石の世界で農業チートしてたら比べ物にならん程のチートがワラワラ湧いてきた件 作:史上最強のラーメン
大砲の爆音と共に仕掛けた20秒の電撃戦は見事に成功し、奇跡の洞窟を警備していた司帝国の戦闘員全員を拘束することができた。
「うおおお!ついに取り戻したぞー!奇跡の水だー!!!」
奇跡の洞窟に置かれていた、硝酸の入った土器を高らかに掲げながら大樹が大きな声で叫ぷ。
一方で、洞窟の外では科学王国によるダメ押しの作戦が進行中だった。
「なんだこのめちゃくちゃ美味そうな匂い……まさか、これは醤油か!?醤油の匂いがするぞ!?」
懐かしい香りに拘束された者達───捕虜達の視線が匂いの発生源に集まる。
「あ、あれはハンバーガーだ!このストーンワールドでどうなってんだ!?」
「あいつら戦場でバーベキューしてやがる!!イカれてんのか!?」
彼等の視線の先には、戦場には不釣り合いな笑みを浮かべながら肉を焼く、6人の男と1人の子供がいた。男達は、飲み物を片手に楽しく談笑している。
今回の簡易テリヤキバーガーは、細かく刻んでペースト状にした行者ニンニクを大量にパティやソースに混ぜてある。これを食べた暁には翌日、全身から激臭を放つニンニクテロリストが爆誕するだろう。
スイショウは元司帝国所属のゴーザンやモリト達と共に、見せつけるようにしながらハンバーガーにかぶり付く。
「なんだよこれ……羨ましすぎんだろ科学王国」
醤油が炭火で焼かれる甘い香りと、食欲を爆発させるニンニクのガツンとした香り。
普段肉に塩をかけて食うくらいしかしない司帝国の人間には、最早拷問と言っても過言では無い誘惑だろう。
「勝利して食うハンバーガーは美味いな!ゴーザン君達もそう思うだろう!」
「おう!コーラもキンキンに冷えててめちゃくちゃうめぇ!やっぱ沢山のうめぇ食い物がある科学王国は最高だぜ!敵だった俺達にもみんな優しくしてくれるしな!なぁお前ら!」
『おう!科学王国最高ーーー!』
捕虜達の喉が、ごくりと一斉に鳴る。彼等の瞳が食欲に染まったのを確認し、スイショウは再び声を響かせた。
「科学王国は朝昼晩の三食提供あり!食後のデザートあり!暖かい寝床あり!労働法遵守の労働環境あり!怪我をしても安心の医療体制ありだ!」
『科学王国の福利厚生すげぇぇぇ!』
「なんなのだ、あの茶番は?」
「スイショウの野郎、元司軍の連中集めてなに企んでんのかと思ってたが、まさかあんなアホみてぇな茶番を仕込んでやがったとはな」
コハクと千空が呆れた目でこちらを見ているが、効果は予想以上に出ていた。捕虜達の表情からは徐々に敵意が薄れ、迷いが浮かび始めている。
「科学王国は来る者は拒まない!アメリカが助けに来てくれるまで、美味しいご飯と快適な寝床を提供しよう!そして、君達の両親の石化も順次解いていく!」
アメリカが助けに来ると聞いても、捕虜達は話を飲み込めていないようだったが、すぐにニッキーを始めとする既にこちら陣営に味方をしてくれた者達が、彼等に事のあらましを説明をしてくれた。
「後は、君達の両親の石像を破壊しようとする獅子王司を拘束して戦争を終わらせるだけだ!君達に親を想う気持ちがあるのならば協力してくれ!」
ここで完全に寝返らせるとまではいかなくても、種を蒔いておく。
仮に司達が火薬武器が完成する前に戻って来たとしても、司帝国が組織として機能しづらくしておくのだ。
捕虜達の間にざわめきが広がる。このまま司に従うか、科学王国に降るかで口論になっていた。ただ、聞いている感じ、既にこちら側に心が傾いている者が大半のようではあるが。
「ゴーザンの野郎、肉付きが良くなってねぇか!?美味いもんたらふく食ってんだろうな、羨ましいぜチクショウ!」
「でも司さんに逆らうなんてありえねーだろ」
「いや、アメリカが助けに来てくれるならもうあいつに従う必要無くないか?」
