俺の終わってるハズレスキル『名字が田中になる』が、ダンジョン配信で不本意にバズってる。 作:閃幽零
22話 最後のプレゼン。
ある程度、ロキたちの攻撃をいなしてから、
ゾーコは、ロキたちに向けて、手をかざす。
「霊波」
――次の瞬間、ロキたちは、揃って弾き飛ばされていた。
「ふぉっふぉっふぉ。死んでおらんな。……3人とも、レベル5万とは……なかなか見事な戦力じゃのう」
ゾーコが相手では、やはり相手になっていない。
しかし、ロキたちのレベルも、最大の5000まであげた。
閃化した際のレベルは5万。
十分に魅力的な力を持っている。
殺すより従えた方がいい……と、認識させられるはず。
「レベルはともかく、戦闘力(戦闘技術)はそこまでかのう……可もなく不可もなしといったところか……」
ゾーコが、三人の査定を終えたぐらいのタイミングで、
「ゾーコ陛下! 今度はアダムと戦っていただけませんか! 今度はタイマンでお願いしたい! ロキ、ジャンヌダルク、ゲムゥシャ、いったん、かえってこい!」
命令に従い、三人は俺のもとに戻り、アダムが前に出る。
ゾーコは、俺の意図をすでに理解しているようで、
「ふむ……王として、なかなかの器といえる。レベルが異常に低いのが気になるが……それは何かしらのアリア・ギアスかのう」
そう言ってから、視線をアダムに固定させる。
「ほう……これは、これは……レベルだけではなく、立ち居振る舞いも完璧ではないか……」
少女の姿をしたゾーコが、すっと、間合いを詰めた。
アダムも、迎え撃つように、前へ出る。
最初の一撃は、拳と拳。
ぶつかった瞬間、衝撃波が周囲の地面を波打たせた。
「――ッ!」
アダムが、間髪入れずに、二撃、三撃と畳みかける。
その一つ一つが、常人であれば、掠っただけで消し飛ぶような威力。
だが、ゾーコの霊体は、その全てを、涼しい顔で受け流していく。
「ほほう、速いのう」
言葉とは裏腹に、その動きに、まるで焦りが見えない。
アダムの拳を、指先一つで弾き、蹴りを、体をわずかに傾けるだけでかわす。
――どんどん、アダムの息が、あがっていく。
閃化状態のアダムは、レベル7万。
別次元の強さを持った女神。
なのに、ゾーコには、その一撃一撃が、まるで通らない。
「これはすごいのう。そなただけは別格じゃ。信じられないほどの練度……もしレベル差がなければ……負けていたかもしれんのう」
褒め言葉のはずなのに、その声には、恐ろしいほどの余裕が滲んでいた。
アダムの動きが、少しずつ、鈍くなっていく。
肩で息をし、額に、玉のような汗が浮かぶ。
それでも、彼女は、決して足を止めなかった。
何度弾かれても、何度かわされても、次の一撃を、また、繰り出していく。
「……ぐっ」
やがて、放った拳が、あっさりと片手で受け止められた。
そのまま、アダムの体を、思いっきり地面にたたきつけるゾーコ。
「アダム!」
俺は、思わず、声をあげていた。
彼女は、すぐに体を起こそうとするが、うまく力が入らないのか、片膝をついたまま、動けずにいる。
「ここまでのようじゃな……ふむ。素晴らしい強さであったぞ。アダムとやら」
そこで、俺は、ダっとゾーコの近くまで駆けていき、
その足元で、ジャンピング土下座をしながら、
「ゾーコ陛下! 私の首一つで! ここは勘弁願えませんでしょうか! 私の配下は、そのまま陛下にお引継ぎいたします! どうぞ、自由に使役してやってください! できれば、多少の配慮をたまりますと、それに勝る喜びはございません」
「自分は死んでも、配下だけは助けてほしい……と?」
「どうか! ぜひとも! この者たちは、あなた様に逆らいません! あなた様ほどの高みに逆らえる者などいましょうか! どうか、ぜひとも! 殲滅ではなく、支配をしていただきたい!」
「ふぉっふぉっふぉ」
と、ゾーコは楽し気に笑ってから、
「だめじゃ」