ハピネスチャージプリキュア!夕映えのアーベント   作:Leona

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第21話『ひめの過去の過ち! 怒りのキュアフォーチュン!/逃げる姫と、追いつく手』

第21話『ひめの過去の過ち! 怒りのキュアフォーチュン! /逃げる姫と、追いつく手』

 

 朝になっても、ひめの部屋の扉は閉じたままだった。

 

「姫ー。朝ですわよ」

 

 リボンが扉を叩く。

 

 返事はない。

 

「学校へ行く時間になりますわよー」

 

 やはり返事なし。

 

 リボンは腕を組み、扉を睨んだ。

 

「昨日からずっとこれですわ……」

 

 少し離れた廊下には、めぐみ、ゆうこ、誠司、悠が集まっていた。

 

 めぐみは心配そうに扉を見る。

 

「ひめ、本当に出てこないね」

 

「夜は少し食べたみたい」

 

 ゆうこが、空になった皿を見せる。

 

「よかった……」

 

 めぐみは胸を撫で下ろした。

 

 悠は扉を見た。

 

 昨夜、自分はここで言った。

 

 怒っている。

 

 でも、いなくなってほしいとは思っていない。

 

 それ以上は言えなかった。

 

 今も、気持ちは変わっていない。

 

 誠司が悠を見る。

 

「赤石。また考え込んでるぞ」

 

「うん」

 

「今日は否定しないんだな」

 

「考えてるから」

 

 悠は扉へ近づきかけた。

 

 だが、止まる。

 

「昨日もう話したから、今日は僕が行かない方がいいと思う」

 

 めぐみが首を傾げた。

 

「どうして?」

 

「白雪さん、僕にも怒られてると思ってるかもしれない」

 

「実際怒ってるんでしょ?」

 

「うん」

 

「だったら、ちゃんと話せばいいよ」

 

「今は多いと思う」

 

「何が?」

 

「人」

 

 悠は周囲を見る。

 

 めぐみ。

 

 ゆうこ。

 

 誠司。

 

 リボン。

 

 自分。

 

「逃げたい時に五人で扉の前にいたら、もっと逃げたくなると思う」

 

 誠司が少し感心したように見る。

 

「お前にしては分かってるな」

 

「僕も逃げるから」

 

 説得力のある理由だった。

 

 めぐみが腕を組む。

 

「じゃあ、どうしよう」

 

「私に任せて」

 

 ゆうこが静かに立ち上がった。

 

「ひめちゃんがお腹空いてるなら、まずご飯にしよう」

 

 リボンの顔が明るくなる。

 

「さすがゆうこですわ!」

 

「でも無理やり出すの?」

 

 めぐみが聞く。

 

「ううん」

 

 ゆうこは微笑んだ。

 

「いい匂いをさせるだけ」

 

 悠が目を瞬く。

 

「それで出てくるの?」

 

「ひめちゃんだから」

 

 誠司が頷く。

 

「出そうだな」

 

 扉の向こうから声がした。

 

「聞こえてるんだけど!」

 

 全員が止まる。

 

 めぐみの顔が明るくなる。

 

「ひめ!」

 

「うるさい!」

 

「元気じゃん!」

 

「元気じゃない!」

 

 ひめの返事が来た。

 

 それだけで、めぐみは少し笑った。

 

 ★★★

 

 大使館の台所には、しばらくしてクリームシチューの香りが広がっていた。

 

 ゆうこが鍋をゆっくりとかき混ぜる。

 

 玉ねぎ。

 

 にんじん。

 

 じゃがいも。

 

 鶏肉。

 

 湯気と一緒に柔らかな香りが廊下へ流れていく。

 

「いい匂い……」

 

 めぐみが鍋へ顔を近づける。

 

「めぐみちゃん、まだだよ」

 

「味見!」

 

「さっきしたでしょう?」

 

「もう一回!」

 

「食べすぎたら味見じゃなくなるよ」

 

 誠司は時計を見る。

 

「俺たち、そろそろ行かないと」

 

 めぐみの顔が少し真剣になる。

 

「うん」

 

 昨日、いおなはめぐみとゆうこへ自分がキュアフォーチュンだと明かした。

 

 そして、めぐみとゆうこだけをチームへ誘った。

 

 めぐみには、そのままにしておけなかった。

 

「氷川さんともちゃんと話したい」

 

 誠司も同行することになっている。

 

 悠は一瞬だけ迷う。

 

 いおなに聞きたいことはある。

 

 まりあのこと。

 

 だが今は、自分が割り込む話ではない。

 

「僕は残る」

 

 誠司が見る。

 

「いいのか?」

 

「うん。愛乃さんが話した方がいいと思う」

 

 めぐみが笑った。

 

「任せて!」

 

「無理に仲良くしろって言わない方がいいと思う」

 

「うっ」

 

「いきなり全部解決しようとしない」

 

「赤石くん、最近あたしに厳しくない?」

 

「僕もよく言われることだから」

 