「そうだ!他に行く場所がないから従ってたが、あいつの理想の世界になれば俺達の親の石像も破壊されることになるんだぞ!?これ以上殺人に加担できるか!」
司帝国の結束は、確実に緩まりつつあった。
確かに、司には圧倒的な武力とカリスマ性があるのだろう。しかし、人を纏め上げるにはそれだけでは不充分なのだ。どれだけ集団を纏め上げる長個人に魅力があろうと、衣食住を充実してやらねば人間という生き物はすぐに不満を感じる。今までは文明の滅んだ世界だから仕方がないと考え、原始的な生活にも納得していたが、千空達や村のみんなと共に作った数々の物を見せてやれば、今の生活に不満が出るのは当然だった。
そして、スイショウが捕虜達を懐柔している横で、千空達も火薬の調合に着手しようとしていた。
「おうなにやってんだ千空!せっかく勝ったのによ!もっと喜ぼーぜ!」
「あ゛ー、勝利を祝ってアホみてーに楽しく騒ぎてぇとこだがな、チンタラ遊んでる暇もねぇ。ソッコーで火薬作んぞ!」
「ヤベー確かに!司達が帰ってくる前にとっとと用意しねぇとな!」
先の戦闘で横転してしまった戦車から、千空が火薬の素の入ったビンを取り出した。クロムやゲンにも数個手渡し、千空達は奇跡の洞窟へ向かおうとし───
「逃げろみんな……!!!」
突如、羽京の叫び声が響く。それと同時に、鋭い風切り音を立てて一本の槍が飛来した。
槍は真っ直ぐに千空の胸元へと向かい、その命を奪うはずだったが、寸前で割り込んだ羽京が身を挺して千空を庇う。
羽京は腹部を深く負傷してその場に倒れ伏す。千空は無事だったが、しかし、衝撃で千空が手に持っていたビンが砕け散った。黒い粉末が割れたビンから飛び散り、周囲に大量の粉塵を舞い上がらせた。
木の上に、圧倒的な存在感を放つ強者が2人。今までの小細工など全て無意味だったのではないかと錯覚させるような本能に訴えかける圧。
司と氷月が、大勢の兵隊を引き連れて帰って来てしまった。
「やぁ、千空」
「よう、司」
遂に千空と司、互いの組織の長同士が対峙する。
「あれから1年。哀しいな。君を二度もこの手にかけなくちゃならないのは」
「ククク、冷てぇ奴だ。テメーに逢いにせっせと地獄から昇ってきてやったのによ。アホほど細い科学の糸でな……!」
千空と司が不敵に見つめ合う中で、司は再び槍を投擲した。槍はゲンの足元に突き刺さり、焦ったゲンはビンを地面に落としてしまった。再び黒色の粉塵が舞う。
「あぁ!?最後の火薬の素が……!!」
「ゲン、分かっているよ。千空が気を引いている隙に煙に紛れて洞窟に向かおうとしたんだろう。そうはさせないよ」
「……さっすが司ちゃん。ジーマーで鋭いねぇ。強い上に頭も回るとかチートすぎでしょ」
ゲンが降参と言った風に両手を上げる。同時にほんの一瞬、こちらに視線を向けてきたのでスイショウも行動に移った。コンロに大量の猪脂を並べてから扇子で仰ぎ、大量の煙を放つ。
莫大な量の煙と、猪脂の焼ける甘く香ばしい香りに気を向けた司は、こちらを見て衝撃に目を見開いていた。
「ゴーザン!それにモリト達も!何故君達が生きて……!?」
事前に羽京から聞いていたが、どうやらゴーザン達は死亡したと伝わっていたようだ。
そして、それを司に報告したであろう人物は1人しかいない。
「……氷月、どういうことかな?確かに君から、ゴーザン達は村人達に拘束された後に殺され、武器を失った君は命からがらに撤退したと、そう聞いていたが」
「……情報に誤りがあったようですね。私は彼等が拘束されたところまでしか見ていなかったので、てっきり殺されてしまったものだと思っていました」
「平気で嘘つくじゃん。そいつ、村を放火した挙句ゴーザン達を切り捨てて勝手に帰っただけのクソ野郎だぞ。司とか言ったか、もっと仲間にする奴は選んだ方が良いんじゃないか?」
氷月の白々しい嘘を、スイショウは即座に叩き斬った。無いだろうが、氷月に対する不信感から仲間割れを起こしてくれれば最良。最低でも2人の間に不信感を生むことができれば良い。
