仕事が繁忙期に入った所為で、全く執筆する時間が取れませなんだ。
なんとか乗り越える事が出来たので、再度書いていきたいと思います。
お暇なら見ておくんなさい。
「先ほどは失礼しました。それでオーブに掛けた迷惑の数々、どのように弁明されるのでしょうか。──キラ・ヤマト様、そしてアークエンジェルの皆様?」
穏やかな微笑を浮かべ、そう問いかけるサクヤにアークエンジェルの面々は息を呑む。
相手はテロリスト認定をした張本人、好意的に見られていないとは理解していた。
それでも心の何処かでは『カガリの身内だから』と期待する部分もあったのだ。
しかし、それも彼女の第一声によって否である事を突きつけられてしまった。
「迷惑を掛けた事は悪いと思っている。でも、それはカガリを助ける為にやったものなんだ」
「だから私達にはオーブに敵対する意思はないんです!」
キラに続いてマリューもまた、画面の向こうで微笑を崩さないサクヤへ向けて訴える。
それを聞いたサクヤは目を閉じると深く息をついた。
「キラ・ヤマト様、そしてアークエンジェルクルーの皆様。私個人は貴方方には感謝しています。2年前に我が国を護るべく戦ってくださったこと、殲滅戦争と化した前大戦を止めようと奮戦してくださったこと。皆様の活躍が無ければ、オーブはとうに滅び去っていたかもしれません」
そしてゆっくりと目を開くと、彼女はモニターの先に映るキラ達をまっすぐ見据える
「ですが、今の私は公人です。私が優先すべきは国民の生命と財産を護る事。その為にはオーブが真っ当な法治国家である事を国外へ示し、犯した罪には相応の罰を下せる事を証明しなければなりません」
「犯した…罪?」
「はい。貴方はフリーダムを駆り、セイラン家との結婚式に乱入。花嫁だった姉を攫いました。これは国家慶事への武力による介入及び国家元首の拉致という国家反逆罪に相当する行いです」
「それは……」
「先ほど貴方が言った通り、姉の事を思っての行動なのはこちらも理解しています。だからといって、罪の所在を曖昧に処理してしまっては我が国は法治国家たる資格を喪う事になる。故に手心を加えるわけには参りません」
キラが言葉を紡ぐよりも先に、サクヤは彼の告げようとした言い訳をバッサリと切り捨てる。
キラはもとより多弁な方ではない。
カガリを思っての事と相手が理解したうえで裁くと断ぜられては、これ以上言える言葉はない。
そんなキラに代わって口を開いたのは副長席に座るバルトフェルドだ。
「なるほど、君の言う事は正論だ。だがね、それは本当に君の言葉かな?」
「と言いますと?」
「君の後ろにセイラン家がいて、言わされているんじゃ……」
「──アンドリュー・バルトフェルド。貴様、我を愚弄するか?」
笑みが消えて能面のようになったサクヤが呟いた一言、それにバルトフェルドは思わず口をつぐんだ。
怒鳴り声でもない、内容も脅迫や恫喝には程遠い。
それでも感じるのは胃の奥がキュッと搾り上げられ、ひれ伏したくなる衝動。
今まで感じたことが無い居心地の悪い感覚は、かつて砂漠の虎と言われた猛将の言葉すら封じ込めた。
経験のない彼等が知る由もないが、これこそは王が放つ威圧。
サクヤが母から受け継いだ皇統の為せる業、その発露であった。
「失礼。私はセイラン家の傀儡にはなっていません。代行の地位も五大氏族三家と、上下院に在籍する民選議員の皆様からの推挙を受けて座しております」
アークエンジェルクルーの顔色が変わった事を見て取ったサクヤは、再び薄く微笑を浮かべながら答える。
彼女の背後に控える行政官達が頷く様を見れば、その言葉が偽りでない事は明白だ。
「さて、本題のテロリスト認定ですが、これも皆様が犯した罪への正当な評価です」
「そんな!?」
サクヤの言葉に思わず声を上げたのは総舵手のアーノルド・ノイマン。