 誠司が苦笑する。

 

「人に言えるようになったなら進歩だな」

 

 二人が大使館を出ていく。

 

 悠は台所へ戻った。

 

 ゆうこが皿を用意している。

 

「赤石君も食べる?」

 

「白雪さんが出てきたら」

 

「じゃあ多めに作っておこうか」

 

「うん」

 

 廊下の向こう。

 

 ひめの部屋。

 

 悠には聞こえない。

 

 だが。

 

 匂いだけは、確実に届いていた。

 

 ★★★

 

 ひめは布団の中で耐えていた。

 

「……ずるい」

 

 鼻へクリームシチューの匂いが届く。

 

 朝から何も食べていない。

 

 お腹が鳴る。

 

「こんなの罠じゃん……」

 

 ぐうう。

 

 自分のお腹の音が、やけに大きく聞こえた。

 

「絶対出ない」

 

 数秒。

 

「……でも、シチューが悪くなるのももったいないし」

 

 さらに数秒。

 

「ゆうこの料理に罪はないし」

 

 自分で理由を作る。

 

 布団から顔を出す。

 

 扉まで歩く。

 

 耳を当てる。

 

 廊下には誰の気配もない。

 

「今なら……」

 

 そっと扉を開ける。

 

 顔だけ出す。

 

 右。

 

 誰もいない。

 

 左。

 

 いない。

 

「よし」

 

 忍び足で出る。

 

 台所の方へ。

 

 テーブルには、湯気の立つシチュー。

 

「やっぱりおいしそう……」

 

 椅子へ座ろうとした瞬間。

 

「ひめちゃん」

 

「ひゃあああっ!?」

 

 テーブルの下からゆうこが顔を出した。

 

「おはよう」

 

「何でそこにいるの!?」

 

「隠れてたの」

 

「怖いよ!」

 

 さらに。

 

「白雪さん」

 

 背後から声。

 

 ひめがぎくりとする。

 

 悠が皿を持って立っていた。

 

「赤石くん!?」

 

「シチュー持ってきただけ」

 

「何でいるの!」

 

「僕も食べるから」

 

 ひめは扉を見る。

 

 逃げる。

 

 そう思った瞬間。

 

 リボンが飛んでくる。

 

「姫! ようやく出てきましたわね!」

 

「うわああああっ!」

 

「待ってくださいませ!」

 

 ひめはプリカードを取り出した。

 

「こうなったら!」

 

 光が身体を包む。

 

 一瞬後。

 

 黒い忍装束姿。

 

「忍法、逃げるが勝ち!」

 

 窓を開ける。

 

「姫ーっ!?」

 

 飛び出した。

 

 悠が窓へ近づく。

 

「二階だよ」

 

 ゆうこも覗く。

 

 ひめは木の枝を伝い、器用に地面へ降りていた。

 

「忍者のカード、こういう時便利だね」

 

「感心してる場合ですの!?」

 

 リボンが叫ぶ。

 

 悠は追おうとしない。

 

 ゆうこが見る。

 

「赤石君?」

 

「今、僕が追ったらもっと逃げると思う」

 

「そうだね」

 

 ゆうこはエプロンを外す。

 

「じゃあ私は?」

 

「大森さんなら逃げないかもしれない」

 

「それはどうかな」

 

 ゆうこは少し笑った。

 

「でも行ってみるね」

 

 ★★★

 

 一方。

 

 いおなの道場。

 

「だから!」

 

 めぐみの声が響く。

 

「ひめも一緒に四人で戦おうよ!」

 

 いおなは道着姿のまま腕を組んでいた。

 

「断るわ」

 

「即答!?」

 

「昨日も言ったでしょう」

 

「でも一緒に戦ったらすごく息合ってたよ!」

 

「それは愛乃さんと私の話よ」

 

「ハニーも!」

 

「大森さんも問題ないわ」

 

「だったらプリンセスも!」

 

「無理よ」

 

 めぐみは頭を抱える。

 

「何でそこだけ絶対なのーっ!」

 

 少し離れたところでは、誠司とぐらさんが見ていた。

 

 ぐらさんがため息をつく。

 

「いおな。いい加減頑固すぎるぜ」

 

「ぐらさんまで」

 

「オレだって前から言ってるだろ。一人より仲間いた方が楽だって」

 

「私は楽をしたいわけじゃない」

 

「そういう意味じゃねえよ」

 

「ファントムを倒すのは私」

 

 いおなの声が強くなる。

 

「お姉ちゃんを取り戻すのも私。誰かに頼ることじゃないわ」

 

 めぐみがいおなを見る。

 

「何で?」

 

「何が?」

 

「何で氷川さんが全部やらなきゃいけないの?」

 

 いおなの目が細くなる。

 

「私のお姉ちゃんだからよ」

 

「うん」

 

 めぐみは頷く。

 

「でも、氷川さんが大事なら、あたしたちだって助けたいよ」

 

