石の世界で農業チートしてたら比べ物にならん程のチートがワラワラ湧いてきた件 作:史上最強のラーメン
スイショウを宝島に同行させるか否か迷っています。
今回ちょっと短めです。
司帝国との戦いも終わり、遂に文明の復興と石化光線の謎解明を目指していく。
「目指すは石化光線の発生源、地球の裏側だ!」
千空の父達が残してくれた情報やその他の情報を勘案すると、石化光線の発生源は、日本の裏側の南米という地にあると考えられるらしい。
「地球の裏か!流石に徒歩ではいけなかろう?」
「あぁ、海を渡るっきゃねぇ。俺らはこれから全員で船を造る!!!」
司帝国の人員を取り込んでマンパワーは充分。科学王国建国以来の特大プロジェクトが始まった。
建造する船は、帆と動力のハイブリッドの機帆船だ。
「仕事だぞ、記者」
「誰が欲しいの?お望みの子を見つけてあげる……!」
「このストーンワールドで地球の裏まで大航海時代一発勝負すんだ!航海力100億の神腕船長が欲しい!!」
千空が声をかけた、元司帝国所属の
「南おねーさん!」
「スイショウ君だったかしら?どうしたの?」
千空は南と他に数人を連れて、すぐに船長を探しに行こうとしていた。スイショウも欲しい人材がいたため、出かけてしまう前に南へ尋ねる。
「僕ね、やっぱりお医者さんがいた方がいいと思うんだ!」
「確かに……船を造るってなると怪我をする人も当然出てくるし、航海する時も船医がいた方がいいわね」
「うん!だから凄腕のお医者さんが誰かいないかなぁって!南おねぇさんに教えて欲しいんだ!」
医療のエキスパートをずっとスイショウは欲しいと思っていた。外傷治療や健康診断ができる人材は、造船や鉱業に従事することが増えるこれからに必須である。
「ヤベー、スイショウが猫被ってんぞ。気味悪ぃぜ……」
「めっぽう不気味だな……」
見慣れぬスイショウの態度に、クロムとコハクが薄気味悪いものを見る目を向けていた。
「うっせー。どうせ子供扱いされるんなら存分に利用してやった方がいいだろう!」
自分でも気味が悪いと思ったので、スイショウはすぐに元の態度に戻った。
「やっぱスイショウはこうじゃねぇとな!よっ、クソガキ!」
「うむ、いつものスイショウが戻ってきたな!」
「いやぁ、そんなに褒められると照れるな!」
「えぇ……なんなのこの人達……」
南はドン引きしながらも、有能な医師の情報を教えてくれた。
「私も直接取材したことはないんだけど、ゴットハンドと呼ばれる医者を1人知っているわ」
南によると、3700年前にとんでもなく凄腕の女医がいたらしい。その女医は、『彼女が助けられなかった患者は確認できない』と評されるほどの神懸かり的な技量を持つ、絶対に失敗しない医師。
「おーし、スイカ!それとゴーザン達も付き合ってくれ!」
「掘って掘って掘りまくるんだよー!」
『うおおお!やるぜー!!』
南から似顔絵を貰い、スイカと今やすっかり信頼できる仲間となったゴーザン達と共に、女医が眠っている可能性が高いという病院の跡地へと向かう。
運良く、女医の石像はすぐに見つかった。服を着せてから早速復活液をかける。起きたばかりの女医に状況を説明すると、自らの師だという老人を文明復興後、優先的に復活させることと引き換えに全面的な協力を申し出てくれた。
そして翌朝、千空から電話があった。無事凄腕の船長である、七海龍水という男を復活させたらしい。しかし、腕は立つが性格に非常に難がある男のようだ。
『つう訳でスイショウ、龍水対策の法律作成は任せた』
龍水は起きて早々に、所有権が曖昧になっている数多の権益を手中に収めたいと発言したらしいのだ。
文明復興の中でその手の主張をする人間が出てくることは予想できていたので、龍水と対立を起こさない程度に、こちら側が優位を取れる法整備を進めて欲しいというのが千空の要望だ。
「期限は?」
『明日』
「ジーマーで!?」
