石の世界で農業チートしてたら比べ物にならん程のチートがワラワラ湧いてきた件 作:史上最強のラーメン
相変わらず農業チート感がねぇ...
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あれから、携帯製作は中々順調に進んでいる。千空がギアを作ってわたあめ機を半機械化したり、クロムとカセキが水車を開発して千空を驚かせたりと今の所滞りは無い。
「おう千空!科学じゃまだまだ勝てねぇがな、探索なら俺のが何百億枚も上手だぜ!ケータイ作りのロードマップ、例によって足りねぇ素材があんだろ!?」
「足りない素材はねぇ!」
「ねぇのかよ!!」
「まぁ、強いていうなら硫酸の量が足りてねぇな」
入手に危険が伴う硫酸だが、科学クラフトにおいてはなにかと入り用になるらしく、残量が少なくなっているとのことだ。
「なら前みたいにガスマスクつけて採りに行けばいいだけの話じゃねーかよ!」
「ちょっと待ってクロム。また千空やクロムに行ってもらうのはな...誰かに負担が集中するのは良くない」
変えの効かない人材である千空達には、なるべく危険な作業に従事して欲しく無いというのがスイショウの本音だった。
「じゃあスイカが行くんだよ!」
「危ないからダメゼッタイ」
「スイカもみんなのお役に立ちたいんだよ!」
「ダーメ!それにもう充分お役に立ってくれてるって」
スイカに行かせるのは論外だ。スイカはまだ幼い。あまり危険な作業に従事させるのはスイショウの心が痛む。心配で仕方ないのだ。
「ガスマスクを背負わなきゃならねぇし、大量の硫酸を運ぶのはアホほど重労働だ。スイカ、テメーの気持ちはおありがてぇが向き不向きっつうもんがある。スイカにゃ別の作業でお役に立っていただく予定だから、今回は我慢しやがれ」
「うぅ、分かったんだよ」
千空の説得にスイカは渋々納得してくれたようだ。千空は一見ぶっきらぼうな性格に見えるが、その実人のことをよく見ていて、言動は割と配慮に溢れている。だからスイカも千空によく懐いているし、スイショウが説得するよりも効果があるのだろう。
「なら男かコハクみてーなゴリラ女が行くしかねぇってことだな!」
「ゴリラとは誰のことだクロム?」
「さーせんした」
相変わらず命知らずなクロムは、いつものようにコハクを怒らせ、見事な土下座を披露していた。
そんな姿を横目に見ながら、スイショウは提案をする。
「じゃあ村人達から硫酸採取に行ってくれる人を募集しよう」
「ジーマーに危険な作業よ?中々人手は集まらなさそうじゃない?」
ゲンの疑問は最もだ。硫酸採取はミスをすれば死亡する可能性の高い危険な作業である。率先して志願する者はいないだろうし、無理矢理人員を決定するというのも村人は不満を覚えるだろう。
「そうだな。ならあれを作るしかない」
「あれってなんなんだよ?」
スイカの疑問に、スイショウはニヤリと口元を歪めた。スイショウが村長になってから作ろうと考えていたものの一つ、今がその前身を作る好機である。
「このストーンワールドに労災保険を作る!」
スイショウはこの場にいる全員に向けて、堂々と宣言した。
「ロウサイホケンってなんだ?」
「労災保険とは簡単に言うと、誰かが仕事中に怪我をした時のために皆んなで予め少しずつ財産を出し合って、怪我をした人を支えようっていう仕組みだね」
未知の言葉に疑問を呈するクロムやコハク達に向けて、スイショウはシステム簡単な説明をする。
「怪我人が出たら皆んなで支えるっつーことか?怪我した場合の心配が軽減されっから、危険な作業にも集中できて作業効率爆上げじゃねぇか!」
「なんだ、めっぽう良い仕組みじゃないか!」
「いやクロムお前、少し説明しただけで理解しすぎだろ!!」
保険システムの有用性に関してはまだ説明していないのに、労働生産性の向上というメリットまで考え至るとは。
相変わらずクロムは、新しい物事への理解が恐ろしいほどに速かった。
「いやいやスイショウちゃん、財産を出し合うって言うけど一体どうするの?この村に通貨なんてないでしょ?」
「そう、問題はそこなんだな。通貨の代わりになるものと言えば食料とかが思いつくんだけど、この村では食料なんかの物資は基本村長が管理と分配をしてるんだよね。だから保険料の支払いもクソもないと言うか」
大々的に労災を作ると宣言したスイショウだったが、特に保険料に関してはこれといった代案が無かった。通貨の存在しないこの村では保険料の代わりとなるものが思いつかず、かといって通貨を発行するのもこの50人程度の村ではメリットが無い。
しかし、この場には科学以外にも深い造詣を持つ男がいる。