「必要ないわ」

 

「必要あるよ!」

 

「愛乃さん!」

 

 二人の声がぶつかる。

 

 誠司が口を挟んだ。

 

「めぐみ」

 

「何?」

 

「今の言い方だと、氷川が頼めないのが悪いみたいになってるぞ」

 

「え」

 

 めぐみが止まる。

 

 いおなも誠司を見る。

 

「相楽君」

 

「助けたいのは分かる。でも、氷川が今それを受けられないなら、押しつけてもしょうがないだろ」

 

「……うん」

 

 めぐみは少しだけ肩を落とした。

 

「ごめん、氷川さん」

 

 いおなは僅かに意外そうな顔をする。

 

「でも!」

 

 めぐみがすぐに顔を上げた。

 

「諦めないからね!」

 

「何を?」

 

「いつか四人で一緒に戦うの!」

 

「だから──」

 

「今すぐじゃなくていいよ!」

 

 いおなの言葉が止まる。

 

「ひめと話して。それでも無理なら、その時また考えればいいじゃん!」

 

「……」

 

「氷川さん、ひめ本人からアクシアのこと聞いてないでしょ?」

 

 いおなの表情が硬くなる。

 

「聞く必要がある?」

 

「あるよ!」

 

「結果は変わらないわ」

 

「でも理由は知らないじゃん!」

 

 めぐみの声は真剣だった。

 

「ひめが悪いことしたなら、あたしも怒る。でも、知らないまま全部決めたくないよ」

 

 いおなは答えなかった。

 

 誠司は黙って見ている。

 

 ぐらさんがいおなの肩へ乗った。

 

「話くらい聞いても損しねえだろ」

 

「……」

 

 いおなは視線を逸らす。

 

「私は行かない」

 

「どこに?」

 

「プリンセスのところ」

 

「じゃあ、ひめが来たら?」

 

 めぐみが尋ねる。

 

 一瞬。

 

「……追い返しはしないわ」

 

 それが今のいおなにできる最大限の譲歩だった。

 

 めぐみの顔が明るくなる。

 

「ありがとう!」

 

「話を聞くだけよ」

 

「うん!」

 

「チームに入るとも言っていない」

 

「うん!」

 

「軽いわね……」

 

 いおなはため息をついた。

 

 ★★★

 

 忍者姿のひめは、町中を逃げ回っていた。

 

 屋根。

 

 塀。

 

 路地裏。

 

「誰にも会わない!」

 

 着地。

 

 その先。

 

「ひめーっ!」

 

 聞き慣れた声。

 

「えっ!?」

 

 めぐみが走ってくる。

 

 道場から戻る途中に見つかったのだ。

 

「何でいるの!?」

 

「探してたから!」

 

「来ないで!」

 

 ひめはまた走る。

 

「待ってー!」

 

 めぐみはプリカードを取り出した。

 

 光。

 

 次の瞬間。

 

 犬の耳と尻尾をつけた姿。

 

「ワン!」

 

「何その格好!?」

 

「追いかけるなら犬かなって!」

 

「意味分かんない!」

 

 ひめは全力で走る。

 

 めぐみも追う。

 

「ひめー!」

 

「来ないでって言ってるでしょ!」

 

 角を曲がる。

 

 めぐみも曲がる。

 

 塀を越える。

 

 めぐみも追う。

 

「しつこい!」

 

「友達だから!」

 

「今それ言わないで!」

 

 ひめの胸が痛む。

 

 友達。

 

 自分にはもう、その資格がない。

 

「めぐみにはフォーチュンがいるじゃん!」

 

 めぐみの足が一瞬止まった。

 

「え?」

 

「昨日、一緒に戦ってた!」

 

「それは──」

 

「すっごく息合ってた!」

 

「ひめ!」

 

「私なんかいなくてもいいじゃん!」

 

 めぐみの表情が変わる。

 

「そんなこと言ってない!」

 

「言ってなくても分かるよ!」

 

「分かってないよ!」

 

「分かる!」

 

「分かってない!」

 

 ひめはまた走る。

 

 めぐみも追う。

 

 やがて。

 

 広い空き地。

 

 ひめは振り返った。

 

「もう追ってこないで!」

 

 めぐみも止まる。

 

 息を切らしている。

 

「嫌だ」

 

「何で!」

 

「話したいから!」

 

「私は話したくない!」

 

「何で!?」

 

「嫌われたくないから!」

 

 言ってしまった。

 

 ひめ自身が固まる。

 

 めぐみも。

 

「……え」

 

「だってそうでしょ!」

 

 ひめの目から涙が溢れた。

 

「私がアクシアを開けたんだよ! 全部私のせいなんだよ! めぐみだって絶対怒ってる!」

 

「怒ってるよ!」

 

 めぐみが言った。

 

 ひめの顔が固まる。

 

「……ほら」

 

「怒ってる!」

 

 めぐみの目にも涙が浮かぶ。

 

「何で今まで言ってくれなかったのって思ってる!」

 