ついゲンのような反応をしてしまったが、スイカとゲンとゴーザン達にも手伝ってもらい、徹夜で法律を作成した。
「ドイヒ〜!明日までって、肉体労働よりはマシだけど相変わらず鬼畜ね、千空ちゃん!」
「ゲン、お前の上司だろなんとかしてくれ!」
「リームーに決まってるでしょ、千空ちゃんが俺の言葉で止まると思う!?」
「全然思わん!」
「コーラ持ってきたんだよ!2人とも少し休憩した方がいいんだよ〜」
『スイカ(ちゃん)神ィ!!!』
翌日、クロム、コハク、羽京の3人が油田探しの旅に出発した。そして、千空の予想通り龍水は、船長報酬として油田の権利を要求してきた。千空は、あっさりとその要求を呑む。
「はっはー!!資源の王、石油を手に入れたぞ!!この勢いで俺は、この世の全てを手に入れる!」
「あ゛ぁ〜、お喜びの所悪ぃんだがな、俺ら科学王国にはこんな法律があんだわ」
「む、法律だと?」
「これを見やがれ」
第1条
奇跡の洞窟産の硝酸、油田、および鉱山資源の所有権は、ストーンワールド暫定政府である科学王国および石神村が共同で有する。
第2条
前項の資源を、個人の永続的な財産としては認めない。
第3条
油田および鉱山の採掘権は、70年を限度として、独占的に認めることができる。
奇跡の洞窟の管理および硝酸採取は、科学王国がこれを行う。
第4条
採掘権の設定、更新および取消しは、科学王国及び石神村のそれぞれの長の合意を要する。
採掘の実施は、許可を受けた者がこれを行う。
第5条
採掘権者は、航海、医療、および科学活動に要する分を優先して供給する。
採掘権を根拠に、輸送、販売、その他の財や労働を独占してはならない。
第6条
使用料は暫定政府に納付し、物価安定、医療、および公共の福祉に充てる。
第7条
第5条に違反した場合、暫定政府は採掘権を取り消すことができる。取消しにも第4条の合意を要する。
第8条
採掘権者は、採掘および精製を科学王国または石神村に請け負わせることができる。
請け負いを行う場合、暫定政府は相当の料金を徴収する。
請け負いは採掘権の譲渡とはみなさない。
採掘権者自らが採掘または精製を行うことを妨げない。
(以下省略)
「つまり、俺が入手できるのは石油の採掘権だけということか。そして、貴様らが採掘及び精製を請け負い、俺はそれに対して料金を支払わねばならんと」
「悪ぃなぁ〜、こっちも一枚岩じゃなくてなぁ〜。村側のトップがタダで石油の権益を渡すなってゴネてやがんだ」
千空が白々しい顔で条文の書かれた紙を見せている横で、村側のトップであるスイショウは過労により倒れていた。
「はぁ……はぁ……年少者への過重労働の強要で労基署に訴えてやる……!」
「あっれぇ〜?3700年前に立法を担当してた奴等は労基法の適用外だった筈だがなぁ〜?」
「クソッ!人の心を忘れたマッドサイエンティストめ!」
龍水は、そんな千空とスイショウの会話を観察するように眺めた後、口を開いた。
「フゥン、まぁいいだろう。報酬からマージンを差引くことくらいは許してやる。崩壊した文明をここまで復興させた男と若き才に敬意を表してな!」
「おぉ、意外と素直に認めてくれたな。もうちょいゴネるかと思った」
「スイショウと言ったか、不粋を言うなよ?貴様らが俺に船長としての仕事を求めるように、自身が持ち得ぬスキルに対価を支払うのは当然のことだ。違うか?」
どうやらただの強欲男ではないらしい。また、その全てを欲しがる姿勢にスイショウもシンパシーを感じていた。
石油の採掘権を手に入れた龍水の行動は早かった。
「はっはー!!龍水財閥の発行する通貨、ドラゴだ!この100ドラゴで石油を1ml売ってやる。手に入り次第な!」
龍水が、『龍水財閥』という法人を立ち上げ、『ドラゴ』という名の通貨を発行した。千空ならば必ず石油を見つけ出すという、みんなの千空への信用がそのまま通貨の価値を担保しているのだ。
「何アレぇぇ!羨ましいぃぃぃ!」