「ククク、んなもん簡単な話じゃねーか。危険な労働それ自体を保険料の代わりにすればいい」
1人で考えつかないのならば、他の者を頼ればいいのだ。
「なるほど...!つまり、硫酸採取というリスクに対して報酬を弾むのは勿論、怪我をした場合や死亡した場合の遺族の生活保障を行うということか?」
「あぁ。そうすりゃあ被災労働者とその遺族の福祉の向上っつう労災法の目的とも100億%合致する」
「でもそれって保険っていうの?若干違うシステムになっちゃってる気もするけど」
「いんや、そうでもねぇ。保険システムの根幹はリスクの分散と相互扶助の精神だ。危険作業に従事するっつうリスクを負う人間を、村人達の日々の労働の成果で支える。アホほど立派な保険じゃねぇか」
「だね。村長が危険な作業に赴く労働者を手厚く保護すると公言するんだ。そうすれば、利益を求めて硫酸採取に行ってくれる人は出てくるはず」
早速スイショウは、千空やゲンに細かい言葉の使い方のアドバイスを貰いながら、労災保険法の草案を書きはじめた。
「労災ができんなら、クロムの鉱石採掘作業も適用対象になんな」
「マジか!でもなんでだ?別に硫酸採取ほど危険な作業じゃねーぞ?」
「鉱石の採掘などの坑内労働は崩落の危険があり死亡のリスクが高い。しかも、鉱石掘削時に粉じんが肺に入って健康障害を生じる可能性も高い。つまり、危なすぎるから保障を手厚くしようってことだね」
「実際3700年前の法律でも鉱夫は手厚く保護されてやがったからな」
「そう。だから過去に何度か言ってるけど、作業する時は絶対に何枚かの布で口と鼻を覆ってね」
「あれそんなにヤベー作業だったのか...俺の身体大丈夫か?」
「そんな長いこと洞窟の中にいないし大丈夫なんじゃない?いつか健康診断をやれるようにするから、その時に確認しよう」
今後、大規模な科学クラフトを行うなら怪我人は必ず出る。
スイショウは、いずれ石化復活液を自由に作れるようになったら、3700年前の医者を何人か優先的に復活させるように千空に進言する予定だった。
「その単語は何度も書くと冗長になっちゃうから、省略できるようにしといた方がいいんじゃない?」
「なるほどな〜!流石はメンタリスト、俺と同じ文系。俺は文系であることに誇りを持っているけど、やっぱりこの村は理系脳が多めだから肩身狭いんだよね」
「みんな宇宙飛行士の末裔だもんね〜。スイショウちゃんは前世に法律関係の仕事でもしてそうよね。その辺の記憶はないの?」
「残念ながら無いなぁ」
そして数時間後、ついに労災保険法の清書が完成した。
「よしできた!これがストーンワールド初の労働法だ!」
・本法律は、生命又は身体に悪影響を及ぼす危険性の高い作業(以下『危険作業』という)に従事する者(以下『危険作業従事者』という)とその親族の福祉の向上を図ることを目的とする。
・本法律の適用対象となる親族の範囲は、配偶者、実子及び実親とする。
・危険作業とは、生命または身体に重大な危険を伴う作業をいい、硫酸の採取、鉱石の採掘その他村長が指定する作業を含む。
・危険作業従事者には、次の優遇を与える
1. 通常の食料配給に加え、相当量を増配する。
2. 趣向品の配給において優先権を有する。
3. 優遇の程度は、危険作業の頻度および危険度に応じて村長が定める。
・危険作業従事者が作業中に負傷した場合、村長は次の措置を講じる。
1. 必要な医療を提供する。
2. 負傷の程度に応じ、一定期間の労働を免除し、または軽易な労働に転換させる。
3. 負傷により労働能力が著しく低下した場合は、長期にわたり食料配給を維持し、または増配する。
・危険作業従事者が作業中に死亡した場合、その親族に対し、相当期間の食料および住居に関する保障を行う。保障の内容および期間は、村長が状況に応じて定める。
・本法律に基づく配給および保障に必要な資源は、村長が管理する村の備蓄から優先的に充てる。
(以下省略)
「ククク、原始の村が一気に現代の法治国家みたくなってきたじゃねーか...!」
「漢字ばっかりでスイカにはまだ読めないんだよ」
「大丈夫。いつか教えるからゆっくり覚えていこうな」
「ジーマーでガチすぎる法律できちゃったよ!」
「いや全然ガチじゃない。通勤災害に関する規定すら無いし」
「めちゃくちゃストイックなのね!」
まだまだ必要な条文はあるが、ひとまずこれでいいだろう。
「食料の増給量や障害の程度と等級をより具体的に決めた方がいいんじゃねえか?その辺ちゃんと決めておかねぇと後々100億%揉めんぞ」
「確かに!考えることめっちゃ多いなぁ」
全然これでよくなかった。まだ書き足しが必要のようだ。