「だから──」

 

「でも、それとひめがいらないのは違うよ!」

 

 めぐみの涙が零れた。

 

「勝手に決めないでよ!」

 

 ひめが息を呑む。

 

「あたしの気持ちまで、ひめが勝手に決めないで!」

 

「めぐみ……」

 

「友達でいたいって思ってるのに! ひめが逃げて、話もしてくれなくて!」

 

 めぐみは涙を拭う。

 

「それなのに、フォーチュンがいるからひめはいらないとか……そんなこと言われる方が悲しいよ!」

 

 ひめの瞳から、また涙が溢れた。

 

「だって……」

 

「何?」

 

「怖かったんだもん!」

 

「うん」

 

「言ったら嫌われると思った!」

 

「うん!」

 

「めぐみと友達じゃなくなるのが嫌だった!」

 

「だったら逃げないでよ!」

 

「怖かったんだから仕方ないじゃん!」

 

「こっちだって怖かったよ!」

 

 二人とも泣いていた。

 

 子供のように。

 

 言いたいことを全部、綺麗に整理する余裕などない。

 

「ひめのばか!」

 

「めぐみだってばか!」

 

「ばかって言った方がばか!」

 

「先に言ったのめぐみじゃん!」

 

「そうだけど!」

 

「何それ!」

 

 二人の声が空き地へ響く。

 

 その少し離れたところに、ゆうことリボンが到着していた。

 

 ゆうこは止まる。

 

 リボンも何も言わない。

 

 少し遅れて悠も来た。

 

「大森さん」

 

「うん」

 

 ゆうこは小声で言う。

 

「今は待とう」

 

 悠は泣いている二人を見る。

 

「愛乃さんも泣いてる」

 

「泣く時もあるよ」

 

「追いかけて怒って、泣いて……それでも友達?」

 

「うん」

 

 悠は少しだけ不思議そうに眺めていた。

 

 ★★★

 

 泣くだけ泣いたあと。

 

 三人は空き地の端に座っていた。

 

 ゆうこが持ってきた水筒を渡す。

 

「飲む?」

 

「……うん」

 

 ひめは受け取り、一口飲んだ。

 

 目は赤い。

 

 めぐみも隣で鼻をすすっている。

 

 ゆうこが二人の間に座った。

 

「少し落ち着いた?」

 

「たぶん」

 

 めぐみが答える。

 

「私も……」

 

 ひめは水筒を見る。

 

 悠とリボンは少し離れた位置にいる。

 

 悠は会話へ入らない。

 

 ひめ自身が話すべきことだと思ったから。

 

 めぐみが尋ねる。

 

「ひめ。どうしてアクシアを開けたの?」

 

 ひめの肩が僅かに強張る。

 

 それでも、今度は逃げなかった。

 

「……気になったの」

 

「気になった?」

 

「お城の奥に、絶対開けちゃダメって言われてる箱があった」

 

 ひめは膝の上で手を握る。

 

「小さい頃からずっと聞かされてた。近づいちゃダメ、触っちゃダメ、絶対開けちゃダメって」

 

 声が震える。

 

「だから……何が入ってるのか、知りたくなった」

 

 めぐみもゆうこも黙って聞く。

 

「本当に、ただそれだけだった」

 

 ひめの目からまた涙が落ちる。

 

「世界を不幸にしたかったわけじゃない。誰かを傷つけたかったわけじゃない。でも……開けたのは私」

 

「うん」

 

 ゆうこが静かに頷く。

 

「私が悪いんだよ」

 

 めぐみは少し考えた。

 

「開けたのは悪かったと思う」

 

 ひめが目を伏せる。

 

「でも」

 

 めぐみは続ける。

 

「中に入ってた幻影帝国が、今みたいにみんなを不幸にしてるのは幻影帝国が悪いよ」

 

「でも、私が出さなかったら──」

 

「そうかもしれない」

 

 ゆうこが言う。

 

 ひめがゆうこを見る。

 

「でも、ひめちゃんがこれから何をするかまで、あの時のひめちゃんだけで決まるわけじゃないと思う」

 

「……」

 

「ひめちゃんは今、プリキュアとして戦ってるでしょう?」

 

「でも、それは自分でやったことの後始末だから……」

 

「それでも戦ってる」

 

 ゆうこの声は柔らかい。

 

「怖くても戻ってきた。ブルースカイ王国にも帰った。お父さんとお母さんを助けたいって思ってる。それは今のひめちゃんが選んでることだよ」

 

 めぐみがひめの手を握る。

 

「あたしは今のひめと友達になったんだよ」

 

「めぐみ……」

 

「アクシアを開けたことを知らなかったのは本当。でも、知ったからって全部変わるわけじゃない」

 

「……本当に?」

 

「本当!」

 

「フォーチュンの方が強いよ」

 

「何でそこで比べるの!?」

 

「だって!」

 

「強いとかじゃないよ!」

 