しかし彼の言葉はアークエンジェルクルーの心を代弁していた。
白亜の船に集まった者達は全て、戦争に向かう今の世の中を何とか食い止めようと集まった有志なのだ。
2年前に起こった凄惨な殲滅合戦を最前線で目の当たりにした事もあり、己の行動を否定的に見られる事は納得がいかなかった。
「自覚が薄いようなので説明しましょう。法務長官様、お願いできますか?」
「はい」
サクヤに促されて一歩前に出たのは、アッシュグレーの髪を後ろに撫で上げた厳格そうな老紳士だ。
「皆様は自身の行いが如何なる影響を与えるか、よくわかっていないご様子です。なので、繰り返しになりますがカガリ・ユラ・アスハ代表の拉致から説明しましょう。まず、五大氏族であるアスハ家とセイラン家との婚儀の最中に花嫁、それも国家元首を拉致された事でオーブの国際的な面目は完全に潰れました。これはオーブと言う国家の主権侵害にも該当します」
「それは、さっきも言ったようにカガリさんを護るためで……!」
法務長官の宣告に何とか反論を挟もうとするマリュー。
「姉は貴方
「それは……」
サクヤの問いかけに言葉を詰まらせるキラ。
アークエンジェルに辿り着いた直後に怒りの鉄拳を食らった身としては、そこを突かれると反論のしようがない。
「ちょっと待ってくれ。カガリがオーブに戻っているのなら、代行などいらないんじゃないか?」
そんなキラに代わって口を開いたのはアンドリュー・バルトフェルドだった。
サクヤはバルトフェルドの言葉を受けて、袖から取り出した鉄扇を広げて己が口元を隠す。
「姉なら静養しています。貴方方の手から逃れた後、オーブへの帰路の最中にでМSが海へ墜落。そして流れ着いた無人島で数日サバイバル生活を送ったそうです。自作のイカダでヤラファス島へ上陸し、ここへ辿り着いた時には酷い有様でした。──姉の苦難はそちらが原因で被ったこと。これに付いては国家代表ではなく、一人の妹として許すつもりはありません」
「それが事実だという証拠は?」
バルトフェルドの追及にサクヤは端末を操作する。
「ひっ!?」
すると通信画面の脇にサブモニターが現れたのだが、そこに映ったものにブリッジの女性陣は思わず悲鳴を上げる
「これが姉の診断書、そして体内から摘出された寄生虫です。この他にも住血吸虫やマラリア原虫など、姉の体内には未だ目に見えないモノが多く潜んでいます。故に体力回復の静養と治療が必要なのです。──これで満足ですか?」
通信越しに絶対零度の視線を受けてバルトフェルドは口をつぐむ。
「続けてよろしいですかな? 君達が乱入した結婚式は国家を挙げた慶事です。そんな晴れ舞台で国家元首を護れぬ国など、他国から脆弱と見られるのは当然でしょう。そしてオーブは中立国。その立場を守るには外交の輪の他に、争っても割に合わないと思わせる威が必要となります。貴方方の行いはオーブと言う国の在り方を大きく揺るがす大罪なのです」
法務長官の渋いバリトンで冷徹に告げられる己の行いが齎すモノ。
カガリがブリッジにいてくれたなら、何かしら返す言葉があったかもしれない。
しかし当の本人が手を振り払った以上、キラ達に返す言葉はない。
「最後に代行が先に説明した国家反逆罪。首長たちの承認を得た公式な結婚式の最中にモビルスーツで式場を襲撃し、国家元首を力ずくで連れ去る行為はオーブの国家主権および最高権力を武力で侵害する暴挙です。これは組織的なクーデターやテロ行為と同義であり、法的には国家反逆の最たるものに分類されます」
そこまで告げた法務長官に続いて、折りたたんだ鉄扇を袖に収めたサクヤが口を開く。
「以上の理由から、我々オーブ連邦首長国はアークエンジェル一味をテロリストと認定しました。ご理解いただけましたか?」
