オリキャラ登場の巻。
「今のっ!間違いなく『コール』ですよ!
伝説の召喚士様が使ったと言われている魔法!
クリエメイトが出てきたんだから間違いありません!!あなたが伝説の召喚士様だったんですね!!」
「え、えっと……私、何がなんだか……」
「まあ、うん。
ランプ、とりあえず離れなよ。そんな抱きついてたら落ち着いて話もできないだろ」
「わわーっ!!ご、ごめんなさい!!」
マッチの言葉で冷静さをある程度取り戻したランプは、慌ててきららから離れました。きららもまた驚きから「あうう……」と声にならない言葉しか出せずにいましたが、どうにか落ち着きを取り戻し。
「私が……召喚士?」
「そうですよ!
だって今クリエメイトに助けてもらったんですから!」
そこまで言って、ランプは一度深呼吸し。
「召喚士様───いえ、きららさん。
わたしたちと一緒に、世界を救ってくれませんか?」
迷いなく、真っ直ぐにそう言った。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「世界を救うって言われても……そもそも今、世界には何が起こってるの?」
「……えっと。きららさんも『聖典』は読んだことありますよね?」
「うん。女神様が授けてくれるものだよね?」
「そうです。わたしたちは聖典を読むことで生きる力の源となる『クリエ』を得ることができるんです。
ですが……このままではいずれ近い未来に聖典はなくなってしまうんです」
「えっ……」
それは、冗談でも戯言でもありませんでした。
ランプの表情も声色も、そんな事を言う人のものではないことは、きららにも分かりました。
「どうして……」
「聖典を生み出す女神様……ソラ様の魂が奪われ、封印されてしまったからです。
どうしてそうなったのか、とか……理由は分かりませんが。誰がやったかは分かっています。
わたしは…偶然見てしまったんです。ソラ様の魂が封印された瞬間を」
───平和が、崩れ去った瞬間を。
「筆頭神官アルシーヴ。
神殿にて女神に使える神官の筆頭にして、神殿の実質的なナンバー2。女神様の補佐官たる彼女こそ、ソラ様の魂を封印した張本人です」
「けど、当然そう言ってるのはランプだけ。
何の証拠もなければ、同じようにその光景を見た証言者もいない……残念ながら、神殿の皆が信じるのはアルシーヴの方だった」
「………わたしは、あの時何もできませんでした。それどころか…恐ろしくて、逃げ出したんです。
『これは悪い夢だ、寝て目が覚めればすべて元通りだ』って……でも、翌日にアルシーヴが───」
『ソラ様は現在、体調を崩されている。
快癒されるまでは私が執政を代行する』
「……それから、何度もソラ様に会わせてほしいと頼み込みました。でも、結局お姿を確認することはできず……」
「それから暫くして、アルシーヴが『オーダー』を……禁呪を使うと発表した。その時、ランプはあの光景は現実だと確信したんだろ?」
「………あの日から、ずっと後悔しました。
あの時、アルシーヴを止められたんじゃないか…無理にでも、ソラ様の姿を確認していれば……。
そうすれば禁呪なんて使われなくて、今ごろは……」
「ランプ……」
「──アルシーヴは絶対に止めなければいけません。
『オーダー』は世界を乱す力……力を“貸してもらう”コールとは違って、何が起こるか分かりません」
「けど僕たちにはクロモンを止められるだけの力はない。
……きらら、君になら止められるんだ。さっきみたいにね」
「………」
「無理なお願いなことは分かっています。
でもわたし……きららさんと一緒なら、できるって思えるんです!」
「───ねえ、ランプ。
ランプは…私のこと、変な子だって思わなかった?」
「? 変…ですか?」
「うん。
私ね……昔からパスを感じることができて、そのせいで困ったこともあったの。
でも…ランプはこの力のことを、素敵なことだって言ってくれて……嬉しかった。
もしパスを感じる力が『コール』を使えるのに関係しているなら、この力にも何か意味があるのかなって───」
それにね、ときららは言葉を続ける。
「一緒なら頑張れるのは……きっと私もだよ。
だから……一緒に行こう!」
きららは、真っ直ぐにランプに手を差し出す。
「───はいっ!」
ランプもまた、きららの手を取る。
1つ目の星が、ここに繋がったのです。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「……いったい何なんだろうね、この状況は」
「さあ……夢ですかね。
なんかファンタジー全開ですし…」
「もー、夢にしたってたちが悪いよ!
なんだってこんなわけの分からない子たちに囲まれなきゃいけないの!?」
「さ、沙英さん落ち着いて……!」
「早く起きて学校行く準備しないといけないのに…!
乃莉もなんかできないの!?」
「いやあ、ゲームならとにかくリアルにこんな状況になるのは……いや夢のはずなんですけど……」
きららたちの元から少し離れた場所で、二人の少女がクロモンの群れに囲まれていた。
沙英と呼ばれた丸眼鏡の少女は羽ペンを片手に、乃莉と呼ばれたやや露出度高めの鎧を身に纏った少女は槍のような武器で、それぞれクロモンを追い払おうとしている。
「……というか、私たち普通にぶきとか魔法っぽいことできちゃってますよね?」
「そりゃ夢だし何でもありなんじゃないの? というかそれなら今すぐ覚めてほしいんだけど…!」
とはいえ、
「はッ!!」
……その時。
二人の少女でも、クロモンたちでもない声が響き。
それから一拍遅れて、馬の鳴き声が響いた。
「っ、な、何!?」
「さ、沙英さん上、上!
「はぁ!?」
咄嗟に上を見上げる。
日差しが影になって見えづらかったが、そこには確かに馬らしきシルエットが。
少女二人も、それを取り囲んでいたクロモンたちも、夢中でそれを見上げていた。
「そこのお嬢さんたち!!」
「「馬が喋った!!」」
「ウマじゃないっ!!
ちょっとその魔物たち
「へっ!?」
「いや、吹っ飛ばすって、えぇ!?」
一方的に言い放たれたその直後に、馬らしきシルエットは跳躍の勢いを無くして地面へと落ちてくる。
「さ、沙英さん…!」
「……今は聞いとくしかないよ!乃莉も伏せて!」
少女二人は蹲り、そのすぐ横にドスン、と何かが着地した。
恐る恐る見上げてみれば、黒く艷やかな毛を短く整えた馬の上に誰かが乗っているのが見えて。
その人物が、クロモンの群れに緑色の石を投げつけた。
「Tempestas!!」
響いた声に呼応するように、投擲された石が緑色の光を放つ。
直後、石を中心にして突風が巻き起こった。
「「「「くーーー!?」」」」
「うわっ!?何…!?」
「な、なんかあの人の投げた石が光って……それで、風が……!」
巻き起こる風に、
クロモンは吹き飛ばされ。
少女たちは驚きながらも飛ばされぬよう身を屈め、
馬とその上の何者かは、まるで動じていなかった。
まるで、
風が止む。
先程まで鳴り響いていたクロモンの声は、突風と共に吹き飛びすっかり消えてしまっていた。
「ふう。……ま、こんなもんか。
そっちのお二人さん、大丈夫?」
「えっと、まあ……一応?」
「その、ありがとうございます!
あの、貴方は……」
「……んー?なんかお姉さん達どっかで……
まあいいか、僕の名前だっけ?」
ひょい、と鞍から降りて着地したのは。
およそ十数歳程の
「僕はスペクトル。
どうぞ遠慮なく『クトル』、って呼んでくださいな」
2つ目の星は、すぐ近くに。