 めぐみはひめの両肩を掴む。

 

「ひめはひめ!」

 

 ひめの顔がまた崩れた。

 

「めぐみーっ!」

 

 抱きつく。

 

「うわっ!」

 

 二人で泣く。

 

 ゆうこは少し笑いながら、その背中を撫でた。

 

 悠は離れたところから見ていた。

 

 胸の中にあった怒りは、まだ完全には消えていない。

 

 だが。

 

 ひめが泣きながら話した言葉を聞いて、形が少し変わった。

 

 故意ではなかった。

 

 だから何も悪くない、とは思わない。

 

 それでも。

 

「白雪さん」

 

 呼ぶ。

 

 ひめが涙だらけの顔で振り返る。

 

「……何?」

 

 悠は少し近づいた。

 

「僕も、どうして開けたのか聞けた」

 

「うん」

 

「まだ怒ってる」

 

 ひめの顔が少し曇る。

 

「……うん」

 

「でも」

 

 悠は続ける。

 

「まりあなら、白雪さんをずっと責め続けるのかなって考えた」

 

 ひめが目を見開く。

 

「分からなかった」

 

「え?」

 

「僕は、まりあが何て言うか分からない」

 

 知っていると思っていた。

 

 自分を助けた人だから。

 

 でも、結婚式で初めて知った。

 

 まりあにも自分の知らない顔がたくさんあった。

 

「だから、まりあの代わりに白雪さんを許すとも、許さないとも言えない」

 

 ひめは黙って聞く。

 

「僕が言えるのは、僕のことだけ」

 

 悠はひめを見る。

 

「僕は、白雪さんと今まで通り話したい」

 

 ひめの目からまた涙が落ちた。

 

「……それ、ずるい」

 

「何が?」

 

「そういうの、泣くじゃん」

 

「もう泣いてるよ」

 

「そういうことじゃない!」

 

 ひめは袖で涙を拭う。

 

 それでも、少し笑った。

 

「ありがと」

 

 悠は頷く。

 

「うん」

 

 リボンも我慢できず飛び込んだ。

 

「姫ーっ!」

 

「リボン!」

 

「よかったですわー!」

 

 四人の声が重なる。

 

 悠は少しだけ後ろへ下がった。

 

 その輪の中心へ入る必要はない。

 

 でも、外へ消える必要もない。

 

 同じ場所に立っていればいい。

 

 そう思った。

 

 ★★★

 

 その頃。

 

 いおなは一人で町を歩いていた。

 

 めぐみの言葉が頭から離れない。

 

『ひめ本人から何も聞いてないでしょ?』

 

 聞く必要はない。

 

 結果は変わらない。

 

 そう思う。

 

 それでも。

 

 赤石悠。

 

『まりあに助けてもらった』

 

『僕も、まりあに会いたい』

 

 あの少年まで、姉を知っている。

 

 自分の知らない場所で。

 

 自分の知らない姉と。

 

「何なのよ……」

 

 考えることが多すぎる。

 

 ぐらさんが隣を飛んでいる。

 

「なあ、いおな」

 

「何?」

 

「腹減った」

 

「知らないわよ」

 

「冷てえなあ」

 

「今考え事してるの」

 

「一人で考えて答え出るのか?」

 

 いおなの眉が動く。

 

「ぐらさんまで、みんなと同じこと言うのね」

 

「だって見てりゃ分かるからな」

 

「何が?」

 

「お前、一人で何でもやろうとしすぎなんだよ」

 

 いおなの足が止まる。

 

「お姉ちゃんがいなくなってから、ずっとそうだろ」

 

「……」

 

「テンダーの分まで強くならなきゃ。ファントムを倒さなきゃ。お姉ちゃんを助けなきゃ」

 

 ぐらさんは珍しく静かな声だった。

 

「でもそれ、お前一人じゃなきゃダメなのか?」

 

「私のお姉ちゃんよ」

 

「だからって、お前だけが助けたいわけじゃないだろ」

 

 いおなは赤石悠を思い出す。

 

 あの少年も言った。

 

 会いたい。

 

「……分からないわ」

 

「分からねえなら、それでいいんじゃねえか?」

 

 いおながぐらさんを見る。

 

「答え出るまで誰とも組まないって意地張るよりよ」

 

 いおなは何も返さなかった。

 

 その時。

 

 遠くで黒い霧が上がった。

 

 一つ。

 

 二つ。

 

 三つ。

 

 さらに。

 

「何!?」

 

 ぐらさんが飛び上がる。

 

 いおなの表情が変わった。

 

「サイアーク……!」

 

 数が多い。

 

 明らかにいつもの襲撃ではない。

 

 プリチェンミラーを握る。

 

「行くわよ、ぐらさん!」

 

「おう!」

 

 紫の光が走った。

 

 ★★★

 

 ぴかりが丘のあちこちで、サイアークが出現していた。

 

 道路。

 

 公園。

 

 商店街。

 

 住宅街。

 