「君は……なぜこんな場所でバーベキューをしているんだい?」
司はあまりに場違いな光景に、呆然とした視線をスイショウに向けた。至極冷静なツッコミである。
「食べる?戦争なんかやめて仲良く一緒にご飯を食べよう司!」
「いや、遠慮しておくよ」
「いやいやそう言わずに。俺達原始人は肉焼いて塩かけて食うくらいの知能しかないけど、だからこそ肉を焼くのはめちゃくちゃ上手いんだ。ゴーザン達も久々に司とご飯食べたいよな!」
「おう司さん!こいつら良い奴だぜ!そう警戒しないでこっちで一緒に食おうぜ!」
司は身内には甘い性格だと聞いている。加えて、死んだと思っていた元仲間からの食事のお誘い。その冷静さを少しは乱すことが出来るのではないだろうか。
「それとも、やっぱり戦う?その武器でこんな小さな子供も殺すの?」
「……あぁ、必要とあらばね。ただ、俺が殺したいのは千空だけなんだ。君達が邪魔をしなければ命は取らないと誓うよ」
「ごめん、それはできない。俺達は千空に物凄く恩義を感じてるんだ。千空はこんな原始人の俺達にも優しくしてくれたから」
「そうか、残念だよ……できれば、君達村の人間には手をかけたくはなかった」
「そっか、司も辛いんだね……あぁ、でも死にたくないなぁ。もっと長生きしたかったなぁ……!ごめんね、スイカ。君を置いて1人旅立ってしまう俺を許してくれ……」
根性で涙を出す。既に大量の煙により目は刺激されていたため、意外と簡単に涙を流すことができた。流石の司も、子供を殺すのには抵抗があるだろう。
こんな演技で司を止めることができないのは分かっている。目的は、司に僅かな時間でも攻撃することを躊躇わせること。つまり、時間を稼げればいいのだ。
ついでに、拘束されている捕虜達の罪悪感を煽る。科学王国へ寝返ることのメリットは既に伝えた。ダメ押しで彼等の良心を刺激してやれば、
「司さん!もうやめてくれ!これ以上罪を重ねないでくれ!」
この様な者が現れる。捕虜の1人が、司に向けて叫んだ。
「アメリカが直に助けに来てくれる!もう無理なんだよ、司さんの理想の世界を作るのは!」
「アメリカ?」
「あぁ、アメリカはもう復興しているってリリアンが電話で話していたらしいんだ!」
「……こんな原始的な電話でアメリカと連絡を取ることはできない。うん、ゲンあたりが声真似でリリアンの真似をしたんだろうね。嘘だよ、その話は」
「それは……確かにそうかもしれない!でももう嫌なんだ、これ以上あんたに加勢するのは!俺は自分の親の石像を破壊したくねぇ!」
「そうだ司さん!こいつら科学王国の人間は悪い奴等じゃねぇ!ゴーザンだってあんなに健康そうにしているから分かるだろ!もうやめよう、こんな無駄な戦い!」
その男の声をきっかけに、他の拘束された者達も同じ様に声を上げた。司と氷月の連れてきた兵隊達も複雑そうな表情をしている。
「ククク、そっちの指揮ガタガタじゃねぇか。大丈夫か?そんな状態で俺らと戦ってよぉ」
「確かに想定とは違うが、問題はないね。キミ1人を殺せばそれで終わりなんだ」
司の言葉を聞いて、大樹とコハクが千空を守る様に前へ出た。
「もうあの時と同じ様にはさせんぞ司!千空は俺が守る!」
「ハ!大樹、君だけじゃないぞ!私も、そして石神村の全員も同じ気持ちだ!千空が火薬を完成させるまで持ち堪えるぞ!」
千空の背後に陣取る金狼やマグマ達も、戦意がみなぎっていることがその表情から読み取れた。しかし、司や氷月には動じる様子は全く無い。
司達は基本的に千空と、僅かにゲンの動きにしか警戒をしていなかった。自分達を殺すことができる武器、火薬を作れるのは千空か同じ現代人のゲンだけだと思っているのだろう。
だが司達は知らない。科学王国にはもう1人の科学使いがいるということを。彼は既に、千空から火薬の調合法とそれを用いた武器の作り方を教わっているのだ。
充分に時間は稼いだ。偽のゴールを見せ、こちらに打つ手はないと誤認もさせた。