「それは仕方ねぇ。法律の遡及適用はできるだけしねぇ方がいい。アホほど事細かに内容を考えてから施行した方が無駄な争いは避けられるっつうもんだ」
「千空ちゃん法律関係にも詳しいのね...知識の幅バイヤーすぎでしょ」
「ほんとね。理系も文系も完璧とかどうなってるんだよおかしいだろ」
そして数時間後、スイショウは村人を集めて労災保険法を口頭で説明した。詳しい説明をした後に、分かりやすく要約して話をした。
やはり危険を伴う作業であるため、中々志願者は集まらなかったが、最終的に2人の男が手を挙げてくれた。彼らは怪我一つなく無事に硫酸を持ち帰り、村に莫大な利益をもたらしたのだった。
〜〜〜
村に労災保険法が出来てから数日経った頃、千空とクロムとマグマの3人組でタングステンという、携帯作りに必須の鉱石を採りに行くことになった。
マグマはまだ千空が村の中枢にいることを認めていない節があるため、千空が洞窟で襲われないか心配だったが、無事大量のタングステンの採掘に成功し村に戻ってきた。
その日からマグマは変わった。洞窟でなにかあったのだろう。千空の科学クラフトに自ら協力するようになったのだ。
「マグマ、随分千空と仲良くなったみたいだな」
そんなマグマにスイショウは声をかけた。村長になってからマグマと顔を合わせる機会は少なかったが、スイショウは一度彼と腹を割って話しておきたかったのだ。
「ケッ、司とかいう奴をぶっ倒すまで手ェ貸してやってるだけだ」
言葉はいつも通りだが、心なしか以前よりも雰囲気が丸くなっているような気がする。
「マグマ、すまなかったな」
「あ゛ぁ?なんだいきなり」
「前に千空が橋を壊した時、お前が出て行こうとしたの無理矢理止めただろ?あれは村を守ろうとしたお前が正しかった。だけど俺は自分の利益のためにそれを妨害した。自分勝手な行いだった、ごめん」
スイショウは、マグマに頭を下げて謝罪の言葉を口にした。
どういう意図があれ、あの時の行動は村を守るという意味ではマグマの方が正しかったのだ。遅れてしまったが、スイショウはいつかは謝りたいと考えていた。
「長が軽々しく頭下げてんじゃねぇよ。舐められちまうだろうが」
「いーや、謝るね。悪いことをしたらちゃんと謝る。良いことをしたら褒められる。一見当たり前なことが実は凄く難しいんだけど、俺は、それが当たり前にできる村を作っていきたいんだ!」
仮にどんなに良い法律を作って統治をしようとしても、統治者が誠実でなければ民は法を守る必要がないと感じてしまい、村の規律は乱れてしまうだろう。そのような考えもあり、スイショウは過去の過ちを認めて誠心誠意頭を下げる。
「...スイショウ、俺にはテメーのようにどんな村を作りたいっつう理想もねぇ」
その言葉を聞いたマグマは、以前よりも澄んだ瞳をスイショウに向けて、そう呟いた。
「食料を増やすことも新しいルールを考えることもできねぇ!」
「そうか」
「だから今はテメーが長だと認めてやる!だがな、いつかは俺が長になってやる!俺が長になるまでに、せいぜい村を豊かにしときやがれ!!!」
本当にマグマになにがあったのだろうか。激しい言葉だが、以前程の怒気を感じない。
だが、スイショウとしてもマグマとの仲を良好に保てる方が都合が良かった。マグマは戦闘力こそコハクに劣るが、村一番の力自慢のため、労働力として極めて有用な男なのだ。
「...そっか。なら俺もマグマのこと、めっちゃこき使ってやるから覚悟しとけよ!手始めに、まずはゲンに謝りに行くぞ!お前がゲンを殺そうとしたの知ってるんだからな!」
「あ゛ぁ!?んなダセェことする訳ねぇだろ!」
「いいからほら、行くよ!俺も一緒に頭を下げてあげるから!」
「テメーは俺の母ちゃんか!」
「母ちゃんじゃない!俺はこの村で一番偉い村長様だ!」
「長になって調子乗りまくりじゃねぇかこのクソチビが!もっと賢いガキだと思ってたわ!」
その後、スイショウは苦労しながらもマグマをゲンの下へ連れていき、無理矢理だが頭を下げさせることに成功するのだった。
通貨もないし、村人の数も少ないですが、一応保険として成立しているはず。
労災保険は憲法の時と同じく、文章にしたものをコクヨウに預かってもらって、識字率が上がったら読んでもらえるようにしています。
法律系の話になると、石神村組を会話に混ぜるのが難しくなるなぁ
日常回はこの辺で、次くらいから司帝国と戦うところにいくと思います。
料理シーンはかなり長いですが、今後も描写してもよろしいでしょうか?
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YES
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NO