 巨大な影が次々と町を覆う。

 

「多すぎる!」

 

 誠司が避難する人々を誘導しながら叫ぶ。

 

 悠は交差点へ走り、人が残っていないか確認する。

 

 胸のレッドストーンが強く脈打っていた。

 

 普通のサイアークとは違う。

 

 力の密度が高い。

 

 そして、その奥。

 

「ファントム……?」

 

 冷たい気配。

 

 神社で感じたものと同じ。

 

 悠は立ち止まる。

 

「いる」

 

「誰が?」

 

 誠司が振り返る。

 

「ファントム」

 

 誠司の表情が変わる。

 

「場所は?」

 

 悠は目を閉じる。

 

 多すぎる。

 

 サイアークの負の力が町中に散っていて、一つの気配を正確に追えない。

 

「分からない」

 

「めぐみたちに知らせるぞ」

 

「うん」

 

 キュアラインを使う。

 

『ファントムがいる可能性がある。気をつけて』

 

 送信。

 

 その直後。

 

 桃色、青、黄色の光が空へ上がった。

 

 ★★★

 

「世界に広がるビッグな愛! キュアラブリー!」

 

「天空に舞う蒼き風! キュアプリンセス!」

 

「大地に実る命の光! キュアハニー!」

 

 三人が並んでサイアークの群れを見る。

 

 ラブリーが拳を握る。

 

「いくよ!」

 

 プリンセスも頷く。

 

「うん!」

 

 ハニーが二人を見る。

 

「無理に全部一度に倒そうとしないでね」

 

「分かってる!」

 

 ラブリーが走る。

 

 一体目の拳をかわす。

 

 その背後から別のサイアーク。

 

「ラブリー!」

 

 プリンセスが飛び込む。

 

「プリンセス・ボール!」

 

 青い球体が敵の顔へ直撃。

 

 ラブリーが振り返る。

 

「ありがとう!」

 

「今度はちゃんといるから!」

 

「うん!」

 

 プリンセスの顔には、もう逃げる時の影はなかった。

 

 別方向。

 

 ハニーがチョイアークをまとめて押さえる。

 

「こっちは任せて!」

 

 三人が別々に動きながらも、互いの位置を見ている。

 

 一人が危なくなれば、別の一人が入る。

 

 ラブリーが飛ばされる。

 

「きゃっ!」

 

 巨大なサイアークの拳が追う。

 

 その前へ青い影。

 

「させない!」

 

 プリンセスが受け止める。

 

「プリンセス!」

 

「友達なんだから、これくらい当然!」

 

 拳を押し返す。

 

 二人が並ぶ。

 

 ラブリーが笑う。

 

「ひめが友達でよかった!」

 

 プリンセスの目が一瞬潤む。

 

「私も!」

 

 ハニーが後ろから声を上げる。

 

「二人とも、感動するのはあとね!」

 

「はーい!」

 

「分かってる!」

 

 三人が走った。

 

 悠は離れた場所からその姿を見る。

 

 昨日まで。

 

 いや、ほんの少し前まで。

 

 ひめは部屋から出られなかった。

 

 今はラブリーの隣にいる。

 

 人の気持ちは、こんなに短い時間でも変わる。

 

 だから。

 

 いおなも。

 

 そう思った。

 

 ★★★

 

 サイアークは強かった。

 

 通常の幹部が生み出すものより、一体一体の力が明らかに高い。

 

 ラブリーの拳を受けても倒れない。

 

 プリンセスの風を耐える。

 

 ハニーの拘束も力づくで引きちぎる。

 

「本当に強い!」

 

 ラブリーが額の汗を拭う。

 

 ハニーが周囲を見る。

 

「でも、数は減ってるよ」

 

 プリンセスも息を整える。

 

「だったら残りもまとめて!」

 

 再び前へ出ようとする。

 

 ハニーが腕を掴んだ。

 

「ちょっと休んで」

 

「大丈夫!」

 

「息上がってるよ」

 

「でも!」

 

「三十秒だけ」

 

 プリンセスが止まる。

 

 以前なら、そのまま走ったかもしれない。

 

「……分かった」

 

「ラブリーも」

 

「えっ、あたしも?」

 

「めぐみちゃんも」

 

「はい」

 

 二人が素直に呼吸を整える。

 

 悠は少し離れた場所でその様子を見た。

 

 休む。

 

 任せる。

 

 それでも戦いは止まらない。

 

 ハニーが前へ立つ。

 

「今度は私の番」

 

 黄色い光を放つ。

 

「ハニー・スタンプ!」

 

 巨大なクローバー型の光がサイアーク二体を押さえつける。

 

「今!」

 

 ラブリーとプリンセスが再び走る。

 

「ラブリー・パンチングパンチ!」

 

「プリンセス・ゲンコツツインマグナム!」

 

 二方向からの攻撃。

 

 サイアークが倒れる。

 

「よし!」

 

 ハニーがバトンを掲げる。

 