「千空ーーー!爆弾完成したぜーーー!!!」
勝利を告げる声が聞こえた。クロムが爆弾と化したビンを5つ、千空の元に運んできた。
「ククク、クロムを原始人だと思って舐めてやがったか?科学は俺ら現代人の専売特許じゃねぇ、誰でもできんだよ。聖人様だろうが、殺人鬼だろうが、原始人だろうがな」
クロムが作った爆弾は、ビンに硫黄、炭、硝酸、小石をギチギチに詰め込んだものだ。ダイナマイトよりもかなり威力は低いが、充分に殺傷能力はある。
爆弾を投げる隙をつかれて殺されるのを絶対に防ぐために、クロムにコハクをつかせている。
「受け止めても叩き落としても爆発する。広範囲の爆風はかわすのも無理だ、俺と氷月以外は。うん、大勢の死者が出るね。碌な医療の無い俺達は特に。だが千空、君も人を見捨てられないし、自らを犠牲にもしない」
「おやおや〜互いに動けやしねぇなぁ〜。決着じゃなくて膠着だ」
「いえ、膠着ではありませんよ、千空クン」
千空と司の会話に氷月が割り込んだ。
「ほむらクンは捕まり、火薬武器も完成してしまった」
「氷月?」
氷月が司へ槍を向けた。誰も予想していない、まさかの裏切りであった。
「科学王国、やはり君達は実にちゃんとしている。もう終わりにしましょうか、司クン」
司帝国は兵の大半が戦意を喪失し、最大戦力の1人である氷月もこちら側についた。予想外の形だが、勝負は決した。
「ククク、形勢逆転だな。だがこっちも無駄な被害は出したくはねぇ。だから取引しようぜ、司」
「……内容は?」
「こっちが望むのは停戦。そん代わり───テメーの妹を治してやる」
〜〜〜
千空は司の妹である、獅子王未来を復活させることと引き換えに、停戦を要求した。司は本当に未来を治すことが可能なのか懐疑的であったが、千空の、『科学に嘘はつかない』という真摯な言葉を聞いて、要求を呑む決断を下してくれた。
「この辺りかな、病院があったのは」
未来は6歳の時に脳死状態になり、生命維持装置をつけなければ生きられない容態だった。
千空の見解としては、石化とは脳死のような状態で何千年も人を生かす技術で、石化復活液はそんな状態から人の意識を呼び覚ます薬なんだとか。故に、未来の脳死状態を治せない道理は無いのだという。
「相当流されてるね〜これ」
「全部ほじくり返しゃいいんだよ」
数人で手分けして未来が入院していた病院付近を掘り起こすと、未来の石像が発掘された。
石像に服を着せてから、千空が石化復活液を注ぐ。眩しい光と共に、徐々に石像にヒビが入り───
「兄さん?いしし、よ〜老けてもたね。でもシュッとしてるわ!私……何年寝とったんかな?」
「6年……いや、数千年だよ未来……!」
無事、未来は目を覚ました。最愛の妹と数千年ぶりの再会を果たした司は、涙を流しながら熱い抱擁を交わしていた。誰もその場を邪魔しようとはせず、暖かく見守っていた。
そして、そんな光景を邪魔しないために、少し離れた場所に千空と氷月は立っていた。氷月には、問わねばならないことが多いのだ。
「氷月、テメーはどうしてこっち側についた?あのイカれまくった思想の実現は諦めたのか?」
スイショウやコハクも氷月を警戒しており、その場で一緒に話を聞いている。この男は何を考えているのか分からなく怪しすぎるのだ。
「千空、コイツはただ勝ち馬に乗っただけだろ」
「そのように見られても仕方ないですね。確かに以前までは、隙をついて司クンを消し、その後に千空クンを屈服させて選別に協力して貰うつもりでした」
「千空、やはりこの男は一度捕縛するべきだ!怪しすぎるぞ!」
コハクが武器を構えて氷月を睨みつける。スイショウも自身の武器である鍬に手をかけて、いつでも振るえるように身構えた。
「落ち着けメスライオン。ククク、やけに正直に話すじゃねぇか。そんなんでお手手繋いで仲良しこよし、お仲間になれるとでも思ってんのか?」