サクヤの問いかけにキラ達は沈黙する。
「さらに言えば、ダータルネス沖で起こした大西洋連邦とザフトの戦場への武力介入。あれも重大な国際法違反よ」
そんな彼等に冷たい視線を送りながら、続いて口を開いたのはミヤビだ。
こちらの方が自覚があるのだろう、キラはモニターから目を伏せる。
「国際法において、国家の軍艦ではない私船、または軍籍を剥奪・離脱した不法船舶が公海上で他国の船舶に対して暴行や略奪を行うことは『海賊行為』と定義されるわ。また、正規の戦闘員資格や交戦者資格を持たぬ者が武力を行使することは、国際人道法上、正当な戦闘行為とは認められない。最悪の場合は非合法戦闘員、すなわちテロリストとして扱われることになるわね」
「つまり、オーブだけに撤回を要請しても無駄だと?」
「そうなるわ。仮にこちらが取り消しても、被害を受けた大西洋連邦とプラントが黙っている筈がないもの。そして貴方達は件の二国とは因縁浅からぬ関係、彼等が手心を加える事はないでしょうね」
苦虫を嚙み潰すマリューの言葉にミヤビは頷く。
「さらに言えば、仮に我々がテロリスト認定を解除した場合、オーブはテロ支援国家として被害者である大西洋連邦やプラントはもちろん、周りの国々からも白眼視は免れません。そうなれば全ての国から国交を断たれ、大西洋連邦とザフトを相手取った二面戦争を強要された末に滅び去る事になるでしょう」
「オーブが、そんな……」
「私としては皆様へ自首をすることをお勧めします。プラントも大西洋連邦も、戦争に嘴を突っ込んだアークエンジェルを目障りと思っています。彼等が一時的に手を組んで皆様を排除しようとすれば、単艦とМS一機しか戦力の無いそちらに勝ち目は無いでしょう。そうして無為に命を散らすよりも、生きて罪を償う方が有意義と存じます」
呆然と呟くキラにサクヤは微笑を崩す事無く返す。
その眼差しにはアークエンジェルクルーへの憐憫も同情もない。
彼女は彼等がこの重い刑罰を受けるのが当然と考えているのだ。
オーブ首相官邸室とアークエンジェルブリッジ、通信越しに繋がった二つの空間に重苦しい空気が漂う。
たとえ国際法上がそうだったとしても、アークエンジェル側からすれば良かれと思って取った行動を断罪されたのだ。
当然納得が行くはずがない。
「……けんなよ」
故に感情を爆発させる者が現れるのも自明の理であった。
「ふざけんな! 俺達は世界の為に頑張ってんだぞ! ナチュラルとコーディネーターが互いに殺し合えば、2年前みたいに双方が全滅するまでエスカレートするんだ!! それを止めるためには火種の小さい今しかチャンスがない!! 俺達の行いは正義の為の戦いなんだ!!」
感情のままに怒声を上げたのはダリダ・ローラハ・チャンドラII世だった。
その叫びを聞いたサクヤの視線が鋭さを増す。
「戯言を。正義の為の戦いなど、この世には存在しません。戦いの本質は醜い殺し合い、それに参加する者は例外なく悪鬼なのです」
その氷のような冷たい声音に場の空気は再び凍った。
◆
皆様、ご無沙汰しております。
テロリストへの対応に四苦八苦なサクヤです。
さて、私が画面の向こうにいるメガネを掛けたオペレーターの言葉を聞き咎めたのには理由があります。
あれは私が5歳の時でした。
母に呼ばれて部屋へ行った私は将来の為と称してある物語を見せられました。
いえ、正確に言えば古い…そうコズミックイラ以前の西暦に、母の故国である日本で生み出されたゲームを共にプレイしたのです。
その作品の名は『装甲悪鬼村正』。
母の家系は故国の様々な文化的遺産を保管していたらしく、彼のゲームもその一つだったそうです。
件の『村正』ですが、今思い出しても途轍もないお話でした。
正義とは? 悪とは? 戦うという事とは? 殺人とは? そして武とは何たるか?
