こうして怪物を誑かした魔女は倒され島に平和なりました
テロップとともに映画のエンディングクレジットが流れる。
ちいかわとハチワレとうさぎは最近話題の映画を見ていた。
「なんだか怖かったけど面白かった」
「うん」
「ウナ」
3人は和気あいあいと話しているとふとハチワレは思い出した。
「そういえばあの怪物…………セイレーンに似ていたような…………」
「んっ?」
「プルャハ」
映画の悪役が前に島で戦ったセイレーンと似ていたのだ。
「あのセイレーン今頃どうしているんだろうね………」
ハチワレが呑気に話すと古本屋を見かける。
比較的新しめな絵本を読んでいた一枚一枚パラパラとめくる
「古本屋さん」
古本屋は手を振る。
「なによんでるの?」
「んっ」
古本屋が持っていた青い絵本どうやら古本屋さんのおすすめの絵本らしいタイトルは嫉妬の魔女と海の魔物。
「えっこれあの映画の元ネタってこと?」
「えっ?」
「フゥーン」
古本屋は3人に読み聞かせる。
——
昔々
海辺の近くに魔女が住んでいました魔女は嫌われずっと1人でしたがある日、海の魔物がやってきてずっと1人だった魔女はその魔物達を家族に迎え入れました。毎日毎日楽しく過ごしましたがある日、魔物達を殺そうとする1人の若者が現れ、魔女はその若者を殺害しました。
魔女は大切な魔物たちを守りたかったからです。
そして魔女は若者がすむ村の住人に捕らえられ火炙りにされました。
海の魔物は魔女を失った悲しみからこの島に棘がある蔦で覆い 毒草しか生えないように呪いをかけました。
そして海の魔物はその島から姿を消しもう二度と戻りませんでした。
——
パタンと絵本を閉じるとハチワレは魔女に同情していました。
「楽しく暮らしていたのにかわいそうだよ」
「うん…………」
ちいかわはハチワレを慰めました。
うさぎは相変わらずフゥーンとした表情で絵本を見ていました。
そこに湧きどころから湧いてきたあんぱんを食べていたモモンガ。
「ふーんでもそうしたら当然かもな 」
ちいかわはきっと睨みました。
「つまらないんだよ!もっと面白い話を読み聞かせろ」
モモンガは古本屋に迫る。
「仲良いね」
ハチワレは相変わらずケラケラと笑っていた。
————————————
その夜 ちいかわはあの絵本の内容が頭に入って眠れなかった。
「…………」
魔女は海の魔物にどんな気持ちを向けていたんだろうと…………
誰も知らない昔の出来事だけどその記憶は残っている。
同時 海を泳いでいる。セイレーンと人魚達
その場所にはハイビスカスが大量に咲いていた。
ハイビスカスの花はよくあの子が自分にプレゼントしてくれたもの、ふと思い出してしまうあの子のことを
「………………」
セイレーンは月の光に照らされつつなぜか泣いていた。