俺の終わってるハズレスキル『名字が田中になる』が、ダンジョン配信で不本意にバズってる。 作:閃幽零
9話 いざ地下二階へ!
結局、堅実に、アダムのレベルをあげることにした。
閃化が使える彼女の場合、100あげるのは1000あげるのと同じだからね。
コスパが段違い。
40億使って、彼女のレベルをカンストまで上げた。
最上級配下であるアダムは、5000がカンストらしい。
もともと1200だから5200になったが、切り捨てではなく、上限が上がった際に反映されるらしい。
まあ、その辺の細かいことは今はいい。
それよりも、これで、『最大レベル50000』の配下が誕生した。
さすがに10000の敵は秒殺だろう。
結局のところ、問題は次だ……
「レベル530000は……無理だぞ……」
やっぱり、何かしらの幸運にかけてガチャを回した方がよかったかなぁ……
どうする……どうしたらいい……
と、必死に考えてみるものの、
なんの策も思いつかないまま、
そんなにバズらない日々を過ごしていく。
……え、大丈夫か、これ……
★
この日のダンジョン配信は、猛田の提案で、地下二階に挑戦しようという話になった。
ちなみに、ちょっと前に、ジュリアがガードナーをぶっ飛ばしているが、
改造モンスターと同じで、ガードナーも一日たてば復活する。
今は元気に門番中。
ちなみに、猛田対策で、剣減領域ランク10が使える田中ワルイーコは、ガードナーと一緒に配置してある。
俺たちは、これまで、『とりあえず、まずは一階をくまなく探索してみよう』という精神で、一階だけを延々と歩き回っていたわけだが、さすがに、代わり映えしない光景に、再生数も普通に落ち始めてきたため、
「やっぱ、そろそろ上がるしかねぇだろ!」
ということになったわけである。
特に反対意見もなかった。
みな、内心、そろそろかなと思っていたのだ。
全員、準備を完璧に整えた上で、
地下二階へと続く階段のもとへと向かった。
たどりつくと、田中ガードナーと、田中ワルイーコが待っていた。
すでに一度、ガードナーを倒しているジュリアはもちろん、
あれから大きく成長した猛田は、
「いつぞやの借りを返させてもらうぜ……あの時はよくも恥をかかせてくれたな……」
そう言いながら前に出る。
猛田を前にしたワルイーコは、当然、すぐさま、
「剣減領域ランク10」
猛田対策を打つのだが、
「ふははは! バカの一つ覚えめ! 死ねや、爆王剣!!!」
お前もバカの一つ覚えで、最近はそれしかやってないけどな。
などと思っている間に、ワルイーコが真っ二つにされてしまった。
……猛田の爆王剣は、『剣スキルを低下させる技』に強い。
こうなってしまえば、もう猛田の独壇場。
ガードナーでは太刀打ちできない。
「爆王剣!!」
バカの一つ覚えで振り下ろされた一撃。
あっさりと、ガードナーを真っ二つ。
「へっ……これが本来の実力差よ」
調子コクな、ボケ。
図にのっていられるのは今のうちだけだ。
すぐに絶望を味わわせてやろう……くっくっく……
★
地下二階へと進む階段を下りている間、
同接の数がすさまじい勢いで上がっていく。
ガードナーとの闘いの時は、300万ぐらいだったが、
階段の中腹まで来た段階だと、
「お、1億こえた……」
視聴者の現金な嗅覚には、いつもながらあきれ返る。
面白そうな気配を感じ取って、夏の虫が街灯に吸い寄せられるようにドドっと集まった。
「2階はどうなっているのかな?」
とムードメーカーの坂田がそう言った。
ここは俺が答えておく。
「灼熱地獄になっているに1ペリカ」
「ゲームとかだと、そういうのあるあるだよな」
「ドラ〇エとかなぁ」
「最近、ゲームやってねぇなぁ」
「今度、うちで桃鉄する?」
などと、そんな若々しい雑談もいいスパイスになっているようで、
同接の数がさらに増えていく。
最下段が見えてきた。
大きな扉があって閉じられている。