あの作品はそういった物の内面を、裏側を、時に醜悪さを見せつけてきました。
もちろん、あの作品が真理ではない事は百も承知しています。
それでも彼の作品が描く穿った見方は、いずれ権力に関わる者としての教訓となりました。
曰く『権力者たる者、正義に酔うてはならない』
曰く『独善に浸るは醜悪である』
曰く『如何に美辞麗句を飾ろうと戦いは正義と正義の殴り合いであり、その本質が醜い殺し合いである事を忘れてはならない』
曰く『生命とは善と悪を諸共に宿すモノ、己が悪と断じて刃に掛けた敵もまた誰かにとっての善である』
曰く『故に相手を討つという事はその者の悪と同時に善を、正義を殺すこと。それこそが善悪相殺』
曰く『他人の正義を潰しておいて己が正義を謳うなど卑怯の極み、それ故に人を殺すならば己の正義を滅ぼす事を覚悟せねばならない』
何より恐ろしかったのは国家を担う者は
それは物語の主人公が、正義を志した少女が何よりも下劣と唾棄した行い。
戦いの本質が醜い殺し合いである事を覆い隠し、正義の名のもとに戦いに次ぐ戦いを呼ぶ混沌たる騒乱を
母は言いました。
『これに書かれている事全てが真理ではない。だが、一つの見方である事には違いない。国家元首の役目は国と民を護る事、それは奇麗事だけでは立ち行かぬ。さりとて己の行いに潜む腐臭を忘れれば、その者は権力と言う毒酒に溺れた暗君に堕ちよう。サクヤ、心せよ。時至らば其方の判断は多くの命を消し、また多くの命を救う。それは国家元首ならば当然のこと。その罪科からは逃れられぬ、その功績に驕る事は許されぬ。お前は身の内より生まれ落ちた悪鬼たる己を飼いならし、護国の礎となるのです』
当時の私は頭に詰め込まれた重すぎる情報に泣き喚くしかできませんでした。
しかし二度国を背負う事になった今なら分かります。
正義は独善に陥りやすいモノ。
そして力を持つ者が独善に溺れれば、そこには悲劇しか生まれません。
先ほどメガネのオペレーターが吐いた『正義の戦い』という言葉、これは彼等の正義が独善へ転ずる予兆とみてよいでしょう。
「失礼。先ほどの発言は気にしないでください」
ですが、私はここで会話を打ち切りました。
ここで彼等に私の考えを説くのは容易い。
彼等がそれにどのような感想を抱くかは分かりませんが、独善というモノへの楔を打ち込めると自負しております。
しかし、あの物語から得た思想もまた偏った見方である事も事実。
それを押し付けるのもまた独善でしょう。
「ところで、皆様はどうして武力介入など仕出かしたのですか?」
話題を変えるべく私は疑問に思っていた事をアークエンジェルのクルーへ問いかけます。
ある程度予測は付いていますが、この手の事は本人の口から聞いた方が間違いがなくて良いでしょう。
「それは…僕達は破滅に向かう世界を救いたかったんだ」
しかしヤマト氏から返ってきた答えは要領を得ないものでした。
いえ、二年前の第二次ヤキンドゥーエ戦を考えれば、彼の言いたい事が全く分からないわけではありません。
「つまり、かつてのヤキンドゥーエ戦のような互いに戦略兵器を撃ち合うような殲滅戦争に発展する前に、戦争を止めようとしたという事でしょうか?」
「うん」
私がなんとか必要な部分を補って言葉にすると、ヤマト氏は我が意を得たりと頷きます。
そんな彼の様子に、私の背後でため息を漏らしたのはアマギ一尉を始めとする軍人さん達でしょう。
「なるほど。ですが、実際のところ皆さんの行動は逆効果になってしまっています。そもそも、戦争は外交における手段の一つ。停戦や休戦を決めるのはプラントの最高評議会議長や大西洋連邦の大統領なのです。なので、どれだけ現地で暴れて両軍に被害を与えたところで戦争が止まる事はありません」
「で、でもヤキンドゥーエの時はそれで戦争が止まったんだ!」
「あの時は極めて特殊な状況だったからですね。プラントの最高評議会議長のパトリック・ザラが前線に出て共に果てた事、そして両軍が総力戦の末に戦えないまでに疲弊した事。それ等が偶発的に合わさった結果、両軍が停戦に同意したのです。そうでないなら、第三勢力による武力介入で戦争が止まる事などあり得ません」
やはり、彼等を突き動かしていたのは前大戦での成功体験でしたか。
というか、何故後ろにいる大人達はヤマト氏を止めなかったのでしょうか?