「仲良くするつもりなど毛頭ありませんよ。それに、人類の選別も諦めてはいません。ただ、以前君達が言ったように、もう一度石化光線が来てしまえば私達に対処する術はない。そうすれば、君達のようなちゃんとした人間も消えてしまう。それが私にはどうしても我慢ならないのです」
「なら最初から寝返っとけよ」
「君達がある程度ちゃんとしていることは知っていましたが、司クンに負けるようならばそれまで。見極めていたのですよ、千空クンと司クン、どちらが優れているのか」
「ほーん。で、結果的に俺はテメーのお眼鏡にかなったっつう訳か。光栄すぎで涙が出まくるぜ」
「えぇ。人類全員の復活という甘い思想には到底賛同できませんが、石化の謎を解き明かし二度と引き起こさないようにする。その一点においてのみ、君達には協力する価値があると判断しました」
「ククク、そうかよ。こっちとしても司と合わせてテメーの武力が手に入るんなら好都合だ。監視はつけさせて貰うが、存分に働いてもらうぜぇ氷月」
当然油断はせず、氷月の監視は一定以上の武力のある者数人で行わせるつもりだ。
「ほむらクンはどうなっていますか?甘過ぎる君達のことです。殺してはいないでしょう」
氷月の質問に対して、スイショウが答える。
「村の柱に縛り付けてある。絶対に逃さないようにギッチギチに」
「……解放してあげてください」
スイショウは氷月とほむらが村に放火したことを、まだ割と怒っていた。
後日、氷月との友好の証として村に使いの者を走らせて、ほむらを解放するのだった。
〜〜〜
「全く、無事帰ってきたと思ったらいきなりこき使ってくれるわい……!」
科学王国と司帝国の激闘から早3日。科学王国の野営地に、カセキ作のバーベキューコンロが30台並んでいた。量の関係で簡易的な作りだが、肉を焼くだけならば問題ないだろう。
「ごめんカセキ。代わりに肉多めに用意するからさ」
「ジジイ舐めちゃダメよ?肉は脂っこくて入らんわい!それに怒ってはおらん。むしろめっちゃワクワクしとるわ!相変わらずお主は面白いこと考えるのう!」
負傷者は当然出た。怪我の無い者も命のやり取りをし、肉体と精神は当然疲労している。
だから、たらふくご飯を食べる。
スイショウはマイクを持って広場に置かれた台の上に立った。
目の前には、科学王国と司帝国の全メンバーが集結していた。怪我から回復した羽京と解放されたほむらもいる。そして、当然のような顔をして陽という男も加わっていた。
「今から科学王国と司帝国合同、BBQ大会を開催する!」
先日まで敵同士だったが、これからは力を合わせて文明を復興させていくのだ。仲良くしていかなければならない。故に、今からそのきっかけを作る。
「大量に用意したとはいえ、肉の量には限りがある。争奪戦だ……!」
「戦争終わったばっかでまた争いを起こす気がテメーは」
最前列にいた千空から鋭いツッコミが入る。場に小さな笑いが起こった。
スイショウはニヤリと笑いながら、話を続ける。
「争奪戦だが、当然子供優先。9歳以下の子供と未来さんには優先的に譲るように」
「しれっと自分を優先の対象にしたね、スイショウちゃん」
千空の隣にいたゲンからもツッコミが入る。都合の悪いツッコミは無視し、スイショウは息を整えて、大きな声で宣言した。
「それでは─── BBQ大会はじめぇ!!!かんぱーーーい!!!」
『かんぱーーーい!!!』
総勢140名の宴が始まった。それぞれ、飲み食いしながら楽しんでいる。宴は盛り上がり、夜通し続くのだった。
こうして、無事に1人の死者も出すことなく科学王国と司帝国の戦いは幕を閉じた。
氷月が宝島編から仲間になった理由が、私はよく分かっていませんでした。
宝島編で氷月の戦闘をサポートする→科学王国をちゃんとしていると認める→既に自分の理想を叶えられる段階にはないと認めて仲間になる
やっぱりこんな感じ?
料理シーンはかなり長いですが、今後も描写してもよろしいでしょうか?
-
YES
-
NO