騎士に聞いたけど、突入した辺りから見かけないって……」ニナの言に不機嫌そうに眉を顰めて、南へと続く街路を一瞥した。
「……もしかして、直属だけで追い駆けたかな?するとまだ終わった訳ではないか」億劫そうにぼやいてから、「リジィ!追撃します!動けそうなものを五人!手配出来ますか!?」
「捕虜を送り出してから出ないと、まだ五人は出せないぜ!」と返答が来て、肩を竦めた。もう一度、街路を見つめる。星明りだけが頼りの夜の闇に、南へと通じる街路は明るい陽の光の下とは全く異なった不気味な気配を漂わせていた。
「では、待ちましょう」マギーは頷いた。態勢を整えてから追撃に出るのに、あと十分。
「待つ?」ニナが尋ねるも「我々は仕事しましたよ。あとは、姫さまたちの奮戦に期待しましょう」
「セシリアは生き延びられるかな?」ニナが肩をすくめて「まあ、地図も持たせたし、逃げきれなかったら、後は自己責任です」マギーは髪をかき上げて「精々、幸運を祈るとしましょう」
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・リジィ 1D100_13
奮戦して無傷。
・ギィ卿 1D100_85 重症?勝利したが深手を負ったかな?
・vs敵騎士 1D100_95 ギィ卿と戦った騎士。これは間違いなく戦死
・コリン 1D100_44 負傷かな
コリン君を振る前に相手騎士も振ろうと思ったのよ。其の儘、コリン君振ってたら即死だったわ。
敵騎士を振らないでコリンを振ってたら……と言う意味。