応援よろしくお願いします。
涼介が話を終える、静寂が部屋に満ちる。
誰も話を切り出せなかったが、その中にも切り出すものが居た。
「リョウスケ、結局その人とはどうなったの?」
「今は話したくない…必要な事しか話すつもりないんだ」
「む~~」
頬を膨らませ、怒るアイズを宥める涼介はどこか少しスッキリとした表情をしている。
リリルカは少し納得しつつも全てを聞けないのが悔しくなったが、少しは聞けたから良しとしようとした…
全員が続きを聞く事を諦めようとしていた頃に、ベルが爆弾を投げる。
「師匠、それじゃあ続きは聞けなくても良いんですけど、一つだけ聞きたいです…」
「うん?良いぞ?」
「その人と恋人だったんですか?」
ピシリ…と空気が固まる。
女性陣全員が気になっていた事、聞きたかったけど聞くのはがっついてるように思える為に聞かなかった事だった。
「あん?そんな事か、付き合ってたよ…昔な…」
懐かしむような彼の言葉を聞いて、続きを聞くことは誰も出来ないのであった…
(皆を守る英雄を誰が守るのか…難しいですね…私に出来るでしょうか…)
一人だけ踏み込んだ考えをしている女性が居たが、誰かは今は言わないでおこう…
―――――
アイズがホームから去り、全員がゆったりとした雰囲気になった時に涼介からベルに渡される物があった。
シルから受け取った魔導書だ。
「プレゼント、魔法を覚えられるらしいぞ。結構高いんだからありがたく思いなよ?」
「師匠…ありがとうございます‼」
「コレ読んで強くなって守りたいもん守れよ?」
「…はい‼」
この間のナイフから続き、新しいプレゼント。
今のベルに必要な物だろうと考えて以前シルから受け取った物だが、少しやってしまったと考える涼介。
(リリにプレゼントなんもないじゃん…それにヘスティアやリューにも…お菓子位しかないぞ…)
そう、リリルカと仲直り出来た喜びからプレゼントの類を忘れてしまうという彼らしくないミス…
そんな少し申し訳なさそうにする彼に三人を代表するようにヘスティアが優しく諭す。
「皆仲良くしてくれるならボクはプレゼント無くても大丈夫さ‼それに今回はベル君の番なだけで、ちゃんと欲しい時はくれるって信じてるよ‼」
「ヘスティア…ありがとう…」
申し訳なさそうにしていたベルの肩をリューが手を添える。
「クラネルさん、気にしなくても良いのですよ。ヘスティア様が言ったように今回はクラネルさんの番なだけです。」
「そうですよ、ベル様。甲斐性なしって思うのはリョウスケ様だけです、だからベル様が気にする必要ないですよ‼」
グサリと言葉のナイフが涼介に刺さる。
仲直り出来たと思っていたリリルカからの一撃の為に彼は血を吐く。
止めようとしたリューも何か思うところがあったのか…
「そうですね、アーデさんの言う通りです。最近のリョウスケさんは甲斐性無しですね。釣った魚に餌…ちゃんとあげてます?」
グサリと次弾の言葉のナイフが突き刺さる…ヘスティアに寄りかかる涼介。
「皆、リョウスケ君だって…リョウスケ君だって…最近なんか他の女の子の所ばかり行ってる気がする…ボクは結構放置されてる気がするよ」
涼介が打ち上げられた魚みたいにピクピクと浅い呼吸で倒れこむ。
「あの…皆さん良いんですか?師匠これまでに見たことない位ピクピクしてますよ?」
ベルがそう言って指差す方には情けない姿を晒す師匠が居た、こんな師匠見たくなかった…そう思うも女性陣に強く言えば次に標的になるのは自分だ…と察したベルは深く言えなかった。
「いいんです、たまにはきつく言わないとダメでしょうし」
「リュー様の言う通り、たまには厳しくするのも大事でしょうね…」
「うーん、と言っても結局こっちがコントロールするのは無理だろうけどね…」
三者三様の反応…概ねリューとリリルカの反応は似たようなものだったが、ヘスティアは長く生きた分…神々の恋愛模様等を長く見ていた分を活かし洞察していた。
実際正解はヘスティアの言う通り、その内ゼウスの後継者と言われてもおかしくない青年をコントロールするのは難しいだろう…
ジトっとした目で三人が涼介を見ている空気に耐えられず、ベルは師匠に問いかける。
「師匠、この魔導書読んでも良いですか?それとも一人で読んだ方が良いでしょうか?」
ふざけた態度を直した涼介は、真剣に考え込む。
実際に魔導書を使ったことのある人間はこの場に居ない…ならばと探すのも大変だ。
わざわざ魔導書を使ったと自分で公言する人間は居ないだろう…
危険が無いようにどうするべきか…
「ベル、自分の部屋の倒れこんでも大丈夫なベッドとかで読んでみるといい」
「ベッド…ですか…?」
「俺も詳しくないが、魔法を覚える過程で意識が飛ぶこともあるかもしれない…その場合倒れるだろうからベッドの上で読むのが一番だろ。俺は魔導書を使ったことないから解らんが多分それが良いと思う」
「…わかりました‼ありがとうございます‼」
ドタバタと走り去る少年を見て彼はホッとした表情を見せる。
子供が気を使いすぎても大人には簡単に見抜けてしまうし、意味の無い事だと思っていた涼介にとっては体よく方向修正出来ただろう…
ベルと言う少年がどんな魔法を手に入れるのか…そして怪物祭で貰ったナイフと合わせてどんな物語を紡いで行くのか…それが今の涼介にとっての最大の関心だった。
「さて…晩飯どうするかな?」
残った三人と相談してまずは晩御飯をどうするか決める涼介であった…
短いけど区切り良く切ろうとしたらこうなりました。
なんか書いて欲しいあとがきのネタがあれば感想にどうぞ。
楽しめてる?
-
面白いよ、このまま進め。
-
もうちょい精進しても良いんじゃよ?