正直な話、この程度の事は軍人であるラミアス艦長やバルトフェルド氏は知っていると思うのですが。
「そんな……だったら、僕はどうしたらこの戦争を止める事が……」
こちらが告げたことがよほどショックだったのでしょう。
ヤマト氏は呆然とした表情でブツブツと呟いています。
細かに揺れる紫紺の瞳を見れば、彼が尋常な精神状態でない事は容易く知る事が出来ました。
「お待ちください、サクヤ代表代行」
そんなヤマト氏の様子を見ていると、通信担当の席に座っている桃色の髪の女性が声をあげました。
彼女が誰かと問われれば、その全てが『ラクス・クライン』と答えるっでしょう。
「何か御用でしょうか? ラクス・クラインに似たお方」
「私はラクス・クラインです」
私はその容姿を揶揄して言葉を返すと、彼女は毅然とした様子で胸を張ります。
なるほど、2年前の三隻同盟という勢力を考えれば彼女こそが本当のラクス・クラインなのでしょう。
それを踏まえると、姉様がフリーダムに拉致される数日前にアカツキ島で起こったとされる正体不明の勢力による戦闘も、下手人が誰か見えてきます。
「これは異な事を。ラクス・クラインなら、今は議長と共に地球へ降り立ちザフト兵達を鼓舞しているではありませんか」
「あれはデュランダル議長が用意した私の偽物です。本当のラクス・クラインは私ですわ」
画面の向こうで告げる彼女の言葉、それは恐らく真実なのでしょう。
「いいえ、本物はプラントにいるラクス・クラインです。何故なら彼女は護国の為に必死で兵を鼓舞しています。国の為に身を粉にして働く彼女が、
「それは彼女がデュランダル議長の傀儡となっているからです。彼の野望に加担するなど、決して正しい事ではありません」
「貴女が何を以て不正と断じているかは存じませんが、私は彼女の行動には何一つ
「それは……」
私の問いかけにラクス・クラインは苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべます。
「2年前にプラントに反旗を翻し、当時の政府から国家反逆者として指名手配されていたからですか? それがどうしたというのです。貴女は破滅に向かう国を
「待ってちょうだい! 貴方の言っている事は、ラクスさんに死ねと言っているのと同じなのよ!」
黙り込むラクス・クラインに代わって、ラミアス艦長が声をあげます。
「そう言っているのです。我々は民の税によって育てられた身。ならばこそ、その命は国と民の為にある。故に祖国に反旗を翻してその行いを糺したのならば、首を差し出して反逆の責任を取るのが筋でしょう」
私が当然のことを返せば、アークエンジェルのクルーたちは信じられないといった風な視線を返してきます。
ふむ、何処かおかしな所があったでしょうか?
「とはいえ、我等と同じ境遇の者全てに覚悟があるなど私も思っていません。怖気づく者もいれば、自由を求めて家を飛び出す者もいるでしょう。ですが、その場合は己の全てを捨て去って、何者でもない一個の人間として再出発すべきです。己の責務を放り出して逃げ出した者が、覚悟を以て他者の皮を被った者が現れた途端に本物と名乗るなど卑劣の極みではないですか」
うつむいて何も言わなくなったラクス・クラインに私は小さく息を吐きます。
「それでもなお貴女が本物だと主張するのなら、己の責務を果たしなさい。祖国に帰り、国からの沙汰を受け入れるのです。そうすれば、今貴女の代役を務める女性もラクス・クラインという役を脱ぎ捨てて本当の自分に戻れるでしょう」
やれやれ、少し言葉が過ぎましたね。
ここまで言うつもりはなかったのですが。
「貴方方の要件に対するオーブの答えは以上です。これ以降、アークエンジェル及びフリーダムが我が国へ近づくことは許しません。これを破った際には討ち滅ぼされる事を覚悟なさい」
私はそう告げると首長の直通回線を切りました。
姉様はアークエンジェルのクルーとキラ・ヤマトをオーブの重大な戦力と見込んでいたようですが、今の国際情勢を考えれば彼等を抱え込むのは破滅への一本道です。
オーブが超えるべき難局はこれからもまだまだ続きそうです。
先ずは二度と国を焼かせない為の対策を練るべきですね。
・サクヤ ラクスとの問答で筋は通っているような事を言っていたが、圧倒的に狂っているのはこの娘の方。
人質・トカゲのしっぽ・政略結婚・孕み胎・国の為ならなんでもドンと来いな覚悟ガンギマリ過ぎて逆に危ない11歳。
カガリが妹を幽閉していたのは、2年前の切腹で必要とあらば爆速で自分の命を投げだす性格が分かったから。
母親のスパルタ教育の一端である『装甲悪鬼村正』は未だに心の中に焼き付いている。
なので某イカレ劔冑を思い出すので合体ロボは苦手。
また、好みのタイプは今川雷蝶閣下。
本当にいたら、政治は自分がやって閣下には戦に専念してもらうくらいの内助の功は示すつもり。