 三人の周囲に光が広がった。

 

「命の光を聖なる力へ! ハニーバトン!」

 

 巨大な四葉のクローバー。

 

「プリキュア・スパークリングバトンアタック!」

 

 光が周囲のサイアークたちをまとめて包み込む。

 

「命よ、天に帰れ!」

 

「サイアーク!」

 

「サイアーク!」

 

 次々と巨体が浄化される。

 

 鏡が砕け、人々が解放された。

 

 町を覆っていた黒い霧が一気に薄くなる。

 

「やったー!」

 

 ラブリーが両手を上げる。

 

 プリンセスも笑う。

 

「勝った!」

 

 ハニーが息を吐く。

 

「お疲れさま」

 

 三人が顔を見合わせた。

 

 ひめは、その二人を見る。

 

 友達がいる。

 

 背中を任せられる。

 

 自分は一人ではない。

 

 その実感が胸へ広がった。

 

 そして。

 

 別の誰かが頭に浮かぶ。

 

「……フォーチュン」

 

 ラブリーが見る。

 

「どうしたの?」

 

「フォーチュン、今一人なんだよね」

 

 さっきまでなら、怒られたことばかり考えていた。

 

 でも。

 

 一人は怖い。

 

 逃げた自分だからこそ分かる。

 

「大丈夫かな」

 

 ハニーの表情も変わった。

 

 ラブリーはキュアラインを見る。

 

「連絡してみる!」

 

 応答なし。

 

 もう一度。

 

 出ない。

 

 プリンセスの胸に嫌な予感が走った。

 

「フォーチュン……」

 

 その時。

 

 悠が走ってきた。

 

「愛乃さん!」

 

「赤石くん!」

 

「ファントムの気配があった」

 

 三人の表情が変わる。

 

「どこ!?」

 

「分からない。サイアークが多すぎて追えなかった」

 

 プリンセスの顔から血の気が引く。

 

「フォーチュンは!?」

 

「分からない」

 

「そんな……!」

 

 悠は胸へ手を当てる。

 

 サイアークが消えたことで、町の中の負の力が急激に減っている。

 

 今なら。

 

 目を閉じる。

 

 探る。

 

 遠い。

 

 だが、あの冷たい気配が移動している。

 

 ぴかりが丘から離れていく。

 

「……遠ざかってる」

 

「ファントムが?」

 

「うん」

 

 さらに。

 

 その近く。

 

 紫色の光。

 

「もう一人いる」

 

 プリンセスが息を呑む。

 

「フォーチュン……?」

 

 答えは出なかった。

 

 ★★★

 

 少し前。

 

 町の反対側。

 

 キュアフォーチュンは一人で三体のサイアークと戦っていた。

 

「はあっ!」

 

 一体の拳をかわす。

 

 脇腹へ蹴り。

 

 着地。

 

 二体目。

 

 拳を受け流す。

 

 三体目の攻撃。

 

 避ける。

 

「まだ!」

 

 一人でも戦える。

 

 そう思っている。

 

 いや。

 

 そう思わなければならない。

 

「プリキュア・スターダストシュート!」

 

 紫の星が一体を包む。

 

 浄化。

 

 残り二体。

 

「次!」

 

 フォーチュンが走る。

 

 その様子を、高い建物の上から白い男が見ていた。

 

 ファントム。

 

「一人か」

 

 静かに呟く。

 

 フォーチュンは二体目を倒す。

 

 最後の一体。

 

「これで!」

 

 拳を叩き込む。

 

 巨体が後退する。

 

 だが。

 

 白い斬撃が横から飛んだ。

 

「!」

 

 フォーチュンは飛び退く。

 

 サイアークの身体が真っ二つに切られ、そのまま霧となって消えた。

 

「何……」

 

 白い姿が地上へ降りる。

 

 フォーチュンの表情が変わる。

 

「ファントム!」

 

 拳を構える。

 

「探す手間が省けたわ」

 

 ファントムは武器を抜く。

 

「俺も同じだ」

 

「今度こそ……!」

 

 フォーチュンの全身から紫の光が溢れる。

 

「お姉ちゃんを返して!」

 

 一直線に突進。

 

 ファントムは剣で受ける。

 

 衝撃。

 

 地面が割れる。

 

 フォーチュンは止まらない。

 

 拳。

 

 蹴り。

 

 回転。

 

 以前より速い。

 

 サッカーで。

 

 ラブリーたちと戦って。

 

 少しずつ戦い方が変わっている。

 

 ファントムの剣が頬を掠める。

 

 それでも前へ。

 

「はああっ!」

 

 拳がファントムの肩を掠めた。

 

 ファントムが僅かに後退する。

 

「少しは強くなったようだな」

 

「まだよ!」

 

 フォーチュンが追う。

 

「お前の姉も、そうだった」

 

 動きが止まった。

 

「……何?」

 

 ファントムは静かに言う。

 

「キュアテンダー」

 