「復活して秒で大富豪じゃん。なんもしてねーし、なんも持ってねーのに!」
ストーンワールドにおける通貨発行権を実質的に握った龍水は、復活から2日目にして大富豪に成り上がる。銀狼や陽といったゲス系の仲間達は、涙を流して龍水を羨ましがっていた。
そして、通貨が誕生したことにより、食品や生活用品、娯楽グッズなどの売買が行われるようになった。
ラーメンが300ドラゴ、パンケーキが400ドラゴ、パンが150ドラゴ、わたあめが100ドラゴといった感じだ。3700年前の物価よりはだいぶ安いらしい。
「未来さん、追加のジャムできたから置いとくね〜」
「ありがとうスイショウ君!私も兄さんに負けないくらいお手伝い頑張らんと!」
「女の子のお手伝い仲間ができて嬉しいんだよ!一緒にお役に立つんだよ!」
食品を販売する店は主にスイカと未来が運営をしており、売子2人の可愛らしさもあってか売上は絶好調だった。
また、スイカと未来は性格的にも合うのか、暇な時は一緒に遊ぶ仲にもなっていた。スイショウも時々混ざって遊んでいる。
「未来……!立派になって……!」
「司ちゃんが見たことないくらい穏やかな目をしてるねぇ」
「お父さんかな?」
霊長類最強お兄ちゃんである司は、自身の妹が一生懸命に働く様子を見て涙ぐんでいた。つい最近まで最強の敵だった男が見せた意外な姿に、ゲンとスイショウは驚くとともにツッコミを入れてしまう。
「でも司ちゃん的には大丈夫なの?龍水ちゃんって思いっきり司ちゃんの嫌う既得権益者側の人間だけど」
「うん、確かに思うところはあるよ。でも今まで千空の敵だった俺が、偉そうに龍水の排斥を訴えることはできないからね。それに、」
「それに?」
「未来はずっと寝たきりだったからね。力仕事は得意ではないし、細かい作業を覚えるのにも時間がかかっていた。気丈に振る舞ってはいたけど、焦る部分はあったと思うんだ。だが、彼が通貨を作ったおかげで今は凄く楽しそうに働けている。うん、喜ぶことはあれど恨むことはできないよ」
「そっか……司は優しいんだねぇ」
司は、石像破壊という凶行に走っていた者と同一人物とは思えないほどに理性的で、家族をなによりも大切に想うその心が、スイショウにまだ僅かにあった警戒を解いた。
しかし、当然龍水の行動が気に入らない者も存在する。
「いいわけ?龍水にあんな好き勝手にさせて!?」
南が、作業中の千空に話しかけ異議を唱えた。
「通貨も立派な科学の発明品だ。人の力を纏め上げるためのな。わざわざ作ってくれたんなら、おありがた〜く利用させていただこうじゃねぇか。スイショウ」
「ウス、千空さん。ご依頼のブツになります、どうぞ」
「所得税法に鉱産税法に改正版労災保険法だ!ククク、富の再分配でアホほど回していくぜぇ、経済を……!」
「通貨発行権を譲ってやったのは、どうせ後から税として楽に回収できるからなんだよなぁ!」
「2人共わっっっるい顔!」
通貨、法律、医療。これらが充実していき、科学王国は途轍もないスピードで文明を発展させつつあった。
ちなみに、通貨発行権を科学王国サイドが握らなかった理由は他にもあり、龍水と対立しないためです。税で徴収する構図なら龍水の性格的に、ノブレスオブリージュ的な考えで割とすんなり受け入れそうだと思いました。
また、復活させた医者について。彼女は龍水と同じくらい性格に難のある人材で、物凄くグルメなので、スイショウが度々食事を作って機嫌を取っています。1日の仕事が終わると、何故か丁寧に箱詰めされたメロンを持ってくるので、切り分けてスイカや未来も呼んでみんなで食べています。関係は良好です。
いつも感想、評価、お気に入りに登録、誤字報告ありがとうございます!
料理シーンはかなり長いですが、今後も描写してもよろしいでしょうか?
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