 フォーチュンの表情が変わる。

 

「お姉ちゃんを……知ってるのね」

 

「知っている」

 

「どこにいる!」

 

「知りたいか?」

 

 ファントムは背を向けた。

 

 フォーチュンの拳が震える。

 

 罠。

 

 そう思う。

 

 それでも。

 

 姉。

 

「待ちなさい!」

 

 ファントムを追う。

 

 紫と白の光が、ぴかりが丘の空から消えていった。

 

 ★★★

 

 やがて。

 

 風景が変わる。

 

 岩山。

 

 荒れ果てた地面。

 

 空には暗い雲。

 

 フォーチュンは足を止めた。

 

「ここは……」

 

 周囲を見回す。

 

 巨大な岩壁。

 

 その表面に。

 

 鏡。

 

 一枚。

 

 二枚。

 

 十枚。

 

 数え切れない。

 

 そのすべてに、プリキュアが閉じ込められている。

 

 フォーチュンの呼吸が止まった。

 

「何……ここ……」

 

「プリキュアの墓場」

 

 ファントムの声。

 

「俺が倒したプリキュアたちが眠る場所だ」

 

 フォーチュンは鏡を見回す。

 

 見知らぬプリキュア。

 

 世界各地の戦士たち。

 

 そして。

 

「お姉ちゃん!」

 

 走る。

 

 一枚の鏡。

 

 その中。

 

 紫と白を基調とした衣装。

 

 目を閉じた女性。

 

 キュアテンダー。

 

「お姉ちゃん!」

 

 鏡へ手を伸ばす。

 

「お姉ちゃん! 私よ! いおなよ!」

 

 返事はない。

 

「起きて……!」

 

 拳で鏡を叩く。

 

「お願いだから……!」

 

 傷一つつかない。

 

 ファントムが背後に立つ。

 

「無駄だ」

 

 フォーチュンが振り返る。

 

 涙の浮かんだ目。

 

「返して」

 

「できない」

 

「お姉ちゃんを返して!」

 

「俺を倒せばいい」

 

 ファントムは剣を抜く。

 

「できるものならな」

 

 フォーチュンの表情から涙が消える。

 

 怒り。

 

 憎しみ。

 

 姉を取り戻す。

 

 そのためだけに積み上げてきた力。

 

「望むところよ」

 

 拳を握る。

 

「私は、このために強くなった!」

 

 ファントムへ向かって走った。

 

 誰もいない荒野。

 

 誰の声も届かない。

 

 一人きりで。

 

 その戦いが始まった。

 

 ★★★

 

 ぴかりが丘。

 

 悠は空を見ていた。

 

 胸の奥にあったファントムの気配が、突然遠くへ消えた。

 

「見失った」

 

 プリンセスが唇を噛む。

 

「フォーチュンも?」

 

「たぶん一緒」

 

「そんな……」

 

 ラブリーがプリンセスの肩へ手を置く。

 

「探そう!」

 

「うん!」

 

 ハニーも頷く。

 

「まずブルーさんのところへ戻ろう。何か分かるかもしれない」

 

 悠はまだ空を見る。

 

 ファントム。

 

 いおな。

 

 まりあ。

 

 胸のレッドストーンが嫌な速さで脈打っている。

 

「氷川さん……」

 

 ほんの少し前。

 

 自分は、話せるところから話すと約束した。

 

 いおなも。

 

 まりあへ会いたいと知っている。

 

 その相手が今。

 

 ファントムと一緒にいる。

 

「相楽君」

 

「何だ?」

 

「急ごう」

 

「ああ」

 

 悠は走り出した。

 

 今回は。

 

 一人で探しに行かない。

 

 ファントムを追える気がしても。

 

 完全な姿へ戻れば何か分かるかもしれなくても。

 

 先に伝える。

 

 先に仲間と動く。

 

 その選択をしながら。

 

 それでも胸の奥では。

 

 三百年前から知っている名前を、何度も繰り返していた。

 

「まりあ……」

 

 次回予告

 

 フォーチュン:

「お姉ちゃんを返して!」

 

 ファントム:

「力の差も分からないか」

 

 ラブリー:

「フォーチュンが危ない!」

 

 プリンセス:

「助けに行く! 今度は私が逃げない!」

 

 悠:

「ファントムの気配が遠すぎる……でも、何か残ってる」

 

 ブルー:

「クロスミラールームなら、手がかりを掴めるかもしれない」

 

 プリンセス:

「私のプリカード……全部、フォーチュンにあげる」

 

 悠:

「白雪さん、それはブルースカイ王国を戻すための──」

 

 プリンセス:

「分かってる。それでも今は、いおなを助けたい!」

 

 いおな:

「私の願いは……!」

 

 めぐみ:

「次回、第22話『新たな変身!? フォーチュンの大いなる願い! /願いを渡す姫と、選び直す星』」

 

 ファントム:

「またお前か、黒い異形」

 

 悠:

「……今回は、一人じゃない」

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